忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ザ・ボーダー  下」ドン・ウィンズロウ (ハーパーBOOKS)



「いったいどうしてこんなことになったのか」
もちろん要因は一つではない。
いくつもの欲と闇が絡み合って構築された泥沼は、
人々の命を絡めとり、呑み込んでいく。
そしてそれは、メキシコの問題であり、アメリカの問題でもある。
犯罪は取り締まるべきもの。
それなのに、その犯罪を正そうとした者たちが、何故こんなにも疲弊しきっているのか。
漂う無力感と虚無感と憤りは、それが現実であることと、
それ故に問い続けなければならないことを物語っている。
アメリカの国民でありながら、メキシコの麻薬組織とアメリカの中枢と戦ったアート・ケラー。
圧巻の物語。

私が読メに登録してきた中で、多分一番分厚い小説。
これを越えるのは京極しか思い浮かばない(笑)
以下ネタバレ。
カランを取り戻したノーラの在り様がとてもカッコよかった。
シレロ、ホントに頑張ったね。お疲れさま。




拍手

PR

「都会のトム&ソーヤ(1) 」はやみねかおる



窮地に陥った時の内人の危機回避能力と言うか
そんな知恵を持っていて、且つ、それを実行するための道具を持ってるって
すごいわー。
いや、すごいのはその知恵を授けたおばあちゃんかしら?
そして内人を諸々の事象に巻き込んだ創也の見識の広さと
リサイクル力もすごい。
廃棄物拾ってきて自力で修理する中学生……。
どっちもスペック高すぎてリアリティは感じられないけど、
楽しく読めるので無問題。
一巻通して物語の序章的な位置づけかな?
お坊ちゃまである創也の御守り役から転職したいと言いつつ、
しっかり子どもたちに付き合ってる卓人が愉快。


姪っ子ちゃんにプレゼントする前に試し読み。
ものすごく本を読む子なんだけど、ラノベ的なモノしか読まない……
というのが妹の悩み。
「みやこちゃんから文学的なもの勧めて…」とは言われたけど、
課題じゃないんだから、読みたくないものは読む必要ないと思うのよね。
文庫が読める年になったら私の本いくらでも貸すよーと思ってるけど、
私の蔵書もジャンル極端なんだったわ(笑)


拍手

「ザ・ボーダー  上」ドン・ウィンズロウ (ハーパーBOOKS)



自らの意思で戦いに臨んだ者の末路は結果はどうであれ全て自業自得だ。
けれども。
望まずに争いに巻き込まれた者にとっては全てが悲劇でしかない。
麻薬戦争。
末端を叩き潰したところで意味がない。
変わりはいくらでもいるのだから。
だから金の流れを断つ。
頭を潰すために。
その判断は間違っていないけど、伴う困難と負うリスクは果てしなく大きい。
アダンは必要悪だったのか?
それは違う。
彼が存在することで安定する世界を構築した者たちこそが混沌の原因。
人生を賭けて戦いに挑んだ者たちの物語。
どんな結末を迎えるのか。
ドキドキしながら下巻へ。

作中で描かれる、かつてニュースで見聞して戦慄した出来事が物語のリアリティを増す。
麻薬組織側は息子たちの時代に移行していっているのに、
一方で最前線で指揮を執るアート。
素晴らしい成果をあげながらも、効果のなかったかつての作戦。
出口のない戦争。
彼が安らげる日はくるのか?来て欲しい。

拍手

「異世界の沙汰は社畜次第3 魔法外交正常化計画」八月八



シリーズ最終巻。
前巻で相思相愛になったアレシュと総一郎。
蜜月展開になるかと思いきや、そうはならないところが二人らしいというかなんというか。
アレシュの溺愛ぶりは相変わらずなのに、諸々自己完結してしまったが故の痴話げんか。
一方の総一郎がアレシュに求めたのが報連相って……彼らしすぎて爆笑。
アレシュが先走った婚約の証はともかく、
二人ともが同じ方向を向いて色々模索していたのにね。
そして総一郎が示した驚くべき行動力。
オトコマエすぎて素敵。
メンタル鋼の二人の恋愛模様がとても楽しかったお借り本。
面白かった!

「八」と書いて「わかつ」と読む。
この作者に出会うまで知らなかったわ~。
取引先の所長のお名前漢字一字での「子」が読めなくて悶々としていたことを思い出しました。
正解は「しげる」さん。
ちなみに私の名前は100%正しく読み取ってもらえる漢字。
妹は100%首を傾げて読めない漢字。
姉妹でも両極端なのです。

拍手

【異世界の沙汰は社畜次第2 教会運営支援計画】八月八



世界平和には八百万の神を!
と、推奨したくなるお借り本。
自分と異なる宗教を認めなくてもいいけど、否定はしない。
そうすれば諍いは減るのにね。
アレシュの溺愛っぷりは明白でも、何とも言い難かった誠一郎の想い。
ここにきて誠一郎側に可愛らしい恋の自覚。
そして、相思相愛になってみれば週一の情事に不平を漏らしたアレシュだけど、
それまでの待てのできるワンコぶりに惚れ惚れするわ。
そこに在る自分が打ち込める何かがある。
それって、自分の存在意義を認識するうえで大事なこと。
誠一郎も優愛も異世界での頑張りっぷりが素晴らしいと思うわ。

次巻で完結。
元いた世界へ戻る道を模索する彼らがどう決着をつけるのか。
とても楽しみ。
自分が異世界に飛ばされたとして。
そこにメガネはあるのかないのか。(コンタクトは期待しない)
そもそもの死活問題はそこだなーと思ってみました。
裸眼で日常生活って無理―!



拍手

「宮廷神官物語 五」榎田ユウリ(角川文庫版)



宮中には陰謀を巡らす大蛇あり。
ひっそりととぐろ巻いてる感が気持ち悪い。
そして。
宮中には腹を出して眠る白虎あり。
ハク半端なく可愛い。
一時的に難を逃れ、修行に励むために故郷へ戻る天青。
満身創痍の極限に近い状態で問われた「欲しいもの」。
天青らしい答えと、その答えに至った心理を見事に読み問いた鶏冠との絆が嬉しい。
陰湿なゴタゴタが絶えない宮中の諸悪の根源は王様なんじゃ?と言いたくなるポンコツぶり。
いっそ引退!と思っても、それができないことが今の大問題なんだった。
誰もが傷つかない方法がないのであれば。
せめて必要最小限の傷で済んで欲しいと思うわけだけど。
さて、どうなる?

虎!
虎が見たい!動物園行きたい!
でもちびっこが遠い……
姪っ子ちゃんたちにはもう一年近く会ってないなぁ。
近くの甥っ子ちゃんたちは動物園っていう歳ではなくなってしまった。
自分も現状で停滞することなく、いつまでも何かしらの成長を遂げていたいなぁ。


拍手

「異世界の沙汰は社畜次第 聖女召喚改善計画」八月八



【再読】
絶対残業しないよー!と意気込んだものの、残業になり。
1.5日分くらい働いた気分でもう今日は読書無理ー!と帰ってきたわけですが。
そんな時こそ社畜の話!(多分違う)と読み始めたら、
一気に読み切ってしまったお借り本。
やっぱこの話、好きだわー。
ワーカホリックの誠一郎との出会いはアシュレにとって未知との遭遇。
誠一郎の行動が斜め上すぎて目を剥きつつ、命の危機とばかりに世話を焼きつつ、
気づけば囲い込むように溺愛しているところがもう最高。
見た目はしなやかな猫科の肉食獣でありながら、中身が大型犬って超最高。
ラブの進展を期待しつつ次巻へ。

睡眠削っても読みたい本が手元にあるって素晴らしい。
誠一郎みたいに仕事しすぎて睡眠が足りなくなることはまずないけど、
本を読みたいから寝たくないっていうのはしょっちゅうです。(笑)
平日は4時間睡眠でも平気かなー。

拍手

「宮廷神官物語 四」榎田ユウリ(角川文庫版)



そんな宮中になんかいる必要ないし、そんな国なんて救う必要ない。
ひたすらイラっとしていたから、
いっそ宮中を離れてくれてスカッとしたわ。
そもそも、そこを出る羽目になったきっかけも、天青自身がやらかしたことが発端。
駆け引きもできず、周囲を振り回すだけならいっそ早いうちに離れるのもありだと思う。
戦うためには何が必要なのか。
どうしたらいいのか。
敵陣に踏み込むのはそれを把握してからだ。
幸い、心強い味方が旅を共にしてくれる。
張り巡らされた伏線がたくさん。
色々と想いを巡らせてみるけれども……推測はどこまで的を射ているかな?
楽しみ♪

気に入らない人を片っ端から殺していく話を読んだ後に、
表面を取り繕いながら裏で足元を掬おうと画策する人たちの話。
休まらない。ちっとも心が休まらない。
ついでに今抱えている仕事もテンテコマイ。
癒しが必要なことに気づいてみました。

拍手

「ザ・カルテル (下)」ドン・ウィンズロウ (角川文庫)



結局。
麻薬組織と戦うためには、ケラーは彼らと同じ土俵に立つしかなかった。
それは必然だと思えることがやるせない。
「憎しみは憎しみさえも打ち負かす」
衝撃の握手。けれども。
そんな憎しみを凌駕した憎しみ。
その先に達成感も高揚感も得られるはずもなく、
疲弊しきった魂が贖いを求める。
それでもなくならない麻薬組織。
逆に言えば、それだけの人が麻薬を求めているということ。
そこに政治権力が絡むから根本的な浄化にはならない。
どうやって戦えと?
「女や子供、罪もない市民を殺さない」
彼に任せてしまえと。
思わ頷きずたくなるではないか。


本作は三部作のうちの第二部。
え?まだあるの?何があるの?どうなるの??
と、この先の物語が全く想像できない。
ここまででも圧倒的な読み応え。
なのに、ホント、これ以上何があるんだろう?
そんな作品を読むことが出来るワクワク感半端ない。

拍手

「宮廷神官物語 三」榎田ユウリ(角川文庫版)



権力欲しい、高位に立ちたい、と手をあげている輩に国を任せたら、絶対に立ち行かなくなる。
やってみるがいい、と、その座を明け渡すには、迷惑を被る民が気の毒すぎる。
そして王様、大事な時に職務放棄ってダイジョブですか?
おかげで若い藍晶王子が敵味方を識別するために策を弄し、
鶏冠が命がけで儀式を執り行う羽目になる。
とばっちりは普通の虎にペイントで擬態させられた白虎のハク。
相変わらずハクは癒し。可愛いなぁ。
百聞は一見に如かず。
隷民の暮らしを知り、成長著しい天青。
同じ国の在り様を目指す仲間たちとこの先どんな道を歩んでいくのか。
ハラハラしながら次巻へ。

腹に一物ありありな人たちに囲まれての生活。
うっっ……休まらない。
それにしてもみんな若いなー。
その若さで背負わなければならないものの重さって半端ない。
ホワイトベースの艦長になった時のブライトさんもまだ19歳だったのねーと
何故かしみじみ思い出しました。若かった……









拍手

  

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 5 6 7 8
11 12 13 15 16
18 19 21 23
24 25 26 27 28 29 30

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]