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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「雪よ林檎の香のごとく」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



【再読】
一穂さんらしい綺麗で独特な言葉で構築される、透明な世界。
再読でも読後に尾を引く余韻が半端ない。
心地よいため息。
どこから生まれてくるのかわからないけれども。
気づいたら抱えている「好き」の気持ち。
それを意図的に殺してしまうことはできない。
だから抱え続ける。
そんな志緒の想いが解いた、桂の孤独な決意。
誰かと共に生きていけること。
その幸せをかみしめる。
栫に立ち向かったりかちゃんはかっこいいし、
栫に馬鹿っぽい啖呵を切った桂に笑う。
散々に傷ついた後に手にした光。
幸せになる権利は誰にだってある。
そのことを忘れないで。

続編を読むために再読。
積みっぱなしの同人誌が段箱にひと箱じゃすまない現実に戦慄する身としては、
一冊の本にまとめてくれたのは大変ありがたい。
いや。
同人も商業も読めてない現実は一緒?
買って満足する…という現状をどうにかしないと、積読は減らないよね。
頑張ろう、私(笑)

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「岳飛伝 10 天雷の章」北方謙三 (集英社文庫)



水上での懸念が杞憂に終わってほっとしたのも束の間。
陸上では凄惨な死闘が繰り広げられてしまった。
過去を乗り越え、やっと心落ち着ける場所にたどり着けたのに。
王貴、王清、蔡豹。
かつて共に過ごした男たちの恋は悲喜こもごも。
娘を嫁に出し、父親としての複雑な思いを抱く岳飛が可愛い。
何故『岳飛伝』なのか。
ここまで読み続けてようやく腑に落ちた10巻。
梁岳道という名づけられた道が体現しているように、梁山泊と共闘する岳飛を書きたかったんだ、という北方の浪漫思考の表れ。(多分)
派手な色の着物を身に着ける蕭炫材。粋だね。


東南アジア感満載で象まで出てきましたよ。
私も乗せてもらったことある~~!と、勝手に親近感。
あの高さからの視界はなかなかでした。
象、駱駝、馬、ポニーは試乗(?)体験済み。
どの動物さんにも乗ったというのではなく、乗せていただきました(笑)
馬で草原を疾駆できたら気持ちいだろうなぁ。

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「岳飛伝 9 曉角の章」北方謙三 (集英社文庫)



秦容のストイックな強さが垣間見れて、私が嬉しい巻。
赤騎兵を従えて疾駆する史進はかっこよかった。
新旧の豪傑たちの活躍が随所にみられるけれども、
戦いはまだ始まったばかり。
一番最初に死線に突入するのは水軍なのかな。
張朔と狄成の会話は肩透かしフラグであってほしい。
ジワジワと金国を締め上げる、宣凱の戦略。
候真の胸に芽生えた想いが、彼の命を縮めることにならなければいい。
タイトルは岳飛伝。……ん?岳飛、どこ行った?
と思うくらい、梁山泊&小梁山メンバーが熱い。
岳飛が前面に出てくるときは彼らの姿が欠けていく時なのだろうか?
ちょっと不安。

火薬、羅針盤、そして紙。
そう。紙まで作り始めた小梁山。
宋代の中国三大発明と言われるものを、しっかり梁山泊&小梁山が手にしているところが
なんだか流石だなーと思ってしまった。

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「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集II 」香月美夜



ローゼマイン視点で語られる本編とは違い、
別人物視点で描かれる短編集第二弾。
本編の出来事の補完的な意味合いを含んでいて、
本編をより掘り下げて楽しめる。
個々の短編の前に著者のコメントが入っている構成は
状況理解にお役立ちでありがたい。
今となっては懐かしい時代の話や、
ローゼマイン視点だとなかなか描かれない下町の人たちの想いや生活が伺えることが嬉しい。
巻が進むごとに薄まる下町成分を、がっつり補充させてもらいました。
逆にフェルディナンド成分が足りていないものの、
未読の話も既読の話も楽しく読了。

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「岳飛伝 8 龍蟠の章」北方謙三 (集英社文庫)



確固たる決意。
或いは覚悟。
諦めて備えるのではなく、立ち向かうための静かなる準備。
少しずつ膨張する水のようにジワリと広がっていく戦いの気配。
梁山泊と南宋軍。
どうぶつかっていくのかと思っていたけど、
海での最初の衝突の原因は、実に北方らしいものだった。
岳飛と梁山泊の関係性の落としどころが見えてきたことで、
共闘への期待感が待高まってしまう。
李俊が岳飛に晁蓋や宋江の名を語るシーンが印象的。
固有名詞以上の重さを含むのは、
全ての始まりはこの二人からだったんだよなぁという思いがあるから。
豪傑たちの二世はどう戦うのか。


「さらば」という言葉で柳沢慎吾の顔が浮かんでしまう私は、
何かを決定的に間違えています。
どうしてそうなったんだろう?(笑)

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「ラストナイト」薬丸岳 (角川文庫)



どうにかならなかったのだろうか?と思うけれども。
どうにもならなかったが故の「ラストナイト」。
悔しい思いもやるせない思いも憤りも恨みもいろいろあるだろうけれども。
結局は自らの意思を貫いた男には、多分、悔いはなかったはずだ。
そのために生きてきたのだから。
五人の人物たちの目線で語られる物語。
過去と現在が交差し、次第に明らかになっていく事の真相。
解放された彼。そして、ふとした時に胸を過るであろう蟠りを抱えた彼ら。
止められなかったと、悔やむ必要はない。
ただ、いつの日か、彼の思い出を語ることのできる時が来ればいい。

卵でとじた焼きそば……食べてみたい。
作れそうな気もする。
キムチ焼きそばも美味しいと思う。
「豚キムチ作った!」と言ったら「意外だ!」と言われた。
好物ですけど何か…?(笑)
とはいえ、いろんなの食べるしそれぞれ好きだけど、焼きそばは基本に返ってソース焼きそばが一番好き。




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「岳飛伝 7 懸軍の章」北方謙三 (集英社文庫)



勝手に副題。「岳飛、子猿と心を許し合う」。
その子猿が従者気取りなところがまた可愛い。
そして仲間に背を押されて実を結んだロマンス。
と、微笑ましい描写はありつつも、戦の気配が色濃くなっていく。
不穏な匂いを察する男たち。
仕掛ける方も仕掛けられる方も、戦ありきで捉えてしまっているところが何とも言えない。
回避する、という選択肢はないんだろうなぁ。
岳飛と張朔が対峙するシーンが良いね。
向き合うことで好感度を増していく漢、岳飛。
子猿でポイント加算。
でも私が一番気になっているのは秦容と小梁山の在り様なのです。
キーポイントな気がするんだよ。

次巻で大きく動くかな?
点と点が線になる瞬間を待ち構えているんだけどなぁ。
ここで以降の巻の内容を調べるとネタバレを食らうパターンが多いので、
ぐっと我慢。

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「悪の法則」コーマック・マッカーシー(早川書房)


法に触れることは最初からやっちゃいけない。
やるならすべての段取りを自分自身で。
裏切りや罠はいたるところに存在する。
小説ではなく、映画脚本。
最初は読みづらさを感じつつ、
簡潔な情景描写に逆にリアルに想像力をかきたてられ、
だんだんドキドキしながらのクライマックス。
読後の第一声は一言。
怖っ!
何が怖いって、やっぱり人間がおっかない。
大なり小なりの暴力性はすべての人間が内在しているものだと思う。
だけど、それを他者へ向けられるかどうかは全然別だ。
欲があってこその悪なのか、そもそっもが悪だから悪なのか。
問いかけたところで、彼女の笑い声がきこえてきそうだ。

昔は凄惨な映画も見られたんだけど。
今は怖くて見られない気がする……。
それにしても。
「首なしライダー」と言われるといまだに私は「銀郎奇怪ファイル」を連想するようです。

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「メロウレイン~ふったらどしゃぶり~」一穂ミチ(新書館)



本編その後の短編やSSがぎっしり詰まった一冊。
やさしくてうれしくて、時々ツキンと胸が痛くて。
一顕と整がお互いがお互いを好きだと
改めてしみじみと想う瞬間がとても愛おしくなる。
刻まれた時間の分だけ共有できる思い出が増え、関係を深め、
過去の自分と新たな目線で向き合って、
周囲の人たちとも新たな関係を築いていく。
日常の延長がそこに在って、
しっかりと人生を歩いている彼らの姿に安堵する。
そして叶うならば。
和章のその後もこうやってぎっしり詰まった一冊にしてもらえると嬉しいなぁ。
整が和章の気配をちゃんと感じ取ってくれたことが嬉しかった。


せっかく新刊で買ってるのに、3年半放置したのかーと。
なんだか反省。
そして、もう3年半も経ったのかーと、あまりにも時間の経過が早すぎてびっくり。
時間泥棒がいますよー。←いません。(笑)
同人やペーパーを持っていても、いちいち一冊ずつ引っ張り出すのがめんどくさいので、
一冊にまとめてもらえるととても嬉しい。

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「相棒はJK」榎本憲男 (ハルキ文庫)



表紙とタイトルのイメージから軽い気持ちで読み始める。
特殊能力?なにそれ、胡散臭い。
と、ますます軽めのイメージになる。
ところが。
ところがですよ。
扱ってるテーマは軽々しくなく、むしろ重苦しいものだった。
「間に合わなかったらどうする?」
優先すべきものは明白だけれども。
それを守る手段の是非を即答できない俊輔。
学ぶべきものと学ぶべきではないもの。
それを突き詰めていくのは今後の彼の課題なのかな?
特命捜査係の面々も訳アリばかりで
彼らの過去語りも期待したい。
そして俊輔の恋の行方は?
と、続刊への興味深々。



私は榎本氏は作家買いだから表紙関係なく手を出すけど。
この内容にこの表紙はちょっともったいないなぁ、と思わなくもない。
読者層を狭めている気がして。
まぁ、余計なお世話かな。
続刊の表紙を見たら、ありかな?という気もしてきました。←どっち!?
……というわけで、今月続刊が出るので発売を楽しみに待ちます♪


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