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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「先生のおとりよせ 2」 (クロフネコミックスデラックス)



ハセガワちゃんの腐女子脳にはわかりみしかない。
そうそう。
対自分じゃないの。
だから自分とのツーショはいらないの。
ひたすら原稿やってた時代が懐かしい。
そしてウィルス視点の章、着眼点がとても面白かった。
体内に潜伏する人の選別の仕方に納得。
仲良くケンカしながら美味しいものをシェアするアラフォー二人。
付き合い始めから意外と長い年月経ってたのねー。
美味しものは誰かと一緒に食べることでその美味しさが増すと思うの。
予想通りの引っ越し先に笑う。
別に隣でいいじゃん。
「根っこのところは変わらない」という作家としての榎本の言葉に安堵して読了。
楽しかった!


食べたことのあるお菓子から始まり、
行ったことあるお店のおとりよせで終わるという、
個人的にはザ・ベストな並びでした。
結婚式で歌っちゃダメなやつ。
作中に上がった曲の他に浮かぶのは「ラブイズオーバー」。

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先生のおとりよせ (クロフネコミックスデラックス)



おとりよせグルメに特化した作品かと思っていたけど、
全然そんなことなくて。
おとりよせの紹介とうまくリンクして、
漫画家・小説家・編集の仕事風景がよくわかるし、
初対面第一印象最悪の中田と榎村のコミカルなやり取りが面白い。
そして家族との交流も胸に響く。
ストーリー性も抜群で、
明日美子さんの漫画と榎田さんの小説が交互に展開される、
読んでいてとても楽しい一冊だった。
初っ端の「琥珀」から、あ、美味しいお菓子!とテンションがあがる(笑)
「ハゲ」で爆笑した後にまさか泣かされるとは思わなかった。


「くさや」の実物は神津島で拝んで(?)きました。
でも食べる勇気はなかった(笑)
せっかく行ったのにカメラを持っていくのを忘れて
写真が一枚もない神津島。
また行きたいなぁ……
基本的には美味しいものは現地に行って調達したい派だけど、
ネットが普及した便利な世の中。
それを使わない手はないとも思います。

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「少年しのび花嫁御寮」沙野風結子 (二見シャレード文庫 )



虎目がもう少し素直に想いを口にしていてくれたら、
晶がそこまで思い悩むことはなかったのでは?
と思いつつ。
月長がいた限りは回避できない事態ではあったか……と、ため息。
馬鹿だなぁ。
そんなことしたって人の心は手に入らない。
虎目に想いを寄せていく昌の心情が丁寧に描かれていて一緒に一喜一憂してしまった。
5年後の二人の姿、見てみたいなぁ。
虎目は相変わらずの色悪めいた美丈夫で、
晶が色気と貫禄を備えた大人に大化けしていそうな気がする。
万呂眉のシンシャ(犬)がとても可愛い。
何より、女の子たちが華やかで可愛くて大満足の読了。

虎目の画力が気になる。
絵しりとりやってみたい。
トイレットペーパーで絵しりとりをやり、
無駄にするのも何なので綺麗に巻きなおしておいたところ、
先輩がマジックで絵を描いたトイレットペーパーで鼻をかんでいた姿に衝撃をうけた
学生時代。
よくあれで鼻をかむ気になったなー。

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「機龍警察 暗黒市場」月村了衛 (ミステリ・ワールド)



【再読】
真相を知らされなければ、それはやはり裏切りでしかない。
追い詰められ、祖国での居場所をなくし、命を繋ぐために犯罪に手を染める。
擦り切れて絶望のどん底にあった魂。
長い苦悶の時は拭えないけれども。
それでも、少しは救われたのだろうか?
悪意の塊でしかないと思っていた者たちが、
自分を庇護してくれていたという事実に。
なんだかんだ愛されてるなぁ、と思う。
断ち切れない情。
捨てられない矜持。
それは恨み言や憎しみを凌駕する。
だから彼は危うくて、強い。
まだまだ全体像のつかめない「敵」。
彼らの戦いはつづく。


好きな作品の中に見知った地名が出てくると、嬉しくなる。
土地勘があるから、臨場感増し増しで頁を捲る。
そして行きたくなる。
更に言えば、作中とは全く違う、震災後に頑張ってる閖上の姿を見て欲しい。
素敵なお店や楽しい場所がたくさんあるよ。
ああ、そして私、わかってた。とてもわかってた。
關、半端なくカッコいい。初読の時よりときめき度が上がってるよ。

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「機龍警察 自爆条項〔完全版〕」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)



塗り重ねられた嘘。
だが、嘘を重ねたことよりも、気づけなかったことの方が問題。
彼女にとって妹が唯一の肉親だったように、
妹にとってもまた、彼女が唯一の肉親であり、拠り所であったことに。
気づいたところで彼女の手は既に血で汚れていたけれども。
悔恨は一生拭えない。
糾弾されるべき罪も消えない。
彼女の虚無の下に秘められていた過去が突き刺さって痛い。
そして、二重三重に張り巡らされる陰謀の渦。
傷だらけになっても屈しないで欲しい。
その姿の見えない卑劣な「敵」に。
気負うことなくどこまでもプロフェッショナルである姿がとても好き。


何が残念かって……
単行本ではまだレビュー書いてなかったはず!と、
張り切って引っ張り出してきて、重いなーと思いながら読み進め、
ほぼ読み終わりかけた時にかつての自分の単行本での感想を発見した時のがっかり感。
ボケるにもほどがありますね~。
だったら軽い文庫にすればよかったー!
というわけで、今回は文庫→単行本→単行本での再読。

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「機龍警察」月村了衛(ハヤカワ文庫JA)



【再読】警察という組織に巣喰う巨大な闇に立ち向かう物語であり、
特捜部に配置された人々の人間ドラマでもある。
姿の徹底したプロ意識、ユーリの惑いと揺らぎ、ライザの諦念。
その根底にあるものが透けて見えるが故により深くのめり込み、
宮近と城木の今後の変化と苦悩が脳裏を過る。
大人ってこんなに大人げなかったっけ?と眉を顰める警官たちの対応。
他人を貶めるための負の感情は嫌な感じしかしない。
邪魔をするのではなく、協力し合えば、
もっと気持ちよく効率よく仕事ができるのに。
物語の幕開け。
刻む言葉は「偶然を信じるな」。
周囲に悪意と罠が張り巡らされている。

待ちに待った夏の新刊発売に備えて再読。
文庫→単行本→文庫で書いたレビューを読み返してみると、
毎回言ってること同じで私ブレてない(笑)
敢えて別視点で……とやるとなんか嘘っぽくなりそうなので、
そこは弄らずに。
偶然にときめきを感じたい私にとって沖津さんの言葉はなかなかに衝撃的。





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「妖奇庵夜話 顔のない鵺」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



縺れてこんがらがった糸。
絡まった糸を解いて手繰っていけば、
その操り元は事件に関わった者たちを嘲笑うかのような質の悪い悪意。
「お前が欲しい」という青目の執着の方がまっとうに思える。
正直、伊織と青目の間には、彼ら以外の誰かには介在してほしくないなーと思ってたんだよね。
でもやっぱり出てきましたか、「鵺」。
早々に退散してくれないかなー。←おい。
二人にはヒリヒリした緊迫感を背負って一対一で対峙して欲しい。
まぁ、それは私の願望。
ひとり、またひとり。
伊織の身近な者が傷を負っていく。
ねぇ、脇坂。それは誰を思っての言葉だったの?

8月の完結巻のタイトルは『ラストシーン』。
ドキドキします。
そして待ちに待った『機龍警察』の続刊も8月。
わー、私的には小躍りしたくなる新刊が続々。

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「妖奇庵夜話 誰が麒麟を鳴かせるか」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



いっそどちらかを選べたらいいのに。
選んで、そして手を離した一方を躊躇なく切り捨てることができたら、
彼は楽になれるだろう。
できないが故の懊悩。
その姿も萌えどころではあるんだけど、
やはり彼には背筋を伸ばして凛としていてもらいたい。
殺せばいいのに。
殺せたらいいのに。
行きつくところは究極。
だけど、根底に横たわる思いは淋しくてやるせない。
脇坂とひろむ。
とても微笑ましいふたり。
上手くいくといいなー。
読了した瞬間、レビューも後回しで次の巻に手を伸ばしたくなるラストに見悶え。


そう。続きが見悶えしたくなるくらい気になるけど、レビュー書くまで我慢我慢。
スイカの「ちょっと不思議な切り方」が判明したペーパー。
夷のガチな水着姿に爆笑。

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「妖奇庵夜話 花闇の来訪者」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



受け入れることができないにもかかわらず、青目の元に赴く伊織。
受け入れられるとは思っていないながらも、伊織が欲しいと囁く青目。
吐息と衣擦れの音が聞こえてきそうな生々しい堂々巡りに息を呑む。
二人が立っているのは薄氷の上。
割れるのはもはや時間の問題。
その先は……どうなる?
眩暈がしそうなところで終わりかと思ったら、さらなる謎と衝撃が待ち受けていて、
動機が治まらない読後。
意に沿わない劣悪な環境から自力で抜け出す術を持たないどころか、
助けを求める事すらままならない人はどうすればいい?
出口の見えない問いかけはあまりにも重い。


表面上は仲良く見えているんだろうけど、
この人とは会社辞めたら付き合いはそこまでなんだろうなーと思っている人がいて。
(つまり合わない)
だけど、その人のいいな、と思うところは
どんな些細なことでも、何かしてもらったことに対して「ありがとう」と口にするところ。
逆にそこはまねしたくないな、と思うところは
やってあげたことに対して必ず対価を求めること。
とりあえず、いいな、と思うところだけを心に留めておこうと思います。(笑)

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「妖奇庵夜話 グッドナイトベイビー」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



彼はわかっていた。
欲しくて、欲しくて、どうしても欲しくて仕方のないものが、
決して手に入らないことを。
それでも、諦めることなどできないことを。
明るい輪の中に入ることの叶わない孤独な鬼。
否。
輪の中から出てしまった彼が再びその輪の中に入ることなど望みはしないだろう。
なれなかった家族。
故に満たされない渇き。
そして、白であり黒であった彼。
混ざりあってグレーになって。
個として安定するといい。
彼が白であり続けることは、多分、歪なことだから。
それにしても……青目の資金源ってどうなっているんだろう?



作中にかつての自分が読んだ本が出てくると、ちょっと嬉しくなる。




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