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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ブルーロータス 巡査長 真行寺弘道」榎本憲男 (中公文庫)



最後の一行まで読んだ瞬間「え~~~!?」と声をあげたのは久々。
今でも思う。え~~!?
どう考えてもそれは正しくないと思うんだ。
だって、え~~!?
ラストの衝撃でそれまで抱えてきたことが吹っ飛ぶほど驚いたわ。
あまり馴染みのないないヒンドゥーの世界を、
飽きさせることなく嚙み砕いて説明しながら最後までよく引率してくれた。
おかげで山ほど考えさせられた。
英雄的行為でも殺人は殺人。
ならば、彼がやろうとしたことをあんな方法で正した彼も、やはり間違ってると思う。
とはいえ、続刊が気になって気になって仕方がない。


まさかの展開過ぎてまだドキドキしてるわ。
その後どうなったか、誰か教えて……。
個人的には再び黒木に会えたことがうれしい。
そして、黒木の家に真行寺が自宅を売り払ってまで住んでいるのはもはや萌でしかない。

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「すてきな命の救いかた」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)



人の営みと経済はどうしたって切り離せない。
犬から人へ変化し、知識も技術も生活能力も未だ十分ではない
人々を養っていくためにはどうしたらいいのか?
町の未来を守るための根本的な問題に切り込み、
見事にその解決策を提示したラヴ。素晴らしい。
ロマンスはそんなラヴとサミーの物語。
頑なな心と未成熟な身体を持ったサミーと
ゆっくりと時間をかけて愛を育んでいったラヴ。
自分の心と身体と真摯に向き合い、明確に答えを出していったサミー。
二人の在り様がとても素敵。
そして、ランスに向けたリリーの、母親だからこその言葉が響く。
彼らの築く町に思いをはせつつ、楽しく読了。

町の活性化の在り方にまで切り込んでくれるとは思わなかったのうれしい想定外。
半端ない読み応えのシリーズ四巻。
そして個人的に大歓迎なリバがとてもうれしい。

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「星に願いをかけるには」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)



新刊を読む前に再読……してよかった。
色々記憶が欠けてるww
好きシリーズなんだけどなぁ。
マッドクリークの町に持ち込まれたパンデミックの脅威。
世情が世情なだけに他人事とは思えない。
未知のウィルスを相手に
どうにかして人々を救う術を見出そうと、奮闘する彼らの姿に拳を握る。
犬たちが水場から動けなかった理由が尊い。
今回の主軸となるのはちょっと偏屈で不器用な科学者と心優しい青年との始まりの物語。
これまで孤独だったり哀しかったりした分、これからは互いを思いあって幸せを築いていける。
星が願いを聞き届けてくれたから。

このシリーズ、『月吠えシリーズ』となっていたことを
はじめて知ったわ~。いつの間に!?
次巻はこの作中に出てきたサブキャラがメインキャラだということに
途中で気づいたんだけど、再読して良かったと、しみじみ思ったわ。
読了してしばらくたっても内容をきっちり覚えてる話と覚えていない話の差ってなんだろう?

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「岳飛伝 一 三霊の章」北方謙三 (集英社文庫)



壮絶な戦いの後の敗戦。
失ったものは、とてつもなく大きかった。
今なお彼らの心に在りつづける男の存在は大きい。
底のない喪失感。
それでも。
命ある以上、前に進まなければならない。
自らにできることを懸命に探りつつ、彼らが守り、繋いできたもの。
それらが結実した時、何かが起きる。
そんな期待を抱かせる第一巻。
流れた歳月の分だけ年をとった者と
次代を担うために生まれた者との対話も、
次なる時代への足がかりとなる。
蓄積されてきた彼らの思いが噴出した時、
時代は再び熱い咆哮をあげるだろう。
この先どんな物語が待っているのか。
心が逸る。→


ただいま、私!梁山泊へ。
そして、お帰り、私!大水滸伝の世界へ。
久々の北方ワールドの空気感の居心地の良さが半端ない。
『楊令伝』を読了してから四年半。
再読しなくてもすんなり戻ってこれた彼らの世界に、
しばらくどっぷり浸れるのがただ嬉しい。

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「巡査長 真行寺弘道」榎本憲男 (中公文庫)



続編を手元に用意していなかった自分が悔やまれる。
それくらいおもしろかった。
自らの意思で出世を放棄した万年下っ端の巡査長、真行寺。
ところが彼は切れ者だった。
明確な意図をもって己の生き様を貫く真行寺の心意気がカッコいい。
そんな彼とニコイチで事件解決に臨むのは、
出自の知れないハッカー、黒木。
難しい言葉や考え方も、かみ砕いてわかりやすい例えで説明してくれるのは、
著者の筆力。
そして、日本の未来を考える。
自分だったらどう在ることを望むのか、と。
離れ離れになった彼らが再び相まみえる日が来ることを願いつつ。
私も音楽に耳を傾けよう。


TSUTAYAでちびっこたちを「好きな本一冊選んでいいよー」と解き放ち、
さて、自分は?と店内をウロウロ。
積読300冊以上ある身としては、新しい本買うのもなーと思いつつ。
自分だけ何も選ばないのもおもしろくない。
でも読みたい本は全部手元にあるしなーと、思った私の目に飛び込んできたのが
この本。
なんでお持ち帰りしたのかと言われれば、真行寺のように「勘」と答えるしかない。
でも私、そういうの外さないんだ。(笑)
続きもスピンも集めないと。←え?






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「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身Ⅶ」 香月美夜



後半に向けて一気に加速するように事態が動き、
え、ここでお預け!?というところで続いてしまった。
30冊読んできても衰えない面白さ。素晴らしい。
諸悪の根源との直接対決間近。
足りない戦力を補うためのローゼマインの戦略はお見事。
ダンケルフェルガーとのディッター勝負がここでこんなふうに
活かされるとは。
戦闘に特化したシュミルが一体どんな活躍を見せるのかも気になる。
王族の他力本願ぶりには「自力で現状を打破する気概を見せなさいよ」と
詰め寄りたい。
自力で大切な人を取り戻すために全力で臨む彼らの姿に期待して次巻へ。


読んでも読んでも次の巻に手を伸ばせる状態でここまできたのに。
ついに追いついてしまった……。
こんなに気になるところで!
でも大丈夫!
来月も再来月も新刊発売☆
楽しみ~♪
冬は車が汚れる……と言う話をしたけど。
「ヴァッシェン!」の魔法が使えたら車は一瞬でピカピカになるなーと
ちょっとうらやましく思ってしまった。

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「検事の信義」柚木裕子 (角川文庫)



何故そんなことを?
どうしてそこまで?
他者が疑問に思うことが佐方にとっては当たり前のことで、
それが彼にとっての職務でもある。
真実を探求し、罪をまっとうに裁かせる。
彼の在り様は正しい。
だが、それを貫くことは容易ではない。
時に回避できない軋轢。
「お前の立場も俺の立場も悪くなる」という筒井の言葉が重い。
それを汲んで背中を押してくれる筒井は理想的な上司だと思うわ。
短編四作。
四話目の「信義を守る」では
本当に生活に困った人がもう少し頼りやすい社会であってほしいと切に思う。
でも、手助けが必要な人が助けの手を拒んだらどうしようもない。
うー、やるせない。




第三話、「信義を質す」で思いがけない面々との再会があり、
おおおおおお!と、テンションが上がる。
『孤狼の血』シリーズ、大好きです♡
そして、かつて楽しく遊んだ宮島の風景を懐かしく思い出しました。
宮島に一泊して、満潮干潮の厳島神社を訪れて、弥山にも上って。
広島城では何故かはしゃいで兜をかぶっていました。(笑)

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「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身Ⅵ」 香月美夜



ヴィルフリートに崩れて欲しくなかったのは、
領主一族とカルステッド一家の和気藹々とした雰囲気が
崩れて欲しくなかったから。
分断ノーサンキュー。
この先の道のりは決してやさしくはないけれども、
自分で歩むべき道を熟考する方向へと導かれたヴィルフリート。
踏ん張りどころだよ。
そしてローゼマインも岐路に。
今回は平民のみんなの出番がたくさんあって幸せ。
やっぱりこの作品の原点は下町にあるんだなぁとしみじみ。
特典ペーパー。
うっとおしいハルトムートにはしっかりフェルディナンドの鈴がついていたことに、
何故か私がしてやったり。

下町のみんなに出会って、最初から読み返したい衝動に駆られてみたけど、
それは今じゃない、と、ぐっと我慢。
いつかのお楽しみ♡

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「君のために泣こう」英田サキ (SHY NOVELS)



なんで他人の言葉に惑わされて
自分たちの関係の在り様を決めてしまえるんだろう?
と、思ってみたけど。
それは自分の気持ちに確固たる自信がないから。
自分の惑いにいっぱいいっぱいで、相手のことを思いやる余裕がないから。
向けられた刃の裏の真意を読み取ることができなければ、
刃で返すしかない。
だから二人とも傷だらけで辛い思いをすることになる。
複雑な家庭環境で育った二人が抱えた孤独と自責の念。
これから二人で寄り添って生きていくことで、それらが薄れ、幸せの濃度が深まっていくといい。
泣いた分だけ笑ってほしい。

それにしてもよ。
自分に気持ちの向いていないない相手をどうにか手に入れようと、
その相手が好きな人に「ふさわしくないから別れてください」と言いにいく心境が全く理解できない。
好きな相手に直接ぶつかることができないなら、そもそもアナタが相応しくない。
余談だけど。
ウチは逃げたインコは近所の人に保護されて、逃げた文鳥は自力でしっかり我が家に戻ってきてくれました。
私も泣きながら探したよー。

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「検事の死命」柚木裕子 (宝島社文庫)



一方を守るために胸の内に封じてしまった真実は、
その真実を知らされなかったが故にもう一方をひどく傷つける。
陽世の両親が長年抱えてきた気持ちを思うと本当にやるせない。
和尚、グッジョブ。
犯した罪をまっとうに裁くために、
個々の話に耳を傾け、事実を一つ一つ拾い集めて検証していく佐方の姿勢は
検事としてゆるぎなく、どこまでも正しい。
だからこそ、のちに彼が何を思って弁護士に転身したのか。
辞める理由となった検察庁内の不祥事の処理と彼がどう対峙したのかが
とても気になって仕方がない。
いずれ書いてくれることを期待しつつ……次巻へ。


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