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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「妖奇庵夜話 魔女の鳥籠」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



それでも、洗足は青目のために茶を点てる。
そう思っていた終盤。
絶対に踏み越えてはいけない一線を自ら飛び越えた青目。
洗足と細く繋がっていた何かを断ち切ったことは、
承知のうえ……かな。
人の心を操ることができても、
信頼を預けてもらうことはできない。
だから貴方はひとり。
少しずつ明かされる二人の過去。
青目の洗足に対する執着の所以は想像できる。
だからこそ、訣別した理由が気になる。
駄犬もいいとこの甲藤だったけど、なんだか憎めない。
頑張ったね。
事件のあらましに全く言及していないことは気にしない(笑)→

レビューを書いてみるまでもなく、
自分の関心のありどころがよくわかる。
とにかく気になるのは洗足と青目の終着点なのです。

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「妖奇庵夜話 人魚を喰らう者」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



青目が洗足に執着する理由。
そして、手っ取り早い方法なんていくらでもありそうなのに、
何故、周到に根回しをして洗足を絡めとるような
回りくどいことするのか、という動機が知れてなるほど、と。
この二人の行きつく先がどうなるのか。
いろいろ思い描いては、ぞくぞくする。(それを人は妄想と呼ぶ)
不幸せを指折り数える加奈のような生き方にはまったく共感できない。
不幸を招き寄せているのは自分自身の在り様に問題があると思う。
ビシバシ躾られる犬神にはこの先も絡んできて欲しい。
バトルにもならなかった犬神vs管狐・夷。
テンション上がったわ~。

先日、還暦を過ぎた方がショッキングピンクのミニスカスーツを着ていていたという話になり。
「それがすごく似合ってるのよ~」と。
うん。
着たい服を堂々と着ればいい。
とは思うものの。
仕事でご一緒することがよくある社長が、以前は白だのの紫だのスーツを着ていたのが、
無難なポロシャツ&スラックス姿になっていて。
「娘にヤクザみたいだからやめてくれっていわれてさー。俺ホントはああいう格好したいんだけどなぁ」としょんぼりしていたことを思い出しました(笑)



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「神さま、どうかロマンスを」彩東あかね (ディアプラス文庫)



そもそも酔って裸になることに意味なんてない気もするけど、
緒方のその行為に対する理由づけがとてもうまいと思った。
素面の緒方の意識の中に仁科に対する好意があってこその、酔った緒方のあの絡み方。
酔っ払いに振り回されつつ酔っていない緒方とちゃんと向き合おうとした仁科は真摯だったと思う。
諸々を知ったうえで酔った自分に嫉妬する緒方が可愛い。
でも酔ってる間の記憶が一切ないってのは怖いなぁ。
朝になったら愛の言葉を忘れてしまっているのはなんだか切ないけど、
何度も繰り返して伝えてあげて。
不安が解消されて願いが叶ったら楽しく飲めるようになるのかな?
なるといいね。

「話がある」「謝りたい」と意味深なことを言っておいて
「でもその話は数日後に!」と後回しにするなら、
「数日後になってから言ってよ!じゃなかったら今!」と言いたくなるのは私だけかな?
話の内容をもやっと考える数日間が試練。

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「妖奇庵夜話 空蝉の少年」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



招かれていないよそ様の家の食卓にスルリと入り込んで
ちゃっかり馴染めるのは、脇坂に「悪意」がないから。
一方、青目が欲する「道連れ」と言う言葉がひっかかる。
寂しさを解消したいなら「家族」とか「恋人」じゃダメなのかな?
そこに透けるのは「悪意」と「執着」。
人を惑わし、食らう性を持つ者。
どうも私は青目の存在が気になるらしい。
一つ屋根の下、血のつながらない他人同士で暮らす伊織たちの織りなす日々が
あたたかくて微笑ましい。
そんな洗足家に加わった猫と猫が苦手な夷の攻防が愉快。
彼らの穏やかな日常が壊れませんように。


犬が苦手な友だちが、諸事情があって妹さんが飼っている犬のお世話をすることになり、
「なんかもう、嫌なんだけど!」と、最初は渋々のおっかなびっくり。
でも律儀にお世話をしてくれるから、
犬的には「ご飯をくれる人」→「大好き!!」なアプローチ。
そんな日々を送った結果……「なんかだんだん可愛くなってきちゃった」と、結果オーライな顛末(笑)

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「妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



問題なのは種の「属性」ではなくその者が持つ「性質」。
狂気を増幅させる意図的な悪意は本当に質が悪い。
本人がそれを自覚して楽しんでいるから尚更。
そして、蝙蝠的な人間が間に介在することで
気づかぬうちに増幅する相手に対する不信感。
無意味と知りつつ、「たられば」を考えて唸ってしまう。
巻き込まれ、奪われた命がやるせない。
お馬鹿さんでも空気読めなくても、
確かに慣れてくると癒しになる(気がする)脇坂。
最初の印象よりよっぽど人間味のある内面を抱えた伊織。
そして暗闇の中で生きる種族の青目。
彼らのこれからの在り様が楽しみ。

かつて「河童」を検索して「フランシスコ・ザビエル」がヒットしてきたときの笑撃。
今検索かけてみたらそんなことにはならなかった。
どんな検索の仕方をしたのかしら?
期待通りおもしろかったシリーズ第一作。




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「タワーリング」福田和代 (新潮文庫)



ビルジャックを巡る物語。
リアリティを追及すると、ん?となる部分もあるけど、
エンタメとしては十分楽しめる作品。
「小説家とは嘘をつく生き物」と後書きにあるけれども、
その嘘を生み出すために蓄積された著者の知識量は膨大だと思う。
だから説得力があり、わくわくする。
念入りな準備を施した後に狙うは短期決戦。
だけど、そこに行きつくまでには、長い間に渡って培われてきたそれぞれの想いがある。
私的に一番のうっそー!は、勝手に大活躍すると思っていた人が、
ただの縛られ要員だったこと。
残念だ。←何が?(笑)


六本木ヒルズ、行ったなー。
変な突起に躓いて転びそうになったなー。
踏みとどまった私が胸をなでおろした後に、
若いお嬢さんがその突起にひっかっかって盛大に転んでたなー。
……あの突起、何だったんだろう?
謎。

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「旅の道づれは名もなき竜」月東湊(キャラ文庫)



「花喰いの竜」
ネーミングが素敵。
578年剣で刺し貫かれていたにもかかわらず、
陽気さとやさしさを損なうことのなかった竜。
けれども。
先の未来を決して語ることのなかった竜。
彼が心に秘めていた孤独と悲哀と絶望が刺さる。
一方、竜を刺し貫いていた剣を引き抜いたシルヴィエル。
彼もまた、命を賭した覚悟をその胸に抱いていた。
同族と祖国を失くした、この世にたった一匹と一人。
共に旅をしながら心を通わせていく様にあたたかな気持ちになれる。
どこまでもやさしい物語。
嬉しそうに花を食べる竜の描写がとてもとても好き。

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「イーストウィックの魔女たち」アップダイク (新潮文庫)



この作品の面白さって何だろう?
悪戯心と言うレベルにはまったく収まらない悪意が終始気持ち悪い。
他人の不幸の上に鎮座する自分の幸せ。
それは心から歓迎できるもの?
自分を妻として望んでいない相手を欲して、どんな幸せがあるのかしら?
何から何まで理解不能。
他人の死を望む呪いはかけた本人に跳ね返ってしまえばいい。
だって彼女はあなたたちに何をした?
幸せになる努力は他人を陥れる事じゃない。
そして、全部を男のせいにするのはなんか違う。
作品紹介にあるのは「大人のための現代の寓話」という言葉。
寓話……と唸りつつ、寓話の意味を改めて調べてしまった読了後。

文字びっしり、改行少なめの470ページ。
二日で読み切るだけの引力はあったけど、
じゃあ、面白かったか?と言われると、否。
ガーディアンだから読みきりました。
【ガーディアン必読109/1000冊】

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「進撃の巨人 34」諌山創(マガジンコミックス)



壮大且つ壮絶な物語の完結。
途中から涙と共にこみあげてきた感情は私だけのもの。
長い年月をかけて読みつづけ、
そして最後に感じ入ることは各人それぞれなのだろう。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある者だけだ」
覚悟があったからって撃っていいわけないんだけど、
でも結局はこの言葉に帰結するんだよなぁ、と納得。
甚大な犠牲を払って踏み出した、新しい時代への第一歩。
なんでもない一瞬を積み重ねる日々の価値を決めるのは自分たちではない。
「また、あなたに会いたい」
奪いつくされた世界で、叶わぬ願いを抱きながら、人は生きる。
圧巻の読み応えだった。


連載当初の容赦の無さは鳴りを潜めた気もするけど、
それはそれでいいんじゃないかな?と思った私も丸くなった(笑)
エルヴィンの存在感、最後まで大きかったなぁ。
既刊を全巻再読して最終巻に臨んだのは間違いじゃなかった。
素晴らしい作品世界を堪能させていただきました。
蛇足になるかもだけど、
「撃っていいのは~」のセリフは『コード・ギアス』のルルーシュの言葉です。

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「背中を預けるには 3」小綱実波 (Ruby collection)



誰一人、気楽に生きていられる人なんていなくて。
それぞれが何かを背負って
運命に翻弄され、抗って、諦めて、戦って、足掻いて。
ちょっとこの先どうなるの?と、
ドキドキハラハラしながら読み進めた結果、
この物語を引っ張ってきた彼ら以上に
過酷な運命を背負わされてきた彼の過去に
えええええ?!と、最大級の驚愕。
そんな状態でよく頑張ってここまで……と、涙。
王族に連なる彼らの選択はどれも間違ってなくて、だからやるせない。
ああ、そして、胸が締め付けられるエンドは問答無用で尊かった。
このボリュームを一気に読ませてくれる良作。
読みどころがありすぎて、再読必須。

わー、すごく良かった。ものっすごく楽しかった。
番外編やスピンが掲載されているので、本当に久々にWeb小説を読みに行く気満々。
Webで創作や二次創作を読みふけっていた時代が懐かしい(笑)
とはいえ、どれもこれも紙本で出して欲しい派なのです。

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