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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「夢の中の魚」五條瑛(集英社)



のほほんと生きているなぁ、と、自分の境遇を顧みる。
だからと言って、何かを変えたいと思うわけでもないんだけど。
そもそも「国の為」と言う言葉がピンとこない。
とはいえ、まぎれもなく「日本」という国に所属し、庇護されて生きている。
だけど、その国について、更には国が世界とどう向き合っているのか。
知らないことが多すぎる。
知ろうとしない、と言われると耳が痛いけどね。
多分、事なかれ主義。
今が平和に通り過ぎればそれでいい。
だけど、10年後は?
作中の彼らはそこまで見据えて動いている。
本作を読んで軽く感想が書けない程度にちょっと混乱中。

初読の時ってただただ楽しく読んだだけだった気がする。
再読の今、読後感が重い。
でも、こういう手ごたえは悪くない。

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「最凶の恋人(11)―組員日記2―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



ヤクザの下っ端構成員による極道ライフ日記2。
1は何となく義務感で読んでいた感じがあったけど、
今回はとても楽しく読了。
この違いは何だろう?
ま、良いことだ。
個人的に歯医者に行くのは苦ではない、と言うよりむしろ好きなので、
診察台でおしっこちびるほどの恐怖が全く想像できない。
屈強なおっさんたちの阿鼻叫喚にちょっと興味津々。
それ以上に歯医者の皐月先生に興味深々。
バレンタイン前の賑わっている高級チョコレート店に平然と並べる若頭・狩屋、素敵。
この日記を通して狩屋の有能さがより伝わってくる。
彼が上司だったら仕事やりやすいだろうなぁ。

四季折々……というか、季節感が伝わってくるところもいい。
節分に豆をぶつけられて叩き出される組長に笑う。

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「スリー・アゲーツ―三つの瑪瑙 」五條瑛(集英社)



やるせなくて胸が苦しくなるのは、彼らの苦悩が伝わってくるから。
必死で生きる彼らの存在が生々しく伝わってくるから。
北朝鮮。
私の住む国とはあまりにも違う国の柵に縛られて生きる男の葛藤が痛い。
二つの国に住まう家族への想い。
そして、そんな彼らに対する葉山の想い。
職務を果たすことが誰かの不幸せに繋がるかもしれない。
そんな思いを抱いてする仕事ってきついなぁ、と思うけど。
胸に傷を抱えながらも葉山は己の仕事を全うする。
彼もまた、迷える者。
身に纏った強かさが頼もしく、悲しい。
三つの瑪瑙。
込められた想いがあたたかくて切ない。


ここまでガツンとした読み応えのある作品にはそう簡単には出会えない。
未読既読含めて五条さんの作品は全部手元にあるので、
今年は感想UPに努めます。
鉱物シリーズも革命シリーズも最初から文庫のもの以外は単行本で持っているけど、
描き下ろし目当てで文庫本が欲しくなる罠。
それ以上に、去年動きがあって、諦めかけていた続きが読める喜びをかみしめる。
『猫目石』も是非。

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「GIANTKILLING 57」ツジトモ(モーニング KC)



どん底まで落ちたメンタルの立て直しの舵取りは、
自分自身でしなければいけない。
けれども。
ちょっと手を添えてくれる誰かの存在が、
とてつもない力と勇気を与えてくれる。
背中を押してくれる。
椿に向けられた窪田の言葉。
心強い達海の存在。
サポーターからの声援には鳥肌が立った。
試合は大分戦。
どうにも苦戦しているけど、
降格がかかっているチームと戦っているのではない。
自分たちが優勝するために戦っているのだということを忘れないで。
そして。
待ってた王子!問答無用でかっこいい。
赤崎とのバカバカしい掛け合いも好き。

椿復活は次巻持ち越し。
ジャイキリは今のジャパンカップが終わったら
完結になるのかしら?
連載開始から13年。
私が読み始めてからも10年。
そんなに経ってるんだなぁ、とちょっと驚いてみた。
あひるとジャイキリ。
この2つだけが私にとって主役チームに贔屓がいる漫画な気がする(笑)

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「また、桜の国で」須賀しのぶ(伝祥社)



消滅と再生を繰り返した国、ポーランドが、
破壊と虐殺の限りを尽くされた第二次世界大戦。
これは、彼の国で戦った人たちの、
そして見捨てられた国のために尽力した男たちの物語。
慎、レイ、ヤン。
彼らは一様に国と個としてのアイデンティティの在り方に苦しんでいた。
そんな彼らがなぜポーランドのために命を懸けたのか。
国というよりも人。
義というよりも情。
彼の国で必死で生きる友のために。
何よりも、明日の自分に恥じないために。
『また、桜の国で』読後につぶやいて、嗚咽。
忘れてはいけない史実。
そして、戦争は回避しなければいけない。絶対に。

圧倒的な読み応えの登録1700冊目。
ガツンと胸に刺さる重厚な物語であり、忘れてはいけない歴史を突き付けられる。
須賀さん、外れないなー。
他の作品も気になるので、少しずつ集めていこうと思います。


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『A』河出文庫(中村文則)



薄い膜一枚隔てられた世界の中で
膜の外を頑なに拒絶するかのような者たちの視点で始まる短編集。
その膜が突き破られた後は、変幻自在の世界が展開していく。
並べられた物語は理解することを望まれているわけではなく、
そして理解しようとするものでもなく。
自由に綴られた著者の言葉を追った読み手が、
そこから伝わるものを自身の感性で受け止めるだけでいい。
読後感的になんとなく気持ち悪かったのは、
私的に相容れる中村文則と相容れない中村文則が混在していたから……かな。
個人的には『妖怪の村』がベスト。
インパクトが大きかった。

これで『逃亡者』以外の中村作品読了。
その中での私の順不同のベストスリーは
『遮光』『掏摸』『あなたが消えた夜に』。

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~「短編集Ⅰ」香月美夜




本編がどーんとそびえる幹なら、
その本編に纏わるSSや短編は枝葉。
これだけ立派な枝葉がわさわさと育っている物語は当然面白い。
特に贔屓キャラではなくても、様々な人物視点で描かれる物語がとても楽しいのは
著者自身がとても楽しく書いているからなんだろうね。
かつてのエピソードを懐かしく思い出したり、
薄らぼんやりしか覚えていないから再読したくなったり、
好き場面だったからもう一回読みたい!と思ったり。
あとは、別視点だから、あ、そうだったんだ!という新しい発見や補填ができたのも良かった。
大満足で読了。楽しかった。


この人の小説私好み!って思いながら読んでたんだけど。
まぁ、私が書いた物語だから当たり前か。
そう言っていた友だちを思い出しました。
書き手が楽しく書いているのが伝わる作品は、読み手もとても楽しい、の典型。
そもそも、本を作っていた時の動機は「こんな話が読みたい!」だったのよね。(笑)

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅸ」香月美夜



わかってはいたけど、何この喪失感!
と、ずどーんと落ちる本編読了後。
貴方の存在はとてつもなく大きかった。
そして、その後の短編を読んで速攻で第五部に飛びつきたい気持ちが沸々と。
第四部完!で一区切りつけるつもりだったのに、
気持ち的にまったく区切れてないって、どういうことよ!?
……と、振り回されております。
カミルの頼もしい成長が嬉しいね。
親と道を違えるという道を選択した子供たちの未来に幸あれ。
距離感が縮まったフェルディナンドとローゼマインの雰囲気が良い。
そんな二人が再び向き合える日が早く訪れますように。

これで手元の残りの本は『短編集』のみ。
第五部がそろっていれば一気に手を付けたいところだけど、
第五部完結までにはまだしばらくかかるのね~。
気になるから出てるとこまで読んじゃおうかなぁ。
続きはWEBで一気に読めることはわかっていても、紙で読みたい派なのでそこは我慢。
このシリーズを読んでるリア友を続々発見(?)してとても嬉しい。
リアルに会って語れる日を心待ちにしてるわ。


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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅷ」香月美夜



様々な思惑の透けて見える政略結婚を祝えと言われても、
その結婚相手に好意を持てと言われても
とてもとても難しい。
むしろエックハルトのようにそんな輩は抹殺してしまえ!という思考の方が理解できる。
そしてその思惑にややこしさを醸し出したダンケルフェルガーの脳筋集団!
勘違い甚だしい思い込みを、鬼軍曹並みの特訓で粉砕してあげたくなりました。
関連性は全くないけどBGMはユニコーンの「大迷惑」で。
皆の心配と労りがフェルディナンドに届くといい。
だから一人で頑張らないで。
魔法のインクがここでお役立ち!
おお!となりました。

お魚の思いっきり特殊な解体方法がとてもとても楽しかった。
鱗を毟るって!毟るって!
個人的に魚の鱗取りは好きな作業です♪
感触的に伝わってくるガリガリ削れてくる感じが良い。


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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員Ⅶ」香月美夜



不穏な気配はローゼマインの周囲だけに留まらず、
フェルディナンドにまで類が及びそう。
うーん。
これまで苦労してきた彼には平穏でいてもらいたいけど一波乱あるのは必須っぽい。
勝負事で評判通りの「魔王」っぷりを発揮した彼の戦い方には握手喝采。
腹黒万歳!
そう。
ガチンコ勝負は手段はどうであれ、勝てばいいのです。
脳筋集団みたいなダンケルフェルガーの面々の挙動はなんだか可愛かった。
体育会系ノリ、楽しそうだなぁ。
そして、コルネリウスがびっくりするほどカッコいいんですけどー!
スパダリ、ここにいたわ。
色々気になるのでさっさと次巻へ。

他領の子たちがエーレンフェストの主要人物たちに傾倒しつつあるのは
今後プラスに働くのかな?
陰でこそこそ暗躍している輩はとっとと痛い目みるといいと思う。
個人的にどんなお魚料理ができあがるのか、とてもとても気になる。

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