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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「タワーリング」福田和代 (新潮文庫)



ビルジャックを巡る物語。
リアリティを追及すると、ん?となる部分もあるけど、
エンタメとしては十分楽しめる作品。
「小説家とは嘘をつく生き物」と後書きにあるけれども、
その嘘を生み出すために蓄積された著者の知識量は膨大だと思う。
だから説得力があり、わくわくする。
念入りな準備を施した後に狙うは短期決戦。
だけど、そこに行きつくまでには、長い間に渡って培われてきたそれぞれの想いがある。
私的に一番のうっそー!は、勝手に大活躍すると思っていた人が、
ただの縛られ要員だったこと。
残念だ。←何が?(笑)


六本木ヒルズ、行ったなー。
変な突起に躓いて転びそうになったなー。
踏みとどまった私が胸をなでおろした後に、
若いお嬢さんがその突起にひっかっかって盛大に転んでたなー。
……あの突起、何だったんだろう?
謎。

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「旅の道づれは名もなき竜」月東湊(キャラ文庫)



「花喰いの竜」
ネーミングが素敵。
578年剣で刺し貫かれていたにもかかわらず、
陽気さとやさしさを損なうことのなかった竜。
けれども。
先の未来を決して語ることのなかった竜。
彼が心に秘めていた孤独と悲哀と絶望が刺さる。
一方、竜を刺し貫いていた剣を引き抜いたシルヴィエル。
彼もまた、命を賭した覚悟をその胸に抱いていた。
同族と祖国を失くした、この世にたった一匹と一人。
共に旅をしながら心を通わせていく様にあたたかな気持ちになれる。
どこまでもやさしい物語。
嬉しそうに花を食べる竜の描写がとてもとても好き。

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「イーストウィックの魔女たち」アップダイク (新潮文庫)



この作品の面白さって何だろう?
悪戯心と言うレベルにはまったく収まらない悪意が終始気持ち悪い。
他人の不幸の上に鎮座する自分の幸せ。
それは心から歓迎できるもの?
自分を妻として望んでいない相手を欲して、どんな幸せがあるのかしら?
何から何まで理解不能。
他人の死を望む呪いはかけた本人に跳ね返ってしまえばいい。
だって彼女はあなたたちに何をした?
幸せになる努力は他人を陥れる事じゃない。
そして、全部を男のせいにするのはなんか違う。
作品紹介にあるのは「大人のための現代の寓話」という言葉。
寓話……と唸りつつ、寓話の意味を改めて調べてしまった読了後。

文字びっしり、改行少なめの470ページ。
二日で読み切るだけの引力はあったけど、
じゃあ、面白かったか?と言われると、否。
ガーディアンだから読みきりました。
【ガーディアン必読109/1000冊】

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「進撃の巨人 34」諌山創(マガジンコミックス)



壮大且つ壮絶な物語の完結。
途中から涙と共にこみあげてきた感情は私だけのもの。
長い年月をかけて読みつづけ、
そして最後に感じ入ることは各人それぞれなのだろう。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある者だけだ」
覚悟があったからって撃っていいわけないんだけど、
でも結局はこの言葉に帰結するんだよなぁ、と納得。
甚大な犠牲を払って踏み出した、新しい時代への第一歩。
なんでもない一瞬を積み重ねる日々の価値を決めるのは自分たちではない。
「また、あなたに会いたい」
奪いつくされた世界で、叶わぬ願いを抱きながら、人は生きる。
圧巻の読み応えだった。


連載当初の容赦の無さは鳴りを潜めた気もするけど、
それはそれでいいんじゃないかな?と思った私も丸くなった(笑)
エルヴィンの存在感、最後まで大きかったなぁ。
既刊を全巻再読して最終巻に臨んだのは間違いじゃなかった。
素晴らしい作品世界を堪能させていただきました。
蛇足になるかもだけど、
「撃っていいのは~」のセリフは『コード・ギアス』のルルーシュの言葉です。

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「背中を預けるには 3」小綱実波 (Ruby collection)



誰一人、気楽に生きていられる人なんていなくて。
それぞれが何かを背負って
運命に翻弄され、抗って、諦めて、戦って、足掻いて。
ちょっとこの先どうなるの?と、
ドキドキハラハラしながら読み進めた結果、
この物語を引っ張ってきた彼ら以上に
過酷な運命を背負わされてきた彼の過去に
えええええ?!と、最大級の驚愕。
そんな状態でよく頑張ってここまで……と、涙。
王族に連なる彼らの選択はどれも間違ってなくて、だからやるせない。
ああ、そして、胸が締め付けられるエンドは問答無用で尊かった。
このボリュームを一気に読ませてくれる良作。
読みどころがありすぎて、再読必須。

わー、すごく良かった。ものっすごく楽しかった。
番外編やスピンが掲載されているので、本当に久々にWeb小説を読みに行く気満々。
Webで創作や二次創作を読みふけっていた時代が懐かしい(笑)
とはいえ、どれもこれも紙本で出して欲しい派なのです。

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「背中を預けるには 2」小綱実波 (Ruby collection)



貴方の愛する人は誰?
それが明確になったことが、ただ、嬉しい。
あの子の存在を彼がしっかりと認識してくれていることが。
ハンデを自覚しつつも、自分の力で生きていくために
懸命なレオリーノが尊い。
先を急がず、彼らの間に介在する問題としっかりと向き合って
想いを伝えたクラヴィスはカッコ良い。
溺愛と独占欲はご愛敬。
そしてレオリーノの無垢さとクラヴィスの年上の余裕と手管が絶妙に絡み合った
閨事がなんてたって良い。
作者の言葉の選択センスが素晴らしい。
抱えた秘密をようやく吐き出すことのできたレオリーノ。
裏切者を暴け。

一巻は買ったけど読んでないしなー、二巻目どうしようかなーと、
迷っている間に二巻目の小冊子付が売り切れたので、三冊目は迷わず小冊子付を予約ゲット。
直感で一巻を買った時点でその本は面白いんだよね。
迷っちゃダメだった。(笑)

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「背中を預けるには 1」小綱実波 (Ruby collection)



永遠を掴み損なった18年前。
宙に浮いたまま燻りつづけた想いを受けとめる相手は、もう、いない。
けれども。
“彼”の稀有な瞳とその記憶を宿す者に出会ってしまったら?
その子は“彼”じゃない。
当たり前のことを認識できなかったルーカスは最低。
そして、揺らぐグラヴィスとレオリーノの関係は?
家族のだれからも愛され、大切に大切に育てられ、浮世離れしたレオリーノ。
彼の容姿と乖離した純朴な性格が愛おしい。
そんな彼が、庇護される存在から
羽化した瞬間の、思わず息を呑むような描写はお見事。
どうか彼らが幸せになれますように。→

予想以上の面白さで大満足の読み応え。
まだ読んでないけど、一冊目買ったからには続きも買わなきゃ!と
三冊目までちゃんと手元にそろえていた自分を褒めたたえます(笑)
こんなに続きが気になる作品は久々~。

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「上陸」五條瑛 (講談社文庫)



訳ありの男三人がアパートの一部屋に身を寄せ合い、
日雇い仕事でのその日暮らし。
絶えない喧嘩もコミュニケーションの一環。
そこに悪意が感じられない言い合いは、いっそ小気味よい。
「趣味の悪いボンタン」と言われ「悔しかったら着てみろ」と言い返せる安二の
愛すべき馬鹿さ加減。
自分の生活が崩壊するとわかっていても、罪を看過することのできなかったアキム。
常にクールで頼れる兄貴だった金満。
後ろ暗い秘密を持つ彼らは、いずれその暮らしが終焉を迎える日が来ることをわかっていた。
それでも計り知れない喪失は否めない。
だからこそ、どんな形であれ、再び彼らが繋がることができたのは奇跡。

金髪にピンクの作業服、青い腹巻、赤のタオルの安二。
いや、もうどんなセンス?(笑)
以前、金髪ロン毛見た目強面の現場仕事のお兄ちゃんが
間違いなくその長い金髪のせいで
「うさぎちゃんだ!ねぇ、うさぎちゃんやって!」と小さな子供にねだられ
困り果ててツインテールのまねごとをしてあげていた時は
笑っていいやらお気の毒やらだったことを思い出してみました。


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「Manner of Death」sammon(kadokawa)



とにかく山場がどこなのかがわからない。
山が来たかと思ったらそこに謎があって、
次の山が来ても事件解決には至らない。
気になるから手を止めずに読み進める。
そして事件解決の後に残る最後のクエスチョンの真実は……え?
そうきましたか、と、案外拍子抜けなんだけど、
逆にそれが斬新な感じで楽しく読了。
構成のうまさに最後まで引っ張られた感じ。
事件と恋愛要素とがバランスよく融合していて見どころ満載。
主役二人にお兄ちゃんがイイ感じで絡んでたなぁ。
ちょっとウザいけど愉快。


新刊は新刊のうちに
読んだつもりが発売後半年近く経っていたことにびっくり。
光陰矢の如し。
個人的にこの表紙とても好き。
カッコいいなぁ。

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「GIANTKILLING 58」ツジトモ(モーニング KC)



サッカーは一人で戦う競技ではないのだということが、
至るところから伝わってくる。
選手、監督、スタッフ、サポーター、家族。
それぞれの思いが、そして個人がそれぞれ積み重ねてきたものが、
今現在の自分に何らかの影響を及ぼすことがある。
代表で大きな挫折を経験した椿。
お帰り、と。
思わずウルっとなったのは二番目の感情。
一番目は「きゃーーー!ジーノかっこいい!!」だった自分、ぶれてない(笑)
そこにどんと構える村越がいて、個人的には大満足。
「お前の周りには俺達がいる」
頼もしい大黒柱なのです。

試合が終わったかのような満足感を抱えて読み終わってみたけど、
まだ笛は鳴ってなかった(笑)


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