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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「Zwei」かわい有美子 (リンクスロマンス)



読み応えのある警察小説。
であると同時に、とても綺麗に花開いた再会愛を描いた作品。
「好きだ」という言葉に「俺も」と返すことのできない切なさに抉られる。
お互いが想いあっていることが如実に伝わってくるだけにやるせない。
失った信頼。
取り戻すためは相手のことを信じてただひたすら待つこと。
再会した時には疲弊しきっていた二人が
逢瀬を重ねるたびに覇気を取り戻していく様は心地よかった。
全体的に派手さはないけど、そこがいい。
男たちが苦悩したり葛藤したりしながら自分の答えを見出していく様が
人間味あふれていて沁みる良作。

屈強なアラサー男、宮津と峯神のトナカイ姿。
想像するだけで楽しくなる。
そういえば、クリスマスにコスって久しくしてないなぁ。
シリーズ最初から読み返したくなるけど、そこはぐっと我慢。
次『墨と雪』へ。


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d「甘い水 2」かわい有美子 (リンクスロマンス)



ここにきて、タイトルの意味がガツンと胸に刺さる。
乗り越えたとか癒えたとか、決してそんなふうに言うことのできない傷を抱えた遠藤。
だけど、それを表に見せない、そしてそれに囚われてはいないタフさが眩しい。
そんな遠藤に対する思慕の念を全く隠さなくなった神宮寺。
デリカシーのない二人の言葉のやりとりが気の毒で愉快。
遠藤が神宮寺を選んだ理由。
その遠藤の想いに応えることの出来る神宮寺。
どちらも壮絶。
でも、根底にあるのが惜しみない愛情と信頼だから、
やるせなさを凌駕する揺るぎのない安心感。
どっしりとした読み応えとしっとりとした色気。
良作。

「おまえなんか…」に続く遠藤の言葉に悶絶。
彼にしか言えない殺し文句。
男前受を存分に楽しませてもらいました。大好き!

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「甘い水」かわい有美子 (リンクスロマンス)



後輩の神宮寺に対して一方的な苦手意識を抱いていた遠藤。
一方の神宮寺は遠藤に対する想いが空まわっていただけかと思いきや。
遠藤も気付いていなかったけれども、職場で一緒になる以前から
遠藤を知り、想い続けたという、筋金入りの遠藤フリークだった(笑)。
一見器用そうな神宮寺が遠藤に対しては上手く立ち回れていないところが、
逆に彼の本気度が知れて面白い。
漢気のある遠藤が神宮寺の気持ちに気付いてからの立ち回りも
意外性がありすぎて面白かった。
遠藤が恋愛事を避けてきた事情がとても切ない。
オトコマエすぎる誘い受け。
どツボ過ぎて最高でした。

再読のはずなんだけど。
このあとの篠口と遠藤がどんなふうになったのかが
全く思い出せないww
この病こそ「フレッシュ症候群」。
わくわくしながら次巻へ。

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「ひと月の夏」J.L.カー (白水Uブックス―海外小説の誘惑)



仕事で訪れた田舎町で、青年が過ごしたひと月の夏。
彼の過ごした日常が淡々と描かれている中に差し込まれる数年後の彼の想いから、
この町で過ごした時期の幸いが伺える。
と同時に、町の人たちとどれほど親しくなろうとも、
この町が居心地の良い町であったとしても、
仕事を終えれば、彼は予定通りこの町を去ることも。
それがわかっていても、読後に込み上げた強烈な寂寞感。
その時を過ごした人たちとの徹底的な決別。
故に、鮮烈に胸に残る当時のままの記憶。
二度と戻れないからこそ、心に美しく刻まれた時。
ラストの息を呑むような鐘楼でのシーンは秀逸。



その読後感からなんとなく『日の名残り』を思い出しました。
そういえばあちらもイギリス文学。
読み返すたびにジワジワ胸に染み入ってきそうな作品。
映画化もされているんですね~。
視覚的に観てもとても美しいに違いない。
いつか観てみたいな。
【ガーディアン必読 93/1000】

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「仁義なき愛妻生活」朝香りく(ガッシュ文庫)



もはや「仁義なき」とか言ってる場合ではなく、
タイトルは『愛はヤクザを変える』で良い気がしてきた三作目。
健吾と佳月の結婚生活は糖度増し増し。
健吾の嫁として暮らす佳月の自称は「珍妙な生き物」だけど、
周りの評価が全く違うところがおもしろい。
行き着いたところは「逆ハーレム」。
良い男独り占め(笑)
佳月が裏表なく他人に対して一生懸命で漢気があるからこそ。
健吾の開き直った惚気っぷりは清々しくてお見事。
ああなっちゃうとからかい甲斐がないのよね。
凌也と亜月がガルガル唸りあってるのが可愛い。
ストレスフリーで楽しく読了。

豪華客船の貸切展望風呂ってメチャメチャ贅沢!
周囲に灯りのないところで星空を眺めるもよし。
夜景を眺めるもよし。
あ、朝日もありか。
ちょっと風変わりで印象深いお風呂は「ホテル浦島」の洞窟風呂。
改装オープンした今年、アドベンチャーワールドと抱き合わせで行くつもりだったのに!
のに~~~!!!
目途が全く立たないのが残念なのです。



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「仁義なき新妻生活」朝香りく(ガッシュ文庫)



佳月が健吾の嫁として暮らし始めてから半年。
二人の関係的には順風満帆。
そんな二人の生活に健吾の従弟・凌也が介入することで、
気付けなかったことに気付いたり、
嫉妬で揉めたり、その流れで主に健吾側に反省と賢者タイムがあったりとひと波乱。
そこに佳月が攫われるという一大事が。
窮地にあっても相手のことを思って自分の行動を反省する健吾と佳月からは
お互いが本当に大切なんだなぁということが伝わってくる。
佳月にとって気の置けない友人となった凌也と
佳月の弟・亜月も交えた四つ巴の晩餐会がとても好き。
個人的には凌也が好みドストライクだったのでとてもとても楽しかった♪

愛妻弁当を携えて出勤(?)するヤクザ。
キャラ弁を恥ずかしいとは言えずに美味しくいただくヤクザ。
微笑ましい。
今まで味わうことのなかった家庭のあたたかさとやさしさを
健吾は存分に味わうといいと思う。

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「藁の楯」木内一裕 (講談社文庫)



著者の小説デビュー作は、私が既読の他の木内作品のような読後の爽快感はどこにもなく、
もやっとした不快感が広がっての読了。
日本全国民を巻き込んだ挙句、
最後の最後で心が挫けるなら、最初から大風呂敷広げるな。
おかげで失われた命。
誰かの命を犠牲にしてまでその男を守る必要はどこにもなかったのに。
発想も展開も前半が面白かっただけに、後半、え?ちょっと都合よすぎない?
という部分で嵌りきれなかったのが惜しい。
葛藤しつつも任務を全うした銘苅。
彼の在り方は間違ってはいない。
だけど、彼のもやっと感は私なんかの比じゃないと思う。→


個人的には清丸のような罪を犯した男に対する刑罰は、
ハンムラビで良いと思っています。
目には目を、歯には歯を。

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「伯爵夫人の魔法の靴」かわい有美子 (ルナノベルズ)



一度のキスでいい。
その、たった一度のキスを笹野が心の中で希うシーンがとても印象的。
「英国紳士」以外の何者でもなかったラッカムを書き切ったかわいさんの筆力にため息。
とても素敵っ!
デパートの外商部販売員笹野と、そのデパートを買収した英国百貨店の日本支社長のラッカム。
仕事を通じて出逢った二人が、
共に仕事をしながらゆっくりと静かに気持ちを添わせていく。
仕事面でも読み応えがあったし、
タイトルの「伯爵夫人の靴」に纏わるエピソードも素敵。
何より、優しく繊細に通わせていった恋情と
ちょっとフェチが入った濡れ場のギャップが良い。
うっとりと読了。

個人的には。
ジェームズ・ボンドはショーン・コネリーが一番だと思っています。
大好き!


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「イヴの迷宮告(下)」 (シグマフォースシリーズ10)ロリンズ(竹書房)



いつものように2班に分かれての問題へのアプローチ。
だけど、今回はコワルスキサイドだけでも十分だよね?
というくらい、コワルスキとゴリラのバーコとマリアのコンビが頑張ったと思う。
人類の知能の進化の謎。
蘇る巨人。
月に纏わるワクワクするような推理。
紐解かれていく謎を追いかけ、
ギリギリのところで危機を躱していくアクションにドキドキし、
上下巻あわせて約900頁。
一番の衝撃がエピローグに。
ちょっと、どういうことよ!?
10年後のこの事態がどういうことなのか、解明されるのかどうかが気になって色々ぶっ飛び、
バーコが我が子に託した想いに涙して読了。

バーコ(ゴリラ)は本当に良い子だった。
私も抱きついてみたいなぁ。
そして抱きつかれたい。
著者はこの衝撃のエピローグをちゃんと回収してくれるのかしら?
してくれるよね??



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「仁義なき新婚生活」朝香りく(ガッシュ文庫)



侠客一家の長男として組と姉を守るため、
対立組織の時期組長・健吾の元へ姉の代わりに嫁いだ佳月。
独自路線の一生懸命な正義感が微笑ましい。
本人は自称ヤンキーだけど、家族から大事に育ててもらったんだなーということが
とてもよくわかる箱入りさ加減。
あとからわかる家族の心配もじんわりと心に沁みる。
一方、家族のあたたかさとは無縁の環境で育ってきた健吾。
一緒に暮らすうちに惹かれあっていった二人が、嫉妬心を抱くに至るシーンは良かった。
ラストは佳月の弟、亜月の気持ちに引っ張られて切なくなって読了。
当人同士は甘々のエンド(笑)

「穿くのも恥ずかしいが、ノーパンはもっと恥ずかしい」
男子が女性用を、女子が男性用を。
どちらの場合でも同じ気恥ずかしさがあるんだろうなー。
付き合いのある業者の女社長サンが、ウチの会社の担当と出張に行った時、
突発トラブルで泊まることになり。
「着替えないよ!」
「パンツぐらい買ってやる」
の流れでコンビニに行ったら、男物のパンツしか売ってなかったらしく。
「もー!これ穿けって男物のパンツ渡されたの!」
「で、穿いたの?」
「穿くしかないっしょ。それより、家で洗って干してたら
不審に思った家族に説明するのがメッチャ大変だった」
爆笑した出来事。





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