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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「アンナ・カレーニナ(上)」トルストイ (新潮文庫)




とても窮屈な世界で生きている人々の物語。
だけど、窮屈な中でも皆どこまでも自分勝手。
というか、自分の感情に素直。
だからとても生き生きとしている。
とはいえ、浮気が公認の……というか、筒抜けの社会ってすごいわー。
怖いわー。
アンナとヴロンスキー。
キチイとリョーヴィン。
彼らの恋がどんな形で進行して、どんなふうに帰結するのか。
とても気になる。
そして、アンナの夫、カレーニンの存在も気になる。
恋に溺れる前のアンナが私にとっては魅力的だったなぁ。
ドリィは身勝手な浮気夫を一度は踏んでもいいと思う(笑)→

ドストエフスキーを読んだ時に感じた、
ロシア文学の俺俺主義は健在。(笑)
でも、俺推しはドストエフスキーよりはよっぽどマイルドだった。
とはいえ、一冊に詰め込まれた内容の濃いことと言ったら。
この読み応えでまだ3分の1。
先の展開がまったくわからないからとても楽しみ。
ディーン(@ツーリング)がヴロンスキーの台詞を口にしたシーンを
脳裏に焼きつけた小学校時代。
だからヴロンスキーがとてもカッコイイ青年将校だと思い込んでいたんだけど。
描写的に想像するとそうでもないの?←

【ガーディアン必読100-1/1000冊】


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「セキュリティ・ブランケット(上)」凪良ゆう (キャラ文庫)



宮、鼎、高砂、国生。
この四人を主軸にその他の人々も絡み合った人間模様。
読んでる途中で作中の人物約一名の言動のおかげでイライラが募りすぎて
一度本を閉じてしまった。
他の三人の生き方、考え方は私は納得できるし応援する。
上巻は彼らの気持ちのベクトルがあっちこっちに向かって大混乱。
思いを遂げることのなかった高校時代の鼎と高砂の想い。
ヒリっとした感じが好き。
過酷な幼少期を過ごしながらも、ピュアさを失わなかった宮。
そんな宮に向ける鼎の愛情があたたかい。
友情。愛情。親子の情。
縺れに縺れあった彼らの想いはどう着地するのか?
気になるお借り本。


ちなみに。
イラッとしたのは国生。
鼎が好きで好きで大好きで。
抱きたくて、脅して抱いて。
心を預けてもらえないことが不満。
は?ばっかじゃないの。
「何で好きになってくれないの?」的な言動がホント無理。
更に「悪いのは俺」発言。
は?世間的に通用しないのわかってるよね?
下巻では何らかの成長を見せるんだろうなーという布石であろうと思えることもイラッとする。
……というわけで、早く下巻を読んですっきりしたいわ。(笑)

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「消えた自転車は知っている  探偵チームKZ事件ノート 1」



大人視点的には突っ込みどころ満載なんだけど。
子ども女子視点では絶対面白いだろうなぁ、と、納得の内容。
事件解決のプロセスと手段が彼らの年齢で現実的かどうかを突っ込むのはナンセンス。
単純にその過程を楽しんだ者勝ち。
同級生同士の関係性から生じる悩み。
家族間の係わり方の悩み。
進学に対する考え方。
そこに自転車盗難事件。
そして気になるメンバーたちのプライベート。
どれもが丁寧に盛り込まれていて楽しく読める。
個人的にはあとがきが一番興味津々。
「ナポレオン愛好会の初の日本人会員」って!
そこ、もっと掘り下げて知りたい。(笑)


私が読み始める前の妹との会話。
私「どんな話だった?」
妹「花男みたいな感じかなぁ?」
私「お姫様願望が満たされる的な?」
妹「なんかタイトルが変なんだよね。『卵ハンバーグは知っている』とかいうんだよ」
私「………」
????な状態で読み始めたけど、面白かった♪
まぁ、姪っ子ちゃんみたいにハマれる感じがしないのは年齢差だね。
彼女の好みがどの男の子なのか聞いてみるお楽しみが増えました。
とりあえずもう少し読み進めてみようと思います。

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「進撃の巨人 32」諫山創 (週刊少年マガジンコミックス)




車力の巨人のフォルムが愛らしくて、うっかり和みそうになるんだけど。
そんな穏やかな話じゃない。
大切なのは過去ではなく現在。
今を未来に繋ぐために、この瞬間に何ができるのか。
共闘を誓っても、最善がわかっていても、残る過去の蟠り。
失くした命は戻らない。
ここで互いに抱えた想いを吐き出せたのは大きいと思う。
願うのは幸い。
だけど、平和のために犠牲にしていい命はない。
彼らの選択とエレンの選択。
交わるときはくるのかな?
交わってほしいという願望を抱えつつ、
予想できない展開を期待しつつ。
次巻を待つ。
この表紙、とても好き。

なんか見たことあるヤツ!と思った瞬間浮かんだのは巨神兵。
姪っ子ちゃんが「シータと同じ髪型にしてもらったの!」と
嬉しそうな写真を送ってくれたのはつい最近の出来事。



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「コゴロシムラ」木原音瀬(講談社)




揺るぎない自己肯定。
作中から受け取ったものは、この一言に尽きる。
どんな姿であっても、どんな環境で生きてきても、自分は自分。
胸を張って言い切るその姿から伝わるのは、
圧倒的な美しさと力強さ。
そりゃあ、仁科も呑みこまれるだろうよ。
兄と二人、濁りのないとても綺麗な世界で生きてきたことが伺える世界観。
現実と折りあいながらも、
新には彼自身の住まう世界に君臨する唯一の神であり続けてほしい。
ある時点を境に起こった現象には、何らかの原因がある。
突き詰めるのではなく、考えることを放棄し、封じてしまった事こそが悲劇。


帯の「ホラーミステリー」はいらないかな?
ホラーじゃないから。
そもそもホラーに全く食指が動かないので、
自分では絶対に買わないであろうお借り本。
楽しく一気読み。

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女I」



下町の家族に別れを告げたローゼマインは
上級貴族の世界で生きていくための努力の日々。
目的達成の為、我武者羅に突っ走ってきた彼女を知っているだけに、
お嬢様然とした姿に若干の物足りなさを感じる一方で
ルッツに遠慮なく抱きついて、
ベンノに「本質は変わっていない」と言われる姿に安堵したわけだけど。
そうじゃないんだと、ルッツと一緒に気付かされた読了間際。
やるべきことを懸命に努力してきた結果としてみせた
領主の養女としての立ち居振る舞いは不覚にも(何故?)カッコイイと思った。
でもやっぱり、神官長をぎゃふんと言わせるために暴走している姿が彼女らしいよね。



ローゼマインの推し進めたコンサートのプログラムやイラストの物販事情にはわかりみしかない。
そりゃあ、買うよね。
うちわもクリアファイルも何もかもが買ったきり使い道がなかったけど。
最後まで読み切ったパンフは数えるほどしかないけど。
そう。あれは確かに寄付だった(笑)



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「高速ジャンクション&橋梁の鑑賞法」



その圧倒的なスケール。
機能的で無機的であり、美しくもある外観。
何より、それは人が設計して作り上げたもの。
眺めているでワクワク感が募る。
一言で言えば「超カッコイイ!」。←語彙……(笑)
写真の素晴らしさとかつての思い出が直結して二倍楽しい。
初めてレインボーブリッジを走った時の夜景の美しさに感動こと。
初めてアクアラインを走った時の爽快感。
そして、初めて首都高を走った時にそのルートの複雑さに半泣きになったこと。
(当時カーナビなんて搭載してなかった)
今度は走るんじゃなくて外側からゆっくり眺めてみたい。

首都圏の道路を走ってみると、車線の多さと車の多さに
東北との人口の違いをまざまざと思い知らされる。
目次で東北のジャンクション名を探したけど
規模の大きさの違いから、載ってなくても仕方ないよね、
と思ってみました。



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「金の小鳥の啼く夜は」かわい有美子 (リンクスロマンス)



凛とした文章が紡ぎ出す、繊細でやさしい物語。
左半身に重度の火傷痕があっても、両目が見えなくても。
その心根の優しさと美しさが損なわれることのなかった二人。
6年かけて二人が築き上げた幸せな閉塞世界。
そこにいることで満ち足りていた二人が
その世界が瓦解しそうになった時に感じた絶望。自覚した愛情。
そして、二人を更に大きな世界へと解き放って行った好意と経緯。
一緒に一喜一憂しつつで読みごたえあった。
英彬の良く響く艶やかなテノールが聴こえてきそうな描写が秀逸。
雪乃の告白の言葉はあまりにも鮮烈。刺さったわ。
そして高彬の策士っぷりに喝采を。

やけど治療のための皮膚移植。
あたしそれやってる~~!と、思いがけない親近感(笑)
背中の皮膚を右足に移植したそうです。←覚えてない。

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「人でなしの恋」かわい有美子 (リンクスロマンス)



時は昭和初期。
第一高等学校時代から仲の良かった三人。
仁科、花房、黒木。
共に過ごす年月が増すごとに、
複雑に絡み合っていく三人三様の想い、
時に感情が勝り、時に理性が勝り。
だけど、どうしても嘘のつくことができない心の底から込み上げる想い。
そんな彼らの心情が丁寧に描写されていて、引きこまれると同時にやるせなくもなる。
仁科から見た黒木と花房から見た黒木。
それぞれの解釈が全く違うところがおもしろい。
仁科の想いには胸が痛くなるし、
誠実で実直な花房もまた、捩れた想いを抱えている。
少し苦味の残る読後感が、また心地良い。



関東大震災、小石川、というワードは『はいからさんが通る』と直結。
私は隻眼の黒い狼が大好きでした。
仁科、花房、黒木の三人が別な作品にも出ていることをさっき知ったけど、
既にかわいさんコンプしている私は慌てない(笑)
積んであることの利点は「いつでも読める」
次は『金の小鳥の啼く夜は』にいきます。

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「世界の文豪の家」



美しい建物の写真を眺めているだけでもとても楽しい。
本読みとしては、その建物で生活していた作家たちの作品がいかにして生み出されたのかを
知ることができるのはとても嬉しい。
そして、簡単にではあるものの、紹介される作者の人生が大変興味深い。
ローラ・インガルスが『大きな森の小さな家』を
執筆し始めたのが還暦を過ぎてからだということに驚いた。
そこから9作品。人間の可能性は無限大。
一番インパクトがあったのがユゴーの家。
なんじゃこりゃ!?的なインパクト。
落ちつかない。
ヘッセの生活していた場所は作品イメージそのものの風景の美しい場所で嬉しくなる。→


読みながら何を思ったかというと、
部屋を徹底的に片付けて、綺麗に整えたくなってみました。
そんなふうに触発されるくらい、素敵な家がたくさん。
特に北欧の家は洗練されている気がします。
紹介されている作家は41人。
そのうち既読の作家は20人でした。

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