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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「カブキブ!1」榎田ユウリ (角川文庫)



部活(今はまだ同好会)に打ち込めるのは青春時代の特権。
のみならず、熱意を持って一から物事を作り上げる事と
苦心しながらもその過程を全力で楽しむ事が出来るというオプション付き。
ちょっと羨ましい。
カブキ同好会を作る為の部員集めに奔走する青春物語の第一作目。
集った面々がこれまで背負ってきた人生と、その個性が際立っていておもしろい。
「歌舞伎」との係り方をとってみても人それぞれ。
人を動かすのは熱意なんだなぁ、とつくづく思う。
初っ端から抱いていたワクワク感が最高潮に達したところで次巻へ。
全巻そろえて読み始めているので即ダイブ!

大衆文化については『逆説の日本史』で学んだ知識がお役立ち。
おお! ちゃんと身についてる! と、感動。
私の最大の聞き間違いは
「アンドロ国書記長」。
ラジオで「アンドロ国書記長が死去しました」というニュースを聞き、
聞いたことないけど、どこに在る国なのかな?と思った若かりし頃。
正しくは「アンドロポフ書記長」でした。

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「魅惑の恋泥棒」かわい有美子 (リンクスロマンス)



かわいさんの織り成す作品世界の豪華な雰囲気と、
高嶺さんの華麗なイラストの見事なコラボ。
そして所作がことごとくスマートで
大人の余裕がある沖が半端なくかっこいい!
彼の所有する車がジャガーってところも、ポイントアップ。
更に、髪を上手に洗ってくれる恋人って私的なツボドストライク。
年上が年下を甘やかす時に、年下の恋人を「この子」呼ばわりするのは大変好み。
読んでいて幸せ。
後編で明らかになる柳井のトラウマ。
ここで沖が示す抱擁力がカッコイイ。
ん?
沖語りに終始してしまった。
そんな沖が心惹かれた柳井も勿論魅力的。
でもやっぱり沖推しで(笑)

好き作家さんの世界観を
好き絵師さんが見事に表現してくれた作品。
泥棒稼業に関する突っ込みはおいといて、
眺めてるだけでも幸せだし、読んでも幸せ。



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「嘘ですけど、なにか?」木内一裕(講談社文庫)



漫画だったら楽しめたのかな?
都合よすぎる展開に、最後まで作中に入り込めないまま読了。
ん~~?
私的には緊急事態な感じですが、以上で感想終了(笑)
この冊数読んできて初だわ……

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「赫蜥蜴の閨」沙野風結子 (幻冬舎ルチル文庫)



過ぎた執着も憎しみも。
それが、自分自身に向けられたものなら受け止めようがある。
けれども、自分を通り越した誰かに向けられたものだったら?
やってらんないよね。
獣染みた行為から始まった臣と光己の関係。
互いが自分の境遇や生活に満足していたら、
惹かれあうことはなかっただろう。
だけど、欠けたものを補うかのように躰でそして魂で絡みあっていった二人。
破滅願望を持った男は情人を生かすことを選び、
生きることを選んだ男は情人と共に壊れることを選ぶ。
命懸けで成就した想いは壮絶。
だからこそ、5年後の穏やかさが嬉しい。

重量感のあるシリーズ4作。
がっつりとした読み応えに大満足。
『蛇淫の血』『蜘蛛の褥』『蛇恋の禊』『赫蜥蜴の閨』
内容を鑑みて、これ以外ない!という絶妙のタイトル。

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「蛇恋の禊」沙野風結子 (幻冬舎ルチル文庫)



過去は変えられない。
悔いてもその過去の延長上の未来に進むしかない。
自分の選んだその道が間違っていなかったと証明するために。
そのために他人の血を流すまいと、
痛々しい程の潔さで腹を括った凪斗。
彼に手厳しくしたのは臨んだ方向へ導くためだったはず。
なのに、そんな凪斗の姿を見て、何故ブレてんの?角能~~!?と、
一瞬愕然としました。はい。
だけど、そんな角能が見せた腹の括り方は壮絶で、
鬼気迫る奈良さん絵で臨場感倍増し。
いろいろあったけど、最後はお祖母ちゃんの残して逝った想いに涙。
お祖母ちゃんっ子の私には込み上げるモノがありすぎたわ。

さて。
次はいよいよシリーズ最終巻。
主役は違うけど、間違いなくこの落とし前つけるよね?
久々の沙野さんワールド、ゾクゾクするわ。




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「蜘蛛の褥」沙野風結子 (ガッシュ文庫) 無題



肉体的な面でのバイオレンスとエロスは安定の読み応え。
だけど、それ以上に精神的な面でのハードさに引きずりこまれる。
同じ高校の先輩後輩だった神谷と久隅。
12年ぶりに再会した二人は検事と経済やくざに。
神谷が心に秘めた行き場のない想いを暴き、叩き壊して葬った久隅。
久隅が神谷に溺れていき、神谷もまた久隅にのめり込んでいく。
にも関わらず、甘さの欠片もない心理的な攻防は圧巻。
不眠を少しでも解消するために神谷が選んだ物が、ただいじらしい。
久隅に気付いてもらえて良かった。
堕ちるのも浮上するのも一蓮托生な二人。
書き下ろしのタイトルが絶妙。


基本的には一般書とBLは交互に読むようにしてるんだけど、
シリーズ物の場合はどうしても一気に突っ走りがち。
でも、一気読みも読書の醍醐味の一つだと思っているので無問題。
BLは門外不出!と決めているので、自宅でしか読めません。
(いついかなる挿絵がどーんと出てくるかわからないから)
タイミングよく週末。
というわけで、一般書はさておいて、心置きなく続刊へ。

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「蛇淫の血」沙野風結子 (ガッシュ文庫)



最初に芽生えた想いは恋なのか?と問われると、
素直に諾と言いづらい。
もっと濃密で、もっと切羽詰まった想いがそこにある。
角能と凪斗。
どちらにとっても運命を捻じ曲げてしまうほどの強烈な出逢い。
普通の大学生として生活してきた二十歳の凪斗が、
突然暴力団の組を継げ、と言われたところで無理がある。
その無理を可能にするための経緯が非常にエロティック。
終始漂うヒリヒリとした緊張感。淫猥な空気感。
凪斗が平穏を切り捨てた瞬間と、角能が永遠を誓った瞬間は
挿絵の効果もあって素晴らしさ倍増し。
生き辛い道を選択したとは思うけど、上りつめてほしいな。

角能の前職が良いスパイス。
前科持ちでもありきたりの極道じゃないところも良い。
運命に翻弄されてただ泣くのではなく、
抗って腹くくって欲しいモノを手に入れた凪斗の在り様はカッコイイ。
沙野さんも順調に(?)積んでいるので、シリーズ4冊手元にあります。
安心して読み進められますね~☆

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「オリエント急行の殺人」クリスティ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)



雪で立ち往生した列車の中で起きた殺人事件。
乗り合わせた人々との対話を通して名探偵ポワロは推理する。
この事件の真相を。
同じ車中劇でも移動する新幹線が舞台の
伊坂さんの『マリア・ビートル』が“動”ならこちらは完全に“静”。
登場人物たちがほぼ一貫して列車内に留まったまま、
ここまで面白く読ませる物語展開はさすがクリスティ。
そして、その対話の中から、それぞれの人物たちの
過去が浮かび上がり、物語はより深みを増していく。
付け合せた証言から露わになった嘘。
ポワロの推理にキャンキャン言っているおっさんズが
素人代表!的な感じで良い味出していました。


ポワロが取り出した毛先をカールするための焼きごて。
「口髭に使っているんです」
「毛先をカール」から毎朝使っているヘアアイロンを連想した私は
こてにそんな使い方があったことにびっくり。
今回、これが一番のびっくりだったかも。←事件全く関係ない(笑)

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「ぼくのワンピース(下)」山田睦月/菅野彰 (ウィングス・コミックス)



泣くな、と言われても、こみあげる涙を止めることは難しい。
ってか、私無理な気がする。
だけど、真人の言葉通り綺麗に笑った等。
二人で築いてきた7年間の繋がりの深さ……なのかな。
あんなふうに人生に影響を与えあえる関係ってそう簡単に築けない。
気付けば「ぼくの」から「ふたりの」に変わっていたワンピース。
等の自己肯定はとても嬉しかった。
ただ、傍らに真人がいないことが哀しい。
別離は不可避。
痛みも哀しみもすべて抱えて生きていく。
いつかやわらかでやさしい思い出に変わる日を信じて。
ものすごく印象深い作品になりました。

菅野さんの原作と山田さんの漫画。
これしかない!という素敵なコラボでした。
絶対に無理だけど、自分のお葬式を俯瞰して見てみたい。
私も華やかなのがいいなー。

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「ぼくのワンピース(上)」山田睦月/菅野彰 (ウィングス・コミックス)




華やかな告別式から始まる物語。
式に招かれた人たちは「最も派手で華やかな衣装」を身に纏い、
彼のことを語り、彼のことを思いながら、かつての自分を振り返る。
「自分とは何か?」
突きつけられる問いは簡単に答えが見出せるものなどではなく、
ひとたび迷子になってしまったら、思索の迷路を彷徨い歩くことになる。
考え続けることも、考えることを放棄することも各人の自由。
自分が最も楽に生きられる道を見出すことが出来ればそれでいい。
だけど、それが難しいんだよね。
常に泰然としていた真人が抱えていた大きな秘め事。
覚悟はできていても息を呑む。

前にも言ったけど、
2年生存率を考えざるを得ない状況になった時の私の心の安定剤は北方の『水滸伝』だった。
生きる時は生きる。死ぬ時は死ぬ。
自分にとっての生存率は0か100。
その達観の仕方がなんかすっごい落ち着いた。

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