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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「東方美人2 千年王国」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



望んでその仕事を選択したわけではない。
にも拘らず、そして仕方がないと諦念を抱きながらも、
その任務に就き、優秀な成果をあげる。
そうせざるを得ない仕組みを作り上げたKGB。
やっぱり怖いわ。
ベルリンからイギリスを経由し、舞台はまさかのアフガンへ。
アレクセイと行動を共にするにつれ、変化を兆していくサエキの心情が
痛々しいんだけど、愛おしい。
アレクセイは一貫してぶれなかったなぁ。だからこその安心感。
ベルリンの壁の崩壊に合わせた見事な着地。
激動の時代を、そしてそこに生きる男たちを書き切った重厚な物語。
読み応えありました。


読みながら何度も頭を過ったのは『ツーリング・エクスプレス』
その中でもロシアン・エクスプレス。
そしたらラストがメッチャシンクロしていて、おぉ!となりました。
今年は桜をのんびりと鑑賞できるような状況ではなかったので、
来年は是非とも満開の桜を存分に鑑賞できますように!
見たい桜はまだまだたくさんあるのよ~~。


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「シグマフォース外伝 タッカー&ケイン シリーズ1 黙示録の種子 下」 (竹書房文庫)



「頼みたいことがある」「いいですよ」
そんな程度のやりとりで成立した依頼だったけれども。
いざ取り掛かってみれば世界中を飛び回る羽目になった上、
何度も狙撃主に狙われる命懸けの任務。
学術的な謎解きとアクションの二本柱は相変わらずだけど、
今回はタッカーと相棒犬ケインのワンチームが満身創痍で頑張りきった。
タッカーから発せられた命令に、え? そこまで? と思ったけど、
ケインがその意味を理解していなかったことにほっとする。
敵方がわりとあっさり倒されていった感じはするけれども、
ラスト、粋な計らいがダブルで続いて、読後感は上々。



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「東方美人」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



東西冷戦下のソビエト。
ベルリンの壁が存在したドイツ。
各々が終焉を間近に迎えた1980年代が舞台。
ヒリヒリとした緊張を孕んで展開していく
重厚感のある物語にのめり込む。
KGBの諜報員の仕事の殺伐とした感じと孤独感がひしひしと伝わってきて薄ら寒くなる。
後出しみたいに縛り事が出てきて、気づけば故郷に帰れない。
家族にも会えない。
私、絶対無理。
組織のことを多くは知らずに任務についたアレクセイと、
諜報員として有能でありつつ孤独の淵に在ったサエキ。
この二人の距離感の縮まり方がとても良い。
お互いに出逢えたことを尊ぶ二人の行く末は?


『チャイルド44』に始まるレオ・デミドフ三部作を読んだ時の
鬱々とした気持ちを思い出したわ~。
スターリン時代のソビエトを描いた作品で、感想の中で私
「この時代のこの国で生き抜ける気がしない」と再三言ってたけど、
その思いはこっちの時代でも変わらず。
この物語はベルリンの壁崩壊で終わるのか、ソ連の解体で終わるのか。
ものっすごくわくわくしながら次巻へ。





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「シグマフォース外伝 タッカー&ケイン シリーズ1 黙示録の種子 上」 (竹書房文庫)



元米軍兵士のタッカーと、元軍用犬のケイン。
互いを「相棒」と認識しあう一人と一匹の物語。
シェパードのケインの利口さとその活躍っぷりにひたすら目を瞠る。
そしてタッカーに対するケインの愛情深さに目尻が下がる。
時折混じるケイン視点の描写がリアルで、
頑張っているケインをとてもとてもモフりたい。
……と、緊迫感のないことを想いつつ。
渦中の人達は命からがらの危機を逃れつつ、
なんとか目的地へ辿りつこうと必死の大移動。
何がヤバくて追われているのかはタイトルの通り。
広げた大風呂敷を畳むのは下巻にて。


友だちのおうちの子が「カイン」という名前のシェパードなんだけど、
ものすごーーい甘えっこ(笑)
それはそれでその子の個性。
シグマフォースシリーズ外伝。
物語の構成は本編と同じだけど、本編より読みやすい気がする。






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「不愉快犯」木内一裕 (講談社文庫)



どんな役割を振るのであれ、他者を介在させた時点で「完全犯罪」が成立する確率って
格段に減ると思うんだよね。
自分で完全にコントロールできない不確定要素はあってはならない。
自己完結できなかった時点で、彼の目論見が成立する確率は100%を切った。
自己陶酔した彼のマスターべーションみたいな犯罪語りが、言ってみれば「不愉快」なので、
読み切れない事態にぶち当たった彼が混乱するに至って、
そううまくいくわけがない、とほくそ笑む。
個人的にはノボルが青臭く爆発したシーンが好き。
人情味あふれる良いデカになると思うよ。
でも一番はここでも佐藤推し。

『デッドボール』と同一キャラ。
ん? 何で? パロ?? 使いまわし?? と混乱。
気付いた瞬間から二次創作っぽく感じられたのが残念かな。
そして、「吉野家で食事をして」を「よしのけで食事をして」と読み、
「え? 吉野さんってどこで出てきた!?」と混乱。
読んでる途中で戻ることってほとんどないんだけど、
さすがにちょっと戻って「よしのや」と理解。
びっくりしたー。

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「玉の輿新調しました: 玉の輿ご用意しました3」栗城偲 (キャラ文庫)



自分の将来の在り様について。
高校生も悩むし、大人だってもちろん悩む。
青依、印南、そして印南の甥の誉。
三者三様に葛藤しつつも、みんなそれぞれ自分なりの答えを見つけ出す。
誰に責任を押し付けることもできない、自分で努力して歩む道を。
巻数を重ねるごとに濃密になっていっている濡れ場から
二人の関係性の深まりが伺えてうまいなーと勝手に解釈。
物事の進行も各々の心理もとても丁寧にリアルに描写されているから
一緒に一喜一憂しながら納得してしまう。
満足したところで人の成長は止まる。
奮闘する彼らの今後に期待を寄せて、シリーズ楽しく読了。


個人的に諸星も気に入っているので再登場にホクホク。
それにしても諸星光って……ローラースケートはいたアイドルグループ
しか連想できない。←年代。
シリーズ番外編入手を試みつつ、栗城さんの他作品にも手を出してみようと思います♪
楽しみ。

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「玉の輿謹んで返上します 玉の輿ご用意しました2」栗城偲 (キャラ文庫)



人々のやさしさが心に沁みてあったかく泣けた。
こういう涙は嬉しいね。
好意的に接してくれる人がまわりに集まるのは、
青依自身が日々、皆と明るく接して一生懸命頑張っているから。
青依の過去をうっすらと悟っていることを悟らせない工場の人達、素敵。
職場では青依に対して公私混同しない印南と酒勾も大人でカッコイイ。
印南はプライベートではちょっと残念なところもチャームポイント。
でも、そういう所も青依との生活の中で
ちゃんと改善されてきてるところがすごいなーと。
自分の様式を押し付けない柔軟さが良い。
このカップルのスタンス、ホント好きだわ。

「放牧体質」から「束縛野郎」への転換に笑う。
過去の男遍歴がホント残念すぎる印南。
青依に出逢えて良かったね。
口絵の印南と酒勾のカッコ良さに悶絶。
真っ赤なスーツが似合ってるイケメン眼福。

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「ブルー・ドレスの女」モズリイ (ハヤカワ・ミステリ文庫)




職を失くし、金のために引き受けた人探し。
だが、イージーは思いもよらない事件に巻き込まれていく。
イージーは女の居場所を、或は女と共にいた男の居場所を尋ね歩く。
問われた者たちは知ることを答える。
そんな彼らの様子から、当時のアメリカを伺い知ることができる。
地に足がついた堅実な展開の中、
枠に収まらないトリッキーな男の存在がキーポイント。
個人的には「タフでなければやってられない」床屋のオヤジに注目!
剃刀一本で店内の秩序を保つってすごいよ!
そしてイージーは職に就く。
次作に大いに興味をそそられる職に。


とはいえ、次作以降の本の入手はちょっと難しそうかな?
行方不明の女はダフネ・モネ。
この女、ちょっと……と思いながら読んでいたけど、原題に納得。
最初から最後まで面白く読了!
【ガーディアン必読 95/1000】

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「玉の輿ご用意しました」栗城偲(キャラ文庫)



年の差12歳。
育ってきた生活環境も学歴も今在る状況も天と地ほど違う二人。
当たり屋稼業の蒼依が条件付きで印南に拾われるという
ある意味シンデレラストーリーだけど、
互いに感化されてどちらに対しても良い方向に影響を与え合っている様が伝わってきて
とても良かった。
何より、蒼依の素直さと柔軟さが良い。
ホントに良い子だなぁ。
そんな蒼依と共に暮らすうちに次第に彼に惹かれていく印南。
印南は欠落していた大切なものを蒼依によって補ってもらったんだと思う。
胸に刺さる言葉やシーンが随所にあって、彼らと一緒に一喜一憂。
好みドストライクの面白さでした!

ここのところのBLは安定安心の作家さん買いだったので、新規開拓。
始めましての作家さんを試しに一冊……と思ったけど、
シリーズ一気買いしておけばよかった~~!わー、ぬかった!!
と、ジタバタするくらい良かった。
さて。続きを入手しなければ。

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「BUDDY DEADLOCK season2」英田サキ (キャラ文庫)



事件については突っ込みどころがあるけれども、そこは許容範囲でご愛嬌。
シリーズオールキャラ総出演の本作。
各々のカップルの蜜月ぶりに拍車がかかっているにもかかわらず、
嫉妬したりノロケまくったり惚れ直したりと、当事者たちは忙しい。
微笑ましいなぁ。
ディックの「完治しなくていい病」はさもありなん。
ディックはユウトがいない世界で1秒だって生きていくつもりがないところが危うい。
ユウトは年を重ねるごとに懐の深さが増していっている。
ディックが抱えた闇が深いだけに、
この先はずっとユウトと一緒に光の中を歩いていってほしいな。

ペーパーは字がみっしりで嬉しい読み応え。
本編で刑務所時代のことを振り返っているおかげで
最初から読み返したい気分になってみるけど、
今は手いっぱいなので、そのうち。←こんなんばっか(笑)

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