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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「手を伸ばせばはるかな海」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



前半は瀬里の想いが突き刺さるように胸に流れ込んできて痛い。
自分は多分、瀬里みたいな感じ方や考え方ができない人間だと思うけど、
半端ない共感性。
これは崎谷さんの筆力。
瀬里の自己評価が低すぎるのに対して周囲の瀬里に対する評価が高いっていうのが、
そもそもの不憫さの一因。
瀬里視点での弟・和輝と和輝視点での言い分とでは随分な食い違いがあったけど、
きちんとわかりあえて良かった。
私が思っていた以上に不器用だった大地と、
「好き」を自覚してから距離を縮めていが様がとてもよかった。
「大好き」って言葉が似合う可愛らしいカップル。

前巻の藤木にまつわる出来事を瀬里目線で語られているのがとても興味深い。
そして初読の時よりも大智のことを二割増しでカッコイイと思っている自分も興味深い。
そして何故か『ブラディ・ドール』の藤木が脳内でチラチラしていて(北方キャラで一押し!)、
新装版に手を出したくてウズウズ。
だけどまだ我慢。
海辺のカフェってのも類似点だってことに今気づいたわ。

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「目を閉じればいつかの海」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



相手を思ってのその行為は、果たして本当に相手の為なのか?
それなりの人生経験を積んだいまだから、色々思うところがある。
だけど、渦中にいたら、それ以外の答えは見つけられないんだろうなぁ、という
当事者なりの切迫感もわかる。
折り合えるまで話しあえるのが理想なんだろうけど、時間と状況が許さない。
そして、なけなしの勇気を振り絞って手放すことができるのは一回だけ。
二度目はないってのもよくわかる。
「俺の十年無駄にしやがって……」
ここから丸く収まるかと思ったらもう一波乱。
親身になってくれる他人の存在がとても心強い。

このシリーズで崎谷さんにドハマリして、
ンプする勢いで作品を買い揃えていったけど、まだ追いつかない(笑)
まずは手持ちの本の感想を地道にあげていきます。
家の中の彼女の荷物を全部持って留守中に出て行かれた経験、私の知り合いもしてたなぁ。
「私の買ったものは全部持っていきます」という置手紙があって、
衝撃のままトイレに行ったら、セットしてあったはずの
トイレットペーパーまでなくなっていたって聞いて爆笑するしかなかった。
原因は彼の浮気なので自業自得なのです。

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「R帝国」中村文則(中央公論新社)



読みながらいくつかの作品名が頭を過るが、
これは、現代を生きる人たちへの警鐘も踏まえた中村文則なりのディストピア。
作中で語られる事象に対して何を思い、をどう受け止めるかは私たち次第。
第一部は震えるほど面白かった。
そのまま突入した第二部。
同じような温度で最後まで作品世界に没頭できたら良かったんだけど。
ここ最近の彼の作品での女性に対する描写に辟易していた私は、
ここでもその壁にぶち当たり、我慢の限界を突破したみたい(笑)
ふざけんな、と、蟠りが燻りまくっての残念な読了。
もったいなーい。
数年後に読み返したら違ってくるのかしら?

手持ちの中村作品はあと3冊。
とりあえず買ってしまっているので、
全部を読みきった時点で彼と決別するか読み続けるか判断することにしよう。
彼の描く作品世界は本当に好きなだけにこんな決断を迫られるなんて残念!
あ、でも過去作品に対する愛は変わらない。

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「ふさいで~イエスかノーか半分か番外篇 3~」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



一穂さんが描くのはその人の「人生」なのだと。
つくづく思う。
一瞬の情景を切り取ったドラマではなく、その人の歩んだできた軌跡を読ませる。
とても深い話だった。
意味深なタイトルも秀逸。
現実に打ちのめされてボロボロになった栄に放った設楽の言葉に鳥肌が立った。
業だなぁ、と。
自分が越えられない才能を持った者に対して迸る想い。
その言葉で栄は走り続けて、そして設楽は見守り続けて。
再会を果たした二人の新たなる船出はなるか?
偶発的な出来事からそのジャッジに立ち会ったのは、本編でも良く馴染んだ人たちで、
展開のうまさに溜め息。



重苦しい場の雰囲気をぶち壊した竜起の溌剌とした明るさに安堵。
第三者視点の話だと、外面しか見えない国江田さんのプロ意識に感心しつつ、
裏の毒舌を想像して楽しくなる。
栄と一緒に仕事ができてうれしそうな深の姿が目に浮かんで
なんだかこっちもうれしくなる。
シリーズを読み続けてきたからこそ味わえる楽しさ。
プラスして、じじいレンジャーがとっても可愛らしかった。
栄と言う人を掘り下げて書いてくれたのは良かった。

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「流浪の月」凪良ゆう(東京創元社)



「うちにくる?」と問われ、「いく」と答えた。
終わりにしたかったから。
行き場がなかったから。
二人の間に何があったのか。
どんな感情が芽生えたのか。
それは、当人にしかわからない。
きみのため、あなたのため。
つらかったね、怖かったね。
変質者。病気。
外から囁かれた言葉の数は数多あれども、真実を知る彼らの声は届かない。
閉塞感に押しつぶされそうになりながら読みつづけ、
だけど、彼らのたどり着いた答えに安堵する。
一人で孤独の淵に沈められなかったことに。
誰にも言えない悩みを抱えた時、人はどこに、そして誰に救いを求めればいいのか?

圧倒的な読み応えのお借り本。
そのうち買うつもりだったから貸してもらえ良かったー!
でも欲しくなるね(笑)
途中途中であれ?ってひっかかったことが全部回収されて、あ、すごいわー、って唸った。
会社に行かないといけない現実があって、読むのを途中で区切らざるを得なかったけど、
ひたすらこの作品世界に没頭して一気に読み切りたかった。


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「恋敵と虹彩 ~イエスかノーか半分か 番外篇2~」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



読み進めるほどに楽しさのボルテージが上がっていって、
最後は声を出して笑いながら読了。
楽しかった!
このシリーズは潮と計がいてこそなんだなーと再認識。
そして、潮が私が思ってた以上にイイ男だった。
外面を取り繕っていない素の計に出くわして挙動不審になっている深と、
ナチュラルに対峙している潮と竜起の落差も面白い。
全体の3/4は付き合い始めて2週間後からの竜起と深の話。
嘘をつくならその嘘を墓場まで持っていく覚悟で。
それができないなら、嘘はつくべくではない。
と言うのが私の持論。
竜起に対する好きがダダ漏れている深は可愛かった。



先日、社長と西宮神社の福男の話をしたばっかりだったので、
題材的にとてもタイムリー。
「学業=よほどの問題がない限り目的は達せられる」と書かれたおみくじの通り、
国家資格を取得した身としては、
おみくじって当たるんだわー、と思っています。
引いたのは「天然石おみくじ」だけどね。(笑)

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「始まりのエデン 新たなる神話へ」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート)




それは不可避だとわかっていたから。
ずっとずっと胸が苦しかったけど。
その瞬間には悲しみと、そして安堵で落涙。
彼がひとりではなかったから。
孤独ではなかったから。
そのことがとてもうれしくて哀しい。
人の強さ、弱さ、ずるさ、愛情深さ。
色々な想いが詰め込まれていて、彼らの一言や行為が胸に刺さった。
全巻を通して教えられたのは「世界を変えたいのなら、まず変わるのは自分」ということ。
他者に責任と行動を委ねるのではなく、自らの手で未来を勝ち取るべきなのだと。
彼らは行動で示してくれた。
一つの戦いの終りは、新しい困難の始まり。
だけど、彼らは乗り越えていくだろう。


クリスマスや誕生日に「何が欲しい?」と聞くと必ず「本!」と答える姪っ子ちゃん。
この作品はいつか、彼女にも読んでもらいたい。
私の本棚は中学時代から集め続けた本がどっさりみっしり詰まっているので、
(何度も整理しているから残っているのはお気に入りばっかり)
彼女の年代に応じてその本たちを読んでいってもらいたいなーと思っているのです。

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「横顔と虹彩 ~イエスかノーか半分か 番外篇~」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



概要しか覚えてないなーと思いながらの再読。
なにこれ。面白いんですけどー!と、食い入るように読んでしまった。
竜起と深。
対極にあるような性格の二人が、
互いの良さを認め、努力を知り、良い意味の影響を与え合って成長していく。
仕事的にも、互いを知るほどに惹かれあっていく恋愛的にも
読みごたえがあって面白い。
ふがいなさを知ることは、成長の糧になる。
自分に足りていないものと、この先の仕事とどう向き合っていくのかと言う自覚。
若い二人の足掻きがなんだか眩しい。
これからの二人がとても気になるので、番外の続刊は嬉しい。


全力では仕事をしたくない身としては、
彼らの働き方に頭が下がる。
いかに余暇のために余力を残すかが私のポイントだからなぁ。
とはいえ、最初の職場がブラックすぎて、今の職場は何をやらされてもあの時の大変さを越える仕事はないからぶっちゃけ楽。
……と思っているのは会社には内緒(笑)
そんな前職ともいまだにつながりはあるので、いい勉強をさせてもらったという意味で感謝☆

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「銀の騎士 金の狼 新たなる神話へ」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート) (



あなたと私。
個と個として出会い、同じ時間を過ごし、関係を深める。
そうやって築いた絆の間に、出自はどれほど関係があるのだろう?
生まれや育ちに拘り出した者たち全員に問いただしたい。
あなたはその人の何と付き合ってきたのかと。
だったらあなたが去るべきだと。
苛立ちを飲みこみながら読み進め、なんかもう、レジスタンス側の人々に色々憤慨しての読了。
多大な権力を持ちながらも地位に固執しない者は強い。
自分の保全だけを考えればいいのだから。
「人生を終わらせるために必要な存在」
彼のその言葉に胸が軋む。
生きるために戦ってほしいと。
そう願って止まないのだけれども。


那智の滝。
次巻で出てくるかな?
那智大社へつづく階段を下から全力で駆け上がり、ぜーぜー言いながら御朱印をいただきに行った思い出。
間に合ってよかった。
和歌山、また行きたいなぁ。
今度はアドベンチャーワールドに行きたい!
そしてパンダビレッジに泊まりたい。

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「チンギスの陵墓(下)」 (シグマフォースシリーズ8)ロリンズ(竹書房)



起こった問題に対する多方面からのアプローチ。
ある程度判別できてしまう関わる人たちの生死。
そして、限られた時間内でのドキドキハラハラの問題解決。
この展開もマンネリ化してきたなぁ、もうちょっと違う展開でもいいかなぁ、
と思った後半の自分を襲ったとんでもない衝撃。
ちょっとロリンズ!
そんなびっくり望んでなかったよー!(涙目)
防御なしに爆風を浴びた気分。
それでも、エピローグ・裏はいらなかったと断言する。
爆風と一緒にチンギスも吹っ飛んだわ。
作者の織り成す世界に翻弄されるのが読者。
間違いなく続きも読むよ。


「頑張れ!」と言われ「さっきからずっと頑張っているわよ!」と言える
女子の頑張りは好きだなー。
『逆説の日本史』もまだ道半ばだけど、
『逆説の世界史』の文庫はしっかり追いかけていこうと思ってみた。

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