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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「東の双龍、西の唐獅子」綺月陣 (ガッシュ文庫)



獣シリーズを読んだ後なので、西の極道の笑顔にほっとする。
だけど、修羅を潜り抜けた廉の過去は、底の知れない凄味となって、彼に纏いつく。
西が強烈なだけに、一方の東の極道がとても礼儀正しくてクリーンに見えてしまう不思議。
颯太と廉の偶然……というよりも、必然としか思えない出逢い。
立場や生い立ちの全く関係ない二人の交流に和みながらも、
どうしたって拭えない二人の背後にチラつく特殊な環境の影。
一触即発の危機を回避させた龍が半端なくカッコよかった~。
自分の力の足りなさを自覚している次郎。
一人で完璧じゃなくても、二人で無敵だったらそれでいい。
だからこその「双龍」。
廉と九堂の本質を言い当てた颯太。
廉にとっては至上の言葉だったんだろうなぁ。

亜樹良さんのあとがきヤバイです。
何故廉に携帯拉致られてるの!?じろちゃん!!(笑)
そして、綺月さんのあとがきを噛みしめるように読みました。



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「獣・煉獄」綺月陣(ガッシュ文庫)



前巻で地獄の淵に足をかけた二人の、この世への生還の模様を描いた完結編。
あの状態で、一体どうしたら……と思っていたわけですが。
なるほど、そういうことでしたか。
彼等に係る人々の、そして彼ら自身の様々な感情に翻弄されつつ、
結局は廉の気持ちの強さと九堂の狂気じみた情の深さに着地する。
迷いは自力で立つべきだと、九堂に身を預けた廉。
廉を抱いた九堂の涙。
再び巡り逢った彼らの行く道に咲き乱れるのは血染めの曼珠沙華。
廉の背に曼珠沙華の図案を描いた九堂の想いに鳥肌。
愛という言葉では到底足りない想いをぶつけあい、貪りあう二人の物語。
他に類を見ない物語でした。

究極の選択。肉を口に入れるよりはそっちかな?
でも人体に悪影響ないの?
と、うっかり調べてしまったばっかりに、読後の余韻台無しにしたバカは私です。
好奇心、身を滅ぼす。ちょっと意味違う?
無理無理無理。
「読む絶叫アトラクション」とは作家様のお言葉ですが、まさにその通りな獣シリーズを読了したところで、次は東西へ。


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「獣~壊滅~」綺月陣(ガッシュ文庫)



自分の尺度で相手を計って、その上大切な思い出を穢してしまったら、
大火傷じゃ済まないよ?と言いたくなる九堂の過去編。
あの状態で人間って喋れるものなの?と、リアルに想像すると気絶します。
そして本編。
籠の鳥に納まりきれなかった廉。
言葉が足りていなかった九堂。
自らの利のために蠢く魑魅魍魎。
結果、起こってしまった惨劇。
諦めずに最後まで闘い抜いた廉の気概にはただただ息を呑むばかり。
「もう、あかんか?」の九堂の台詞がものすごく優しく響いたのはなんでだろう?
愛に殉じる言葉を睦み合う二人が、ただただ痛々しかった。
あの状態からどうやって!?が気になるので、マッハの速度で次巻へ。

副題。
降臨→壊滅→灼熱→真蛸→覚醒とサラッと読んで、
「真蛸!?」と目を剥きました。
うん。想像通り(爆)


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「獣―ケダモノ―」綺月陣 (ガッシュ文庫)




久々に筋金入りの極道に出会いました。
BLなのに(笑)
愛に開眼した瞬間が、え?唐突!?と、一瞬思ったけど、
本能で生きてる人たちはそれでいいんだわ、と思い直してみた。
嘘がない分、いっそ清々しい。
激しく貪りあっている最中だというのに、なんかキラキラ飛んでいる星が見えました。
意に沿わないまま組長の座に祭り上げられた廉だけど、
ケジメのつけ方があまりにもお見事。
あれは人がついてくる。
そして、ついてきた人は裏切らない。
廉の傍らには怪獣若頭・久堂。
平穏な先行きなんてちっとも浮かばないんだけど、
だからこそ、先が気になって仕方がない。

とっても個人的な例えですが。
榎田さんの書く極道が北方謙三なら、綺月さんの書く極道は花村萬月。
うん。
私的には納得の例え。
力ずくで奪う愛し方かぁ……とっても体力勝負。
それにしても、久堂。この人、人間としてとっても規格外でした。

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「龍と竜 ~啓蟄~」綺月陣 (ガッシュ文庫)



学業に打ち込める学生生活に同年代の友人との忌憚のない会話。
かつて、体験し得なかったものを、いま、謳歌する竜城。
だけど、それはもはや自分には望むべくもないものだと突きつけられる現実。
龍一郎の執着と嫉妬も強烈だったけど、戦った竜城の根性も立派。
龍一郎の行為はそれはないよ、と思うんだけど、
吐き出された弱音に竜城と一緒にほだされてしまった。
なんか悔しいなぁ。(笑)
生粋の極道である素地を見せながらも、颯太のために一般人であろうとする龍は
なんだかんだカッコいいと思うの。
「勿体なくて軽々しく手を出せねぇ」
50男の本気の恋を垣間見た気がした台詞。
颯太は十分大事にされてると思うの。

シリーズ楽しく読了!
勢いづいてさらに先に進むべく、関連シリーズにと飛び込みます。
読メをやっていなかったら、出逢えなかった作品。
幸せのおすそ分け、ありがとうございます。

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「龍と竜 ~虹の鱗~」綺月陣 (ガッシュ文庫)



叶わない想いを捨てられないのも、心が自分にない相手を恋しく思って抱くのも、
誰かを想いながら別の男に身体を預けるのも。
そして、一切の言い訳をせずにただ待つことも。
全部自分の選択。
その役割を強制されている人がいないから、
彼らの想いの痛々しさの中に、愛おしさを感じてしまう。
竜城の存在感というか、貫禄が半端なかった。
颯太をただ甘やかすだけではなくて、
次郎にむかって突き飛ばしたのはお見事。
双方に対する信頼がないとできないこと。
年齢も価値観も違いすぎる次郎と颯太はまだまだ波乱がありそうだけど、
ぶつかりながら乗り越えていける……よね?(笑)

ますますもって気になる黒崎医師。
次郎は猛犬って言うよりは狂犬。
真藤には可愛い彼女or彼氏と幸せになってもらいたいなぁ。

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「龍と竜~銀の鱗~」綺月陣(ガッシュ文庫)



次郎と颯太の歳の差カップル(まだ未満)。
甘えの延長にある幼い恋心かと思って読み始めたけど、
その気持ちの底にはもっと深い事情があったことが、しっかりと伺える。
颯太がうっかり覗き見てしまった龍一郎と竜城のセックス。
愛し合う二人の目線の間に自分がいない疎外感。
ふわっとした展開ではなく、しっかり地に足のついたリアル感は読みごたえ十分。
強面ヤクザの次郎の苦悩はなんだかお気の毒。
次郎の腕の中の颯太が竜城と龍一郎がやりとりをしたメール。
この三人はまぎれもなく親子なんだと。
実感できる愛情に溢れていて、とても良かった。
龍一郎との養子縁組を断った竜城の主張がとても好き。

「じろちゃんじゃなきゃイヤ」ではなく「じろちゃんしかイヤ」
これ、ホント最強の殺し文句。
私はちっちゃい子供に「多分絶対に無理だってわかってるけど、
サンタさんにどうしても欲しいってお願いしたいものがあるの」
「なに?」
「みやこちゃん!」
と言われてメロメロになりました。
そんな内心を押し隠した私の返事は
「あ、それは無理だね。二番目のお願いにしておこうか」でしたが(笑)






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「龍と竜~白露~」綺月陣(ガッシュ文庫)



竜城を力でねじ伏せようとした龍一郎には腹が立ったけど、
ヤクザの流儀の中で生きる彼の最大限の譲歩を見せられ、
彼の竜城との恋愛に対する本気度を理解する。
とはいえ、読み進める程に棲む世界が違う相手との恋愛がどういうものなのか、
しみじみと身につまされる。
理解することと感情が受け入れる事とは全く別で、
それでも、ヤクザの龍一郎と添い遂げようとする竜城の覚悟。
お互いに向けあった愛情ありきの覚悟に感じた漢気。
龍一郎を理解しようと揺れる竜城の心の動きが丁寧に描かれていて、
思いっきり感情移入してしまった。
この先は波乱万丈でもバカップルでいてほしい。


母親は選べない。
そのことを不幸だと感じる子どもがいること。
そして、そんな子どもが母親に愛されたいと願う描写は何処で何度読んでも辛い。
個人的にはカフェの件はちょっと都合が良すぎるかなぁ、と思いつつ。
心にひっかかりがあったら、電話するかなぁ、とも思いつつ。
若干モヤモヤを引きずりつつ、ああ、でも良かったね!というところに着地しました。

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「龍と竜」綺月陣(ガッシュ文庫)



幼い弟・颯太を一人で育てていこうと、懸命に頑張る竜。
肩ひじ張ってるとか、意地になってるとかではなく、
ただ懸命に地に足をつけて出来ることを頑張っていこうという気概がいい。
差し出され手にも安易に縋らない。
そうやって一生懸命頑張ってる人に何すんのよ!?と、
思いっきり憤慨したくなる規格外の嫌がらせ。
これはもう、一般人は太刀打ちできないレベルだわ。
エコヤクザと言いつつ、龍の本質はガチの極道。
だけど、家族愛に溢れた温かい一面もあって、颯太とのふれあい方には思わず笑顔になってしまう。
一貫して貫かれていた龍の竜に対する深い想いと、竜の潔さと漢気に惚れ惚れしました。
続が楽しみ☆

完全に読友さんのレビューに引きずられてのシリーズ読み。
まだまだ続きがあると思うと楽しみですね~。
次郎さんの土下座にはなんだか胸を突かれました。


内容(「BOOK」データベースより)

「いきがるな。もっと俺に甘えろよ」両親を亡くし、幼い弟と二人暮らしの乙部竜城は生活のために掛け持ちでバイトをしている。昼のバイト先・カフェで知り合った常連客が市ノ瀬組幹部・石神龍一郎と知ったのは、夜のバイト先のホストクラブ。トラブルに巻き込まれ怪我をした竜城を自宅まで送ってくれたのがきっかけで、石神は何かと理由をつけてはアパートにやってきた。人に頼るまいと肩肘を張っていたはずの竜城だがその優しい一面に心を奪われて…。

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「昨日の敵は明日の恋人」綺月陣(プラチナ文庫)



あまりにもスマートでスタイリッシュすぎる一目惚れ展開。
即日ベッドインしての、熱烈な愛の告白。
この流れでの半端ない説得力は素晴らしすぎる。
お互いに大きな仕事を任される有能な社会人。
大人同士の甘くて濃密な愛を展開していくかと思いきや、
降って湧いた波乱のおかげでガチンコのケンカップルへ。
口ではどんだけ尖がってても、身体は好きオーラ全開のメイクラブ。
勝手にやっちゃってちょうだい、と、苦笑しつつ、
最後は禁句を発したタキのおかげで一世が泣かされる胸苦しい展開へ。
夏目先輩、グッジョブ。
雨降って地固まった二人は最強のライバル兼最愛の恋人でした。

紺野けい子さんの挿絵が素晴らしい♪
漫画を再読したくなりますね~。
潰しあうんじゃなくて、切磋琢磨する会社関係。
理想的過ぎる。
楽しく読了。



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