きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2017.02.04 「さよならトロイメライ」尾上与一(Holly Novels)
- 2017.01.28 「ヘブンノウズ 物語」英田サキ(SHYノベルズ)
- 2017.01.25 「ヘブンノウズ 赦罪」英田サキ(SHYノベルズ)
- 2017.01.09 「ヘブンノウズ 足跡」英田サキ(SHYノベルズ)
- 2017.01.04 「ヘブンノウズ」英田サキ(SHYノベルズ)
- 2016.12.25 「ただいま定修中~許可証をください!4」烏城あきら(シャレード文庫)
- 2016.12.18 「嵐を呼ぶ台風 ~許可証をください!3」烏城あきら(シャレード文庫)
- 2016.12.11 「慰安旅行に連れてって!許可証をください!2」烏城あきら(シャレード文庫)
- 2016.11.29 「愛してると言う気はない」英田サキ(SHYノベルズ)
- 2016.11.22 「許可証をください 1」烏城あきら(シャレード文庫)
「さよならトロイメライ」尾上与一(Holly Novels)
「幸せ」
どこまでも主観的なもの。
万人が良かれと思うことであっても、当人にとって意に沿わぬものである限り、
それは彼にとっての「幸せ」とは言えない。
ぬくもりも、やさしさも、見返りも、何もいらない。
ただ、そばにいさせてくれるだけでいい。
それだけで、私は幸せに生きられる。
だとしても、好意を抱く相手が不遇に置かれた境遇を見つめ続ける周囲も辛い。
それでも、自らの意思を貫き通した弓削はしなやかで強い。
そんな弓削と共に在り続けた鉄真も。
運命はどこまでも彼らにやさしくはなかったけれども。
それでも、彼らは「幸せ」だったのだと、信じられる。
泣きすぎて目が痛い。
しばらく呆けていましたが、私、ペーパーやら小冊子やら同人やら諸々
入手していたことを、皆様の感想を拝見して思い出しました。
読まないと!
でも、もう少しこの余韻に浸っていようと思います。
美しい花の咲き乱れる庭の光景と、彼らの笑顔を反芻しながら。
内容(「BOOK」データベースより)
貿易商を営む宗方家に執事見習いとして入った弓削晶は、嫡男・鉄真の「船を港に導く灯台を建てたい」という夢を側で支え、一緒に叶えたいと願う。二人がささやかで清らかな信頼を静かに育んでいたある日、弓削は宗方家当主である鉄真の父に犯されてしまう。生きる意味を忘れ弄ばれる日々を過ごしていた弓削は、とうとう鉄真や弟の一誠にまで男の狂妄が及んだとき、彼らを守るため、当主を斬り殺す―。罪人であり仇となった弓削に、鉄真は口おしい思いで、一生側で罪を償えと命じるのだった…。鉄真と弓削、波乱に満ちた二人の純愛の行方を狂おしく艶やかに描いた大正浪漫が今、ここに開幕!
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「ヘブンノウズ 物語」英田サキ(SHYノベルズ)
このシリーズは全編通して副題が内容と相まって心に刺さる。
今回の副題は「物語」。
人生を物語に例えるなら、主役は自分。
物語はそれぞれ独立したもの。
誰かの人生と完全に同調することがないからこそ、
いろんな感情や事象に振り回される。
だけど、そうやって関係を結んでいくのが人間。
渋澤の言葉と、それに対する旭の答えがぐっと響いた。
笑顔での全員集合のイラストに幸せな気持ちになった後に、
ミツルの言葉と、母の子を思う気持ちに涙を誘われました。
母親だけは何があっても自分の味方。
自分が、そう思える環境で育ったことに感謝したくなった。
苦しい過去を乗り越えてきた人たちが集う場所。
導いたのは己自身も苦しんだ渋澤。
彼らにとっての幸せな場所が、この先もずっと続きますように。
内容(「BOOK」データベースより)
イラストレーターの千野旭は、弟のミツルと一緒に恋人でベストセラー作家の渋澤征武の屋敷で暮らしている。最初は渋澤に反発ばかり感じていた旭だが、いまでは身体も心も渋澤に囚われていた。子供らしい明るさを取り戻しつつあるミツルに、嫉妬と独占欲を隠さず愛してくれる渋澤。穏やかで満たされた日々だったけれども、ある出来事が旭を不安に陥れて…!?『ヘブンノウズ』シリーズ、ついに完結!!
「ヘブンノウズ 赦罪」英田サキ(SHYノベルズ)
傍から見れば「これが最善」だと思える事であっても、
当事者側からすれば、自らの意思ではそこに踏み込めない局面がある。
罪の意識も相俟って、抜け出せない現状に雁字搦め。
打破するためには荒療治も必要だったし、
あれ以外なかったんだろうけど。
その前にどうにかならんかったんかい?と、無為とわかりつつプチ突っ込み。
ミツルのやさしさと健気さにはあったかくなったり切なくなったり。
頑張っている子供を見ると、どうしたって涙腺が緩みます。
拗らせすぎた渋澤は「赦罪」によってなんかイロイロふきっれましたね?
苦しんだ分、幸せになるといいと思います。
どうしても薫の旭への想いがしっくりこないまま、3巻まで読了。
旭に対する薫の恋心が垣間見れなかった。
結局「渋澤」ありき(薫が渋澤を愛してるっていう意味ではないけど)で、
旭のことを見てたのかな?と。
まー、これは私の受け止め方の問題。
彼には元気に旅から帰ってきて、またあの屋敷の日常の中に溶け込んでもらいたい。
内容(「BOOK」データベースより)
ベストセラー作家の渋澤征武にイラストの才能を見いだされた千野旭は、弟のミツルと渋澤の屋敷で暮らしている。恋人はつくらない主義だと宣言している渋澤に恋した旭は、身体だけの関係でもいいからと訴え、渋澤はそばにいることを許した。渋澤がある過去に苦しんでいることを知った旭は、渋澤の力になりたい、今は無理でもいつか本当の恋人になりたい、そう思っていた。そんなとき、旭はかつて渋澤と寝ていた速水に怪我を負わせてしまう。好きなのに擦れ違っていくふたりは―。
「ヘブンノウズ 足跡」英田サキ(SHYノベルズ)
温泉旅行にクリスマス。
居心地の良い空間で、人情味溢れる人たちと共に過ごすあたたかさ。
それなのに、それぞれが抱えた想いに泣かされて切ない気持ちで読了。
6歳のミツルの、兄に対する健気でいたいけない想い。
サンタへの願い事に涙が滲んだ。
旭の渋澤に対する報われない恋情。
セフレでもいい、と言いながらも、旭は関係が進展することを切望している。
心の壁に穴を開けたいと言ったのがその証。
だけど、それは渋澤の心の在り様の問題であって、旭にはどうしようもないのだ。
そして、渋澤の想い。
罪を断罪する彼の厳しさは、自らも贖罪を抱えていることを示している。
この先どうなるのかな?ドキドキだわ。
作中での「足跡」の定義がいい。
「生きていくってことは、足跡を残していくってこと。
その足跡でどんな人生を歩んできたかわかる」
揺らいでも、迷っても、遠回りでも。
自分が進んだ方向が進むべき道だったのだと。
思える足跡を刻みたい。
内容(「BOOK」データベースより)
ベストセラー作家の渋澤征武にイラストの才能を見いだされた千野旭は、幼い弟のミツルと一緒に渋澤邸で暮らすようになった。渋澤は恋人をつくらない主義だと自ら宣言していたが、旭は渋澤のキスが忘れられずにいた。あのキスはなんだったのか、何か意味はあったのか?本当は自分の気持ちに気づいているのではないだろうか?旭は渋澤が気になってしかたがなかった。そんなある日、旭は渋澤たちと温泉に行くことになって!?―。
「ヘブンノウズ」英田サキ(SHYノベルズ)
母を亡くし、幼い弟と二人、頑張って生きていかねばと、
大学も辞め、一人で必死で頑張って、頑張って。
懸命になんとかやってきたところに差し出された、大人の手。
いとも簡単に自分たちを支えらるその存在の大きさに、
悔しさや嫉妬を感じる気持ちはよくわかる。
だけど、頑張りどころを間違えてしまったら、それこそこの先、後悔する。
そんな渋澤の好意を旭がきちんと受け入れられる子で安心した。
癖のありすぎる多彩な人物たちの紹介的な巻。
それでも、物語にガッツリと惹きこまれる。
事件と幽霊はこの先もセットで展開していくのかしら?
人物もそれぞれ複雑な過去を抱えていそうで、この先の展開がとても楽しみ。
「深い深い眠りは、小さな死に似ている」
多感な時期に、眠っているときの意識は全くないわけでしょ?
死んじゃうってことはこの状態が永遠に続くってことだよね?
と思い、眠るのが怖くなって身体が震えたことがあったけど……とりあえず私は
震えながらもそのままぐーすか眠ってしまえる子供でした(笑)
シリーズ通してお友達からのお借り本。ありがとうございます!
内容(「BOOK」データベースより)
「私はね、君の絵に恋をしたんだ」ベストセラー作家の渋澤征武と知り合ったその日、旭はそう告げられた。半年前にある事件で母を亡くし、ショックから言葉を失った幼い弟と暮らしている旭は、もしあの日、もしあの時…そんな後悔に囚われて毎日を送っていた。けれど、渋澤に会った日から、すべてが変わり始めた!恋人はつくらない主義と宣言する渋澤、男女問わず恋をする薫、執事の宇喜田を始め、個性豊かな渋澤邸の住人たちに、最初は反感を覚えた旭だったけれども―。
「ただいま定修中~許可証をください!4」烏城あきら(シャレード文庫)
なんとか同居に持ち込もうと策を練る前原の思惑通りに弘が転がったら
ちょっと面白くないなぁ、と思っていたら。
弘はちゃっかり、そんな前原のちょっと上をいっていました。
そうでなくちゃ。
職場恋愛を秘密裏に続けていく上での、仕事と色恋の線引き。
そこまで明確にきっちりとしたものが必要かな?と思っていたら、
彼らなりに悩んでちゃんと結論出してました。
必要なのはけじめとルール。
これは、日常生活を営む上で、いろんな所で当てはまると思う。
辻本の立ち回り方が玄人過ぎてヒヤヒヤしたけど、
弘は無敵の天然っぷりを発揮して危機回避。
次の波がどんな物語なのか楽しみ。
「働くことは生きることにかなり近い」
カッコイイ言葉だなーと思います。
私の場合は働くことは「手段」だなぁ、と思っているので。
辻本がみつけた弘のイイトコ。
「相当すごいこと」って……キャーー。気になります!
「嵐を呼ぶ台風 ~許可証をください!3」烏城あきら(シャレード文庫)
地に足の着いたお仕事小説であり、恋愛小説。
「ダメなところまで来てしまった」二人の心は
揺れに揺れているわけですが、そういう揺らぎは恋愛の醍醐味。
汗にまみれ、水にまみれて働く姿はとてもかっこよく、
仕事中にも相手を前にして蠢く情動が艶っぽく……楽しく読了。
男同士であること、長男であること。
そういうことをちゃんと真剣に受け止めて考える弘のまっすぐさが好き。
そして彼の出した結論にぐっときました。
ああ、やっぱりカッコいい。
無駄なところに器用さを発揮する前原がなんだかおかしくて……(笑)
今回垣間見えた前原の苦悩する姿が色っぽくて、個人的に萌ポイントでした。
水不足対策に対して「もっと早くにやっておけば」と言った弘に対して
「もっと早くに、ではなくて、やってて良かった、
ギリギリ間に合った!って考えるもんですよ」
と返した矢野の考え方はとても大事。
そして、間に合わなかった時のことをきちんと考えて手を打っていた彼に脱帽です。
うん。
仕事ってそうやってするものだよね。
ジュウゴウさんをサラリと汲み取ったところはさすが弘の父親。
烏城さん。他の本も気になってきました。
これは作家買い!?←する気満々(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
八月、喜美津化学はかつてない渇水に見舞われ、製品が納期に間に合わないかもしれないという危機に直面していた。前原が試作していた冷却器まで持ち出し、盆休み返上で生産を試みる製造部の面々。しかし品証の弘に手伝えることはなく、自宅で通常通りの夏期休暇を取ることに。そこへ工場に詰めているはずの前原が現れ、好き放題した挙げ句、弘を手製の拘束具でベッドへ繋いで消えてしまう。驚き慌てる弘のもとへ、北海道にいるはずの両親が突如乗り込んできて…。書き下ろしは台風一過の朝、パワーアップした拘束具によって再びピンチを迎えた弘のその後。二人の関係にも展開が?「働く男」の真骨頂、好評シリーズ第三弾。
「慰安旅行に連れてって!許可証をください!2」烏城あきら(シャレード文庫)
全力で働く方々のお仕事BL。
軽く社員旅行に行く話かと思ったら、タイトルの意味が重い。
重いながらも、ラブがあってキュンがあって笑いがあって。
何より、操業停止にさせるまいと、汚水の原因究明に懸命に励む彼らの姿がとてもカッコイイ。
労を厭わず、率先して現場を動かす前原に
「負けたくない」と叫んだ阿久津。
阿久津の打ち出した提案に対して「っくそ!」と闘志を燃やす前原。
この二人、切磋琢磨しながらホント、イイ仕事していきそうですね~。
前原の仕事ぶりと肉食っぷりが相変わらずカッコイイ。
そして、受け身なだけじゃない阿久津もまたカッコイイのです。
阿久津のストレス解消に思いっきり爆笑。
彼の才能(?)は仇名付けだけじゃなかったのね~。
「藤井部長(仮名)」のことを影ながら「藤ブー」と呼んでいたウチの主任。
会社の人の結婚式の席でしたたかに酔っ払い、ご本人に向かって「藤ブー」を連呼してて、
周囲の私たちが青ざめた珍事。
余計なあだ名はつけない方が賢明かも(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
喜美津化学五年に一度のビッグイベント、慰安旅行の幹事を任された弘だが、工場排水の水質悪化というアクシデントに見舞われ、その対応で寝る間もないほどの忙しさに追われることに。さらには将来のために大学の通信課程を受けるよう前原を説得して欲しいと、会社から頼まれごとまでされてしまう。しかし、前原が漏らしたとある一言がきっかけで、弘は「君とはもう寝ない」と宣言し、絶縁状態に!?地方の化学薬品工場を舞台に、四大卒のホープ、品証の弘と製造部の若頭、前原が繰り広げる、濃密&おとぼけワーキングデイズ。ボリュームたっぷりの書き下ろしつき、好評シリーズ第二弾。
「愛してると言う気はない」英田サキ(SHYノベルズ)
振り翳した正論は、時に人の心を深く抉る。
正しいと思ってしたことが、鋭利な刃となって他者を傷つけることを、
刃を繰り出した本人は自覚するといい。
陣内の正しさは、とても息苦しい。
例えば我那覇のような男の傍にいることは、天海にとっては楽だろう。
だけど、同じ側に立つ者の傍にいては、彼は多分堕ちていくだけだ。
そして安らぎは得られない。
だから天海には陣内が必要なのだ。
安らかな眠りにつくために。
付かず離れず歩んできた12年の歳月。
恋焦がれた想い人寄り添えることの至福を抱きしめて、生きていってほしい。
前作とは打って変わった天海のラストの想いに安堵しました。
陣内重い。いや、うざい(笑)
でも、そこまで真摯に向き合ってもらえたら、
それはとても幸せだよなーと、思ってみました。
途中大笑いしながら読んでいたんだけど、さすが英田さん。
思いっきりしんみりさせられてしまったわ。
内容(「BOOK」データベースより)
三年前に警察をやめ、現在、ひとり『陣内探偵事務所』を経営するしがない探偵、陣内拓朗には、とびきり特別な恋人がいる。それは新宿歌舞伎町一帯をシマに暗躍する、美形だが凶暴なヤクザ、天海泰雅だ。見てくれの繊細さとは裏腹に、東日本最大の暴力団組織、紅龍会の直系二次団体周藤組の幹部であり、『周藤の虎』と呼ばれ、恐れられている男だ。恋人になったとはいえ足蹴にされ、おまけに最近では、陣内の尻に執着を見せつつある。そんなある日、ひとりの青年がある人物の説得を依頼してくるのだが!?悲しくも愛しいヤクザと探偵のラプソディ。
「許可証をください 1」烏城あきら(シャレード文庫)
見どころは色々あるけれども。
工場の製造部と品証部の二人が、
お互いに日誌に書き込んだ文字を目で追いながら
二年前から交流していたことに気付いたシーンに年甲斐もなくドキドキしました。
こういう恋愛、素敵っ、素敵!
言葉より身体!な前原はガッツリ肉食系だけど、
阿久津も戦える草食系だからよし。
何より、身体と知恵を駆使して真摯に働いている彼らの姿からは、
自分も頑張ろう!という元気がもらえました。
男同士であることにとまどいながらも、阿久津がちゃんと向き合っていく感じがとてもよかった。
まぁ、逃げ道塞がれてましたけど(笑)
「迷わず自分から応えた瞬間に-----本当の夜が始まった」
このフレーズがとても素敵に響いて、何度も何度も反芻しました。
「泣いたり笑ったりしながら、懸命に働いてる」というのにはとっても同意。
組織に組み込まれた中で手掛ける仕事は、思い通りになんて絶対にならないわけで、
そういうのイロイロ煩悶しながらも「機嫌よく」働こう!と。
初読み作家さん。
シリーズ買い決定です。
内容(「BOOK」データベースより)
中小化学薬品製造業・喜美津化学の品証部に勤務する阿久津弘は初の四大理系卒のホープとして期待されている身。そんな弘が社命でフォークリフトの免許を取ることに。慣れない乗り物の操作に難儀する中、指導係として遣わされてきたのは製造部の若頭・前原健一郎。弘と同い年であるにもかかわらず同僚からの信頼も厚く、独特の迫力と風格を持ったこの男に、弘はとある出来事がきっかけで苦手意識を持っていたのだが、意外にも前原の方は―。それなりに平和な工場ライフを送っていた弘を襲う前代未聞の“男×男”関係、ガテン系濃密ラブ。