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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「夜に咲き誇る」英田サキ(プラチナ文庫)



すべてを預けることと守ってもらうことは同義ではない。
男として譲れない矜持がある。
久我と共に人生を駆けたいという秋津の想い。
血生臭い世界で秋津に傷ついて欲しくないという久我の想い。
燻る跡目争いがさらに事態をややこしくする。
傷つけるのを覚悟でぶつかって、想いを言葉にして。
妥協せずにやりあい、理解しあっていく様は、ちょっと羨ましいなーと思ってみた。
主張一直線で狭窄した視野の中に在るときに、第三者の言葉からは、
時に光明を得ることもある。
人と人。
言葉で思いを伝え合えうこと、誰かの言葉に耳をかすことって本当に大事。
彼らの野望は道半ば。
極道の世界でのてっぺんを極めてほしいと願いながら読了。

俺の本気を甘く見るな。
秋津を受け入れることも辞さないと言い切った
久我はどこまでもオトコマエ。
最初から最後までカッコイイ人たちでした。


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「夜に赦される」英田サキ(プラチナ文庫)



久我が胸の奥底に抱えていた過去。
秋津との間にひと波乱あるんだろうな、という展開ではあったけど、
予想を突き抜けたドラマティックな展開がグサグサ刺ささって涙目。
許せないとは思う。
でも、憎いとも思えない。
悩みに悩み抜いた秋津が対峙しなければならなかったのは、
結局は自分自身の想い。
羽生の生き様も壮絶過ぎたけど、
思うように生ききって、望む様に死ねた彼自身は納得してたんだろうなぁ。
羽生の残したあまりにも重い置き土産に翻弄され続けた秋津たちだけど、
今回の件でようやく、新しい一歩を踏み出すことができたんだと思う。

次巻は秋津の覚悟の程が試されるのかな?
だったら、久我がハラハラしそうな展開になりそう。
久我、カッコいいなぁ……
たとえ、カラオケの選曲がおっさんくさくても!
私も「昴」大好きよ。歌詞見なくても歌える自信ある(笑)
今回もタイトルが秀逸でした。


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「夜が蘇る」英田サキ(プラチナ文庫)



心の中に喪失と虚無を抱えた秋津。
そんな秋津が久我という存在によって少しずつ垣間見せていく変化。
さながら、萎れた花が息を吹き返すかのように。
秋津に対する久我の言葉、「おまえの夜を全部俺にくれ」。
そしてタイトル。
全てが絶妙に融合していく様が素晴らしい。
言われて真珠を抜いた久我に、秋津に対する本気を見ました!←そこ!?
アホかもしれないけど、半端なくカッコいい。
秋津の過去ごと抱いてやる、と言った久我の度量の広さがとても好き。
蘇った夜は、色を取り戻した夜、と同義。
スタートラインに立った二人の今後に期待して、次巻へ。

理性ではよくないとわかっていても、感情が自分の行動を止められない。
ズルズルと続いた羽生との秋津との関係は、最悪の形で破綻する。
「おまえの腕の中で死なせてくれ」
死にゆくものは、それでいいかもしれないけれども。
腕の中で血に染まり、冷たくなっていく骸を抱く側の気持ちを思えば、
どうしたっていたたまれない。
その時の想いは傷となって残る。永遠に。
その傷を抱えたまま久我と向き合う秋津と、傷ごと秋津を抱きしめる久我。
先の展開にドキドキします。


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「HARD LUCK 1」菅野彰 (ウィングス文庫)



過去に抱えた傷に囚われ、
息苦しい世界の中で懸命に生き方を模索する大人になりきれない大人、タクヤ。
そんな彼に振り回されながらも、
彼の寂しい嘘と孤独を理解し、いつしか寄り添うようになっていくエド。
テンポのいい会話に笑いながらも、
時々零される呟きに抉られる。
自らの命を投げ出すような勢いで、犯罪に立ち向かっていくタクヤ。
彼のその危うさの根底にあるものは序章で示されているから、
笑いながら口にする彼の台詞の裏に、どんな想いが隠されているのかが
透ける瞬間がいたたまれない。
1巻自体が壮大なプロローグ。
再読なので慌てず焦らず次巻へ。

『HARD LUCK』
同人誌1993年→新書版1997年→文庫版2011年。
菅野さんが好きすぎて、出るたびに買ってました(笑)
イラストを描かれる方が都度変わっていますが、
一番印象深いのは新書版の松崎さんかな?
保管場所の都合で新書版は手放しちゃったけど、ちょっと後悔。
個人的にこのシリーズはサイバーフォーミュラと直結するわけで、
当時は遥か未来だった2015年がとっくに通り過ぎたことが感慨深いです(笑)
そして、2011年の『HARD LUCK 5巻』で止まってるのは気のせいですか?
気のせいじゃないですよね??
慌てず再読が終わるころに6巻が出てくれたらミラクルだわ。





内容(「BOOK」データベースより)

ロス市警のエドワード・ラング警部補のもとにやって来た新しい相棒は、タクヤ・コウガミと名乗ってその手を差し出した―。日系人で、子リスのような風貌とは裏腹に、タクヤは、無鉄砲で後先顧みずトラブルを巻き起こし、瞬く間に始末書の山を作る。だが、やがてエドワードは気づく。彼が心の中にそっとかかえるいくつもの深い傷。彼が警察官となったのは、復讐のためなのか、それとも―。エドとタクヤのバディ・ストーリー、装いも新たに復活。

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「泣かない美人」菅野彰(ディアプラス文庫)



言葉は、時にひどく心を抉る。
起こってしまった過去を描きかえることも消し去ることもできない。
人の記憶も、抱えた後悔も。
だけど、痛めた心を抱えたまま、
そこから新しい一歩を踏み出すことができる。
優しさと、後悔と、これからへの不安と希望。
いろんな感情が刺さって、終始泣きたくなりながら読了。
隼人と要の在り様は、それでいいと思った。
完璧な人間なんてどこにもいなくて。
見ず知らずの人間には打算で近づいて。
警戒して、疑って。
だけど、わかりあう。
過去を知り、現在を知り、そして、愛しさがこみあげる。
みんなが要を気にかけてくれていて、本当に良かった。


とても菅野さんらしい話。
そして私はそんな菅野さんが大好きです。
大事に読み返したい作品。
やさしい日本酒が飲みたくなるわ。


内容(「BOOK」データベースより)

隼人はデパートの凄腕外商部員だったが、自身が招いたトラブルで企画課に左遷された。腐る気持ちを抱えつつ、仕事で訪ねた日本酒の酒蔵で、桜の下に佇む美しい青年・要を見かける。彼は杜氏の見習いで、清冽なる酒の作り手だった。だが頑なに心を閉ざし、隼人の差し出す手を振り払う。やがて知る、要や周囲を傷つけた過去のある事件。仕事のつもりが、いつのまにか要の孤独と傷に本気で向かい合うようになり…。

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「スパイは秘書に落とされる」烏城あきら



あ、惜しい!
何が惜しいって、この先の展開がものすごく読みたかった、
っていう読み足りなさが残っちゃってること。
私、社長秘書・中嶋の本来の性質がとっても好みです。
描き下ろしでSS入れてくれたら嬉しかった。
もしくは、逆サイド(中嶋)からの視点の物語が読みたい!という欲がフツフツと。
というわけで、産業スパイ小説楽しく読了。
読み終わってみれば、スパイ・雅也は育ちのいい可愛い犬でした。←褒めてます。
あの性格だから、今までうまくやってこれたんだろうけど。
逆にあの性格故に、転がされたらチョロかった。←しつこく褒めてます・笑。
中嶋はそんな犬を喜んで飼ってくれると思うの。


派閥や権力争いや悪意に満ちた足の引っ張り合いとは
無縁の状態でいられる幸せを思ってみる。
他人を追い落とすことに必死になるより、
自分の充足と幸せを全力で追いかけたいのです。





内容(「BOOK」データベースより)

タイムリミットは3週間、欲しい機密を握っているのは、社長の側近だけ―。敏腕の産業スパイ・望月雅也が情報源として狙いを定めたのは、社長秘書の中嶋淳。オフィスでは口数も少なく生真目だが、実はゲイらしい!?身体から落とそうと口説き始めた雅也だが、思いのほか中嶋は可愛くて!?情報を盗るか、恋を取るか―。嘘と純愛が交錯するスリリングLOVE。

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「国民的スターに恋してしまいました」小林典雅(ディアプラス文庫)



常に衆目の眼に晒される仕事は大変だなぁ、と。
セックス事情に関してまでの、微に入り細に入りのマネージャー・樫原の小言(?)
は鬱陶しいけど、昨今のスキャンダル事情を鑑みると、致し方ないのかも?
そんな国民的スターだって恋をする権利がある。
若手の人気俳優・真中旬に惚れられ、そして恋に落ちた会社員・葛生。
恋愛未経験な旬が葛生を好きになり、なんとか関係を結ぼうと頑張ったものの、
徹底的に日本語選択のおかしかったおかげでややこしい事態に。
諸々の誤解が解けて、
恋人同士になってからの葛生の態度は、終始一貫してカッコ良かった。
ラブ可愛く読了。


何を見てもすべてを受け入れる覚悟があるか、
もしくは相手の秘密を突き止めたいと思う強い一念があるか。
そのどっちかの気構えがない限り、約束ナシのサプライズ訪問はするべきではないと
心の底から思ってみました。
サプライズを仕掛けしようとして、自分がびっくりしていたら本末転倒。
私だって、単純に部屋が片付いていない!という理由だけで、
突撃訪問は困るのです。
せめて2時間前に連絡を(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

国民的人気を博す若手俳優・真中旬の、ファンクラブ向けクルーズの添乗をすることになった葛生。同僚の興奮をよそに冷めた態度でいたのに、生身の彼の美しさに思わず目を奪われる。船上でもファン全員に心を配る旬の態度に好感度は急上昇。葛生自身もファンになりかけていた時、ある男性ファンが行き過ぎた行動を起こす。旬の危機を葛生が救ったことから、二人は急接近して?添乗員×スターのシークレット・ラブ。

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「ルール」水壬楓子(リンクスロマンス)



自ら誘って、身体から始まって、そして好きになって傷ついて。
学習しないなぁ、高森、と思ってみるわけですが。
今回は篠宮もちゃんと高森のことを好きになっていたところが、前回とは違います。
とはいえ、その執着、その恋情、わかり辛いわっ!
と、言いたくなるご無体な仕打ち。
この人たち、何が足りないって、決定的に言葉が足りない。
とはいえ、「私が最初にあなたを抱きたかった」は殺し文句です。
相思相愛になった後に降りかかってきたのは家庭の問題。
ゲイだってばれちゃった!どうしよう!って展開かと思いきや、
予想外の爆弾が降ってきて、胸が痛かった。
最後は篠宮の「誰にも渡しません」の台詞での幸せエンド。


ストレートに書いちゃいますが☆(下系苦手な方はスルーで)
精液で汚れたままのパンツ、むき出しのまま公共のトイレに普通に捨てていいの!?
ってとこで、目を剥きました。
いや、名前書いてるわけじゃないから誰のかわかんないけど。
誰が拾うわけでもないけど。
なんだかいたたまれない><
シリーズ楽しく読了☆
で、余計なお買い物もしちゃいました(笑)←旧版の『スキャンダル』を買いそろえた人がここに……


内容(「BOOK」データベースより)

警視庁に勤めるキャリア警察官の高森は、失恋の痛手から立ち直れずにいた。ある日、酔ってハッテン場に入り込んでしまい、危ういところを恋敵の秘書である篠宮に助けられる。篠宮の自宅に連れていかれた高森は、自分が失恋から立ち直るまで身体も含めた面倒を見て欲しいと篠宮に詰め寄ってしまう。篠宮と過ごすやさしい時間が増え、徐々に彼に惹かれていく高森だったが、彼は仕事のためだけに自分の相手をしてくれていただけだと知り…。

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「リスク」水壬楓子(リンクスロマンス)




久賀の真意がわからずに、誘われるまま高森を抱いてしまった城島。
城島の不安をわかっていながら、余裕の態度を崩さない久賀。
高森もすべてをわかった上で始めた関係。
大人の駆け引き……とはいえ、ちょっと不実じゃない!?
と、もやっとしたものを引きずったまま読み進め……
このクソジジィ、カッコイイじゃないの、と、
城島と同じく、久賀の手管にまんまと乗せられてしまった感満載で読了。
高森の引き際は半端なくカッコよかったけど。
胸中を思うとちょっとやるせない。
大人ムード満載だった表題から一転、同時収録には大笑いしながら読了。
気持ちはわかる。とてもわかるけど……
寝てる人の髭、勝手に剃っちゃったら駄目だと思います。
そんないたずらっ子には納得のお仕置きでした。

前作「スキャンダル」の作中での事件を別の視点から追っていく感じが楽しかった。
それでいて、しっかり彼らの物語になっている。
同時収録の話があまにも楽しすぎて。
読後の感想は「馬鹿だわ、この人たち」
この一言に尽きました。
30代と50代のカプ。何やってるんだか……(笑)




内容(「BOOK」データベースより)

捜査二課に身を置く城島高由は、政財界にかなりの影響力を持つ政治家の久賀清匡と8年前から身体の関係を持っていた。先も見えず、愛されている実感も持てない愛人という立場―進展のない二人の関係に心痛を覚え始めた城島は、誘われるまま、上司でキャリアの管理官・高森一穂を抱いてしまう。その後も度々誘いを受け、好意を向けられるが、片時も久賀のことが頭から離れずにいた。そんな中、城島は久賀が他の男を抱いたことを知ってしまい―。

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「スキャンダル 下」水壬楓子(リンクスロマンス)



久賀の導いた落としどころは、厳しいけど理にはかなっているよなぁ、と納得。
凌辱を受けること、見られること。
相手の立場に立ってみなければ、その気持ちはわからない。
祥彰と佑士の二人だけだったら蟠りを解くのにもう少し時間がかかったかもしれない。
トラウマを克服するため、そして、気持ちを改めて確かめ合う為のセックス。
瑞妃が目にした幸せな光景のイラストでのエンドは申し分なし。
後半は政界の重鎮久賀と刑事城島の物語。
18歳の歳の差はあれど、安定の大人カプ。
久賀の策士っぷりと余裕と貫禄が大変素晴らしい。
年上が年下を甘やかす話は好物です。

某バンドのギターの方のおかげで「城島」と見かければ読み方は「ジョウシマ」。
今作の「城島」は「キジマ」さんでした。


内容(「BOOK」データベースより)

養父である代議士・秋津祥彰の政敵に誘拐され、輪姦・凌辱されつづけていた佑士は、祥彰の手によってようやく助け出された。しかし、ぎこちない祥彰の態度を誤解した佑士はこれ以上迷惑をかけたくないと家を出てしまい…。互いに相手を想いながらも擦れ違う、切ない恋を描いたスキャンダル・ラブ、遂に完結!捜査二課の城島高由が、政界の重鎮・久賀清匡に翻弄されるリスク・ラブ『プロローグ』に、佑士と祥彰の書き下ろし掌編も収録。

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