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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「メッセージ 魚住くんシリーズ3」榎田尤利(クリスタル文庫)



押し殺していた感情の放出。
泣けて良かった、と思うけれども。
そこに至るまでの過程がとても辛い。
ようやく見つけた幸福の在りどころ。
幸せを……大好きな人を失う恐怖に耐えきれないのならば、
自分を消してしまえばいい。
そんな極論に至るまでの陰には、どれほど大きな愛と孤独が隠れているのだろう?
幸せって何?
不幸って何?
問いかけずにはいられない。
彼女からのメッセージ。
汲み取ってほしい。
多分彼は、貴方なしで生きていくことは難しい。
だけど。
読み進めれば、不安定さから抜け出した魚住の様子に安堵する。
もう大丈夫。
そんな安心感が、ただ嬉しい。

この引き、ずるい!
ってゆーか、めっちゃドキドキしたんですけどー!←再読です(笑)
バターサンド、萩の月、ういろう、赤福、ちんすこう。
北から南へ。
全部食しました!そして、地元の銘菓がちゃんと入っていることが嬉しい。
個人的にはちんすこう大好き!
沖縄料理大好き!
今回もやっぱりイラストがたまらなく秀逸。





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「プラスチックとふたつのキス 魚住くんシリーズ2」榎田尤利(クリスタル文庫)



人は、大なり小なり傷を抱えて生きているのだということを、
つくづくと思い知らされる。
その傷が、癒える方向に向かえばいいのだろうけれども。
呑み込むのか、消化するのか、忘れるのか。
或は、血を流し続けるのか。
傷との向き合い方は人それぞれ。
でも、癒えない傷の苦しさに他人を引きずり込むようなことをしてはいけない。
死神の誘いを振り切った魚住。
魚住を呼んだ久留米の声が、健全な生命力を伴って響いたことが嬉しい。
流れる日常の営みの中で、ゆっくりと近づいていく久留米と魚住の距離感がとても心地よくて、
だけど、時々差し込まれる痛みに泣きたくなる。
溜息を呑み込んで、次巻へ。

私の中では魚住くんシリーズと言えば茶屋町さん。
イラストの醸し出す空気感がたまらなく好き。

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「夏の塩 魚住くんシリーズ1」 榎田尤利(クリスタル文庫)



自分が不幸だと自覚しなければ、それを不幸とは言わない。
どこか壊れた魚住を痛々しいと感じてしまう自分は
確実に引き寄せられる側の人間。
だから、読み進めるのがちょっと苦しい。
それを、痛々しいとは思わない久留米だからこそ、
魚住に変化を与えることができる。
そんな二人を取り巻くマリやサリームたちの助力も然り。
人は、一人では生きられないのだと、つくづく思い知らされる。
そして、彼らのやさしさがあたたかい。
自分の中でだけ完結していた世界に他者の存在が入り込むことで
世界は違った音を奏でて回り始める。
そこで生じた感情をなんと呼ぶのか?
自覚したところで、次巻へ。

雑誌掲載時から読んでいたから、とても付き合いの長い作品。
そして、とても好きな作品。
だけど、読み返していないんだよね。
なんとなく封印してここまできて、やっと再読。
メンタル弱ってるときはやめといた方がよかったかな?
と思わなくもないけど、だからこその今だったのかな?と。
ストレスなさそうってよく言われるけど。
うん。否定はあんまりしないけど。
若干の波はあります。(笑)

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「背徳のマリア 下巻」



上巻に引き続いて黒崎兄弟の話かと思っていたけど、これは彰の物語。
「人の核を成しているのは感情」というフレーズがあるけれども。
彰の核は圭介に向けられた「感情」。
それが自己完結してしまったが故の暴走と悲劇。
安藤の涙が、それが悔し涙であることが、とてもつらい。
内なる世界で時を止めた彰が安息を得たと納得した圭介。
いいの?と思う気持ちもあるけれども、飲み下さなければただ苦しい。
彰は笑ってそこにいるのだから。
手を伸ばせばそのぬくもりに触れることができるのだから。
幸せってなんだろうね? 答えは十人十色。
これからの彼らが穏やかでありますように。

抱え込む前にもうちょっと話し合えなかったのかな?
というのは、彰の抱えた恐怖と執着に同調できなかったが故の愚問なのかな。
彰にとっても、圭介にとっても、そして黒崎兄弟にとっても
安藤の存在が大きかった。
ああ、本当に彼、カッコよかった。
というわけで、ガッツリ鷲掴まれた綺月作品でした。
関連シリーズはこれで読了☆
引き続き読んでいきたい作家さん。



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「背徳のマリア 上」綺月陣 (ガッシュ文庫)



3篇+描き下ろし。
1作目のモチーフは人魚姫。
だけど、ファンタジーの枠に留まらず、
これなら在り得るかもしれない、というリアルがさすが。
彰の恋はああすることでしか成就し得なかった。
逆に言えば、あそこまでして圭介の傍にい続けようとした彰の情の在り様が痛々しい。
でも、死ぬ気で欲したものを手に入れようとしたら手段なんて選んでいられない。
だから、彰の選択は間違っていないと思う。
それを受け入れるか拒絶するかは圭介の選択。
捨て身の賭けであったことには違いない。
表題の物語の感想は下巻へ。
同じだけの狂気を宿していないと、受け止めきれない結城の妄執。
和己の雁字搦め感が半端ない。怖いな。

描き下ろしは会話として成り立っているのに、
まったく噛み合っていない圭介と彰の心情。
彰サイドに寄ってしまえば、とても切ない。
口は悪いし、乱暴だし、ガサツだし。
だけど、やさしくて困っている人のことは放っておけない
安藤先生、とてもいい人。
懐は広いし、意外とまともなこと言ってるし、
何より彼の抱えた切ない恋情と、純粋な友情がいい。
前半2編の主役カプは安藤に存分に感謝するしかないよね。


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「OUTLIVE  DEADLOCK season2」英田サキ (キャラ文庫)



頁を開いた瞬間の口絵の素敵さとカッコよさに否応なしにテンションがあがり、
軽口をたたき合う懐かしい面々に再び出逢えた嬉しさを噛みしめながらのふわっとした入り。
そして、表紙に偽りなしのアクション展開。
もう、最高のエンターテイメントでした。
でも、一番の核になる部分は「一本の線を歩いていくような毎日」
この一言に尽きるかな?
同棲していた一年半の間にディックとユウトが日々積み重ねてきた想い。
揺るぎのない愛情の深さが会話や仕草から滲む様子になんだかもう、感無量。
ひと騒動終えて帰り着いた我が家での優しく穏やかな時間が彼らのリアル。

これは特典ペーパーまでで一つの物語ですね~。
ユウティ可愛い。
それにしても、イラストで見るとよりど迫力なイイ男のオンパレード(笑)
目の保養ってこういうことよね。
幸せに読了☆

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「ご主人様と犬 3」鬼塚ツヤコ(ビーボーイスラッシュノベルズ)



平の正体がバレたところで、上総と平の間に生じた気まずさと息苦しさ。
距離感の取り方や接し方に戸惑ったまま、
だけど、上総は平を手放すわけではなく、傍に置く。
その間の平の委縮っぷりや落ち込みっぷりには
こちらまで胸が締め付けられる始末。
その空気感に堪えかねて家を出た平。
だけど、彼は上総と共にいることを諦めなかった。
浅知恵でも、考えて行動を起こしたことに意味がある。
結果、大ピンチに陥る訳だけど、Noホストは無敵のヒーローでした。
犬の平と人間の平が
上総の間でだんだんと齟齬がなくなって融合していく。
「素の顔」を晒せるようになったら、それは間違いなく家族だね。
後半はそんなシリアス展開がぶっとぶバカップルっぷり。
お幸せに☆


八百屋さんが練乳くれた瞬間に過った光景がまさにその通り過ぎてな。
自分の思考回路にがっかり。
うん。食べ物、そんなふうに扱っちゃダメ。大事にしよう。
読友さんの「ショボイ」連発がどういうことなのかとっても気になって読んでみたわけですが☆
結果、ショボイ平よりもカッコイイ竟輔に打ち抜かれてのシリーズ読了となりました(笑)

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「ご主人様と犬 2」鬼塚ツヤコ (ビーボーイスラッシュノベルズ)



自分が抱いた平が人化した飼い犬・平だとは気付かない上総。(そりゃそうだ)
本質が犬の平は言葉の裏側を読むなんてことが出来る筈もないわけで、
吐き出された上総の言葉に傷つくのがなんだか痛々しい。
いたたまれずに逃げ出して、最悪のタイミングでの正体バレ。
さて、次巻、どうなる?
後半は竟輔と守。
バカ犬平に対して竟輔の賢さには目を見張るものが!
いや、もう、竟輔は人化しても犬でもカッコいいんですけど。
守のことを労わりまくったセックスはよかった。最後はアレだったけど。
このカプは安心感あるわ。
主に、竟輔(犬)が若干性格難のある守(人間)を
ちゃんとひっぱっていってくれるという安心感。

隣家の犬を見る目がなんだか変わりそう。
たとえば、月夜になったら?
なんだかわくわくしますね~
「フランダースの犬」ごっこ。
これ、リアルでできちゃうってちょっとすごいんですけど!


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「ご主人様と犬」鬼塚ツヤコ(ビーボーイスラッシュノベルズ)



タイトルに偽りなし。
人間嫌いな飼い主・上総と上総が大好きすぎて人間に変化することになった雑種犬・平の物語。
姿が人間になっても属性は犬。
興味が眼の前のものに点々と移り、集中力は皆無。
服の着方も掃除の仕方もわからない。
だけど、主人に対する忠誠と愛情は溢れんばかりで……
姿は人間でも人としての常識が欠落している平。
手ばっかりかかる平らを上総が受け入れたのは、
彼が向ける好意に嘘がないことだけは伝わったから。
バカだから可愛いのか、バカでも可愛いのか、バカ程可愛いのか。
そしてもう一組。
グレートデン・竟輔と飼い主・守。
こちらは竟輔が上手く立ち回りそうな予感。

ファンタジーです。
でも、こんな不思議があってもおかしくないよね~、という微笑ましさ。
人化した時に都合よく服着てない所も、
その辺りの説明がうやむやにされずにちゃんとしてるところもいい。(笑)

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「東の爽碧、西の緋炎」綺月陣 (ガッシュ文庫)



激情に駆られるような激しさは今はなりを潜め、
その安心感と安定感に心穏やかに見ていられる龍一郎と竜城。
九堂の手による死を希う廉が、というよりも、
その言葉を聞かされ続ける九堂がとても不憫。
だけど、この二人は安寧と安定なんて求めてないんだろうなぁ。
刹那の全力が何とも危うく力強い九堂と廉。
そして、まさかの次郎と颯太で私、涙出そうになりました。
颯太が颯太でいられるのは次郎のおかげなんだよなぁ、と、改めて実感。
一番年長なのに一番ヘタレなのが次郎な気がしてならない私ですが、
がんばれー!と、50男ののびしろにエールを送ります。
規格外な人たちと渡り合っていかないといけないわけだからね。

というわけで、シリーズ読了!
最後は西のアクの強さに東が喰われちゃった感じがしないでもないですが。
あんなデンジャラススリリングな毎日は遠慮させていただきたいわ。
東京は平和なわけじゃなくて無関心。
なんだか刺さりました。
いずれまた、彼らに出逢える日を楽しみにしつつ。
ご紹介くださいました読友さんに感謝。
ありがとうございます!

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