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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ドラマ」朝丘戻 (ダリア文庫)




込み上げる想いは純粋で偽りのないもの。
貴方が好きだと。
君が愛おしいと。
その視線から、触れ合う指先から、伝わってくる。
だけど、背負うものがありすぎた二人が
想いを成就するためには犠牲にするものが多すぎた。
恋人同士の役を演じる役者として出逢い、
プライベートでも親密に係わるようになり、
ドラマの撮影が進行するほどに、深まっていく想いがあった。
だけど……
いや、だからこそ、かな。
すべてをリセットする必要があったんだろうなぁ、と。
好きという気持ちを抱えたまま、もう一度出逢いなおす必要があったのだと。
そう、思えた納得のラスト。

つづきを読むのがとても楽しみなお借り本。
作中で進行するドラマがあるわけですが……何故か
かつてリアルに観ていた「同窓会」というドラマを思い出しました。
わー、発掘したらどこかから出てくるかな?

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「憎らしい彼 ~美しい彼2 ~」凪良ゆう(キャラ文庫)



噛み合わない二人は相変わらず噛み合っていなくて、
それなのに互いに対する愛情はより根が深くなっている感じがいい。
相手にだけ考え方のシフトチェンジを求めるんじゃなくて、
どちらからも歩み寄らないとダメなんだよねぇ、と
リアルに身につまされる。
より柔軟だったのは清居の方かな?
無自覚俺様な比良に振り回される様がなんだかとても可愛い。
ニュースタイルの関白宣言。
ダメ。
もう、これツボ過ぎて笑い倒しました。
お互いに纏った殻を一枚破った二人。
恋愛面でも仕事の面でも良い影響が得られそうで、
これからの成長が楽しみだわ。


バーチャルとリアルの距離感の喪失ってホント怖い。
匿名での無責任な他人バッシングも怖いよね。
悪意に晒されて精神的に殺されることがリアルにあるわけで、ぞっとする。
と、ちらっと思いつつも、とても楽しく読了したお借り本。




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「美しい彼」凪良ゆう (キャラ文庫)




置かれた環境によって、モノの考え方・受け止め方は変わる。
多感な時期の子どもたちにとって、スクールカーストの及ぼす影響は大きい。
全く違う階層に属したふたりの間で
長い時間をかけて進行する恋をとても楽しく見守ることができた作品。
平行線どころじゃなく異次元を飛び交っているかのような気持の描写が秀逸。
まったく掠ってもいないのに、ベクトルは同じってすごいわ!
周囲に影響されず、全くブレることのない世界観を持っていたことが共通項かな?
当たりはキツイかもしれないけど、どちらの生き方も潔いと思った。
続編がとても楽しみなお借り本。

ちょっと苦手意識があった凪良さんですが、見事に払拭されました☆
楽しかった~!

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「明日が世界の終わりでも」榎田尤利 (SHYノベルス)



表題他2作は旧版にて感想UP済。
描き下ろし『witness』は彼らの後日譚。
願った通りの時を過ごす彼らに安堵する。
『largo』
最後に噛みしめるタイトルと内容のマッチングがとても秀逸。
サティのジムノペディが心地よく響く。
芸術を志す者にとって、自らの力量と他人の才能との間で苦悩するのは避けられないこと。
20歳そこそこの若者たちが、音楽と向き合いながらままならない恋情に苦悩し、
次第に心を通わせていく物語。
その過程において、彼らの奏でる音が変化していく様子が、
とても綺麗に描かれていた。
心に響く音楽は魂で奏でるもの。
文字からそれが伝わるのは、榎田さんの筆力。

近々でピアノが弾けて良かったと思った瞬間は、
ちびっこたちを預かった時。
ぐずっていても音を奏でると興味津々な表情でピアノに耳を傾け、
かなり適当に弾く子ども向けの曲のオンパレードでご機嫌に。
いつかまた、真剣にピアノを習いたなぁと思う瞬間がないわけじゃないけど、
爪を短くする気がない時点でアウト(笑)








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「明日が世界の終わりでも」榎田尤利 (CROSS NOVELS)



こんな愛し方もある、と。
零れ落ちる溜息。
オムニバスで三篇。
何度読んでも切なくて苦しくて。
半泣きになりながら、目を逸らすことができない。
歪にゆがんだ彼らの愛。
取り返しのつかないことが起きてしまう前に、
どうして、気づくことができなかったのだろう?
彼らの抱えた傷は、それほどまでに深かった。
信じられなかったのは、自分自身。
傷つけて、傷ついて。
それでも、踏み躙られることのなかった想い。
「明日が世界の終わりでも」
続く言葉を噛みしめる。
命は有限。
触れることのできるぬくもりがそこに在るなら、
離れたら心が死んでしまうなら、決してその手を離さないで。


HPに掲載されていた『明日が世界の終わりでも』を繰り返し何度も読んでいた私にとって、
その後の『約束』と『集い』と合わせての書籍での出版は小躍りするほど嬉しいことでした。
しかも、茶屋町さんの挿絵で構築される世界観。
久しぶりに読み返すことをしばらく躊躇していたのは、何かが褪せることを怖がっていたからかな?と、自己分析。
だけど、そんなのは全然杞憂でした。
好きなモノはいつになっても好き。

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「恋人までのA to Z」マリー・セクストン (モノクローム・ロマンス文庫)



山場は二つ。
ふたりの想いが通じるまでと、通じてから。
境目の前後でふたりの気持ちの変化がはっきりと見て取れて、どちらも読みどころ満載。
無味乾燥な日々をほぼ惰性で送っていたザックがアンジェロと出逢ってからの気持ちの変化。
人間に対する不信感と警戒心が拭いきれないアンジェロがザックと共に過ごすようになってからの気持ちの変化。
積み重ねた日常と会話の中で、時にぶつかりながらも歩み寄っていく二人。
その距離感にいっしょになってドキドキした。
凝り固まったアンジェロの心を解きほぐしていくザックの懐の広さがとても素敵。
愛を囁く言葉を口にできてよかったね。

これを言ったところでナンセンスなんだろうけど、
どーーしても突っ込みたい。
あのゲス男、何をしにコーダへ?
まったく意味がわからず、ポカーンとなってみた(笑)
彼を介入させずに違う展開での進展をみたかったかも……って、それこそナンセンスか。
マットとジャレドの暮らしが垣間見れたのも良かった。
スピン元を読んでいるが故の特典。
一人称の交互視点は昔大好きだった作家さんの得意手法なので、個人的に読みやすかった。
そして合間合間の映画の引用がとても楽しかった。
映画を観ているとちょっとお得感がある……かも?←今はさっぱりなので、意外と見ていた自分にびっくり(笑)

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「凍る月~瑠璃色の夜明け~」夜光花 (ラヴァーズ文庫)



完結巻。
人も、獣人も。
そして、人の中にあっても、獣人の中にあっても。
それぞれの寄る辺があって、それぞれの正義がある。
だから争いが起きるし、こうして歩み寄ることもできる。
そして、対話と駆け引きの果たす役割の重要性。
見事に書ききってくれたと思う。
迷わず手首を切り落とそうとした巴の行為には、
傷つけられることが日常にあった彼の過去が透けて痛々しかった。
ラスト間際の深刻なシーンでの光陽の発言には、
え?そうくる!?と、緊張しっぱなしだった気持ちが笑いでほっとゆるんだ。
光陽らしくていい。
闘い抜いた彼らが手にした瑠璃色の夜明け。
楽しく読了!

私、夜光さんは「花シリーズ」で(エロ過多すぎて)なんじゃこりゃ!?ってなって
しばらく遠ざかっていて。(でもドナってない・笑)
「薔薇シリーズ」をお友達が貸してくれてすごい面白い!ってなって。
結局自分で今回の「凍る月のシリーズ」を買い揃え……という流れに至っています(笑)
「花シリーズ」で終わらなくて本当によかった。
面白かった。

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「凍る月~七色の攻防~」夜光花 (ラヴァーズ文庫)



殺伐とした展開が続く中、
光陽がひたすら心の癒しだった。
あの状況で戦いを回避することを訴え続けることは簡単じゃない。
だけど、それを貫いた光陽は強い。
一方で、銀のやり方は納得できない。
望んで集ってくる人は率先して巻き込めばいい。
だけど、あんな形で他人を戦いに巻きこんじゃいけない。
自分のやらかしたことの結果をどう受け止めているのかな?
光陽の言い分に全く耳を貸さなかった銀とは違って、
須王たちは話を聞いたうえで妥協案を示してくれた。
だけど、動き始めてしまった事態は加速度的に悪い方へ。
スケールの大きさに圧倒されて、最終巻へ。

帰ってきた亨の頼もしさに安堵。←彼も癒しだった。
梁井はちょっとヘタレてるくらいがカッコイイと思います。←褒めてる。
須王には変わらずにいてほしい。←大好き。だから銀に対して厳しくなるのかな?
どっちかの息の根を止めるしかない獣人vs獣人の幕引きよりは、
獣人vs人間の方が上手い着地点が見い出せる気がするんだけど、どうだろう?
続が気になりすぎてドキドキするわ。


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「ロング・ゲイン ~君へと続く道~」マリー・セクストン (モノクローム・ロマンス文庫)



深みのある良作。
しっとりと読ませる。
もともとゲイとして自覚のあったジャレドと、
ジャレドと出会い、自らの性癖に直面したマット。
ゲイであること、世間の目、偏見、同僚、そして家族。
とても閉鎖的な町の中で、それらから目を背けることなく、
戸惑いながらも自らの想いとまっすぐに向き合ったジャレドとマット。
抱える孤独感。友情から愛情への転換。
家族からの理解や、或は埋まらない隔たり。
漂うリアリティが半端なくて彼らと一緒に一喜一憂。
惑いを吹っ切ったマットが職場の同僚にジャレドを認めさせた一件は
ふたりともカッコよかった。
愛情いっぱいのリバも素敵。

「ギャランドゥ」という言葉を久々に思い出しました。
これだけセクシーなギャランドゥ描写は、日本の小説ではあまりお目にかかったことないかも~。
ふふ。ホント素敵でした。
モノクローム・ロマンス文庫。
ホント外れないですね~。
これはスピンもあるので読むのがとても楽しみ。
【モノクローム・ロマンス文庫 14/22】




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「サバイバルな同棲」洸 (キャラ文庫)



真のスパダリって、ダグラスみたいな人のことを言うんだろうなぁ。
甘やかすのとはちょっとちがうやさしさと、あの行動力と包容力。
まかせて安心なカッコよさなんだけど、
俺俺じゃなくて、相手の自主性をちゃんと重んじてくれる。
なんかもう、褒め言葉しか出てこない(笑)
自分の想いが決して叶うことのない一方通行だと思い続けたレオ。
ダグラスに対して憎まれ口をたたく頑なな態度を貫いていたけれども
お釈迦様の手の中の孫悟空が想起されて、なんだか微笑ましい。
とはいえ、本人的にはたくさん悩んできたことがわかるから、
ダグラスからの言葉は本当に嬉しかった。


祭り囃子のメンバーの作品の中で一番冊数を読んできたのは義月さんだけど、
一番好きなのは洸さん。
ということを思い出しました。
甘々好きさんにはおススメ~☆





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