きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
『空色勾玉』荻原規子(徳間文庫)
神々がまだ、人の暮らしの中に入り込んでいた古代の日本。
敵対する光と闇との間で繰り返される争い。
超越した力を持つ者に対して抱く畏怖の念は理解できるけれども。
あんなふうに浅ましく排斥しようとする集団心理は頂けない。
でも、そういう方向に先導しようとした者に踊らされてたことを考えると
致し方ないのかな?と思える部分もある。
これ、現代に置き換えても当てはまるよね。
情報操作、怖いわ~。
光に焦がれる闇と、闇に留まることを選んだ光。
二人が出会ったことで大きく揺れ動いた時代は、まさに今へとつながる世界の黎明期。
日本神話にまったく触れないまま今に至るので、知識不足は否めない。
知ってたらより深く楽しめたんだろうなぁ、とは思うものの、
お勉強ではないので、知らなくても作品世界に楽しく入り込めるのも読書。
思えば、戦国時代の知識も飛鳥時代の知識も私は読んだ本から学びました。
ので、偏ってる自覚はあります。(笑)
敵対する光と闇との間で繰り返される争い。
超越した力を持つ者に対して抱く畏怖の念は理解できるけれども。
あんなふうに浅ましく排斥しようとする集団心理は頂けない。
でも、そういう方向に先導しようとした者に踊らされてたことを考えると
致し方ないのかな?と思える部分もある。
これ、現代に置き換えても当てはまるよね。
情報操作、怖いわ~。
光に焦がれる闇と、闇に留まることを選んだ光。
二人が出会ったことで大きく揺れ動いた時代は、まさに今へとつながる世界の黎明期。
日本神話にまったく触れないまま今に至るので、知識不足は否めない。
知ってたらより深く楽しめたんだろうなぁ、とは思うものの、
お勉強ではないので、知らなくても作品世界に楽しく入り込めるのも読書。
思えば、戦国時代の知識も飛鳥時代の知識も私は読んだ本から学びました。
ので、偏ってる自覚はあります。(笑)
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「恋は不埒か純情か」彩東あやね(ディアプラス文庫)
もちろんラブなんだけど、コメディに振り切ったラブコメ。
椎名と柏木の上司と部下と言う関係性が変わったのは、
思い込みに端を欲する大きな勘違いから。
斜め上に爆走する二人の思考がおもしろすぎて(褒めてる)とっても楽しく読了。
いや、勘違いのレベルが桁違い。
でも、それを勘違いで終わらせず、互いの会話で何を伝えたいかをきちんと修正していくところが良い。
「好き」の気持ちを伝えたいため。
「傍にいたい」という想いを伝えたいため。
本人たちは至って真剣なのに、第三者目線だといちいち笑えるおもしろさ。
幸せを祝しての読了。
「料理の腕を育てるのは食べる側の人間」
うん。
一理あるよねぇ、と納得。
美味しく食べてもらいたいから腕を磨く。
美味しいって食べてもらえたら、次もまた美味しい料理を作ろうって思う。
椎名と柏木の上司と部下と言う関係性が変わったのは、
思い込みに端を欲する大きな勘違いから。
斜め上に爆走する二人の思考がおもしろすぎて(褒めてる)とっても楽しく読了。
いや、勘違いのレベルが桁違い。
でも、それを勘違いで終わらせず、互いの会話で何を伝えたいかをきちんと修正していくところが良い。
「好き」の気持ちを伝えたいため。
「傍にいたい」という想いを伝えたいため。
本人たちは至って真剣なのに、第三者目線だといちいち笑えるおもしろさ。
幸せを祝しての読了。
「料理の腕を育てるのは食べる側の人間」
うん。
一理あるよねぇ、と納得。
美味しく食べてもらいたいから腕を磨く。
美味しいって食べてもらえたら、次もまた美味しい料理を作ろうって思う。
「二人だけの勲章」北方謙三(ハルキ文庫)
「ちくしょう、なぜだっ」という伸也の叫びに同調しつつ、
「やっぱりか!」と更に叫ぶ私。
ホント、何故なんだ、北方~~!!
と言いつつ、北方ならそうなるよね、と納得してしまうくらいは
彼の作風をわかっている。
ある意味裏切らない。
え、二人って誰?この二人であってる?と途中で混乱するくらい入り乱れる登場人物。
それぞれにそれぞれの矜持があって、自発的に動いているからこそ、誰もがカッコいい。
作中の人物たちが拘った三年前の出来事の延長線上にはない伸也と伊月の存在が
上手く絡み合い、彼等をその先へと導いていったと思う。
月に一冊の復刻版シリーズ。
いよいよ来月でラスト。
で、ふと思う。
『約束の街シリーズ』は完結させてくれるのかな?
このシリーズがきっちり完結したらハルキ文庫の『ブラディ・ドールシリーズ』を集める気満々なんですけどー。←角川文庫版は当然持ってる。
思えば、私の北方作品初読は『さらば、荒野』。
30年くらい前かな?
未だに熱く語れる大好きシリーズ。
「やっぱりか!」と更に叫ぶ私。
ホント、何故なんだ、北方~~!!
と言いつつ、北方ならそうなるよね、と納得してしまうくらいは
彼の作風をわかっている。
ある意味裏切らない。
え、二人って誰?この二人であってる?と途中で混乱するくらい入り乱れる登場人物。
それぞれにそれぞれの矜持があって、自発的に動いているからこそ、誰もがカッコいい。
作中の人物たちが拘った三年前の出来事の延長線上にはない伸也と伊月の存在が
上手く絡み合い、彼等をその先へと導いていったと思う。
月に一冊の復刻版シリーズ。
いよいよ来月でラスト。
で、ふと思う。
『約束の街シリーズ』は完結させてくれるのかな?
このシリーズがきっちり完結したらハルキ文庫の『ブラディ・ドールシリーズ』を集める気満々なんですけどー。←角川文庫版は当然持ってる。
思えば、私の北方作品初読は『さらば、荒野』。
30年くらい前かな?
未だに熱く語れる大好きシリーズ。
「二人の嘘」一雫ライオン(幻冬舎文庫)
プロローグで匂わせているとはいえ、ガッツリ結末の分かる章タイトルは駄目だと思う。
先を読みたくなくて手が止まりそうになり、だけど、気になるから項を捲る。
それだけ、作中にのめり込んでいた。
だからこそ、読後にこみ上げるこのやるせなさ。
再び出会わない方が良かったのだろうか?
それでも、出会って良かったのだろうか?
答えは、彼らが心に刻んでいる。
蛭間のやさしさと気遣いがジワジワ沁みる。
理不尽な運命を強いられた彼。
「正しく、まっすぐに、優しい方向に間違える」
この言葉が深すぎて、めちゃめちゃ刺さった。
ああ、本当にやるせない。
「帯は読まない。内容を知らずに読んだほうが、小説は絶対におもしろいからだ」
あとがきの北上次郎氏に大賛成。
初読み作家さんのこの本は久々に背表紙&表紙買い。
「あ、この本」と思った時の直感って、不思議と外れがないんだよね。
私、グッジョブ。←自画自賛。(笑)
必ず能登を再訪しよう、と、心に刻んでいたけれども。
その思いがますます強くなりました。
先を読みたくなくて手が止まりそうになり、だけど、気になるから項を捲る。
それだけ、作中にのめり込んでいた。
だからこそ、読後にこみ上げるこのやるせなさ。
再び出会わない方が良かったのだろうか?
それでも、出会って良かったのだろうか?
答えは、彼らが心に刻んでいる。
蛭間のやさしさと気遣いがジワジワ沁みる。
理不尽な運命を強いられた彼。
「正しく、まっすぐに、優しい方向に間違える」
この言葉が深すぎて、めちゃめちゃ刺さった。
ああ、本当にやるせない。
「帯は読まない。内容を知らずに読んだほうが、小説は絶対におもしろいからだ」
あとがきの北上次郎氏に大賛成。
初読み作家さんのこの本は久々に背表紙&表紙買い。
「あ、この本」と思った時の直感って、不思議と外れがないんだよね。
私、グッジョブ。←自画自賛。(笑)
必ず能登を再訪しよう、と、心に刻んでいたけれども。
その思いがますます強くなりました。
「ピラミッド」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)
シリーズ一作目よりも過去に時間を遡った短・中編が5編。
だけど、シリーズを読んでいるからこそ楽しめる作品だと思う。
20代から40代のヴァランダーがそこにいて、
幾つであってもめんどくさい性格の変わってなさに苦笑したり、
刑事としてまだ自信を持ちきれずにいる姿に新鮮味を感じたり。
一作目から故人であったリードベリと一緒に働く姿に感動したり、
作中で故人となった人たちの元気な姿に懐かしさを感じたり。
最後の中編「ピラミッド」ではヴァランダーの父が起こした騒動に
爆笑してしまった。(話の主軸はそこじゃない)
思った以上に読み応えのある短編集だった。
エジプト。
行ってみたいなぁ、と思いつつ。
行けてる自分が想像できない。
でもいつか行ってみたい。
だけど、シリーズを読んでいるからこそ楽しめる作品だと思う。
20代から40代のヴァランダーがそこにいて、
幾つであってもめんどくさい性格の変わってなさに苦笑したり、
刑事としてまだ自信を持ちきれずにいる姿に新鮮味を感じたり。
一作目から故人であったリードベリと一緒に働く姿に感動したり、
作中で故人となった人たちの元気な姿に懐かしさを感じたり。
最後の中編「ピラミッド」ではヴァランダーの父が起こした騒動に
爆笑してしまった。(話の主軸はそこじゃない)
思った以上に読み応えのある短編集だった。
エジプト。
行ってみたいなぁ、と思いつつ。
行けてる自分が想像できない。
でもいつか行ってみたい。
「秘恋は咎に濡れ」沙野風結子(ガッシュ文庫)
都合の良い道具としか自分を見なしていない男と、
血の通った人間として扱ってくれる男と。
客観的に見ればどちらを選ぶかなんて明確だよね。
だけど、当事者はその判断がつかなかったりもする。
その生い立ちのおかげであまりにも狭い視野しか持ち得なかった椋一。
幼い自分を庇護してくれた彰良に献身的に尽くしても、踏みにじられるだけの心と身体。
そんな彼を日の当たる世界へ引っ張り出してくれた匡鷹のやり方は
強引だったけど、ああでもしないと、多分椋一は動けなかった。
愛情は一方的に与えるものではなく、
互いに与え合い、分かち合うもの。
ラストの笠井さんの一コマ、眼福だった。
既読だけどレビューあげてなかったなー、ということで再読。
明確に覚えていたことが歯なしカエル爺さんプレイと万年筆。
間違ってないけど、どうよ?自分、と苦笑。
沙野さんの言う通り、インパクト大だったんだね。
血の通った人間として扱ってくれる男と。
客観的に見ればどちらを選ぶかなんて明確だよね。
だけど、当事者はその判断がつかなかったりもする。
その生い立ちのおかげであまりにも狭い視野しか持ち得なかった椋一。
幼い自分を庇護してくれた彰良に献身的に尽くしても、踏みにじられるだけの心と身体。
そんな彼を日の当たる世界へ引っ張り出してくれた匡鷹のやり方は
強引だったけど、ああでもしないと、多分椋一は動けなかった。
愛情は一方的に与えるものではなく、
互いに与え合い、分かち合うもの。
ラストの笠井さんの一コマ、眼福だった。
既読だけどレビューあげてなかったなー、ということで再読。
明確に覚えていたことが歯なしカエル爺さんプレイと万年筆。
間違ってないけど、どうよ?自分、と苦笑。
沙野さんの言う通り、インパクト大だったんだね。
「絆回廊 新宿鮫Ⅺ」大沢在昌
どれだけの悲しみに打ちひしがれたとしても。
どれだけの後悔を抱えていたとしても。
それでも、時は前に進み続ける。
だから、鮫島も刑事として、歩き続けるしかないのだ。
改めて、そう思わせられる十一巻。
だけど、彼は独りではない。
藪は良きパートナー。
そして、阿坂、矢崎、鮫島。香田、永昌、鮫島。
敵味方はともかく、奇妙な三角形が形成されつつある。
公安が品物と引き換えに得ようとした情報。
相手は本当に「その情報」を持っていたのかな?
そこは疑わなくていいのかな?
ちょっとひっかかってしまった。
とはいえ、大満足の読み応え。
総ページ936ページ。
持ち続けるのがしんどい重さ。
膝の上に置いたり、机の上に置いたりしつつも、止まることなく読み続けてしまった面白さ。
だけど、彼女がいないと私が何だか寂しい。
次に彼女と会う時は事件絡み……とかにならないといいなー。
どれだけの後悔を抱えていたとしても。
それでも、時は前に進み続ける。
だから、鮫島も刑事として、歩き続けるしかないのだ。
改めて、そう思わせられる十一巻。
だけど、彼は独りではない。
藪は良きパートナー。
そして、阿坂、矢崎、鮫島。香田、永昌、鮫島。
敵味方はともかく、奇妙な三角形が形成されつつある。
公安が品物と引き換えに得ようとした情報。
相手は本当に「その情報」を持っていたのかな?
そこは疑わなくていいのかな?
ちょっとひっかかってしまった。
とはいえ、大満足の読み応え。
総ページ936ページ。
持ち続けるのがしんどい重さ。
膝の上に置いたり、机の上に置いたりしつつも、止まることなく読み続けてしまった面白さ。
だけど、彼女がいないと私が何だか寂しい。
次に彼女と会う時は事件絡み……とかにならないといいなー。
「鮫島の貌 新宿鮫短編集」大沢在昌
長編読みの私が繰り返し捲りたくなる短編集。
本編のような緊迫感はなく、肩の力を抜いて楽しく読める。
「似た者どうし」「幼な馴染み」
鮫島と冴羽獠、そして両さんとのコラボが読めるなんて想定外だったけど、
違和感なくて流石だなーと。
オロオロする藪の珍しい姿にびっくり。
ああ、だけど故人が出てくる最初と最後の作品はちょっとホロっとした。
「区立花園公園」
桃井さん、やっぱカッコいいよ。
「霊園の男」
これは『あ』の解釈に大納得。
きっと、本当にそうだったんだよ。
仙田に矢吹がいてくれてよかった。
鮫島が鮫島らしい「再会」も好き。
さ~、いよいよ、十一巻『暗躍領域』へ!
と意気込んだものの、1000頁近くある文庫は重すぎて持ち歩き不可ww
上下巻にしてくれてもよかったのよ?←何目線。
本編のような緊迫感はなく、肩の力を抜いて楽しく読める。
「似た者どうし」「幼な馴染み」
鮫島と冴羽獠、そして両さんとのコラボが読めるなんて想定外だったけど、
違和感なくて流石だなーと。
オロオロする藪の珍しい姿にびっくり。
ああ、だけど故人が出てくる最初と最後の作品はちょっとホロっとした。
「区立花園公園」
桃井さん、やっぱカッコいいよ。
「霊園の男」
これは『あ』の解釈に大納得。
きっと、本当にそうだったんだよ。
仙田に矢吹がいてくれてよかった。
鮫島が鮫島らしい「再会」も好き。
さ~、いよいよ、十一巻『暗躍領域』へ!
と意気込んだものの、1000頁近くある文庫は重すぎて持ち歩き不可ww
上下巻にしてくれてもよかったのよ?←何目線。