きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「小説」の記事一覧
- 2025.06.04 「不機嫌な青春」壁井ユカコ(集英社)
- 2025.06.01 「ひゃっか!」今村翔吾(ハルキ文庫)
- 2025.05.28 「モルグの番人」今城けい(花丸文庫)
- 2025.05.17 「過去 リメンバー」北方謙三(ハルキ文庫)
- 2025.05.12 「ぼくらの七日間戦争」宗田理(角川文庫)
- 2025.04.23 「高校事変Ⅱ」松岡圭祐(角川文庫)
- 2025.04.16 「友よ、静かに瞑れ」北方謙三(ハルキ文庫)
- 2025.04.13 「恋とか愛とかやさしさなら」一穂ミチ(小学館)
- 2025.04.13 「高校事変」松岡圭祐(角川文庫)
- 2025.03.27 「永い言い訳」西川美和
「不機嫌な青春」壁井ユカコ(集英社)
短編四編。
だけど、どの作品も一冊のボリュームの本を読み切ったかのような読み応えのお借り本。
チクリと胸に何かが刺さる、ほろ苦さを噛みしめての読了。
「零れたブルースプリング」
一番好き。
生きることが健常な人より大変な子どもたちが飛ばした風船が繋いだ、奇跡的な縁。
二人が交わした手紙が救ったひとりの少女。
そして、拗れまくった二人の恋心に思わず涙。
「ヒツギとイオリ」
出会うべくして出会った二人。
自分自身を大切にして生きて欲しい。
「flick out」
人を見下せば、その思いは相手に伝わるものだよ?
父が良き理解者で良かった。
最近会社で「この名前の方、性別どっちかわからないねー」「聞いてみるわ」
ということがあり。
私は女性だと思ったけど、実際は男性でした。
確認大事。
思い込みで性別は決められないなーと思った出来事。
だけど、どの作品も一冊のボリュームの本を読み切ったかのような読み応えのお借り本。
チクリと胸に何かが刺さる、ほろ苦さを噛みしめての読了。
「零れたブルースプリング」
一番好き。
生きることが健常な人より大変な子どもたちが飛ばした風船が繋いだ、奇跡的な縁。
二人が交わした手紙が救ったひとりの少女。
そして、拗れまくった二人の恋心に思わず涙。
「ヒツギとイオリ」
出会うべくして出会った二人。
自分自身を大切にして生きて欲しい。
「flick out」
人を見下せば、その思いは相手に伝わるものだよ?
父が良き理解者で良かった。
最近会社で「この名前の方、性別どっちかわからないねー」「聞いてみるわ」
ということがあり。
私は女性だと思ったけど、実際は男性でした。
確認大事。
思い込みで性別は決められないなーと思った出来事。
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「ひゃっか!」今村翔吾(ハルキ文庫)
ワクワクドキドキしつつも、この先はこうなるのよね、と、想像できる
ザ・王道な起承転結。
それを十分に面白く読めるのは、著者の筆力と熱力によると思う。
全力で華道の大会に挑む高校生たちの青春物語。
最後まで興味深く楽しめた。
彼等が活けた花をリアルに観られたらより楽しかっただろうなぁ。
めっちゃ頑張って思い描いてみたけど限界ってあるよね。
それでも、花展を観に行かせてもらっていた経験がちょっとは助けになった気がする。
貴音の家庭環境は賑やかで楽しそうでもあり、寂しそうでもある。
春乃と出会ったことによって、今まで諦めていたものを得られるといいね。
「全国高校生花いけバトル」
調べてみると、東北大会は来月あるんですねー。
あ、意外と近く。
今の会社に入社したとき、
社長の奥様が華道の先生で、女子がみんな習っていたことに驚いたんだよね。
私も誘われたけど、断っちゃいましたが。(笑)
それでも先生が参加する花展のたびにお誘いを頂いて、観に行かせていただいていたのはありがたかったなぁ。
ザ・王道な起承転結。
それを十分に面白く読めるのは、著者の筆力と熱力によると思う。
全力で華道の大会に挑む高校生たちの青春物語。
最後まで興味深く楽しめた。
彼等が活けた花をリアルに観られたらより楽しかっただろうなぁ。
めっちゃ頑張って思い描いてみたけど限界ってあるよね。
それでも、花展を観に行かせてもらっていた経験がちょっとは助けになった気がする。
貴音の家庭環境は賑やかで楽しそうでもあり、寂しそうでもある。
春乃と出会ったことによって、今まで諦めていたものを得られるといいね。
「全国高校生花いけバトル」
調べてみると、東北大会は来月あるんですねー。
あ、意外と近く。
今の会社に入社したとき、
社長の奥様が華道の先生で、女子がみんな習っていたことに驚いたんだよね。
私も誘われたけど、断っちゃいましたが。(笑)
それでも先生が参加する花展のたびにお誘いを頂いて、観に行かせていただいていたのはありがたかったなぁ。
「過去 リメンバー」北方謙三(ハルキ文庫)
「喫茶店の親父だが、自分では決してコーヒーを飲まない。それでよかった。あと二年だ。」
このこだわりが、北方イズム全開で良い。
そしてその二年縛りに纏わる事情にこそ、この作品の核心がある。
何事もなく二年が過ぎれば、掘り返されることがなかった過去。
だが、ある男の死が、男たちを過去と対峙させることになる。
最後まで楽しく読んだけど、一点だけ。
百合子の自死の理由がその瞬間わかったことが気分悪かった。
北方~~。女みくびるな。
三人の男たちの絆がとても良かった。
そして、内海が過去を掘り返そうとした理由も良かった。
ラストの一文が刺さったね。
心憎いエンド。
初期作品の復刊シリーズ第二弾。
ここにきて、北方の好き作品が増えるっていうのが嬉しいなぁ。
このこだわりが、北方イズム全開で良い。
そしてその二年縛りに纏わる事情にこそ、この作品の核心がある。
何事もなく二年が過ぎれば、掘り返されることがなかった過去。
だが、ある男の死が、男たちを過去と対峙させることになる。
最後まで楽しく読んだけど、一点だけ。
百合子の自死の理由がその瞬間わかったことが気分悪かった。
北方~~。女みくびるな。
三人の男たちの絆がとても良かった。
そして、内海が過去を掘り返そうとした理由も良かった。
ラストの一文が刺さったね。
心憎いエンド。
初期作品の復刊シリーズ第二弾。
ここにきて、北方の好き作品が増えるっていうのが嬉しいなぁ。
「ぼくらの七日間戦争」宗田理(角川文庫)
初読の10代の頃に感じたドキドキワクワク感や
彼らに対する憧憬の念は、今となっては当然なく。
その代わり、懐かしい気持ちと、もはやあの子たちのようには振舞うことのできない寂しさとが去来する。
それでも。
彼らの過ごした七日間はやっぱりキラキラしていて、
生涯忘れることのできない七日間になったのだということは、断言できる。
あの年代でしか味わうことのできない濃密な時間。
「負けたっていいのさ。やりたいと思ったことをやれば」
上手くいくとは思っていない。
だけど、やれるところまでやりきった彼らの、夢のような物語。
読み始めから終わりまでウツの歌声が脳内でヘビロテ。
姪っ子ちゃんの誕プレに選んだ一冊。
せっかくだから私も再読してみよう!と、私は角川文庫で読了。
彼女にはつばさ文庫をプレゼントしたので、読み比べて見るのも面白いかも。
そしてタイミングよく樹主演での舞台化のお知らせが。
東京行けるなー。
取れる気がしないけど、チケット申し込んでみよう☆彡
彼らに対する憧憬の念は、今となっては当然なく。
その代わり、懐かしい気持ちと、もはやあの子たちのようには振舞うことのできない寂しさとが去来する。
それでも。
彼らの過ごした七日間はやっぱりキラキラしていて、
生涯忘れることのできない七日間になったのだということは、断言できる。
あの年代でしか味わうことのできない濃密な時間。
「負けたっていいのさ。やりたいと思ったことをやれば」
上手くいくとは思っていない。
だけど、やれるところまでやりきった彼らの、夢のような物語。
読み始めから終わりまでウツの歌声が脳内でヘビロテ。
姪っ子ちゃんの誕プレに選んだ一冊。
せっかくだから私も再読してみよう!と、私は角川文庫で読了。
彼女にはつばさ文庫をプレゼントしたので、読み比べて見るのも面白いかも。
そしてタイミングよく樹主演での舞台化のお知らせが。
東京行けるなー。
取れる気がしないけど、チケット申し込んでみよう☆彡
「友よ、静かに瞑れ」北方謙三(ハルキ文庫)
冒頭のたった二文字が強烈に刺さる。そしてそれに次ぐ一文で一気に引き込まれる。
この感じ、北方でしかありえない。
親友である坂口が逮捕されたことを知り、
彼の暮らす海辺の街を訪れた新藤。
坂口に会うために。
そして、彼を留置所から出すために。
そんな新藤の前に立ちはだかる様々な悪意。
ぶつけられる殺意に満身創痍になりながらも、
再会を果たした二人の間に言葉はない。
けれども。
絡まる視線。
そこで交わした想いは、確かにあったに違いない。
命の炎が消える前に、その望みを叶えようとした。
坂口の身体のことがなければ、結末は違っただろうか?
新刊案内を見つつ、あれ?この作品知らない?となり、発売日に張り切って入手。
北方の現代もの、全部読んだつもりになってたけど、
つもりでしかなかったんですね~。
ここから5ヶ月連続で発刊される北方の初期作品は全部未読!
おお!!!!
楽しみが増えました☆彡
この感じ、北方でしかありえない。
親友である坂口が逮捕されたことを知り、
彼の暮らす海辺の街を訪れた新藤。
坂口に会うために。
そして、彼を留置所から出すために。
そんな新藤の前に立ちはだかる様々な悪意。
ぶつけられる殺意に満身創痍になりながらも、
再会を果たした二人の間に言葉はない。
けれども。
絡まる視線。
そこで交わした想いは、確かにあったに違いない。
命の炎が消える前に、その望みを叶えようとした。
坂口の身体のことがなければ、結末は違っただろうか?
新刊案内を見つつ、あれ?この作品知らない?となり、発売日に張り切って入手。
北方の現代もの、全部読んだつもりになってたけど、
つもりでしかなかったんですね~。
ここから5ヶ月連続で発刊される北方の初期作品は全部未読!
おお!!!!
楽しみが増えました☆彡
「恋とか愛とかやさしさなら」一穂ミチ(小学館)
突き詰めて考えるから苦しくて、開き直れないからやっぱり苦しい。
犯してしまったことはなかったことにはならなくて、
その事とは一生向き合っていかなければいけない。
恋人の犯罪行為をどう受け止め、どうジャッジするのか。
これは当事者じゃないと、如何とも言い難い。
だから、彼らと一緒にぐるぐるしながらも、誰にも寄り添えず、
ましてや正解なんて見だせない。
私的にはその選択しかなかったかな、と思いつつ、
ものすごく後味の悪いものを呑み込んだ感じの読後。
それぞれの心境をそこまで深堀してリアルに突きつけてきた一穂さん、すごいなー。
と思ったお借り本。
「魔が差した」じゃ済まないことってあるよね。
一線を踏み越えた先は、奈落。
その一回でその後の人生がすべて変わってしまう。
やってしまったことはなかったことにはできないんだよ。
犯してしまったことはなかったことにはならなくて、
その事とは一生向き合っていかなければいけない。
恋人の犯罪行為をどう受け止め、どうジャッジするのか。
これは当事者じゃないと、如何とも言い難い。
だから、彼らと一緒にぐるぐるしながらも、誰にも寄り添えず、
ましてや正解なんて見だせない。
私的にはその選択しかなかったかな、と思いつつ、
ものすごく後味の悪いものを呑み込んだ感じの読後。
それぞれの心境をそこまで深堀してリアルに突きつけてきた一穂さん、すごいなー。
と思ったお借り本。
「魔が差した」じゃ済まないことってあるよね。
一線を踏み越えた先は、奈落。
その一回でその後の人生がすべて変わってしまう。
やってしまったことはなかったことにはできないんだよ。
「高校事変」松岡圭祐(角川文庫)
冒頭ではまだ、襲撃者の真意はわからないながらも、
結衣はこう動くんだろうな、というのは予測がつく。
だけど、その手段と彼女の戦闘力は想像以上で、
え、ちょっと、すごんですけど!?と、前のめりになりながら一気に読了したお借り本。
個人的に錦織さんがお気に入り。
ラスト、犯人のあまりの小物っぷりに、うっそー!??ってなったけど、
人間ってそんなものよね。
結衣は終始一貫してかっこよかった。
シリーズもの。
このラストでこの先どう続いていくのか。
え、気になる。
『やじきた学園道中記』みたいに転校するパターン?
わくわくしながら次巻へ。
幼少期からのテロ・暗殺行為の英才教育。
身につくかつかないかは本人次第でありながらも、
天才的な吸収力と実践力を垣間見せる。
なんとなくデジャヴ……と思ったら、
ディーン・リーガル、彼の人でした。
わー。『ツーリング・エクスプレス』
いつか感想UPできるといいなー。
これ、1巻から発売と同時に買っているので、
小学生の頃から今に至るまで集め続けているシリーズ。
すごいな。
結衣はこう動くんだろうな、というのは予測がつく。
だけど、その手段と彼女の戦闘力は想像以上で、
え、ちょっと、すごんですけど!?と、前のめりになりながら一気に読了したお借り本。
個人的に錦織さんがお気に入り。
ラスト、犯人のあまりの小物っぷりに、うっそー!??ってなったけど、
人間ってそんなものよね。
結衣は終始一貫してかっこよかった。
シリーズもの。
このラストでこの先どう続いていくのか。
え、気になる。
『やじきた学園道中記』みたいに転校するパターン?
わくわくしながら次巻へ。
幼少期からのテロ・暗殺行為の英才教育。
身につくかつかないかは本人次第でありながらも、
天才的な吸収力と実践力を垣間見せる。
なんとなくデジャヴ……と思ったら、
ディーン・リーガル、彼の人でした。
わー。『ツーリング・エクスプレス』
いつか感想UPできるといいなー。
これ、1巻から発売と同時に買っているので、
小学生の頃から今に至るまで集め続けているシリーズ。
すごいな。
「永い言い訳」西川美和
傍にいることが当たり前だった家族を突然亡くしてしまったら。
あなたはどうしますか?
遺された者たちは、悲嘆に暮れながらも、日々の生活を営んでいかなければいけないのだ。
幸夫は大宮家の人々と共に過ごすことで、人として欠けていたもの取り戻し、
大宮家は幸夫に生活をサポートしてもらうことで、どうにか成り立っていた。
そうやって日々を過ごし、それぞれが心の奥底に封じ込めていた想いを吐き出せた時。
その場で藻掻いていた彼らがやっと前に進めるたように思える。
喪失の痛みは消えない。
その上での明日だって捨てたもんじゃない。
そう思わせてくれる作品だった。
泣くことだけが哀しみの表現じゃない。
泣かないからって哀しいわけじゃない。
泣けないこともあるのだと。
身をもってっ知っている。
だからこそ、思う。
真平も幸夫も。
泣くことができてよかった。
あなたはどうしますか?
遺された者たちは、悲嘆に暮れながらも、日々の生活を営んでいかなければいけないのだ。
幸夫は大宮家の人々と共に過ごすことで、人として欠けていたもの取り戻し、
大宮家は幸夫に生活をサポートしてもらうことで、どうにか成り立っていた。
そうやって日々を過ごし、それぞれが心の奥底に封じ込めていた想いを吐き出せた時。
その場で藻掻いていた彼らがやっと前に進めるたように思える。
喪失の痛みは消えない。
その上での明日だって捨てたもんじゃない。
そう思わせてくれる作品だった。
泣くことだけが哀しみの表現じゃない。
泣かないからって哀しいわけじゃない。
泣けないこともあるのだと。
身をもってっ知っている。
だからこそ、思う。
真平も幸夫も。
泣くことができてよかった。