きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「小説」の記事一覧
- 2024.11.30 「煉獄の獅子たち」深町秋生
- 2024.11.27 「ヘルドッグス 煉獄の犬たち」深町秋生(角川文庫)
- 2024.11.22 「ツミデミック」一穂ミチ(光文社)
- 2024.11.14 「スパイに死を 県警外事課 クルス機関」柏木伸介(宝島社文庫)
- 2024.11.09 「闇滴りし」かわい有美子 パレット文庫
- 2024.11.04 「起爆都市 県警外事課 クルス機関」柏木伸介
- 2024.11.04 「県警外事課 クルス機関」柏木伸介
- 2024.10.30 「たのしい川べ」(岩波少年文庫)
- 2024.10.25 「彩雲国秘抄 骸骨を乞う 下」雪乃紗衣
- 2024.10.22 「彩雲国秘抄 骸骨を乞う 上」雪乃紗衣
「煉獄の獅子たち」深町秋生
対立する二者が存在する場合、
一方の主張と正義があれば、もう一方の主張と正義がある。
前作と対になる物語。
前作では多くを語られることのなかった勝一たちサイドの事情が垣間見えてくるわけだけど。
読み進めるうちに勝一に対して大きくなっていく違和感。
なんかしっくりこない。
その理由が判明するラストに戦慄。そして納得。
うまいなー。そして、返せ~~!
田舎弁の我妻は愛されキャラだと思う。
阿内が言ってることは、戦争を必要とする軍事産業と一緒だよね。
なんか俗っぽくてがっかりなので、ぶん殴りたくなってみました。←作品に感化されすぎ。
安全圏でぬくぬくとしてはおらず、前線に出てくるTOPはカッコいいと思います!
だから人がついてくる。
一方の主張と正義があれば、もう一方の主張と正義がある。
前作と対になる物語。
前作では多くを語られることのなかった勝一たちサイドの事情が垣間見えてくるわけだけど。
読み進めるうちに勝一に対して大きくなっていく違和感。
なんかしっくりこない。
その理由が判明するラストに戦慄。そして納得。
うまいなー。そして、返せ~~!
田舎弁の我妻は愛されキャラだと思う。
阿内が言ってることは、戦争を必要とする軍事産業と一緒だよね。
なんか俗っぽくてがっかりなので、ぶん殴りたくなってみました。←作品に感化されすぎ。
安全圏でぬくぬくとしてはおらず、前線に出てくるTOPはカッコいいと思います!
だから人がついてくる。
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「ヘルドッグス 煉獄の犬たち」深町秋生(角川文庫)
絶対に近寄りたくない家業を生業とし、
凄惨な暴力の世界に身を置き、手のみならず全身を血で汚していく男たち。
いやいやいや。
相容れない。
無理無理無理。
と、眉間に皺を寄せつつ読み進めるうちに……
他者に対してはあんなにも容赦がないのに、身内に対する情がとても深い彼らの
絆を、結束を、受け入れてしまっている自分がいる不思議。
これが阿内曰くの「私情」なのだろうか。
もはや「仕事」を大きく逸脱した領域に足を突っ込んだ兼高だけど、
結果的にはやりきったんだよね。
その代償は独りぼっち。
キリングマシーンに徹しきれなかった室岡がやるせない。
映画は見ていないんだけど配役はわかっていたので、終始ビジュアルは
兼高=岡田、室岡=坂口で脳内を躍動してくれました。
イメージぴったり。
凄惨な暴力の世界に身を置き、手のみならず全身を血で汚していく男たち。
いやいやいや。
相容れない。
無理無理無理。
と、眉間に皺を寄せつつ読み進めるうちに……
他者に対してはあんなにも容赦がないのに、身内に対する情がとても深い彼らの
絆を、結束を、受け入れてしまっている自分がいる不思議。
これが阿内曰くの「私情」なのだろうか。
もはや「仕事」を大きく逸脱した領域に足を突っ込んだ兼高だけど、
結果的にはやりきったんだよね。
その代償は独りぼっち。
キリングマシーンに徹しきれなかった室岡がやるせない。
映画は見ていないんだけど配役はわかっていたので、終始ビジュアルは
兼高=岡田、室岡=坂口で脳内を躍動してくれました。
イメージぴったり。
「ツミデミック」一穂ミチ(光文社)
禍がそのきっかけの一因となったとしても、引き金を引くのは人間。
奈落へ転がり落ちるギリギリのところで踏みとどまることができるのも、人間。
他人を傷つけるのも、誰かを助けることができるのも人間。
パンデミック、災害、押し込み強盗、異国の戦争、集団自殺。
生活に紛れ込んだそれらの事象に呑み込まれ、絡み取られた人たちの物語。
短編6篇。
抱えた事情はそれぞれで、1篇1篇まったく違った趣の作品を読ませてくれる。
個人的に短編は好んで読まないんだけど、一穂さんの短編はスッと入ってくるだけではなく、
各々の作品の色で余韻が残る。
一穂さん登録60冊目。
久しぶりに一穂さんの文章を読むと、
あ~、帰ってきたなぁ、というホーム感を感じるんだよね。
なんか安心する。
独特な感情表現には相変わらず目を見張るものがあって、
記憶をかつお節に例えた言葉がめっちゃ刺さった。
うまいなーって。
積んでいる作品がまだ少しあるんだけど、
それらは既刊を再読してから読もうと思っているうちにうっかり失念してしまっていた残念さ。
気付かせてくれたお友だちに感謝。
奈落へ転がり落ちるギリギリのところで踏みとどまることができるのも、人間。
他人を傷つけるのも、誰かを助けることができるのも人間。
パンデミック、災害、押し込み強盗、異国の戦争、集団自殺。
生活に紛れ込んだそれらの事象に呑み込まれ、絡み取られた人たちの物語。
短編6篇。
抱えた事情はそれぞれで、1篇1篇まったく違った趣の作品を読ませてくれる。
個人的に短編は好んで読まないんだけど、一穂さんの短編はスッと入ってくるだけではなく、
各々の作品の色で余韻が残る。
一穂さん登録60冊目。
久しぶりに一穂さんの文章を読むと、
あ~、帰ってきたなぁ、というホーム感を感じるんだよね。
なんか安心する。
独特な感情表現には相変わらず目を見張るものがあって、
記憶をかつお節に例えた言葉がめっちゃ刺さった。
うまいなーって。
積んでいる作品がまだ少しあるんだけど、
それらは既刊を再読してから読もうと思っているうちにうっかり失念してしまっていた残念さ。
気付かせてくれたお友だちに感謝。
「スパイに死を 県警外事課 クルス機関」柏木伸介(宝島社文庫)
後半の大味な展開に一瞬飽きかけて、ラストは驚きの持ち直し。
ぐっと引き込まれて読み切ったシリーズ三作目。
意図した殺人と、偶発的な殺人。
そこから引き起こされる騙し騙されの狂騒曲。
捜査に来栖が加わってしまったが為に、思惑通りに事が運べなかった人たち多数。
来栖をサイコパス呼ばわりしている警察関係者側も、実は相当イカれてる。
「誰も信じるな」と言いつつ、独りでは戦えないわけで。
駆け引き裏読みブラフにディスインフォメーション。
頭脳戦かと思いきや、挙句の果ての銃撃戦。
私に諜報機関は務まらない。←リクルートされてない。
「誰のために 何のために」
政治を司る人たちに対するこの問いは重い。
この作品が書かれたときは、
まさか本当に要人が暗殺されることになるとは思いもしなかっただろうなぁ。
そして北朝鮮やスパイと言うワードに引っ張られて五條さんの小説が読みたくなったけど、もう新作を書かれることはないと思うと残念。(既刊コンプ済)
せめて『ソウル・キャッツアイ』を読める日が来ることをまだ諦めたくない。
ぐっと引き込まれて読み切ったシリーズ三作目。
意図した殺人と、偶発的な殺人。
そこから引き起こされる騙し騙されの狂騒曲。
捜査に来栖が加わってしまったが為に、思惑通りに事が運べなかった人たち多数。
来栖をサイコパス呼ばわりしている警察関係者側も、実は相当イカれてる。
「誰も信じるな」と言いつつ、独りでは戦えないわけで。
駆け引き裏読みブラフにディスインフォメーション。
頭脳戦かと思いきや、挙句の果ての銃撃戦。
私に諜報機関は務まらない。←リクルートされてない。
「誰のために 何のために」
政治を司る人たちに対するこの問いは重い。
この作品が書かれたときは、
まさか本当に要人が暗殺されることになるとは思いもしなかっただろうなぁ。
そして北朝鮮やスパイと言うワードに引っ張られて五條さんの小説が読みたくなったけど、もう新作を書かれることはないと思うと残念。(既刊コンプ済)
せめて『ソウル・キャッツアイ』を読める日が来ることをまだ諦めたくない。
「県警外事課 クルス機関」柏木伸介
「情報を制する者は世界を制す」
どこで見かけた言葉だったか。
著者デビュー作。
後の『剣崎恭弥シリーズ』に比べれば荒いところはあるけど、面白かった。
彼らのように国家レベルの情報戦を私がすることはないけれども。
時事ネタをちゃんと知っておくこと。
正しい情報をインプットすること。
フェイクに踊らされないこと。
必要最低限、大事だなーと改めて思う。
「誰も信用するな」
その言葉通り、後半は怒涛の展開。
一つ歯車が狂えば、連鎖的におかしくなっていくのはあるある。
そして予測できた裏切りと想定外の事態。
前のめりで読了。
最後の最後、続編が手元になかったら、はぁ!?そこで終わる!!?と叫んでたと思う。
シリーズ揃えておいてよかった。
どこで見かけた言葉だったか。
著者デビュー作。
後の『剣崎恭弥シリーズ』に比べれば荒いところはあるけど、面白かった。
彼らのように国家レベルの情報戦を私がすることはないけれども。
時事ネタをちゃんと知っておくこと。
正しい情報をインプットすること。
フェイクに踊らされないこと。
必要最低限、大事だなーと改めて思う。
「誰も信用するな」
その言葉通り、後半は怒涛の展開。
一つ歯車が狂えば、連鎖的におかしくなっていくのはあるある。
そして予測できた裏切りと想定外の事態。
前のめりで読了。
最後の最後、続編が手元になかったら、はぁ!?そこで終わる!!?と叫んでたと思う。
シリーズ揃えておいてよかった。
「たのしい川べ」(岩波少年文庫)
春が来たよ!ねぇ、春が来たよ!
と、春の喜びを全身で表すモグラと一緒になんだかとっても楽しい気分になる冒頭。
そして、微笑ましいネズミくんとの出会い。
可愛らしい動物たちの川辺での心あたたまる物語かと思いきや!
トラブルメーカーなヒキガエルが事件を引き起こし、
ネズミやモグラ、アナグマたちが巻き込まれての騒動に。
とはいえ。
そもそも余計なおせっかいをしなければ、彼らは巻き込まれることはなかったのでは?
と、思わなくもない。
私ならほっとく。
とはいえ、結果的には満ち足りた生活を送っているみたいだから良いんだろうね。
【ガーディアン必読122/1000冊】
微笑ましさが過ぎ去ったあたりから、農耕民族には書けない作品だなぁ、と思ったのは感想としてあっているのか否か。
そして、食事風景で彼らの食べているものに違和感ありまくってしまった。
ヒエラルキーどうなってる?←多分気にしちゃいけない。(笑)
と、春の喜びを全身で表すモグラと一緒になんだかとっても楽しい気分になる冒頭。
そして、微笑ましいネズミくんとの出会い。
可愛らしい動物たちの川辺での心あたたまる物語かと思いきや!
トラブルメーカーなヒキガエルが事件を引き起こし、
ネズミやモグラ、アナグマたちが巻き込まれての騒動に。
とはいえ。
そもそも余計なおせっかいをしなければ、彼らは巻き込まれることはなかったのでは?
と、思わなくもない。
私ならほっとく。
とはいえ、結果的には満ち足りた生活を送っているみたいだから良いんだろうね。
【ガーディアン必読122/1000冊】
微笑ましさが過ぎ去ったあたりから、農耕民族には書けない作品だなぁ、と思ったのは感想としてあっているのか否か。
そして、食事風景で彼らの食べているものに違和感ありまくってしまった。
ヒエラルキーどうなってる?←多分気にしちゃいけない。(笑)
「彩雲国秘抄 骸骨を乞う 下」雪乃紗衣
妟樹と旺季の絆。
妟樹の旺季への想い。
40年に渡る二人の物語。
泣ける……
個人的には旺季一派の結束が、その在り様がとても好き。
排除すべき敵を一瞬で絶命させる迷いのなさと腕がありつつも
危なっかしいところがあったからこそ、
皆は旺季のことがよりほっとけない感じだったんだろうなぁ。
そして。
劉輝と静蘭、愀瑛と絳攸の間にも、彼らに勝るとも劣らない絆があった。
正直、劉輝のことは好きにはなれなかったけれども、
結果的には周囲の人たちにあれだけ必要とされた彼にしか成し得なかったことが、
間違いなくあったんだな、と。
人生を全力で生ききった人たちの物語。
貸してくれたお友だちに大感謝。
ありがとう!
「踊る大捜査線」を観ていて。
室井さんと青島の体格差に、旺季と妟樹もこんな感じだったのかな?とふと思ってみました。
そして「遅いよ、皇毅」には当然ながら「遅いじゃないか、ミッターマイヤー」の台詞がこみ上げて、なんか色々入り混じりで私が大混乱。
妟樹の旺季への想い。
40年に渡る二人の物語。
泣ける……
個人的には旺季一派の結束が、その在り様がとても好き。
排除すべき敵を一瞬で絶命させる迷いのなさと腕がありつつも
危なっかしいところがあったからこそ、
皆は旺季のことがよりほっとけない感じだったんだろうなぁ。
そして。
劉輝と静蘭、愀瑛と絳攸の間にも、彼らに勝るとも劣らない絆があった。
正直、劉輝のことは好きにはなれなかったけれども、
結果的には周囲の人たちにあれだけ必要とされた彼にしか成し得なかったことが、
間違いなくあったんだな、と。
人生を全力で生ききった人たちの物語。
貸してくれたお友だちに大感謝。
ありがとう!
「踊る大捜査線」を観ていて。
室井さんと青島の体格差に、旺季と妟樹もこんな感じだったのかな?とふと思ってみました。
そして「遅いよ、皇毅」には当然ながら「遅いじゃないか、ミッターマイヤー」の台詞がこみ上げて、なんか色々入り混じりで私が大混乱。