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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「VIP蠱惑」高岡ミズミ (講談社X文庫)

和孝に足りていないのは、意地の張り所を見極めること。
久遠に足りていないのは言葉。
不足が重なったおかげで招いた危険。
とはいえ、事の発端は逆恨み。
目先のごたごたは収まったけど、これは始まりにも過ぎない気配ムンムン。
自分を認めさせることと、相手を陥れることってイコールじゃないと思うんだよね。
自分を磨く努力よりも相手を蹴落とすことに件名になる輩は
自らの掘った穴に埋まってしまえば良い。
お互いに離れられないことはわかっているけれども、ある程度の距離感を必要とする久遠と和孝。
きな臭い事象と、二人の関係がこの先どうなるのか。続き気になる~。


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「平原の町」マッカーシー (ハヤカワepi文庫)

『国境三部作』の完結巻。融合する二つの物語。
住まう場所があり、仕事があり、仲間がいる。
身一つで馬を駆り、命がけの流浪の旅をつづけた彼らを知っているからこそ、その姿に安堵する。
けれども。
その安寧を捨て、何故に彼は険しい道を選んだのか。
いや、諦めるという選択肢がなかった以上、彼にとってはその道しかなかった。
愛するものと共に生きるか、死ぬか。
殺すか、殺されるか。
神に向かって「これを見ろ」と叫んだビリーの姿は、何故かロドリゴ(『沈黙』遠藤周作)の姿と重なっていたたまれなかった。


「こいつをはめてた女は美人だった。でもそんな外見なんて人間の中身と比べたらなんでもなかった」
亡くなった妻のことをそう語るマックがとても素敵だ。
私のメキシコのイメージはマッカーシーとウィンズロウの色に染まっていることに気づいてみました。
多分偏っている。(笑)

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「毒を喰らわば皿まで ~竜の子は竜~」十河 (アンダルシュノベルズ)



シリーズ四作目。
プロローグの回収事案が素晴らしい。
これは「悪の宰相」の物語。
そうこなくっちゃね。
そして孵化した竜の子が可愛すぎて悶絶。
仔竜を描写するあの表現力、素晴らしい。
今回はヨルガの記憶が何者かに奪われたことに端を欲する冒険譚。
相手が人ならざるものであったとしても。
アンドリムの「目には目を」のハンムラビな考え方がとても好き。
新キャラの加入に加えて、これまで関わってきた人たちの成長が垣間見れるのも
シリーズ読みの醍醐味。
残された時間は10年を切ったけど。
もう少し、彼らの日常に触れていたい。

アンドリムの絵心が知れる特典SS。
まさかのウシノコクマイリに爆笑。
リア友ときゃーきゃー感想を言い合いたくて、とりあえず1冊目を貸してみました。
銀英にはじまって大水滸伝やシグマフォースと諸々共有してきた友だちなので。
ハマってくれるといいなー。






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「末っ子、就活はじめました 毎日晴天!19 」菅野彰(キャラ文庫)



エアコン取付騒動で大笑いしていたら。
その後超ヘビーな話が待ち受けて、笑いが引っ込む。
真弓の就職活動。
そこまでビジョンが見えないなら、
深く考えずに決めてしまうのも一つの手だとは思うけど。
悩んで悩みぬいて決めるのも、また道。
だけど、自分の苦悩に他の人の人生の一端まで担って悩んでしまうから、真弓は余計に苦しい。
滲む勇太への想いが胸に刺さる。
心がどんなに揺らいで迷走しても、受け止めてくれる人がいる。
帰る家がある。
それを忘れないで。
真弓の成長をしっかりと見届けられる選択で在ることを信じて次巻を待つ。
ドキドキする……

自分の就活どうだったかしら?
と思えば、真弓ほど真剣には向き合っていなかったな―。
二度就活したけど、二度とも結果オーライだったのは幸い。
ずっと続いている今の仕事が天職だと思っているかと言うとそうでもない。
仕事の内容以上に自分がこだわっている条件があって、
一社目はそこを逸脱したから辞めて、二社目はその範囲内に収まっているから続いている。

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「アキラとあきら 下」池井戸潤 (集英社文庫)



自らの招いたことの尻拭いを他人に押し付けようとする輩にイラっとしながら読み進める。
血縁だからこそのめんどくささってあるよね。
殿様な顧客対応をしていれば、取引先を失うのは自明。
身勝手な要求を突っぱねる選択肢もあっただろうけれども。
手を差し伸べることを選んだ彬。
傾きかけた会社をどう立て直すのか。
紆余曲折ありつつも、
彼等が考えに考えた対策と手腕、そしてその成果を追っていくのは興味深かった。
アキラとあきら。
どちらのあきらにとっても父親の存在は大きい。
テンポよく展開していく物語。一気に読了。

「引き際」を見極める事ってとっても大事。

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「アキラとあきら 上」池井戸潤 (集英社文庫)



経営者が無能なこともヘッポコなこともあるだろう。
先読みのできなさや無策が自身に跳ね返ってくるだけならいいけれども。
巻き添えになって苦しむ社員がいるとやりきれないよね。
二人のバカ叔父は自身の無能を認めらず、成功する兄への対抗心であんなことになったんだろうけど。
二人の会社の顛末を知ることがちょっと怖い。
自身の売上利益最優先の銀行員とは公私ともに付き合いたくない。
どこまで親身になって相談にのってくれているのか。
リスク回避のためにも極める目は持っていたい。
二人のあきらの人生を交互に描いてきた上巻。
下巻でどう交わるのかな?
色々楽しみ。

友だちの卒論テーマが「粉飾決算」だったなー。
経済学部の友だちと文学部(西洋史)の私。
畑違いの卒論を互いに読み合ってどこまで内容を理解できるのか。
提出前にそんなことを検証しあった思い出。

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「うたかたモザイク」一穂ミチ(講談社)



13の短編が詰まった作品集。
なんだけど。
うわ、怖っ、と声が出たり、思わず笑ってしまったり、よかったね、と嬉しくなったり、
そして泣いてしまったり。
1作1作作りこまれた世界観がそこにはあって、読了後の満足度が半端なかったお借り本。
短編の1つが読み応えあるっていうんじゃなくて、全部がうまいなぁ、って思ってしまう。
『Droppin' Drops』『Still love me?』『神さまはそない優しない』が特に好き。
『透子』は自分の既読本のタイトルが出てくると嬉しくなるね。
テイストの違った13の作品が見事に融合して1冊を作り上げている。
そんな印象の本だった。→

一穂さんは前作までコンプしていて、前作の『光のとこにいてね』を読んだ結果、
一穂さんはBLだけにしよう!と思ってたんだけど。
この本は手元に置いておきたい。
やっぱ一穂さん好きだわ~~。
貸してくれたお友だちにめっちゃ感謝。
ありがとう!

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「ROMES06: まどろみの月桃」 五條瑛 (徳間文庫)



ただ己の幸せを探求することができたなら。
彼は違った人生を歩むことができたのだろう。
けれども。
荒波を乗り越えて尚、生を繋いだ彼には、それはできなかった。
故郷で苦しむ同胞たちのことを忘れることなどできなかった。
どうにかならないものかと思いつつ、どうにもできないことが世界には溢れている。
やるせないね。
一作目ではROMESのシステムのあらましを知る。
二作目では空港内でそれがどんな風に機能するのかを目の当たりにし、
三作目では空港外で起こった事件との連携を垣間見る。
この先も警備システムROMESとセキュリティセンターの彼らの成長と働きを観てみたいという名残惜しい想いを抱えつつ、シリーズ読了。

また関空に行く機会があったらこの作品のことを思い浮かべながらウロウロしたい。
これで五條さんの紙媒体での作品はコンプリート。
電子で購入しているのがいくつかあるので、お楽しみはまだ少し残っています。
Kindle放置しすぎて、さっき開こうとしたらパスワードから聞かれて、
ん?ん~???となりました。(笑)
五條さんの新作を……せめて『ソウル・キャッツアイ』を読める日が来るといいなぁ、という想いは抱き続けたいと思います。

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「ROMES 06 誘惑の女神 」五條瑛(徳間文庫)



何を根拠に「完璧な計画」と言い切れるのか。
それは多分、すべてが計画通りに遂行したときに言えるんだろうね。
施設警備システムROMES(&成嶋たち)VSテロリスト(強盗)集団。
奇しくも「問題があるのは人間の方」と言った成嶋の言葉を、
犯人側がその行動によって顕示することになってしまったお粗末さ。
こうなると、完璧を誇った本物のアウレリオの犯罪を垣間見たくなってしまう。
気持ちが「恋」に走ってしまったあとに知った相手の素性。
一方通行じゃなかったことが救い。
成嶋から「愛」と言う言葉を引き出した彼女に、ささやかな幸あらんことを。

空港を舞台にしたシリーズを読んでいる時に、
自分が空港を訪れることができたタイミングの良さ。
あちこち見て回りたい気持ちはあったものの、
行きも帰りもギリギリの時間の駆け込みあったおかげで、
ゆっくり空港散策する余裕がなかったのが残念!
またの機会に☆彡




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「ROMES06」五條瑛 (徳間文庫)



空港に設置された世界最先端の警備システム「ROMES」を主軸に展開する物語。
周到な下調べと準備を経て実行に移された陰謀と関わる人々の人間模様。
システムを駆使して空港を守ろうとする人たちと一匹の犬。
舞台は空港からほぼ動かないままながらも、緊迫感と臨場感が伝わってくる。
章ごとに明らかになっていく、ROMESの機能。
高性能なシステムをイメージしやすく描写してくれているのが嬉しい。
「システムに問題はなく、問題があるのは人間の方」とする成嶋。
確かにそれも一理ある。
でも私は「だとしても、人間を信じる」と言った砂村の言葉に寄りたい。

ドラマ放送当時は原作読んでないからパス!と思って観なかったんだけど。
改めてキャスティングをみてみると……成嶋が大倉で、砂村がヤスかぁ。
意図はわからなくもないけど、個人的なイメージは逆かな?
CMで流れていた断片的な映像からもっと密室に籠った話かと思ったけど、
全然そうじゃなかった。(笑)

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