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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「彩雲国物語二 黄金の約束」雪乃紗衣(角川文庫)

秀麗が将来目指す方向性と、その道を貫く困難が明確になり、
この先彼女の力になってくれるだろう人たちも続々と登場する二巻。
ある意味、本人無自覚の逆ハーレム。←言い方。(笑)
劉輝には報われないままでいて欲しい。
←おもしろいから、と、現時点では青蘭推しだから。
現代社会にも通じる問題も見受けられるところが、深いなぁ、と。
そして、どこの国、どこの世界にも私利私欲のことを最優先でがんばっちゃう施政者がいるのよね、と、昨今の世情を鑑みてため息。
ラストの「おかえり」にちょっと戦慄。
私的にはあり得ないけど、これは吉事?凶事?


私の燕青はこんなクマ男ではない!と、一瞬錯乱(?)しかけましたが。
いやいやいや。
これ、北方水滸伝じゃないから、と別人認識。(笑)
陽気で人当たりの良い(北方)燕青……あ、想像できない。


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「彩雲国物語一 はじまりの風は紅く」雪乃紗衣(角川文庫)

先入観的なイメージで、きゅるんとした少女小説だと思っていたけれども。
国政、後継ぎ問題、陰謀、忠誠、そして人と人との関わり方等々。
骨格のしっかりした、読み応えのある物語だったお借り本。
めっちゃ面白かった。
若者だけではなく、おじさまやおじいちゃん年代の方々まで
暗躍したりガチで戦っちゃったりしているのも好みで良い。
展開が早いので、続きが気になってあっという間に一気読み。
それにしても……それぞれ事情を抱えた人たちの化けっぷりがすごい。
王宮って怖いわ~。
物語はまだ序章。
これからどんな世界が広がっていくのか。とても楽しみ。



「その人の人生はその人だけのもの。
幸も不幸もその人自身が選ぶもの」
最近ね、会社の制度が変わった場合についての
自分の将来設計についてちょっと考えていたんだけど。
とりあえず当初の予定通り自分のやりたいように突き進んでいいんじゃね?と、
改めて肯定してもらえた気持ちになってみました。
会社の制度が変わっても、私の将来設計は変わらず。(笑)
楽しまないとね。


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「UNMORAL」かわいゆみこ (ビーボーイノベルズ)

なんだかんだありつつも、みんな素直だなぁ、と、
微笑ましく思う。
進路問題で親と殴り合っても、
親の口出しが愛情からだと、ちゃんとわかっている。
裕美ちゃんの生き辛そうな頑なさには心配になったけど、
彼女もちゃんと聞く耳と考える力を持っている。
一番素直になりきれなかったのは宗梁かな。だから変化の兆しが嬉しい。
他者の受け止め方を知っている苑井。
好意の示し方もちゃんと知っている。
そんな彼からのアプローチに駆け引きめいた言葉をかけながらも
次第に心を惹かれていく橋月。
丁寧で緻密な描写に彼等の心情が染み入るように伝わってきて、楽しく読了。


本に呼ばれる、というか、本を読むタイミングってあるよなぁ、と、つくづく思う。
作中に出てくる街並みの描写に、去年神戸を訪れた記憶が鮮明に浮かんだ。
異人館、行ったよなー、とか。
坂道、めっちゃ歩いたよなー、とか。
そうやってリアルに思い描けることが嬉しい。
一緒に歩いてくれた友だちがいることも嬉しい。

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「星を編む」凪良ゆう(講談社)

失われた命は取り戻すことはできない。
わかっているからこそ、こみ上げる想いは呑み込むしかない。
櫂の遺した作品を世に生み出すために尽力した編集者・植木と二階堂の姿に、
彼等のやり遂げたことに涙が滲んだ。
たくさんの後悔を抱えていたんだろうなぁ。
思っていた以上に重いものを背負っていた北原。
彼と暁海のゆるやかな愛の育み方が、素敵だと思う。
愛の形は色々あって。
思うところは人それぞれで。
抱えた想いは言葉にしなければ、理解し合えない。
人は、完璧ではいられない。
だから、許し合い、そして支え合う。
胸を抉った物語。とても良かった。

夭逝の天才。
このフレーズと、癌というワードから、伊藤計劃が頭を過ぎった。
『汝、星のごとく』から貸してくれた友だちに感謝。
復習してからの本編でがっつり浸れて抉られたよ。

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「VIP 桎梏」高岡ミズミ (講談社X文庫)

第一部番外編。というか宮原編。
正直、現時点ではアルフレッドには全く興味も共感も持てず。
結果的に宮原を直撃したトラブルは「アルフレッドのせい!」以外の何物でもなく、
そもそも、強引に宮原を英国に呼びつけたやり方も気に入らなく、
好きなら好きでもっとやり方があっただろうに、と、
文句たらたらで読了。
お坊ちゃまアルフレッドには「馬鹿なの?」と、言ってやりたい。
まぁ、宮原が許してるから、それでいいのかな。
和孝たちの登場にテンションが上がったあたり、私は彼等の出番を待っていたのだと思い知る。
第二部、どんな展開になるんだろう?

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「あなたが殺したのは誰」まさきとしか (小学館文庫)

現在の東京で起こった事件。
過去の北海道の離島での出来事。
同時に進行していく二つの物語。
いずれ、重なることはわかっている。
発端は北海道での出来事にあるのだろう。
だけど、どう、つながる?
どうにも抗えないものに翻弄される彼等の生活が、ただただ苦しく、
もつれあった糸が解けて明るみに出た真実が、哀しい。
そして、彼が捨てることのできなかった執念がやるせない。
一気に読み切って、抱えた想いが胸の中でぐるぐる渦巻いて、消化しきれない読後。
ああ、もう!とジタバタしたい。
著者の筆力に呑み込まれた感が拭えない。

とりあえずどよーんとした気持ちから浮上するために笑える動画見ておこう。
と、気持ちをリセットしてからレビューを打っていますが。
内容を反芻してまたどよーんとなりかけています。
このシリーズ、ホント癖になる。
次作も間違いなく読むよ。

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「夢色十夜 3の巻」かわいゆみこ (パレット文庫)

5話収録。
ん?5話?
『夢色十夜』2巻までで6話。
3巻目に4話収録で計10話での完結かと思ったけど、1話多い。
その理由は最後まで読んで「あぁ、そうきたか」からの「え?そっち!?」。
夢と現の曖昧な境目。
自分の立ち位置の不明確さ。それがこの物語には相応しい。
落としどころがうまいなーと感心してしまった。
妖と人が関わる話よりも人と人が関わる話の方が好き。
故に、この巻の中では『横櫛』が一番好き。
玲子さんに自分で幸せを掴み取る強さがあったことが嬉しい。
どの状況下でも倉橋と鷹司が一緒にいることも嬉しい。
この二人の距離感最高だね。

漱石の『夢十夜』を読みたくなったんだけど……あれ?見当たらない。
持ってると思ったんだけどなぁ。
『坊ちゃん』しか出てこなかった。
『坊ちゃん』は全国47都道府県読書リレーをしようと思った時に買ったんだよね。
というか、私、47都道府県にちなんだ本集めたんです。
なのに、結局リレーしなかったという……わはははは。

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「侵略者」福田和代 (光文社文庫)

読後にこみ上げてくる何とも言い難い感情。
それが何処から噴出してくるものなのかはわからないけれども。
少し軋むようなやるせないような、そんな想いに浸るのも悪くない。そう思える読後。
彼等側に気持ちが引き摺り込まれた感があるのは、作者の筆力の為せる業だ。
彼等の抱えた事情の深刻さがリアルで、絵空事とは思えなくなっていた。
だから置いて行かれたような気持になったのかもしれない。
戦闘機の訓練描写から始まる物語。
膨大な資金力があったからこその最新兵器。
ノアの箱舟に乗り込んだ彼ら。
安住の地は何処へ?

久々の福田さん。面白かった!
未読の他の作品も気になるけど、
お気に入りの『ブラックホークシリーズ三部作』、めちゃ再読したくなる~。

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「春うらら好色男の宿」akabeko(ディアプラス・コミックス)

たとえ今日がどんなにうまくいかなくても。
明日はうまく生きられるかもしれない。
一見するとちゃらんぽらんな藤男が「死にたい」と口にした美春に伝えた言葉。
藤男の過去を思えば、自分にそう言い聞かせて生きてきたのかな?
と思える深い意味を持った言葉。
せめて明日まで頑張ろう、という気持になれる気がする。
妙な出逢い。
身体からの関係。
居場所を見つけられずに孤独に苛まれていた二人がやっとみつけたお互いの居場所。
そこに親子関係の修復や旅館の立て直し等々が絡んできたもの良かった。
元AV男優を撃沈した天然のアンサー、恐るべし(笑)

「春は嫌いだ」とは、美晴の言葉。
私も4月が大嫌いだった。
大好きな人が逝って、父親が逝って、なんかいろいろ嫌なことがあって。
でも、友だちに言われたんだよね。
「私の誕生日月、嫌わないで欲しいな」って。
その言葉になんか救われた。
彼女のことが大好きだから。

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「ヒトラーの試写室」松岡圭祐 (角川文庫)

第二次大戦下の日本。そしてドイツ。
二国間を行き交いながら展開する史実から想起された物語。
ウルトラマンで馴染みの深い円谷プロダクションの高度な特殊技術の先駆けというか、黎明期と言うか、そんな時代を垣間見た感慨深さが胸に広がる。
そして、ナチスドイツが「タイタニック」の映画撮影を試みていたことに驚く。
しかも、あんな理由で。
情報をコントロールするための手段に使われていた映像。
その大がかりさに比べたら、今のSNSの手軽さが逆に怖い。
政治的なプロパガンダと技術者たちの仕事への熱意は別のもののはずなのに、
彼等の熱意も否応なしに戦争へと巻き込まれていくのがやるせない。



「できるかできないかと問われたら、とりあえずできると答える。
それから胃が痛くなるくらい考えれば解決策が見つかる」とは
円谷英二の言葉。
ウチのボスも良く言っています。
「契約を取らないと売り上げにはならない。多少厳しくても
取ってからどうやって利益を出すか考えればいい」
先日メーカーさんに「毎回無理言ってすみません。でも助かってます!」と言ったら
「でも無理言った案件は高確率で取ってくれてますから!」と言ってもらえて
お互いに「ありがとうございます!」の応酬になりました。(笑)


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