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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「猫とメガネ」榎田ユウリ(文春文庫)

榎田さんの作品は相変わらず深いなーと、しみじみ思いながらの読了。
日々を生きていれば大なり小なり色々あって。
「色々」の振り幅が大きい程、それに対処するための労力もダメージも大きい。
悪意がないからといって、鋭利な刃のような言葉が許されるわけでもなく、
本音というか、現実を伝えることのできない夫婦関係は、維持することは難しい。
幾ツ谷にとっては遅きに失したけれども。
今気づけて良かったね。
そして、深い闇を抱えていた神鳴。
彼にとっての諸悪が親だから余計に質が悪いし、対処の仕様が難しい。
守護者がいてくれたことに安堵する。


作家読みをしているからこそのお楽しみ。
他作に絡む人たちが出てくると、嬉しい半面、そっちも読みたくなって困る。
現状がどんなに苦しくても。
乗り越えた後には穏やかな日々が巡ってきますように、と。
今問題を抱えているすべてのひとたちへ。

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「炎立つ 壱 北の埋み火」高橋克彦 (講談社文庫)

舞台は東北。
地名を示されれば、それがどこに位置するのかを把握できる程度に土地勘があることが嬉しい。
そして彼らの行く末を知っているからこそ、やるせなくてもどかしい。
彼らはただ、北の大地に在っただけなのに。
陸奥の地で暮らす彼らの得た富と力は、彼ら自身が育み、育ててきたもの。
それが思いのほか強大だったことを知った権力者の欲、陰謀、裏切り。
諍いの発端は理不尽極まりなく、
それらが彼らの暮らしを不穏なものに塗りこめていく。
だが、己の義を貫く漢たちがそこにいる。
彼の生き様を見届けなければ。


平泉を訪ねたのを機に積読崩しに着手。
そのおかげで、展示してあった海豹の皮見た!触った!とか、
安倍氏と清原氏の今後の関係性とか、諸々記憶が新しくて、
理解がより深まっている……気がする。(笑)
そして今年は多賀城創建1300年の記念の年。
タイミングとしては申し分ないですね~。



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「ミートイーター」柏木伸介(祥伝社文庫)

作品ノルマに「銃撃戦」という項目があるのかしら?
と思ったシリーズ三作目。
今回の社会問題は冤罪と引きこもり。
切り口は斬新。
そしてこちらも考えさせられる提起の仕方はうまいと思う。
狂犬と変人弁護士と地味。
失踪した刑事を探して奔走するこの三人のトリオがとても良い感じだった。
個人的に守屋さん大好きです。
それにしても神奈川県警の闇……と言うより膿はひどすぎるね。
シリーズ続刊出るのかな?
出て欲しいな。
狂犬と言われ、周囲に厭まれ、だけど信頼される者から寄せられる想いは熱い。
そんな剣崎の暴れっぷりをまだまだ追いかけたい。


剣崎の「ほほ笑み相談窓口」の対応に爆笑。
相談しに行く当事者は怒髪天だろうけど、
傍で見ていたら笑いが堪えられない気がする。
ああ、ホントにこの作品、続編希望。

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「バッドルーザー」柏木伸介(祥伝社文庫)

同時期に起こる幾つもの事件。
偶発的に重なったものあり、意図的に重ねたものあり。
その事件に翻弄される刑事たち。
目次を見る限り、え?そんな日数で解決するの??
と疑問を抱きつつ読み進めるわけですが。
狂犬・剣崎は解決してしまうのです。
(彼一人の手腕ではないけど)
そして、前巻を読了した時点で懸念した闇は、むしろ良い方へイメージが好転する。
私の印象、間違ってないよね?
杉浦のような政治家は不要。っていうか、害悪。
作中では色々な問題が提起されているけど、子どもたちの現状が本当にやるせない。
リアルに真摯に向き合ってほしい。



NISAを推奨するなら、そのハウツーなり株の見方なりを政府が全国民に対して周知すべき。
投資詐欺が横行する現状の責任の一端は政府にもあると思う。
だけど、NISAができるのは原資があってこそ。そこ、ちゃんと考えてる?
と、本作を読みながら改めて思う事色々。

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「ドッグデイズ」柏木伸介(祥伝社文庫)

「組織の論理に抗って、“狂犬”は真実を追う」
狂犬という異名を持つ刑事。
どんな破天荒な輩かと思って手に取れば、
過去のトラウマから精神安定剤を常に服用し、
痛々しいまでの思いを胸に抱きながら職務をと向き合う刑事だった。
身を削るようにしながら事件と向き合う姿に、
そこまで頑張らなくていいんだよ?……とは、外野は言えないよなぁ。
その、トラウマとなった過去の事件が、悪夢のように蘇る。
同時進行する拳銃強奪事件。
暴かれる闇。
裏切り。
犠牲。
そして、裏切り。
やばい。面白いわ、これ。
謎……というか、闇を残したまま次巻へ。
読むしかないよね。→

読友さんと「お互いマニアックなの、たくさん読んでるよね」
という会話をしたばっかりですが。
確かに―!と思ってしまった登録数。(笑)
でもこれ、続き買ってないのが悔やまれるわ~~。
……というわけで、ポチっと。
手に取ったきっかけはやっぱり(前述の会話とは別の)読友さん。
ありがとう。
めっちゃ面白かったよ!


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「翠慶庭園」かわいゆみこ(スコラ)

都合の良い「物」として扱うために生み出されたバイオロイド。
けれども、彼等に感情が芽生えてしまったら。
自らの意思で様々な判断を下すことができるのならば。
そして、胸が痛むほどに誰かを恋しいと思ってしまったら。
彼等を「物」として扱うことはとうていできはしない……少なくとも私は。
混沌とした翠慶庭園で暮らすクレアとアレン。
ナイジェルのやることなすことどうよ?と思ったけど、
そもそも彼が二人を連れ出さなければ生まれることのなかった感情。
始まることのなかった恋。
クロサワとアレンの未来に祝福を。
そして、クレアに幸いを。

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「ラストワンマイル」風戸野小路(オレンジ文庫)

ブラックすぎる会社での過酷な労働環境を打破しようと思ったら、
声をあげなければならない。
けれども、それはとても勇気と、そして覚悟がいること。
自身が病んでも喉元過ぎるのを待つか、辞めてしまう方が容易かもしれない。
だけど。
病んでしまっては元も子もないのだ。
ましてや、自分や誰かの命を奪ってしまう事態が起きてしまえば何のために働いているのかすらわからなくなる。
定年までの一年をどうにか務めあげるつもりだった秋山が
社内の現状を正す声をあげる。
秋山を潰そうとする一派がいる一方で、賛同する声があがり、協力する社員たちがいる。
2024年問題も相まって、興味深く読了。

A社の制服で集荷にきていた彼が、
ある日B社の制服で配達に来て。
え?どゆこと?と喉元迄出かかった言葉を察して
「A社がブラックだったのでB社に転職しました」と教えてくれました。
あ、同じ業界で動くんだ……と思ったある日の出来事。




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「傭兵の岐路 傭兵代理店外伝」渡辺裕之(祥伝社文庫)

ぶっちゃけ、シリーズ第一部の最終巻よりよっぽどおもしろかった外伝。
リベンジャーズのメンバーの過去が知れ、
何故彼らが傭兵になったのか、何故藤堂の元に集まっているのかがわかる。
「トレーサーマン」は専門的な訓練をあんなふうに受けていたのね!というのが一番の驚き。
だからこそのプロフェッショナル。
藤堂ロスに覇気をなくした彼等に降りかかる事件。
その原因を辿れば見えてくる藤堂の名前。
藤堂が彼等の前から姿を消した理由が素敵だなぁ、と思った。
外伝と言いつつ、これまでのシリーズの総括的な巻であり、
また、次へとつながる巻でもある。
続き、気になってきちゃったよ。

手元にあるのはここまで。
続きを読むために次のシリーズを集めないといけないので、
一度このシリーズからは離れます。
外伝でトーンダウンしたままだったらここまででいいや、と思ったもしれないけど、
外伝がおもしろかったのでそのうち続きも読みたい。
本は集めることも楽しくて好きなので、
集める楽しみと読む楽しみを少し先にとっておくことにします。(笑)


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「滅びの終曲 傭兵代理店」渡辺裕之(祥伝社文庫)

進む→敵と遭遇する→戦う→倒す。
進む→敵と……以下繰り返し。
RPG的に展開する本編は最終章なのに私的には若干中だるみ。
だって、どうせ敵殲滅でしょ?
味方の犠牲はそのあたりからだよね?ってのが見えるからかなぁ。
それよりも、第二次世界大戦後のグアム、チェチェンやクルド人問題等、
歴史的な問題については興味深く読んだ。
(何処までが事実かは自分で改める必要はあるかもしれないけれども)
チームリベンジャーズ成分も不足しつつ、え?これで終わり??感が拭えないんだけど。
とりあえず外伝は手元にあるのでそのあたりをリセットできるかな?

動く列車上での戦いと言えば……
銀河鉄道999。
鋼の錬金術師。
スターウォーズ。
イメージできるのはこのあたりかな?
荒野の天使どもは……ギリギリ戦いにはならなかったか。



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「殺戮の残香 傭兵代理店」渡辺裕之(祥伝社文庫)

恋人の治療のために訪れたアメリカで。
傭兵家業の休業宣言までしていたはずなのに。
執拗に付け狙われる藤堂。
攻撃は拡大の一途を辿り、まさかまさかの市街戦。
気付けばリベンジャーズ大集合……ってか、増えてる?
エリツィンからプーチンへ。
表舞台の裏でどんな暗躍がなされていたのか。
リアルに語られるロシアの闇が怖い。
様々な難局をハッキングでスルッと打開しているところはちょっとつっこみ……
いや、つっこんだらダメか?(ザ・エンタメ。笑)
ま、楽しく読んだので無問題。
次巻で第一部完結。




ネバダ州と言えば……の答えは今だに「矢島美容室」。
まずはビジュアルが浮かんでくる。
インパクト強烈だったなー。


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