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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「EGOISTE」かわいゆみこ(b-boyノベルズ)

かわいさんのデビュー作は私的かわいさんの原点回帰。
発売日に張り切って買いに行って、ちょっと常軌を逸した関係の構築の仕方に
ドキドキしながら読んで。
20年以上経った今読んでもやっぱりドキドキしながら読んでしまう、大好き作品。
白井が欠けていたものを埋めたのが古谷であり、
古谷が欠けていたものを埋めたのが白井だった。
……はずなんだけど。
まさかの逃走。
受動的じゃダメなんだよね。
このまま続いたとしても、どこかで破綻したかもしれない。
自分で追いかけて、自分で選んだ。
そこには二人の意思がある。
だから絆は強い。
大満足で読了。

菅野さん、かわいさん、榎田さん、の御三方が、
デビュー作をリアルタイムで読んでいて、且つ、読み続けて全作品コンプしている作家さん。
調べてみると、それぞれ順番に1995年、1996年、2000年。
綺麗な保存状態で手元にある本を見て、
日に当たらないように保管していることに加えて
『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている』で読んだ紙づくりに関する内容をい思い出してみました。







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「舟を編む」三浦しをん (光文社文庫 )

検索機能の手軽さにすっかり馴染んでしまって、
辞書を引くことがめっきりなくなったなーと。
ちょっとしんみり思ってしまった。
15年という長い年月をかけて一冊の辞書を編み出した彼らの情熱を称えたい。
向き合う言葉に対する真摯さと熱意、仕事に一心不乱に打ち込む姿勢が熱を持って伝わってくる一方、個々のプライベートもしっかりと描かれていて、彼らの想いをより身近に感じ取ることができる。
だから、彼らと一緒に泣いたり笑ったり喜んだり。
そして、紙の色味と「ぬめり感」なんか伝わったなぁ。
『大渡海』があたかも手元にあるかのような読後感が素晴らしい。


私所有の辞書は「国語辞典」「英和辞典」「和英辞典」「漢和辞典」「独和辞典」
「カタカナ語辞典」「類語辞典」。
カタカナ語辞典を買ったのって20年以上前。
ニュースでもやたらカタカナの言葉が飛び交う昨今のカタカナ語辞典は、
私が持っているものとは相当様変わりしてるんだろうなぁ。
姪っ子ちゃんにプレゼントするんだけど、楽しく読んでもらえることは間違いなし。
ただし。
「大都会」で笑ってくれるだろうか?知ってるのかな?

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「Burn.-バーン-」加藤シゲアキ(角川文庫)

細い棘が胸の中に刺さっていて。
そこからじわじわと滲んでいく哀しさ、やるせなさ、あたたかさ、もどかしさ、そしてやさしさ。
噛みしめて攪拌されて、最後には泣き笑い。
シゲの作品は面白かっただけでは終わらない、
色々な感情が胸の中に渦巻いて、そこに浸っていたくなる。
すごくよかった。
人と人とはこんなふうにつながっていくこともできるんだと。
不思議なトライアングルを描いた彼らに教えてもらった。
私的には彼らは帯にあるような「疑似家族」と言う感覚はなくて、
あくまでもレイジと徳さんとローズという個としての三角形。
でも、その距離感が絶妙だった。


ローズの語り口調が今はもういない知人と重なって。
思わぬ再開を果たしたかのような不思議な気持ちになりました。
やだ泣きそう。
ベルサイユのサロンの招待状を持っている方はわかってくれるかも。
未読の彼の作品がまだまだあるのが嬉しい。
一作ずつ読んでいきたいと思います。

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「桜の花が散る前に」伊岡瞬(講談社文庫)

罪悪感や贖罪の思いを抱えた人は、
思うように欲しいものに手を伸ばすことができない。
その思いに縛られて、自分の幸せを最優先に選び取ることができない。
ひとりの男の死に対して自責の念を抱え続けた
占いを生業とする桜子とカメラマンである耕太郎の恋の物語。
表題通り「桜の花が散る前に」。
うん。
なかなかにまだるっこしかったけど、間に合って良かった。
短編連作。
個人的には最初の作品「守りたかった男」が一番刺さった。
螺鈿のナイフの理由が切ない。
観察力と推察力。
目先の事象に囚われがちな私にはない力だなぁ。

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「天国の修羅たち」深町実秋

繰り広げられてきた凄惨な戦いの完結編。
有象無象が息を潜める暗闇に風穴をこじ開けたのは、まだ二十代の女性警察官だった。
正義感、というよりも怖いもの知らずの猪突猛進。
若さは危うくありつつも、武器にもなる。
警察の闇を世間に晒すために、戦い続けた出月。
彼が気を緩める日はなかったとしても、独りではなかったことに安堵する。
修羅の道を歩み続けてきた出月がようやく辿り着くことのできた天国。
真里亜がいたからこそっていうのが暗示的。
最後に彼が示したものに胸が締め付けられた。
こんな気持ちで読後を迎えるなんて思いもしなかったよ。
良い意味で裏切られた。


久々にノワール読んでスカッとしました。
「読んだ本」にパステル系の表紙が続くと、黒いのが読みたくなる不思議。

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「眠れない夜に見る夢は」深沢仁(東京創元社)

短編五篇。とても良かった。
やさしくてせつなくてあたたかい、大人の物語。
甘さと苦さの絶妙バランス。
関係性が一対一じゃない三篇が特にお気に入り。
そうやって人と関わらざるを得なかった事情はそれぞれで、
それでも懸命に前に進もうとする姿が愛おしい。
「なにも傷つけないように、おやすみ」
一人だったら間違うかもしれない。だけど、ストッパーになってくれる存在が傍らに在る。
それは幸い。
「明日世界は終わらない」やるせないトライアングル。幸せだった。過去形なのがやるせない。
「家族の事情」
三人で家族でいいじゃん。三人できっと幸せになれるよ。

お友だちからのお借り本だけど……これは手元に欲しいなぁ。



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「煉獄の獅子たち」深町秋生

対立する二者が存在する場合、
一方の主張と正義があれば、もう一方の主張と正義がある。
前作と対になる物語。
前作では多くを語られることのなかった勝一たちサイドの事情が垣間見えてくるわけだけど。
読み進めるうちに勝一に対して大きくなっていく違和感。
なんかしっくりこない。
その理由が判明するラストに戦慄。そして納得。
うまいなー。そして、返せ~~!
田舎弁の我妻は愛されキャラだと思う。
阿内が言ってることは、戦争を必要とする軍事産業と一緒だよね。
なんか俗っぽくてがっかりなので、ぶん殴りたくなってみました。←作品に感化されすぎ。

安全圏でぬくぬくとしてはおらず、前線に出てくるTOPはカッコいいと思います!
だから人がついてくる。




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「ヘルドッグス 煉獄の犬たち」深町秋生(角川文庫)

絶対に近寄りたくない家業を生業とし、
凄惨な暴力の世界に身を置き、手のみならず全身を血で汚していく男たち。
いやいやいや。
相容れない。
無理無理無理。
と、眉間に皺を寄せつつ読み進めるうちに……
他者に対してはあんなにも容赦がないのに、身内に対する情がとても深い彼らの
絆を、結束を、受け入れてしまっている自分がいる不思議。
これが阿内曰くの「私情」なのだろうか。
もはや「仕事」を大きく逸脱した領域に足を突っ込んだ兼高だけど、
結果的にはやりきったんだよね。
その代償は独りぼっち。
キリングマシーンに徹しきれなかった室岡がやるせない。



映画は見ていないんだけど配役はわかっていたので、終始ビジュアルは
兼高=岡田、室岡=坂口で脳内を躍動してくれました。
イメージぴったり。

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「ツミデミック」一穂ミチ(光文社)

禍がそのきっかけの一因となったとしても、引き金を引くのは人間。
奈落へ転がり落ちるギリギリのところで踏みとどまることができるのも、人間。
他人を傷つけるのも、誰かを助けることができるのも人間。
パンデミック、災害、押し込み強盗、異国の戦争、集団自殺。
生活に紛れ込んだそれらの事象に呑み込まれ、絡み取られた人たちの物語。
短編6篇。
抱えた事情はそれぞれで、1篇1篇まったく違った趣の作品を読ませてくれる。
個人的に短編は好んで読まないんだけど、一穂さんの短編はスッと入ってくるだけではなく、
各々の作品の色で余韻が残る。



一穂さん登録60冊目。
久しぶりに一穂さんの文章を読むと、
あ~、帰ってきたなぁ、というホーム感を感じるんだよね。
なんか安心する。
独特な感情表現には相変わらず目を見張るものがあって、
記憶をかつお節に例えた言葉がめっちゃ刺さった。
うまいなーって。
積んでいる作品がまだ少しあるんだけど、
それらは既刊を再読してから読もうと思っているうちにうっかり失念してしまっていた残念さ。
気付かせてくれたお友だちに感謝。

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「スパイに死を 県警外事課 クルス機関」柏木伸介(宝島社文庫)

後半の大味な展開に一瞬飽きかけて、ラストは驚きの持ち直し。
ぐっと引き込まれて読み切ったシリーズ三作目。
意図した殺人と、偶発的な殺人。
そこから引き起こされる騙し騙されの狂騒曲。
捜査に来栖が加わってしまったが為に、思惑通りに事が運べなかった人たち多数。
来栖をサイコパス呼ばわりしている警察関係者側も、実は相当イカれてる。
「誰も信じるな」と言いつつ、独りでは戦えないわけで。
駆け引き裏読みブラフにディスインフォメーション。
頭脳戦かと思いきや、挙句の果ての銃撃戦。
私に諜報機関は務まらない。←リクルートされてない。
「誰のために 何のために」
政治を司る人たちに対するこの問いは重い。

この作品が書かれたときは、
まさか本当に要人が暗殺されることになるとは思いもしなかっただろうなぁ。
そして北朝鮮やスパイと言うワードに引っ張られて五條さんの小説が読みたくなったけど、もう新作を書かれることはないと思うと残念。(既刊コンプ済)
せめて『ソウル・キャッツアイ』を読める日が来ることをまだ諦めたくない。









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