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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「妖奇庵夜話 千の波 万の波」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



それは、彼にしか与えることのできない罰。
残酷で、とても哀しい罰。
贖いきれない罪を犯した男は、その瞬間、絶望を知る。
その罰を与えた方も与えられた方も、塞がることのない傷を抱えたまま、
この先の人生を歩んでいくことを思うと、胸が苦しくなる。
男は孤独を纏った闇の中から抜け出せない。
だけど、それは彼自身の招いた業だ。
一方の彼には彼をあたたかく迎えてくれる家族がいる。
彼を必要とする人たちがいる。
凛とした態度を崩さず、
光を失っても優しい笑顔を失わなかった彼。
だけど、その笑顔が何故か胸に刺さって仕方のない読後。


シリーズ最終巻。
ジワジワと胸に浸透するこの想いを、なんと表現すればいいのだろう?
切ない、が一番近いのかな。
生きていれば日々いろんなことがあるわけで、
それでも、笑顔を浮かべることができるのが理想。
「泣いても笑っても同じ一日。
だったら、笑って生きましょう」
私に力をくれたこの言葉は、死ぬ瞬間まで効力を発揮してくれるだろう。

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「2.43 清陰高校男子バレー部 2」壁井ユカコ (集英社文庫)



それをすることによって、彼がどんな辛い思いをするのか。
同じ目に合わない限り思いやれない想像力の欠如が気持ち悪い。
なかったとは言わせない悪意。
その一方で、他人のために心の底から怒れるチカはとてもかっこいい。
仲間を想っての道場破り、上等。
怪我の理由を黙っていたことはマイナス評価なので、プラマイゼロ……かな?
懸命に何かに打ち込む姿は誰かの心を動かす。
頼道の変化はチカのバレーへの熱意と頑張りがあってこそ。
全員で同じ想いを抱いて臨む大会。
このメンバーでどこまでいけるのか。
見届けるのが楽しみなお借り本。



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「2.43 清陰高校男子バレー部 1」壁井ユカコ (集英社文庫)



物事に一心不乱に打ち込む原動力はそれが「好き」という想い。
10代の子たちのその想いは、淀みなく真っすぐで、熱意に漲り、そして時に脆い。
中学、高校での部活動に打ち込む時間はかけがえがなくて、
多分、一生の宝物になる。
悩んだり、苦しんだりしながらも、仲間たちと共に過ごした時間は、
後に振り返ればキラキラとした輝きを放ち続けるだろう。
青春の思い出。
おそらく主要メンバーとなるそれぞれが、バレーと向き合う経緯を描いた一作目。
これからの彼らがどんな時間を過ごすのか。
ワクワクが止まらない。
シリーズを読むのがとっても楽しみなお借り本。

甥っ子ちゃんが県大会に行ったり、
姪っ子ちゃんが県大会出場をかけて予選に臨んだり、
友だちの息子さんが甲子園をかけて準決に臨んだり……と、
部活関連の話をここのところよくしていたので、
なんだかより感情移入をしながら一気読み。
灰島はどこぞの王様とイメージかぶるんですけどー(笑)

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「創竜伝(10) 大英帝国最後の日」田中芳樹 (講談社ノベルス)



日本・アメリカ・香港・イギリス。
場所は変われど、やることなすこと変わらず。
とはいえ、少しずつ核心には迫っているのかな?
そして、もはや面白キャラと化している小早川奈津子女史。
初読時はうんざりしていたあの高笑いが、
だんだん愉快に思えてきたのは何故だ?
時事ネタをぶっこんでくるならダラダラ引き延ばさないで一気に書き上げないと、
今更感満載になっちゃうんだよね。
そういう冷めた感じをなっちゃんの道化感が払拭してくれている気がする。
一角が崩れた四人姉妹。
次の手を投じる牛種。
再び合流した竜と人間の悪党たち。
そしてさっさと決着をつけてほしいと思っている私。


スコットランドの民族衣装にバグパイプとくれば、
私の中では丘の上の王子様一択です。
わ~、読みたくなってくる。
いつか再読してレビューをあげたいと思っている作品のひとつ。

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「ドラッグ・チェイス (1)」 還流 (モノクローム・ロマンス文庫)



【再読】
自分の抱えた傷も、過去の過ちも。
何もかもを知ったうえで、傍にいてくれる。
受け止めてくれる。
安らぎを与えてくれる。
更には、遠慮なく物が言い合えるとなれば、そりゃあ、恋に落ちるよね。
違法薬物の捜査でバディを組んだラッキーとボー。
主役はこの二人なんだけど。
再読の今回はラッキーとヴィクターの過去が何だか切なく刺さった。
犯罪組織のボスであるヴィクターを擁護することはできないんだけど、
ラッキーに誤解された愛情が切ない。
過去の延長上に現在がある。
その後の二人がとっても気になっていて、待ち続けていた続刊の翻訳がとても嬉しい。

ほぼ七年ぶりの続刊。
発刊してくれてありがとう!
価格が1.5倍でも気にしない。
レーベルで新刊を出し続けてくれることを期待しているので。

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「神の手」望月諒子 (集英社文庫)



なんで掘りに行っちゃったんだろう?と首を傾げる。 
余計なことさえしなければ発覚しない犯罪。
だけど、ドーンと構えてはいられない。
うん。後ろ暗いところがあれば落ち着かないよね。
あんな風に追い詰められると確認せざるを得ない心理になるのかな?
もしくは、諦念と覚悟。
一人の作家が生み出した作品からの抜粋を随所に散らしながら展開していく物語。
そこにあるのは狂気か、計算されつくした正気か。
地道に真実を追い求めた彼女の実直さと男の妄執とが暴きだした真実。
一緒に追い詰められていくかのような臨場感と迫力のある作品だった。

冒頭での「和歌山県 白浜の海を望む断崖」の描写に
あ、行ったばっかり!と情景がリアルに浮かびました。
絶妙なタイミングで読んだなぁ。

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「創竜伝(9) 妖世紀のドラゴン」田中芳樹 (講談社ノベルス)



あれ?この巻で月に行くんだ?と思ったということは、
ここから未読巻。
ワクワク感が増してきた。
現在の地球、仙界、そして四兄弟の転生前の過去、と、
時空を行きつ戻りつしつつの物語展開。
断片的に刺し挟まれる彼らの過去がとっても気になる。
仙人たちとの絡みもあるのかな?楽しみ。
ここまで規格外なことをやらかしてきた彼らが
わざわざパスポートを作る意味あるのか?と思ったら、案の定の展開。
四人姉妹に組する敵がグロテスクで気持ち悪いので、
何故か小早川奈津子がコミカルで愉快に見えてくる不思議。←気のせいです。


耶律休哥の名前にテンションが上がる。
北方~~←違。
私の日本の戦国時代は桑原さんの『炎の蜃気楼』で構築されていますが
私の中国史は北方の『大水滸伝』シリーズで構築されています。
そしてむき出しの腑と言われるとどうしてもRADWIMPSの『五月の蠅』が……
インパクト半端ない歌だよね。

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創竜伝8仙境のドラゴン



仙界に辿り着いた四兄弟は、時空をも超える。
最終的には月を訪れることになる布石もここで垣間見られ、
物語は壮大さを増していく。
作中で描かれる歴史的事象のリアルとノンフィクション、そして作者の見解のバランスが絶妙。地震の描写は東日本大震災を体験しているだけに
リアルに想像できて痛ましい。
地球で暮らす身としては、得体のしれない者たちの意志によって滅ぼされるのは勘弁してほしいので、竜堂兄弟には存分に頑張っていただきたい。
小早川奈津子が強烈すぎて、他の印象が霞む悪影響。
やってることはいただけないけど、
自分が最前線に出て
戦いを他人任せにしないところだけは認めてあげる。←何目線。


「藍采和」
この仙人、他の作品で読んで知っているはずなんだけど、
その作品が何だったのかが思い出せない……わーー、なんだったかしら?

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「創竜伝(7) 黄土のドラゴン」田中芳樹 (講談社ノベルス)



出たよ、小早川奈津子。
と、フルネームで言えてしまう程、強烈な女怪の登場巻。
今まで数えきれないくらいの冊数の本を読んできたけど、
好きキャラでも推しキャラでもないのにこんなに鮮明に覚えている人も珍しい。
もちろん「をーっほほほほほ」の効果音付き。
食糧問題は政府に本当に真剣に考えてほしい。
外国人労働者の問題だって……と思い至って、
この本の発刊が1991年であることに慄く。
つまり、根本的な問題は変わってないってこと?
そして彼らは竜泉郷へ。
そこで何を見、何を知るのか。
そして私は一体何巻まで読了しているのか?
気になる!

初読の時の私がわからなくて、今の私がわかること。
そういうのがあると、自分もそれなりに知識を積み重ねてきたんだな、と思う。
明確な名前を出されなくても、それが杉原千畝のことを指すのだと、
学生の頃の私はわからなかったけど、今ならわかる。
「ナルサスの絵」は初読の私でもわかった。(笑)

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「七丁目まで空が象色」似鳥鶏 (文春文庫)



一言でいえば、動物園を脱走した象がまっすぐに歩き続ける話。
そこから広がる枝葉のようにちりばめられた様々な事象が 物語を一気に読ませる。
まぁ、リアルにこんな事件はあり得ないよね?
と思いつつ……ではあるんだけど。
満載な突っ込みどころはもはやお約束。
動物の考えていることは推測することはできても 理解はできない。
だけど、ちょっと夢を見ていたいな、と思う。
象が脱走した理由に。
それが真実だとしたらロマンだよ~!
含みを残しつつのエンド。
まだ続くのかな?
事件なしの動物園日記的な内容でも楽しそうだよね。


水族館にはここ1~2年で何度か行っているけれど、
久しぶりに動物園に行ってみたくなりました。
地元動物園がリニューアルされてから、まだ行ってないんだよね。
あ、でも私今年、地元を飛び越えてアドベンチャーワールドに行くんだわ。
念願のパンダに会いってくるのです♡

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