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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「黒を纏う紫」五條瑛 (徳間文庫)



わかってはいても、途中で一度確認してしまった。
この本の出版って東日本大震災の前であってるよね?と。
「不夜城」と言われるほどの膨大な電力を要する夜の街。
その電力はどうやって生み出されているのか?
供給源を動かすための物資の運搬はどうやってなされている?
相変わらず視点は鋭いし、提示された問題は重いし、色々気になるしで
ドキドキしながら読み進めたものの、
途中で中だるみしたのは繰り返される性描写に辟易したため。
とはいえ、突っ込みどころはあるけど、考えさせられるところもあって、
後半は失速することなく一気読み。
二人には最後まで足掻いてほしい。

【作家買い】有明。お台場。
足が遠のきすぎて、懐かしいなぁ…と思う地名になってしまった(笑)
あんなに通ったのに。

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「アクション 捜査一課 刈谷杏奈の事件簿 」榎本憲男(幻冬舎文庫 え 14-1)



過去の事件が要因で閑職に追いやられた内藤と、
その捜査方法から煙たがられて主だった事件から外された杏奈。
はぶられコンビが本気を出せば、相乗効果でとんでもない展開に!?
時事問題を絶妙な感じで取り入れた、ザ・エンタメ。
一気読み必須の面白さ。
事件の真相解明への過程と、杏奈のプライベートの描写がバランスが良く、
更には田舎に飛ばされた内藤がめっちゃいい味出している。
やる気ゼロどころかマイナスからたどり着いた真実。
このコンビ、まだまだ見たい。
過去の事件の核心が曖昧なままなので、これは続編があるかな?と期待大。


作家買い。
榎本さんやっぱりおもしろいなー。
タイトルの『アクション』が「そこできたか!」と思った瞬間、テンションが上がりました。



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「囀る鳥は羽ばたかない 8 」ヨネダコウ(H&C Comics ihr HertZシリーズ)



二年待ってこのスロー展開。
なんの焦らしプレイですか?という想いと、
それ以上にずっと緊張感を孕んだままこの作品を読み続けることができる僥倖を噛みしめる想いと。
ただ、ため息。
どんなに距離を置こうとしても、会わなかった期間が4年あったとしても。
顔を見てしまえば、その存在を傍らに感じていまえば、
相手の存在からもはや目を逸らすことは不可能で。
内面の想いに惑乱することになる。
禁断の知恵の実が象徴するのは、どんな想いなのか。
矢代は抗い、百目鬼は多分腹をくくっている。
前巻に続き今回もまた、そこで終わるんですかー!?と心の中で絶叫して読了。

ずっと息をつめて読み続け、読了してようやく息を吐く。
そんな感じ。
この緊張感、なんだろう?
百目鬼の表情が本当に変わらなくて、なんだかいたたまれない気持ちになる。
彼も、そして矢代も。
心の底から笑える日がくるといい。


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「王室護衛官に欠かせない接待」水壬楓子 (キャラ文庫)



【再読】
とっても楽しく読了。
この一冊だけでも読める内容だけど、
前作を踏まえて読むと、作品世界により深みが増すと思う。
そして水壬さんの作品世界の構成力の安定感。
二国間での陰謀めいた探り合いや、その過程で構築される人間関係、
解き明かされる真実等々、どっぷりハマって読み進め、
トリスタンが自分の居場所を確立するシーンでは
嬉しさが込みあげて泣きそうになってみました。
よかったね。
そしてワンチームの素晴らしさ。
WBC熱が燻っているタイミングでもあり、
仲間っていいなーとしみじみ思ったわ。

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「創竜伝(2) 摩天楼の四兄弟」田中芳樹 (講談社ノベルス)



自分たちの欲望を満たすために他人を手段や道具のように使おうとする輩と、
そんな輩の好きに扱われるのはごめん被る四兄弟の壮大な追いかけっこ。
そのとばっちりを受け、都心の有名な建物が豪快にぶっ壊されていく巻。
え、二巻目にしてここまでいろんなものが破壊されてたんだっけ?と、
記憶が薄らぼんやりしている割には、
気持ち悪いオッサンのことは覚えている残念な自分。
う~、生理的に無理無理無理。
破壊と追いかけっこと暴力が繰り返される中、
後の布石となるようなワードもちらちらと。
それにしても……この頃の田中さん、勢いがあったなぁ。

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「創竜伝(1) 超能力四兄弟」田中芳樹 (講談社ノベルス)



ん?こんな暴力的なオープニングだったかしら?と思いつつの読み始め。
30年越しの完結の作品に、一巻発刊時からのお付き合い。
始さん、続さん、終くん、余くん、
めっちゃ久しぶり!
とはいえ、途中で発刊が止まったあたりで読むのを頓挫し、
ここにきてようやく全巻読破に着手。
権力に固執する人は、みんながそれを望むものと思いがちだけど。
そんなものに全く興味ない人もいるだよ、と言ったところで理解できないんだろうなぁ。
巻き込まれた方は大迷惑。
おかげで自らの出自が知れたことは利点なのかな?
結末を知らないので、読み進めるのがとても楽しみ。


「人間を殺すものは人間である」
真理。
現在進行中の戦争を目の当たりにし「こんなことをするなんて人間じゃないよ。悪魔だよ」と
口にした知人に対いて「人間だからこんなことをするんだよ」と、心の中で呟いてみました。
人間の歴史は戦争の歴史。


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「継承者の印~傭兵代理店」渡辺裕之 (祥伝社文庫)



推し、というわけではないけれども。
巻頭の「主な登場人物」の欄に、真っ先に探した人の名前がない。
え?前作でお亡くなりにはなっていないはず。
どこいった!?
と、読む前から小さな一波乱。
読み進めてみると、なるほどな展開。
むくつけき男たちのアクションバトル。
ずば抜けておもしろいか?と問われれば、まだその域には達せず。
けど、読み始めたら頁を捲る手を止められるか?と問われれば、答えはノー。
なんだろう、この不思議な面白さ。
今回はバトルと宝探しがミックスされていて、二方面から楽しめた。
でも、ミャンマー情勢のことを思うと、真顔になってしまいます。

コードネーム「リベンジャー」。
これが脳内で「アベンジャー」と混線してプチ混乱したわけですが。
なんでだろう?と思ったら映画の『アベンジャーズ』と混ざっちゃったんだね。

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「希望の地図 3・11から始まる物語」重松清 (幻冬舎文庫)



その過程を見てきたからこそ。
「希望」の言葉が胸に刺さる。
たとえ、前に進む以外に選択肢がなかったのだとしても。
何もかもが破壊されつくされた場所に、人々は建物を作った。
雇用を守った。或いは、生み出した。
生活の基盤を再生し、今なお、その先を見据えて頑張っている。
だから足を運ぶ。
閖上に、南三陸に、気仙沼に。
時には少し足を延ばして岩手や福島に。
大袈裟な使命感はない。
その土地のものを食べに、自然を満喫しに。
作中に出てきた様々な場所を自分が訪れたのはある程度整備されてからで、
それまでの人々の頑張りを知れることが心強い。

3.11には震災関連本を。
これからも続けていきたいマイ・イベント。
今年は新しくオープンした南三陸の道の駅に行くことと、
震災後初めて浄土ヶ浜に行ってみることは確定済。
楽しみ。
本の内容とは関係ないけど、震災ごみの処理に関して書かれた記事を貼っておきます。
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/biz/article/6242

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「瓦礫の矜持」五條瑛 (中公文庫)





「個」が腐っているからと言って
組織全体すべてが腐っていると決めつけるのは極論。
そもそも。
警察に対する恨みつらみを述べる者たちの言い分だって、
納得できるものもあれば、自業自得だったり身勝手だったりするものもある。
あなたが悪いから罰せられたんだよね?と。
結果的に、志の部分に大きな違いがある者たちのにわか組織は
連携」という意味でうまく機能しない。
けれども。それも計算の内。
章タイトルにあるように、一人一人の過去と生き様にスポットをあてて
大きな流れを描く構成は、個性的な人たちの魅力も相まって、おもしろかった。

東京、千葉、京都。と、リアル地が名出てるのに、
舞台となった都市は架空の街、仙水。
地元民としてはあっちもこっちも、あそこね、ここね、と思えてしまうので、
そこ、そのままリアル地名で良くない?と思ってしまった。
良く知っている街の描写だけに、「仙水」と出てくるたびに違和感。
だったんだけど。
ラストまで読んでみて、架空の街で良かったのかな?と、納得気味。



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「熱氷」五條瑛(講談社文庫)



そんなことにはならないよね、と思いながらも。
え?この作品出版されたのいつ?と発行された年を確認しつつ、
メッチャドキドキした。
五條さん、相変わらず時代の先読み感がすごい。
のめり込んで一気に読ませる群像劇。
始まりは氷山ハンターから。
へぇ、そんな仕事があるんだ!と一つ物知りになったところからスタートして
まさかこんな展開になろうとは。
登場人物たちの曰く在りな過去も、今を生きる姿も魅力的。
決してクリーンな人たちばかりじゃないけど、
逞しく生きる姿はカッコいい。
「あっちで会おう」うん。私もまた、アナタたちに会いたい。→


スキンヘッドの皮膚を爪やすりで直接研ぐ!
という描写に鳥肌。
いーたーいーーー。

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