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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「VIP 兆候」高岡ミズミ (講談社X文庫)

BMを離れてからの二年余りの歳月によって和孝が得たのは、落ち着きと気持ちのゆとり。
自分で店を持って、それなりに自信と覚悟が芽生えて。
それは人間としての成長の証でもあり、
良い時間を過ごせたのだと思う。
その反面、久遠曰くの「やくざに殴りかかる一般人」という
変わらい部分があるところが、微笑ましくもある。
久遠の方には組のめんどくさいゴタゴタが降りかかってきそうで先行き不穏。
セカンドシーズンのサブタイトルは『兆候』。
あっちでもこっちでもなんだか嫌な予感てんこ盛りなんですけどー。



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「復興の書店」稲泉連(小学館)

震災から一年足らずの間に被災した各地の方々が、苦難を乗り越えて書店を再開、或いは開店していく様子が描かれている。
2012年発刊。
当時を知ることは大切なこと。
と同時に、2024年の彼等はどんな日々を送っているのだろう?
ということが脳裏を過ぎった。
被災後まだ間もない大変な状況下で店を開けるということは、自分の日常を取り戻すことの一環でもあったのだろう。
そして、本を心待ちにしていた人たちもまた、失われた日常の一部を取り戻すことができたのだと思う。
復興の書店MAPを見ながら、それぞれの地域のこれまでの復興の過程を思う。
震災後、一度ならず訪れた場所に、また行かせてもらおう。


毎年この時期に震災関連本を読んできて、今回はじめて
「震災当時」を知ると同時に「震災を経た今」を知らなければ、
という思いが湧き上がってきた。
何らかの心境の変化なんだろうな。
まだ問題が山積されていても。
ここまでの復興を成し遂げた人の思いと力は、間違いなくすごいものだと思う。

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「謀略の海域 傭兵代理店」渡辺裕之(祥伝社文庫)

タイトルからして海賊かな?と思いつつ読み始め……
海賊とは比較にならないくらい大きな存在が背後に蠢いていた巻。
やっぱりおまえか!的な納得。
アフリカの覇権争いは時事問題でもある。
そしてロシアのウクライナ侵攻で報じられる様々な問題を、
改めて考えさせられてしまった。
傭兵チームの面々は相変わらずでほっとする。
自身の死亡記事を出して死んだと見せかけている割には、
あっちこっちで派手に動きすぎている気がする藤堂サン。(笑)
海上から移動しての陸上でのアクションはさすがの読み応え。
仲間も増えたところで楽しく読了。

ピッカリの再登場に心が弾んだことは内緒。
天光寺輝彦、海坊主、ピッカリ。
お気に入りピカピカ。(笑)

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「彩雲国物語五 漆黒の月の宴」雪乃紗衣(角川文庫)

それは、たった一人にのみ向けられる想い。
無聊を慰めるために他者の命を奪ってきた彼の、初めて知った恋心。
ああ、ずるいなぁ、と思う。
そんな想いを向けられたら、絆されるにきまってるわ。
朔洵……思った以上にダメージ喰らってるわ、私。
重大なこと作中で色々起きていたけど、
彼に持っていかれてしまった。
闇落ちは回避してもらいたい。
どんな結果になったとしても。
彼にとって秀麗と出会ったことは僥倖だったんだろうなぁ。
震える足で踏ん張りながら、それぞれが己の責務を果たすため、
がんばっている少年・少女たちにはエールを。
そして英姫の毅然とした強さには胸を打たれる。


悪事のレベルがちょっと違うけど、
朔洵に抱いた想いって、青目に抱いた想いと、似ている。



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「彩雲国物語四 想いは遥かなる茶都へ」雪乃紗衣(角川文庫)

思っていた以上に血に塗れた過去を背負っていた静蘭と燕青。
いま、こうやって二人が並び立って言いたい放題言い合いながら笑えることに、ただ溜息。
生きていてくれて良かった。
本当に良かった。
ここで謎のヴェールに包まれていた(?)国試の次席合格者、龍蓮の存在が明らかに。
外見に関してはどこぞの信長様を彷彿とさせる奇抜っぷり。
まだ十代の国試合格者ナンバースリーまでが茶州に集い、
先王の治世を支えたおじいちゃんも駆けつけ、
サイコパスな茶州の次男が暗躍し、
いずれ頭角を現すらしい茶州の三男も奮闘し、先の展開が気になる四巻。

ここにきてようやく登場人物の名前をつっかえずに読めるようになった。(笑)
フリガナ付きの登場人物紹介欄を作ってほしかったなぁ。




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「彩雲国物語三 花は紫宮に咲く」雪乃紗衣(角川文庫)

国試を上位で突破できたのは、自身の努力とそれに付随して備わった能力の賜物。
上位者を実力ではなく姑息な手段で引きずり落そうとするのは、
相手よりも劣っていることを自ら認める事である。
と。
馬鹿どもは何故気づかないのか。
理不尽な仕打ちに毅然として立ち向かった秀麗と影月。
がんばったね。
働き盛りのアラサーたちが有能ぶりを遺憾なく発揮して
職務に勤しむ姿は良き。
更にみんな個性が強烈でとても良き。
今回は劉輝の株が上昇。
かっこよかったよ。
荒れ果てた州へと赴く秀麗と影月がどんな施政を行うのか
楽しみ。


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「彩雲国物語二 黄金の約束」雪乃紗衣(角川文庫)

秀麗が将来目指す方向性と、その道を貫く困難が明確になり、
この先彼女の力になってくれるだろう人たちも続々と登場する二巻。
ある意味、本人無自覚の逆ハーレム。←言い方。(笑)
劉輝には報われないままでいて欲しい。
←おもしろいから、と、現時点では青蘭推しだから。
現代社会にも通じる問題も見受けられるところが、深いなぁ、と。
そして、どこの国、どこの世界にも私利私欲のことを最優先でがんばっちゃう施政者がいるのよね、と、昨今の世情を鑑みてため息。
ラストの「おかえり」にちょっと戦慄。
私的にはあり得ないけど、これは吉事?凶事?


私の燕青はこんなクマ男ではない!と、一瞬錯乱(?)しかけましたが。
いやいやいや。
これ、北方水滸伝じゃないから、と別人認識。(笑)
陽気で人当たりの良い(北方)燕青……あ、想像できない。


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「7月のダークライド」ルー・バーニー (ハーパーBOOKS)

それはあなたの為すべきことではない。
何度もそう思った。
どうにかしようと突進すればするほど、
見えてくるのは命の危険。
それも、自分のみならず、協力してくれた知人や、
救いたいと願った当人たちですらも巻き込みかねない危険。
けれども。
彼は見て見ぬふりはできなかった。
虐待の痕の残る子どもたちをそのままにしておくことはできなかった。
救いたい、と、思ってしまった。
彼自身の手で。
と同時に、変わりたかったのかな、とも思う。
彼自身が、今の自分から。
その想いが伝わってくるから。
無茶だと思いつつ、夢をみかけてしまった。彼と同じ、美しい夢を。

登録2400冊目。
ああああ、もう!と、どうにもやるせない読後。
たとえ、どんなルートを辿ったとしても、多分彼は諦めなかったんだろうなぁ。
無茶だ、と思いつつ、彼に寄り添ってしまった。
だからこそ、やるせなさが余計に募る。
ルー・バーニーの刊行された長編は5作品。
未翻訳の長編があと3作品。
全部読みたいので是非翻訳をお願いします。




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「彩雲国物語一 はじまりの風は紅く」雪乃紗衣(角川文庫)

先入観的なイメージで、きゅるんとした少女小説だと思っていたけれども。
国政、後継ぎ問題、陰謀、忠誠、そして人と人との関わり方等々。
骨格のしっかりした、読み応えのある物語だったお借り本。
めっちゃ面白かった。
若者だけではなく、おじさまやおじいちゃん年代の方々まで
暗躍したりガチで戦っちゃったりしているのも好みで良い。
展開が早いので、続きが気になってあっという間に一気読み。
それにしても……それぞれ事情を抱えた人たちの化けっぷりがすごい。
王宮って怖いわ~。
物語はまだ序章。
これからどんな世界が広がっていくのか。とても楽しみ。



「その人の人生はその人だけのもの。
幸も不幸もその人自身が選ぶもの」
最近ね、会社の制度が変わった場合についての
自分の将来設計についてちょっと考えていたんだけど。
とりあえず当初の予定通り自分のやりたいように突き進んでいいんじゃね?と、
改めて肯定してもらえた気持ちになってみました。
会社の制度が変わっても、私の将来設計は変わらず。(笑)
楽しまないとね。


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「UNMORAL」かわいゆみこ (ビーボーイノベルズ)

なんだかんだありつつも、みんな素直だなぁ、と、
微笑ましく思う。
進路問題で親と殴り合っても、
親の口出しが愛情からだと、ちゃんとわかっている。
裕美ちゃんの生き辛そうな頑なさには心配になったけど、
彼女もちゃんと聞く耳と考える力を持っている。
一番素直になりきれなかったのは宗梁かな。だから変化の兆しが嬉しい。
他者の受け止め方を知っている苑井。
好意の示し方もちゃんと知っている。
そんな彼からのアプローチに駆け引きめいた言葉をかけながらも
次第に心を惹かれていく橋月。
丁寧で緻密な描写に彼等の心情が染み入るように伝わってきて、楽しく読了。


本に呼ばれる、というか、本を読むタイミングってあるよなぁ、と、つくづく思う。
作中に出てくる街並みの描写に、去年神戸を訪れた記憶が鮮明に浮かんだ。
異人館、行ったよなー、とか。
坂道、めっちゃ歩いたよなー、とか。
そうやってリアルに思い描けることが嬉しい。
一緒に歩いてくれた友だちがいることも嬉しい。

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