きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「Fetish」かわいゆみこ(b-boyノベルズ)
本編終了後から数年後の二人だったり、まだ出会う前のそれぞれだったり。
時間を行きつ戻りつしつつの短編集。
付き合うようになってからどんどん雰囲気がやわらかく穏やかになっていく二人の向き合い方がとても好き。
それはお互いにとってとても幸せな変化。
なんなら、犬も雰囲気やわらかくなってるし。(笑)
最後の短編「ソーダガラスの微熱」では、白井は大きな決断をするけれども。
二人が交わした言葉が心強い。
彼が寂しいとつぶやくことは、もう、ないよね。
そして、古谷が以前のように苛つくこともない。
そう思えることが嬉しい読後。
ルミナリエ。
観に行ってみたいなぁ。
でも、12月は仕事の日程的に無理なんだよなあ。と思いつつ調べてみたら。
あれ?1月から開催に変わってる?
え?この日程なら行けちゃうよ?
え?来年は無理だけど、再来年行っちゃう??と、割と本気で思ってみました。
時間を行きつ戻りつしつつの短編集。
付き合うようになってからどんどん雰囲気がやわらかく穏やかになっていく二人の向き合い方がとても好き。
それはお互いにとってとても幸せな変化。
なんなら、犬も雰囲気やわらかくなってるし。(笑)
最後の短編「ソーダガラスの微熱」では、白井は大きな決断をするけれども。
二人が交わした言葉が心強い。
彼が寂しいとつぶやくことは、もう、ないよね。
そして、古谷が以前のように苛つくこともない。
そう思えることが嬉しい読後。
ルミナリエ。
観に行ってみたいなぁ。
でも、12月は仕事の日程的に無理なんだよなあ。と思いつつ調べてみたら。
あれ?1月から開催に変わってる?
え?この日程なら行けちゃうよ?
え?来年は無理だけど、再来年行っちゃう??と、割と本気で思ってみました。
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「EGOISTE2」かわいゆみこ(b-boyノベルズ)
こんな救いの求め方があったんだなぁ、と切なくなり、
こんな慰め方があったんだなぁ、と、その後の始末のつけ方までを含めて感心する。
でもそれは、行きずりの間柄では成り立たなくて、
構築してきた関係性と信頼があったからこそ、壊れなかった絆。
言葉ってとてもとても大事。
口にしなければ伝わらないことは多分にある。
だから、不安を口にしあえる関係性を築くことって大事。
白井の育った環境は本当に荊の道だったけど、
これからは周囲の愛情や好意をしっかりと受け止めて生きていって欲しい。
愛情表現が不得手な古谷と一緒に。
阪神淡路大震災の
少し後に出張で神戸に行った時、3階がつぶれてしまった建物がまだそのままになっていた街の様子に愕然とし、その後の復興のスピードの速さに人間の持つ底力を感じた。
その後、よもや自分が東日本大震災に見舞われるとは思っていなかったけれども。
災害はいつだって突然訪れる。
一度経験した身としては、備えも、その後どうするべきかも、ある程度学んではいる。
けれども。
それを活かす日は二度とこなくていい。
こんな慰め方があったんだなぁ、と、その後の始末のつけ方までを含めて感心する。
でもそれは、行きずりの間柄では成り立たなくて、
構築してきた関係性と信頼があったからこそ、壊れなかった絆。
言葉ってとてもとても大事。
口にしなければ伝わらないことは多分にある。
だから、不安を口にしあえる関係性を築くことって大事。
白井の育った環境は本当に荊の道だったけど、
これからは周囲の愛情や好意をしっかりと受け止めて生きていって欲しい。
愛情表現が不得手な古谷と一緒に。
阪神淡路大震災の
少し後に出張で神戸に行った時、3階がつぶれてしまった建物がまだそのままになっていた街の様子に愕然とし、その後の復興のスピードの速さに人間の持つ底力を感じた。
その後、よもや自分が東日本大震災に見舞われるとは思っていなかったけれども。
災害はいつだって突然訪れる。
一度経験した身としては、備えも、その後どうするべきかも、ある程度学んではいる。
けれども。
それを活かす日は二度とこなくていい。
「EGOISTE」かわいゆみこ(b-boyノベルズ)
かわいさんのデビュー作は私的かわいさんの原点回帰。
発売日に張り切って買いに行って、ちょっと常軌を逸した関係の構築の仕方に
ドキドキしながら読んで。
20年以上経った今読んでもやっぱりドキドキしながら読んでしまう、大好き作品。
白井が欠けていたものを埋めたのが古谷であり、
古谷が欠けていたものを埋めたのが白井だった。
……はずなんだけど。
まさかの逃走。
受動的じゃダメなんだよね。
このまま続いたとしても、どこかで破綻したかもしれない。
自分で追いかけて、自分で選んだ。
そこには二人の意思がある。
だから絆は強い。
大満足で読了。
菅野さん、かわいさん、榎田さん、の御三方が、
デビュー作をリアルタイムで読んでいて、且つ、読み続けて全作品コンプしている作家さん。
調べてみると、それぞれ順番に1995年、1996年、2000年。
綺麗な保存状態で手元にある本を見て、
日に当たらないように保管していることに加えて
『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている』で読んだ紙づくりに関する内容をい思い出してみました。
発売日に張り切って買いに行って、ちょっと常軌を逸した関係の構築の仕方に
ドキドキしながら読んで。
20年以上経った今読んでもやっぱりドキドキしながら読んでしまう、大好き作品。
白井が欠けていたものを埋めたのが古谷であり、
古谷が欠けていたものを埋めたのが白井だった。
……はずなんだけど。
まさかの逃走。
受動的じゃダメなんだよね。
このまま続いたとしても、どこかで破綻したかもしれない。
自分で追いかけて、自分で選んだ。
そこには二人の意思がある。
だから絆は強い。
大満足で読了。
菅野さん、かわいさん、榎田さん、の御三方が、
デビュー作をリアルタイムで読んでいて、且つ、読み続けて全作品コンプしている作家さん。
調べてみると、それぞれ順番に1995年、1996年、2000年。
綺麗な保存状態で手元にある本を見て、
日に当たらないように保管していることに加えて
『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている』で読んだ紙づくりに関する内容をい思い出してみました。
「舟を編む」三浦しをん (光文社文庫 )
検索機能の手軽さにすっかり馴染んでしまって、
辞書を引くことがめっきりなくなったなーと。
ちょっとしんみり思ってしまった。
15年という長い年月をかけて一冊の辞書を編み出した彼らの情熱を称えたい。
向き合う言葉に対する真摯さと熱意、仕事に一心不乱に打ち込む姿勢が熱を持って伝わってくる一方、個々のプライベートもしっかりと描かれていて、彼らの想いをより身近に感じ取ることができる。
だから、彼らと一緒に泣いたり笑ったり喜んだり。
そして、紙の色味と「ぬめり感」なんか伝わったなぁ。
『大渡海』があたかも手元にあるかのような読後感が素晴らしい。
私所有の辞書は「国語辞典」「英和辞典」「和英辞典」「漢和辞典」「独和辞典」
「カタカナ語辞典」「類語辞典」。
カタカナ語辞典を買ったのって20年以上前。
ニュースでもやたらカタカナの言葉が飛び交う昨今のカタカナ語辞典は、
私が持っているものとは相当様変わりしてるんだろうなぁ。
姪っ子ちゃんにプレゼントするんだけど、楽しく読んでもらえることは間違いなし。
ただし。
「大都会」で笑ってくれるだろうか?知ってるのかな?
辞書を引くことがめっきりなくなったなーと。
ちょっとしんみり思ってしまった。
15年という長い年月をかけて一冊の辞書を編み出した彼らの情熱を称えたい。
向き合う言葉に対する真摯さと熱意、仕事に一心不乱に打ち込む姿勢が熱を持って伝わってくる一方、個々のプライベートもしっかりと描かれていて、彼らの想いをより身近に感じ取ることができる。
だから、彼らと一緒に泣いたり笑ったり喜んだり。
そして、紙の色味と「ぬめり感」なんか伝わったなぁ。
『大渡海』があたかも手元にあるかのような読後感が素晴らしい。
私所有の辞書は「国語辞典」「英和辞典」「和英辞典」「漢和辞典」「独和辞典」
「カタカナ語辞典」「類語辞典」。
カタカナ語辞典を買ったのって20年以上前。
ニュースでもやたらカタカナの言葉が飛び交う昨今のカタカナ語辞典は、
私が持っているものとは相当様変わりしてるんだろうなぁ。
姪っ子ちゃんにプレゼントするんだけど、楽しく読んでもらえることは間違いなし。
ただし。
「大都会」で笑ってくれるだろうか?知ってるのかな?
「星屑シトロン」かわい有美子(クロスノベルズ)
シリーズ三作の中で一番好きかな。
弾正のどこにでもいそうな平均的男子高校生でありつつ天然なところと、
堂本の人のいい犬の皮を被った猛獣でありつつも鷹揚なところ。
弾正が自主的に逃げ道をなくしていく様と
堂本がしれっと弾正を絡めとっていく様。
その二人の会話のテンポや距離の詰め方、
周囲の生徒会の面々との関わり方。
千葉ちゃん良い性格してるなー。
色々しっくりはまって楽しく読めた。
一作目から三作目へと時系列的に過去へと遡っていく、その構成がうまい。
シリーズは三冊で終了だけど、欲を言えば柏木の話が読みたかった。
クリスチャンってわけではないけど、協会が日曜日の遊び場所だったので、
クリスマスにはキリストの生誕劇やキャロリングに楽しく参加していた思い出。
パイプオルガンが設置された教会で生演奏が聞けていたのは今思えば贅沢だったなぁ。
なんと弾かせてもらったこともあるんですよ~。
ああ、もっと記憶に焼き付けておけばよかった。
子どもの頃ってそれがどんなにすごい事かわかってなかったんだね。
弾正のどこにでもいそうな平均的男子高校生でありつつ天然なところと、
堂本の人のいい犬の皮を被った猛獣でありつつも鷹揚なところ。
弾正が自主的に逃げ道をなくしていく様と
堂本がしれっと弾正を絡めとっていく様。
その二人の会話のテンポや距離の詰め方、
周囲の生徒会の面々との関わり方。
千葉ちゃん良い性格してるなー。
色々しっくりはまって楽しく読めた。
一作目から三作目へと時系列的に過去へと遡っていく、その構成がうまい。
シリーズは三冊で終了だけど、欲を言えば柏木の話が読みたかった。
クリスチャンってわけではないけど、協会が日曜日の遊び場所だったので、
クリスマスにはキリストの生誕劇やキャロリングに楽しく参加していた思い出。
パイプオルガンが設置された教会で生演奏が聞けていたのは今思えば贅沢だったなぁ。
なんと弾かせてもらったこともあるんですよ~。
ああ、もっと記憶に焼き付けておけばよかった。
子どもの頃ってそれがどんなにすごい事かわかってなかったんだね。
「Burn.-バーン-」加藤シゲアキ(角川文庫)
細い棘が胸の中に刺さっていて。
そこからじわじわと滲んでいく哀しさ、やるせなさ、あたたかさ、もどかしさ、そしてやさしさ。
噛みしめて攪拌されて、最後には泣き笑い。
シゲの作品は面白かっただけでは終わらない、
色々な感情が胸の中に渦巻いて、そこに浸っていたくなる。
すごくよかった。
人と人とはこんなふうにつながっていくこともできるんだと。
不思議なトライアングルを描いた彼らに教えてもらった。
私的には彼らは帯にあるような「疑似家族」と言う感覚はなくて、
あくまでもレイジと徳さんとローズという個としての三角形。
でも、その距離感が絶妙だった。
ローズの語り口調が今はもういない知人と重なって。
思わぬ再開を果たしたかのような不思議な気持ちになりました。
やだ泣きそう。
ベルサイユのサロンの招待状を持っている方はわかってくれるかも。
未読の彼の作品がまだまだあるのが嬉しい。
一作ずつ読んでいきたいと思います。
そこからじわじわと滲んでいく哀しさ、やるせなさ、あたたかさ、もどかしさ、そしてやさしさ。
噛みしめて攪拌されて、最後には泣き笑い。
シゲの作品は面白かっただけでは終わらない、
色々な感情が胸の中に渦巻いて、そこに浸っていたくなる。
すごくよかった。
人と人とはこんなふうにつながっていくこともできるんだと。
不思議なトライアングルを描いた彼らに教えてもらった。
私的には彼らは帯にあるような「疑似家族」と言う感覚はなくて、
あくまでもレイジと徳さんとローズという個としての三角形。
でも、その距離感が絶妙だった。
ローズの語り口調が今はもういない知人と重なって。
思わぬ再開を果たしたかのような不思議な気持ちになりました。
やだ泣きそう。
ベルサイユのサロンの招待状を持っている方はわかってくれるかも。
未読の彼の作品がまだまだあるのが嬉しい。
一作ずつ読んでいきたいと思います。
「流星シロップ」かわい有美子(クロスノベルズ)
複雑な出自のおかげで孤独と疎外感を抱えたまま過ごしてきた峰。
白馬の王子様系とみせかけての執着系お姫様は、出自だけじゃなく、その内面も複雑。
級友たちから見たら頼れる生徒会長なだけに、内に秘めた危うさがなんだか痛々しい。
そんな峰の拠り所は幼い頃に身体を張って自分を守ってくれた衛守。
無口な男の秘めたる想いの告白の言葉はかっこよすぎて、なんだかときめいてしまったわ。
峰が大好物な女王様かと思っていたらお姫様だった!と、
勝手に期待して勝手にがっかりした残念な私。
峰にしてみればいい迷惑。→
ところで。
私の持ってるのは初版なんだけど、正々堂々と「流空シロップ」と記されている装丁は
他の版で修正されてるのかな?
そのまま??
気になる~~~!!
白馬の王子様系とみせかけての執着系お姫様は、出自だけじゃなく、その内面も複雑。
級友たちから見たら頼れる生徒会長なだけに、内に秘めた危うさがなんだか痛々しい。
そんな峰の拠り所は幼い頃に身体を張って自分を守ってくれた衛守。
無口な男の秘めたる想いの告白の言葉はかっこよすぎて、なんだかときめいてしまったわ。
峰が大好物な女王様かと思っていたらお姫様だった!と、
勝手に期待して勝手にがっかりした残念な私。
峰にしてみればいい迷惑。→
ところで。
私の持ってるのは初版なんだけど、正々堂々と「流空シロップ」と記されている装丁は
他の版で修正されてるのかな?
そのまま??
気になる~~~!!
「空色スピカ」かわい有美子(クロスノベルズ)
清らかで健やかな、最上級にピュアな青春学園物語。
彼らの放つ10代特有の透明感の高い輝きは今の私には持ち得ないもの。
羨ましいというよりも、ただただ眩しい。
生徒会を担う高科やアキたちを中心に、
様々な行事を催しながら巡る彼らの学園生活。
最初ただの知り合いレベルだった二人の距離が縮まっていく様子が
とても繊細に瑞々しく描かれていて半端なく好印象。
ギムナジウム美少年風味の装いがうっかり外れたアキが
地のままの元気溌剌な姿で飛び跳ねる瞬間がとても好き。
純度の高いきれいな作品に出会いました。
ピアノを習っていたので、体育での必要最低限以外の球技を避けていたのは高科と同じ。
でも私は彫刻刀を突き刺したり、パン切り包丁で切ったり、ドアに挟めて黒血になったり……
指先事故多発しておりました。
怪我した瞬間痛い!っていうより、ヤバイ!ピアノ!って方向で蒼くなるんだよね。(笑)
彫刻刀を刺したところと黒血になったところはいまだに痕が残っているのです。
彼らの放つ10代特有の透明感の高い輝きは今の私には持ち得ないもの。
羨ましいというよりも、ただただ眩しい。
生徒会を担う高科やアキたちを中心に、
様々な行事を催しながら巡る彼らの学園生活。
最初ただの知り合いレベルだった二人の距離が縮まっていく様子が
とても繊細に瑞々しく描かれていて半端なく好印象。
ギムナジウム美少年風味の装いがうっかり外れたアキが
地のままの元気溌剌な姿で飛び跳ねる瞬間がとても好き。
純度の高いきれいな作品に出会いました。
ピアノを習っていたので、体育での必要最低限以外の球技を避けていたのは高科と同じ。
でも私は彫刻刀を突き刺したり、パン切り包丁で切ったり、ドアに挟めて黒血になったり……
指先事故多発しておりました。
怪我した瞬間痛い!っていうより、ヤバイ!ピアノ!って方向で蒼くなるんだよね。(笑)
彫刻刀を刺したところと黒血になったところはいまだに痕が残っているのです。
「天国の修羅たち」深町実秋
繰り広げられてきた凄惨な戦いの完結編。
有象無象が息を潜める暗闇に風穴をこじ開けたのは、まだ二十代の女性警察官だった。
正義感、というよりも怖いもの知らずの猪突猛進。
若さは危うくありつつも、武器にもなる。
警察の闇を世間に晒すために、戦い続けた出月。
彼が気を緩める日はなかったとしても、独りではなかったことに安堵する。
修羅の道を歩み続けてきた出月がようやく辿り着くことのできた天国。
真里亜がいたからこそっていうのが暗示的。
最後に彼が示したものに胸が締め付けられた。
こんな気持ちで読後を迎えるなんて思いもしなかったよ。
良い意味で裏切られた。
久々にノワール読んでスカッとしました。
「読んだ本」にパステル系の表紙が続くと、黒いのが読みたくなる不思議。
有象無象が息を潜める暗闇に風穴をこじ開けたのは、まだ二十代の女性警察官だった。
正義感、というよりも怖いもの知らずの猪突猛進。
若さは危うくありつつも、武器にもなる。
警察の闇を世間に晒すために、戦い続けた出月。
彼が気を緩める日はなかったとしても、独りではなかったことに安堵する。
修羅の道を歩み続けてきた出月がようやく辿り着くことのできた天国。
真里亜がいたからこそっていうのが暗示的。
最後に彼が示したものに胸が締め付けられた。
こんな気持ちで読後を迎えるなんて思いもしなかったよ。
良い意味で裏切られた。
久々にノワール読んでスカッとしました。
「読んだ本」にパステル系の表紙が続くと、黒いのが読みたくなる不思議。