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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「犬ほど素敵な商売はない」榎田尤利(角川文庫)

こんなにも寂しくなかったら。
こんなにも孤独ではなかったら。
たぶん、この二人はこんなにも惹かれることはなかっただろう。
たとえそれが歪な関係からはじまった共依存であったとしても。
そこに行き着いた彼らの間には確かな愛があり、幸いがある。
二人だけであれば多分、潰れてしまっていたと思う。
ナナが風穴を開けてくれて、高見の存在が背中を押してくれて。
岡がいる。
だから、二人は今、愛を囁きながら笑っていられる。
切なさに泣きながら見届けたエンディングは、何度読んでも良い。
今回は倖生は犬としての自分を受け入れていく過程にエロティックさを感じたのが新発見。

3作品が「白」「ピンク」「黒」でセレクトされての文庫化。
この作品は「ピンク」。
ピンクかー。
私のこの作品のイメージカラーはピンクじゃないんだけど、
まぁ、それは人それぞれ。
何色でもこの作品が大好きなことには変わりはないのです。



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「永遠の昨日」榎田尤利(角川文庫)

旧版既読。
削られた部分と、書き加えられた部分と。
わかる自分にほっとする。(笑)
冒頭は白泉社版が好き。だけど、ラストは角川版が断然いい。
誰もがいずれは必ず向き合わなければいけない大切な人との別れ。
命の火が消えたはずの当人を交えて、「死」と向き合う彼ら。
でも、思考はネガティブな方向には寄らず、
彼らの交わす言葉や仕草は、やさしさと幸いに満ちている。
別れは哀しいけれども。
受け取ったのは、そして与えたのはそれを上回るほどの愛。
だから、その愛と共に生きていく。
それもまた、人生だと思う。

発刊が令和4年3月。
読む気満々で買って、2年も積んでしまった……
せっかくの新刊は新刊の内によもう、私。

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「炎立つ 弐 燃える北天」高橋克彦 (講談社文庫)

何故奪うのか。
何故騙すのか。
何故裏切るのか。
他人の物を奪うことに何の正義があるのか。
でもその正義も捏造しちゃうんだよね。
理不尽と戦うことの不毛さにやりきれない思いを抱えつつ、
なんかここで私が憤慨しても彼らの運命は決まってるしなぁ、
と、更にやるせなくなる。
で。
先のことは考えないで現在進行形の事象だけを追うことにして、
ようやく物語に没頭できた弐巻。
命を懸けて戦うことが不可避なのであれば、心から信頼しあえる者たちの傍がいい。
だから、彼が己の望むところで戦えることに、せめて安堵する。

巻頭部分にある地図を眺めながら車で移動するのにかかる時間を思い起こし、
その距離を徒歩や馬で移動する自分を想像し……行き倒れそうになってみました。

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「猫とメガネ 2」榎田ユウリ(文春文庫)

蔦屋敷の人たちのみならず、
外部の人たちも乱入(?)しての大混乱。
空気を読まないオカメインコの叫びに爆笑。
文章を読んでいるのにとっても賑やかだった。
とはいえ。
シリアスターンはやっぱり真顔で考えさせられる。
ひとりで孤独に死ぬのが嫌なら、人との向き合い方をもっとどうにかしてくればよかったのに、と思ってしまう。
変わることのできなかった神鳴母。
一方の幾ツ谷はアラフォーにして絶賛人との向き合い方を学び直し中。
幾つになったとこからでも、気づけてそして良い方へと変わっていけるのは幸い。
蔦屋敷のひとたちと出会えてよかったね。


作中で一番テンションがあがったワードが「キンコーズ」。
まさかここで出会うとは。(笑)
駆け込みでコピー誌を作ってた時代を懐かしく思い出しました。
生活サイクルめちゃくちゃだったけど、楽しかった。

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「猫とメガネ」榎田ユウリ(文春文庫)

榎田さんの作品は相変わらず深いなーと、しみじみ思いながらの読了。
日々を生きていれば大なり小なり色々あって。
「色々」の振り幅が大きい程、それに対処するための労力もダメージも大きい。
悪意がないからといって、鋭利な刃のような言葉が許されるわけでもなく、
本音というか、現実を伝えることのできない夫婦関係は、維持することは難しい。
幾ツ谷にとっては遅きに失したけれども。
今気づけて良かったね。
そして、深い闇を抱えていた神鳴。
彼にとっての諸悪が親だから余計に質が悪いし、対処の仕様が難しい。
守護者がいてくれたことに安堵する。


作家読みをしているからこそのお楽しみ。
他作に絡む人たちが出てくると、嬉しい半面、そっちも読みたくなって困る。
現状がどんなに苦しくても。
乗り越えた後には穏やかな日々が巡ってきますように、と。
今問題を抱えているすべてのひとたちへ。

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「コールドマウンテン 下巻 」フレイジャー(新潮文庫)

インマンの旅の終着点を見届け、私は疲労困憊。
極限に達する半歩手前でつないできた命。
彼の放浪は過酷ではあったけれども、通りすがった人々の孤独な営みや哀しみの欠片に触れることのできた旅でもある。
だけどやっぱり、彼の旅は彼に容赦がなさ過ぎて。
最後の安堵もするりと手の内を抜け落ちてしまう。
その瞬間、思わず息を呑み、本を閉じてしまった。
エイダがひとりきりではないことが救いではあるけれども。
読後に胸の中に渦巻く熾火で焼かれるような思いをなんと表現すればよいのだろう?
私の混乱の何もかもが著者の筆力の為せる業である。


【ガーディアン必読121-2/1000冊】
読後のこの虚脱感はスタインベックの『怒りの葡萄』を読んだ時に近いかも。
読むのにエネルギーが必要で、とても一気に読むことはできなかった。
表紙に騙されて(?)心構えがなかったなー。
無防備なところにガツンとやられた感じ。(笑)

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「無能な皇子と呼ばれていますが中身は敵国の宰相です 4」夜光花(キャラ文庫)

大ボリューム大歓迎。おもしろすぎて一気読み。
王女同士、奴隷同士、入れ替わった者同士。
あっちこっちで勃発する小競り合いが愉快。
人間性出るなー。
シュルツとマッドが共闘したら面白いと思うんだけど、どうだろう?
災害支援や疫病対策に奔走するリドリーは、
皇帝に課せられた無理難題を成し遂げるたびに、
国民からの信頼と支持を得ていく。
まぁ、結果に対して命がかかってるから全力にもなるよね。
それだけの才覚を備えていたのは幸い。
一方、ポンコツなままのベルナールにとっては戻らない方が幸い?
魔女の件も含め、続き気になります!


手推し車に鎮座していたのに、あっという間に3メートルまでに育った子竜がお気に入り。
可愛いなー、フレイ。
いっそフレイが皇帝を踏んづけてくれたら全部解決するんじゃないかしら?
駄目?
読み始める直前で、あ!前巻復習しないと!と引っ張り出して正解。
細かいところ忘れてるのね~。

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「コールドマウンテン 上巻 」フレイジャー(新潮文庫)

インマンとエイダ。
二人の視点から語られる物語。
共通しているのはコールドマウンテン。
軍から脱走したインマンは故郷のコールドマウンテンを目指し、
天涯孤独の身となったエイダは、独り、その地に暮らす。
時は南北戦争時代。
どちらの境遇に陥ったとしても、私、生き延びる事ができない気がする。
エイダは生きていくためのパートナーを得、不安しかなかった暮らしを確立させていく。
生きていくための知恵を身につけざるをえなかった境遇の、ルビーの存在は大きい。
一方のインマンは人目を避け、不運に見舞われながらも、命がけで前に進み続ける。
その道は何処に続く?→


【ガーディアン必読121-1/1000冊】
同時代の『風と共に去りぬ』ではなく、
何故か『すべての美しい馬』が頭を過ぎる。
共通項は放浪することぐらいなのに。
なんでかな。
着地点がまったく想像できなくて、色々五里霧中。

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「恋々 瑕と蜜2」遠野春日(キャラ文庫)

前半は長谷と里村。
想いが通じ合っての同棲生活。
でも、長谷は奔放だったかつての里村を目の当たりにしているからこそ、
傍にいるのにやきもきしっぱなし。
心配が高じての貞操帯がこんなふうにお役立ちになるとは!……と、新しい発見。
後半は野上と青柳。
大人の男たちの不器用な恋模様。
じれったい感じが悪くない。
いきなりの名前呼びにはちょっとびっくりだったけど、
この二人はゆっくりと深い関係を築き上げていくんだろうな。
上記の四人のバランスが好きなので、このまま一緒に年を重ねていって欲しい。




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「疵と蜜」遠野春日(キャラ文庫)

いや、それ無茶だし、無謀だし、命がけだし。
という対峙があるわけですが。
そこに至るまでの経緯が筋道立てて描かれているから
引き込まれて一気読み。
濡れ場は途中で飽きて飛ばし読み……スミマセン。
お互い絶対好きでしょ、と突っ込みたくなる二人のツンツンぶり。
そこからデレに入っていく会話のやり取りが好き。
シンプルに好きだ!俺も!じゃないところがいいね。
長谷の部屋が適度に散らかっていて生活感のあるところが
個人的にプラスポイント。
完璧を思わせる男のちょっとした隙は魅力的。

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