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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ラブ&トラスト」榎田尤利 (SHYノベルズ)



素晴らしきかな兄弟愛。
行き過ぎたスキンシップ上等!
研ぎ澄まされた爪と牙を持ったしなやかな豹の闘う姿もカッコよければ、
両足を踏ん張って懸命に誰かを守ろうとする小動物もまたカッコイイのです。
それぞれのキャラが際立っていて楽しい上に、
石原さんの色気ダダ漏れなイラストとのマッチングぶりが素晴らしくて!
テンポよく進む作品自体の面白さとの相乗効果で
ハイテンションでの読了。
……なんだけど。
梁石目の『闇の子供たち』 が脳裏を過って、陰鬱な気分がチラッと。
子どもの臓器売買はやりきれない。
個人的には沓澤氏と核のペアが好みドストライク♪
次巻も楽しみ。


私も子どものころの思い出に、
母が揚げてくれたドーナツのおやつがあります。
アツアツでふんわり甘い、極上の逸品。
粉砂糖を振りかけただけで贅沢度が上がるのです。
母が作ってくれる蒸しパンも大好きだった。
その延長でマーラーカオが好き。
アツアツのドーナツが久々に食べたくなりました。

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「神の子 下」薬丸岳(光文社文庫)



人を育て、人を導くのは人。
人生を豊かなものにするのは、仲間や自分い想いを寄せてくれる誰かの存在。
望めば、人は変わることができる。
一人ではどうにもならなくても、誰かと一緒ならば、きっと。
他人を陥れるために自らを偽る人生ってなんなんだろうな?
と、他人事ながら虚しくなる。
町田と雨宮、そして室井の人生は、
幸せを手にした者と、取りこぼした者と、自ら投げ捨てた者と三者三様。
思い通りにはならない人生の中、
為井や楓、そして内藤の一生懸命な頑張りがとても光っていた。
最後の町田の言葉が心にあたたかく響く。
これは青年たちの成長の物語。

「特別な日だから作り慣れてる料理の方がいいんじゃないか?」
これは正論。
でもね。
「特別な日だからちょっと張りきっちゃおうと思って」
この気持ちもとても良くわかる。
イメージ先行で作ってみて、なんか違う??と
首を傾げる羽目になったこともあるけど、
イベント事の為に料理を作るのは、それはそれでとても楽しい。
悦子さんの体調が回復してくれていることを願いながらの読了。




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「神の子 上」薬丸岳(光文社文庫)



当たり前の教育を受けるどころか、犬猫のようにただ部屋の中で生かされていた町田。
幸せも痛みも、そしてたぶん、喜びも哀しみも感じることのない人生。
稀有な才能を持っていたことが彼に生き延びる術を与えた。
そして今彼は、人と交わることで感情を学んでいる……かどうかは下巻を読まないと断言できないかな?
組織の中で使い捨てにされる手駒であることを肯んぜず、反旗を翻した雨宮。
彼の根底にあるのは姉に対する愛情。そして現状に対する憤り。
彼のこれからも気になる。
雨宮を操り、町田の人生に介入しようとする男の存在がどう係ってくるのか。
色々気になる!

天才となんとかは紙一重。
繁村の条件に「え?そこ?」と私も突っ込んだけど、
ある意味、研究バカは変な計算とか利害がなくて好ましい。
とはいえ、指名された夏川が死ぬほどイヤ!っ思ってたら笑ってられないけど。
なんかふにゃっと力が抜けた瞬間。
町田の真意がちゃんと稔に伝わっていてほしいと思いながら、下巻へ。

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「ケルベロス」真式マキ(クロスノベルズ)



ヤクザ×刑事というキーワードから、ハードでガッツリしたものを勝手に想定していたら、
最近、重量級のガッツリを読みすぎたせいか、とてもあっさり読了。
あら?あらら?
これは私の先入観が悪い。
初読み作家さんだから余計に真っ白な心で挑まないといけなかったわ。
彰の抱えたトラウマの上書きシーンは良かった。
経済ヤクザの織宮の甘さもクールさもとてもとてもカッコイイ。
中犬後輩、柴も好印象。
ヤクザにしか見えない丸暴デカ・吉田サンも好み。
パーツパーツはとても良い感じなんだけど、
全体的はとてもサラッとした感が否めない。
ちょっともったいないなぁ。

葛西さんのイラストはどれをとっても素敵でした!




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「堕落の島~狂犬と野獣~」沙野風結子 (ラヴァーズ文庫)



共闘関係。
峯上と靫の関係を表すのにこれ以上的確な言葉はないだろう。
お互いの窮地を助け合って、共に戦える男同士って素敵。
疲れて気持ちがすり減った時に、
肩をぶつけ合うように身体を寄せ合うってすごい萌。
靫の捜査に協力しようと、怪しげな組織を調べているうちに
櫟の言葉に堕ちた峯上。
何にも屈しないはずの強い男も、心の歪につけこまれることもある。
その心の歪は、靫に対する想いが深かったからこそ。
彼を救おうと靫が必死に頑張れたのも、
これまで培ってきた互いに対する想いがあるから。
黒焦げの愛の告白が微笑ましい。
そして、バイクエッチは最高でした!

シリーズ完結。
結局、櫟はずっと孤独だったんだなぁ、と。
あれだけの人材が傍にいたなら、他にもやりようがあったはずなのに。
崇め奉られる「教祖」には在り得ても、
「仲間」や「友だち」には成りえなかったが故の不幸なのかな?
「ここではない、どこかへ」
つぶやいてみたところで、現実からは逃げられない。
ならば、踏みとどまれる自分でありつづけたいと。
ぼんやり思いながら読了。



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「海と毒薬」遠藤周作(新潮文庫)



戦時下において行われた、
生きたまま人間を解剖するという残虐な行為。
ここで問われるべきは、誰が悪なのか?ということよりも、
何故こんなことが起きてしまったのか?ということだと思う。
戦時下でなければ、そして相手が異国の捕虜でなければ、
彼等はここまで残酷な行為には及ばなかったかもしれない。
戦争は否応なしに、人を善悪の概念を超越したところへ
攫っていってしまう。
縦社会において否と言えない立場は確かにある。
怖いのは、何も感じないこと。
他人の痛みを笑っていられること。
彼らの語る良心だって、結局は自己基準なのだ。


病院内の患者に対する医師たちの態度があんまりだと思った。
「実験台」「出世の手段」「どうせ死ぬんだ」
患者側にしか成り得ない自分にとっては、聞かされたくない言葉だ。
彼らの家族でも身内でもない以上、寄り添ってほしいとは言わないし言えない。
ただ、命を預ける以上、心から信頼できる医師であってほしいと思うの。


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「狼の見る夢は」J.L.ラングレー(モノクロームロマンス文庫)



会社の経営者であり、群れの統率者であり、代々続く家の後継者でもあるオーブリー。
背負った責任と、果たさねばならない役割に雁字搦めになっていて、
ゲイであることを隠し、
同性のメイトと連れ添うことに最初から否定的。
一方のマットは天真爛漫で、ゲイである自分の性癖を隠さずに
おおらかに育ってきた癒し系の好青年。
オーブリーがどう変わるかがポイントかな?と思いつつも、
その煮え切らない自分勝手な態度にイラッとし、
だけど、マットの弟・18歳のローガンの言葉に私もハッとさせられて、
大目にみてあげよう、という寛大な気になってみました。
エピローグすごい良かった!楽しく読了。

マットの素直さと遊び心満載な感じが本当に好き。
ちびっこたちも可愛かった。
ちびっこお預かりのペーパーに思わずにっこり。
シリーズ三作目。
カプ的には二作目のジェイクとレミが好みのはずなんだけど。
何故かこの三作目が一番好き。
さて。
電子で一作あるんだよね。
紙本オンリーでここまできたけど、電子デビューしちゃう?悩むわ~

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「ホリデー・イン」坂木司(文春文庫)



前2作のシリーズに登場する人々の、それぞれの視点から描かれた6編の物語。
これを読むことによって、シリーズに対する深みがぐっと増す。
はじめてヤマトに対面した時の進の緊張と葛藤。
本編では見えなかったその時の由希子の姿。
ナナの大切な何かが足りていなかった過去。
お気楽なバイトだと思っていた大東の知られざる苦労。
雪夜の抱えた底のない闇。
彼は夜の世界でしか生きられない住人なんだと。
改めて思わされる。
ナナが彼の闇に巻き込まれなくて良かった。
そして、この物語はジャスミンありきなんだなぁ、と改めて思う。
だから彼女にも、幸せになってほしい。

「不幸になるのは簡単だ」
まったくもってその通り。
受け止め方次第でどうにでもなるなら、
「ゆるふわでいいじゃん」という大東に大いに賛成。
「泣いても笑っても同じ人生。だったらずっと笑っていよう」
これは私の人生訓。
別な言い方をすれば泣いたって笑ったて現状は変わらない。
同じところにたどり着くなら笑っていた方がいい。
ずっと笑っていたら、2年生存率の壁をぶっちぎっていました。(笑)




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「狼の遠き目覚め」J.L.ラングレー(モノクロームロマンス文庫)



前作でチェイとキートンの同性カップルに対して初めは完全否定の態度をとったレミ。
そんなレミのメイト(伴侶)も同性のジェイク。
どんな前途多難な恋になるかと思ったら、
レミの過去が掘り下げられるほどに、やるせない気持ちに駆られる。
そして、あんな態度を取らざるを得なかった事情も明らかになる。
家庭内の暴力は本当にタチが悪い。
父の暴力からなんとか弟を守ろうと奮闘してきたレミの情の深さは、
この先彼らの群れの中でプラスに作用するんだろうね。
試練を乗り越えてのジェイクとレミの恋の成就。
お互いに大好きオーラ全開の甘々なので、好きにイチャイチャするといいと思います!

レミとキートンの完全に気を許した友人同士的な会話がとても好き。
家族とのつながり。
仲間とのむすびつき。
揺るぎない絆って素敵だなぁ、と思う。
ジェイクが統率者となった群れのこれからがとても気になるところだけど、
次巻はキートンの兄、オーブリーの話。
こちらも楽しみ。






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「異邦人」カミュ(新潮文庫)



彼の言葉を追いながら、平行世界を浮遊しているかのような、そんな錯覚に捕らわれる。
真っ正直に過ぎた彼の言葉。
そこには、打算も保身もない。
だが、残念ながら、この世界の理に相容れなかったムルソー。
故に「異邦人」。
殺人は容認できない。
だけど、母の葬儀で涙をみせなかったことがそんなにも責められることなのか?
問い詰められなければ核心を外れ、
彼を置き去りに進行する裁判の過程を追いながら、
何故か泣きたくなった。
そして、彼の行き着いた望みに、哀しみと戦慄を覚える。
それを幸福と呼ぶのもまた、ムルソー自身の理。
再読必須の良書。

カミュは初読みなんだけど、よく知っているとても馴染んだ雰囲気。
何故かはすぐに気付いた。
初期の頃の中村文則を彷彿とさせられるが故の既視感。
気に入るはずだよね。
他の作品も是非読んでみたい。

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