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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「二月二日ホテル」北方謙三(角川文庫)

大人になりきれないまま、大人になってしまった男、望月。
20年前の出来事に囚われ続けている限り、彼の内面は変わることはないだろう。
写真家として名を馳せ、暴力沙汰にも対処できるだけの力を持ち、
意にそぐわないことには肯んじない。
社会的には成功を収めていると言える半面、
己自身に繰り返される問いかけに応える声はなく、
結局彼は同じところに立ち尽くしたままでいる。
いつか、抱えた柵を忘れて笑える日がくるといい。
前に進める日が来るといい。
そんな思いが読後にふと過ぎった。
それにしても……彼にとっての幸せって何だろう?
問うこと自体が余計なお世話か。


書かれた時代、なんだろう。
だから言うのはナンセンスだとも思うんだけど。
でもやっぱり飲酒運転の描写が気になって気になって……
折しも私の地元は今日が「飲酒運転根絶の日」。


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「VIP 永遠」高岡ミズミ (講談社X文庫)

なんかめんどくさい輩が理不尽に絡んできて。
その理由も理解不能で楽しくなくて。
え、ここにきて、こんな人の話を読みたいわけじゃないんですけどー!と、
読み進めるほどに眉間に皺が寄ってきましたが。
最後の最後でまさかの言葉が久遠と和孝の口からきけて、
ああ、ここにたどり着くまでの苦行(?)だったのね、と、
あたたかく受け止めることにしました。
帯に「究極のハッピーエンド」とあるからこれで終わりかな?
共に生きるための道を模索した和孝の、そして久遠の変化を見守り続けたシリーズ。
地に足の着いた作品だったと思う。

これでシリーズ既刊完走。
一気読み、とても楽しかった☆彡
本は読むのも集めるのも楽しくて好き。

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「VIP はつ恋」高岡ミズミ (講談社X文庫)

読み終わってからサブタイトルを見て、納得。
拗らせまくった初恋の成就。
まったく本音のわからなかったジョシュが口にしたその心の内。
ルカの思いとのすれ違いっぷり壮大過ぎて……唖然。
そうだよね、人は成長するもの。思い込みって怖いわ~。
そして、ようやくスタートラインに立った二人のお家騒動に巻き込まれた和孝の受難。
不謹慎な物言いだけど、傷だらけになっても和孝と沢木が一緒に暴れている姿が頼もしいというか、逞しいというか。
このコンビ、好きだわ。
そんな和孝のメンタルケアを久遠がきちんと気にかけてくれていることが嬉しい。



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るるぶ大塚国際美術館

基本的にるるぶは行くことが確定した場所のものを買うのですが。
この本に関しては「来年必ず行くよ!」という意気込みの元、昨年購入。
……と同時に、何故か先に行くことが決まった妹一家に貸し出し。(お役に立てて何より・笑)
戻ってきた本誌をパラパラ眺めていましたが。
『われ去りしとも美は朽ちず』を読んだあとに改めて眺めると、
文章で読んだものが視覚的なものとして飛び込んできて、知識の固定化に大いに役立ちました。
建物が地上二階、地下三階であることも説得力をもって納得。
実際に実物を見た絵画も数々あるので、陶板で見るのも楽しみ。

旅の計画をたてるとき、必ずるるぶを手にして行先を考えます。
ネットで調べる時代ではありますが、やっぱり紙本お役立ち。(笑)
行った記念にもなるしね。
そして我が家には岡山と山梨を除いたるるぶがそろっています。
47都道府県制覇できる日を楽しみにしているのです♪

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「われ去りしとも 美は朽ちず」玉岡かおる(潮出版社)

大塚国際美術館に今夏行く予定をしているので、と気軽く読み始め……感動ひとしお。
一世一代の巨大プロジェクトに挑む人々の志や努力、無念や達成感。
込められた多くの人たちの思いが波のように押し寄せて、思わず涙。
そんな素晴らしい場所に行けるのか、と、今から期待しかない。
世界初の陶板美術館を鳴門へ。
牽引した社長の発想力、牽引力、求心力。
無茶な要求にも応えるべく尽力した職人さんたちの不屈の努力。
絵画の選定や交渉に奔走した専門家の方々。
その他建設にかかわった人たちの思いが熱く厚く伝わってくる。
事前に読めてとてもとても良かった。

先週のプロジェクトXが明石海峡大橋だったのも良いタイミング。
諸々予習はバッチリ。
インプットしたものが迷子にならないようにしっかり反芻しておかねば。(←ここ大事・笑)
「われ去りしとも美は朽ちず」
このタイトルに込められた思いがホントすごい。
見据えた先は3000年。

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「おまえうまそうだな さよならウマソウ」西宮達也

20年ぶりの新刊。そしてシリーズ最終巻。
20年ぶりに再会したティラノサウルスとアンキロサウルスの物語。
読んで思い出したけど、私、このシリーズ読むたびに泣いてたんだわ。
そして手にしたこの本でもやっぱり涙……。
「おじいちゃん」の呼称に込められた愛情がちゃんと伝わってくる。
そして20年前に伝えたことがきちんと継承されていたことが嬉しい。
キランタイサウルスが出てきたのも20年前からの因縁だね。
時間の流れは時に残酷だけれども。
共に過ごした時間の中で芽生えたものは、時の流れの分だけ生き続ける。
素敵な作品をありがとう。

新刊が出ていたのを知らなかったわけですが。
この本がテレビで紹介されていたのを見ていた
母が「あなた、ウマソウっていう恐竜が出てくる本知ってる?」
と聞いてくれたことで、私はめでたくこの本に出会えました。
「知ってる!ってか持ってるよ。読む?」の前のめりな三段攻撃。(笑)
母、ありがとう。

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「一日だけの狼」北方謙三(角川文庫)

カメラマン、望月の視点で語られる短編連作。
表題は一作目のタイトルでもあり、内容と相俟ったカッコよさがある。
掴みは完璧オッケーで、作品世界に一気に引きずり込まれる。
ホラーの怖さはよくわからなかったりするけれども、人間の怖さにゾワゾワする二作目。
うわ、気持ち悪い。
その気持ちの悪さは三作目の冒頭、身を切るような冷たい水に洗い流される。
……と、読み進めていくにつれ、
鮮明に記憶に残る過去の出来事に、今も彼が縛られていることを知る。
だから探す。異国の地で、かつて知っていた男を。
だから殴り合う。
愚にもつかない殴り合い。だけど、そこにも意味と意地がある。


原点回帰で北方。
馴染んだ文体が心地よい。
「投げてるね」「なにを?」「自分をさ」
くぅぅ、北方~~!

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「万死の追跡 傭兵代理店」渡辺裕之(祥伝社文庫)

タイで行方不明になった青年を探しに行った傭兵たちが巻き込まれたのは、
アメリカの軍事機密を巡るミャンマー・ロシア・中国の暗躍。
結果的にアメリカの失態をカバーするための作戦行動。
彼等を動かすのは大統領の頼みではなく、男の遺言。
エンタメの中にちょいちょい混ざっているリアルが、
深刻に考えさせられるものなだけに読後感が重い。
加えて、え?またですか~~!??というところで終わってしまって、読了した気がしない。
ちょっと続き!続き読まないと!
新たに加入したメンバーが続々と欠けていく展開はそろそろどうにかしてもらいたいかな。



「彼らが拒否権を持った常任理事国として国連にのさばっている限り、
世界に平和が訪れることはないだろう」
哀しいことに、同感なのです。

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「VIP 共鳴」高岡ミズミ (講談社X文庫)

シリーズ番外編。
イタリア系富豪の跡取り問題を主軸に展開する物語。
意図せずして巻き込まれてしまった和孝の行動に対する沢木の悪態に笑う。
いや、本人は笑ってんじゃねーよ!って感じなんだろうけど。
そこまで肝が据わっている和孝だからこそ、
久藤は傍に置くし、惹かれてやまないんだろうなぁ。
沢木はもうずっとそのポジションを担っていくと思うから
(そして沢木自身もそれを望んでいるはずだから)頑張って~。(←他人事・笑)
同じく騒動に巻き込まれた久藤はそれを逆手に取って自らの益に。
そういうとこ、流石だわ。
出来る男は抜かりない。


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「捜し物屋まやま 3」木原音瀬(集英社文庫)

完結巻。
白雄の出生の秘密が明らかに……と思ったら、
まさかの光の出自までが明らかに。
人を殺した、物を盗んだ、等の罪はわかりやすい。
だけど、法できっちりと罰することのできない悪意で人を害する悪人ってホント質が悪い。
嘘に嘘を重ねた悪人はそのうち自滅すると信じたい。
白雄が不可避のものとして覚悟していた「その時」。
回避できた最悪の状態。
和樹は白雄の祖母の意図には気づかないし、
気づいたところでやっぱり二人の在り様はこの先ずっと変わらないと思う。
傍にいるのは互いが互いを選んだから。
久しぶりの木原さん。
とっても楽しく読了。


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