きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「舞闘会の華麗なる終演~暁の天使たち外伝1」茅田砂胡(C・NOVELS)
己の信念や感情を偽ることなく生きる人たちの
嘘のなさとまっすぐさが好き。
「一般市民」だったら曲げたり妥協せざるを得ないところでも、
貫いてしまえる彼らの強さと潔さが痛快。
突然いなくなってしまった母親への思慕を抱き続け、
彼女を探しに宇宙に飛び立とうとした少年がひとり。
そんな彼をどうにか思いとどまらせようと、
人外生物たちの一芝居。
見事なエンディングで少年の親離れと新たなる旅立ちの日……と思いきや。
違った方向に燃え上がった想い。
勝ち目も実りもないと思うわ。
人外生物の方々に振り回されつつも、しっかり馴染んでしまっているダンがやっぱり好き。
「口は災いの元」に大笑いでした。
リィとレティシアの獣めいた関係性がとてもいい。
そして、ジンジャーの勘の良さも人外レベル。
親にとって子共はいくつになっても子供なのねー、と、
しみじみと実感した本巻。
でも私、お尻ペンペンされた記憶はないわ~(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
リィ捨て身の攻撃でルウの暴走は抑えられた。セントラル宙域の壊滅は免れたのである。しかし脱出を急ぐ一行の前にふたたび“悪しきもの”が立ち塞がり、執拗にルウに迫るのだった!『天使の舞闘会』で語られなかった脱出劇の顛末を描く『嵐の後』。さらにダンの息子ジェムが、母親のルウを探しに行くと言い出して大騒動になる『宇宙一不幸な男』の2篇を収録した外伝。
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「ラグビーの情景」藤島大(ベースボールマガジン社)
ラグビー初心者ながらも、
共感を覚える言葉が多々あったのは、
チームスポーツの神髄は、どのスポーツにも共通しているものなのだと実感できるから。
不屈の闘志は「諦めない」こと。
諦めたら何も成し得ない。
一歩先んじるためには「学んだ先の工夫」が必要。
当たり前のことだけど、それを常に己に化すのは難しい。
それらは、スポーツに限らず、実社会でも生きてくる。
この本を読んでいる話をしたおかげで、
四半世紀の付き合いになる友だちが毎年ラグビーの大学選手権を
家族でテレビ観戦をしていることを初めて知りました。
想定外のおもしろさがあるから読書って楽しい。
この本を読もうと思ったきっかけはラグビー漫画を読んだこと。
野球・サッカー・テニス・バレー・バレエ・バスケ・フィギュアスケート・
陸上・剣道・柔道・空手・ボクシング・自転車・バイク。
振り返ってみると数々のスポーツ漫画を読んできたけど、ラグビー漫画は初☆
本棚飽和してるけど、楽しみ♪
「天使の舞闘会~暁の天使たち6」茅田砂胡(C・NOVELS)
進行する物語のスケールの大きさにわくわく感が止まらず一気読み。
デル戦を彷彿とさせるリィをはじめとする彼らの姿に、
私、感動に打ち震えました。
そして、多くを語らずとも理解しあっているケリーとジャスミン。
やっぱりこの二人は並び立ってこそ!
とは言え、楽しいばかりではなく、物語はとてもシビアに展開。
裏切りを糾弾するガイアとリィの言葉にはうなだれるしかない。
避けられなかったルゥとリィの一騎打ち。
この子たちの絆は固いんだけど、とても危うい諸刃の剣。
誰もかれもが相手を「非常識」だと形容する
華麗なる人々の舞闘会は今しばらく続きます。次巻へ☆
「夫婦喧嘩は後で思う存分、寝室でやってくれ」
生死のかかった深刻な場面でのリィのこの台詞、ものっすごいツボでした。
こいうの出されると、デル戦読みたくなるんだよね。
久しぶりにメールをやり取りした友達が「週末デル戦の舞台見てくるよ!」と。
タイミングだなーと思います。
どうだったか話をきかせてもらうの楽しみ♪
内容(「BOOK」データベースより)
リィの身体が光る。黄金の髪は輝き、額には第三の眼のごとき濃緑の宝石をはめ込んだ銀細工の輪。腰に剣を佩くその姿は―シェラのよく知る第一級の戦士の雄姿だった。「おまえが迎えに来てくれ」という一言をシェラに残して、リィは暴走するルウの元に跳ぶ。たとえ二人の再会が死を意味したとしても…。暁の天使たち、完結篇。
「レ・ミゼラブル 下」ヴィクトル・ユゴー(角川文庫)
激動の時代に生きた人々の物語。
19世紀を生きた著者が願った通りの平穏な未来が、
今、この世界にないことが些か残念だと思うと同時に
人間の刻む歴史はそんなものだと思う自分もいる。
一人の男と係わり続けた結果、揺らいだジャヴェールの信念。
二律背反に引き裂かれて自らの未来を閉ざした彼は、頑なに過ぎたのだろう。
そして己の信念に殉じたジャン・ヴァルジャン。
あまりにも厳しく、苛烈な生き様に胸を打たれる。
彼が「幸せだった」と感じられる時を過ごせたことは救いだけれども。
「これからの」幸せにも目を向けて欲しかった。
それだけの贖罪はしたのだと、思うから。
下巻はマリウスの青二才っぷりにイラッとしつつ読了。(苦笑)
奔放なガヴローシュがとても魅力的。
1862年に発行された本。
150年以上たった今でも、その面白さは損なわれることなく、こんなにも惹きこまれる。
岩波→角川と読んできたので、いつか新潮版も読んでみたい。
【ガーディアン必読 49-2/1000冊】
内容(「BOOK」データベースより)
あわただしい時代のなかで、貧しくても上昇志向でがんばっていた青年マリウスは、ある美少女に恋をした。謎の男性といつも一緒のコゼットだ。彼女への思いをつのらせる彼だったが、革命騒ぎのまっただなかに巻き込まれ、絶対絶命となる。そのとき、コゼットと一緒にいた男、ジャン・ヴァルジャンと再会した!ジャヴェール警部、凶悪犯テナルディエなどもまじえながら、壮大な物語は感動のクライマックスへと向かう―。
「女王と海賊~暁の天使たち5」茅田砂胡(C・NOVELS)
そして役者は出揃った。
怒れる女王の驀進は留まるところを知らず。
何で怒っているのかがわかるだけに、再開の瞬間が楽しみだったわけだけど、
ケリーに一発かました後のジャスミンのあんな素敵な告白が聞けるとは
思ってもいなかったわ。幸せ!私が!
並び立つ海賊と女王の姿に、気持ちが弾みます。
キングの貫禄はさすが。
そして、現役軍人を罵る女王の鈍っていない腕前もさすが。
振り回されっぱなしだったダンだけど、
肝心なところではちゃんと行動できる子(40過ぎのおじさまだけど・笑)でした。
一件落着かと思いきや、最後の最後に最も不穏な爆弾が暴発。
次巻、どうなるの!?
軽妙な会話は相変わらず楽しくて。
彼らの心のなかのツッコミがまた楽しくて。
笑いながら読み進めて、ジャスミンの告白でふわっとした気分になって、
最後のルゥの暴走でハラハラして、エンタメ要素満載な読書時間でした。
だからこのシリーズ、やめられない。
内容(「BOOK」データベースより)
ルウが復活し、キングも帰還し、女王は覚醒し、ダイアナも起動した。だがキングは連邦情報局に捕えられ、女王とダイアナには“ダイダロス・ワン”が繰り出した精鋭部隊が接近しつつある。この“加速する非常識”をルウの力で見せられたダンは呆然と呟いた。「…あかい、ひこうき…」絶好調、暁の天使シリーズ最新刊。
「最後だとわかっていたなら」ノーマ・コーネット
永遠の眠りの国に旅立っていってしまった最愛の人のために、
何をやっても「やり尽くした」と思えることは、多分なくて。
その人に対する愛が深ければ深いほど、どこかに後悔の念は残る。
だけど、哀しみを抱えながらも、涙を拭って明日を生きていく人たちは、
差し伸べたやさしさや愛は、旅立った人に確かに伝わっていたのだと、思っていいと思う。
とは言え、想いをきちんとした言葉に乗せて伝えることは、忘れずに心に刻みたい。
「ありがとう」「ごめんね」「大好きだよ」
今日伝えられる言葉は飲みこまずにその瞬間に言の葉に乗せる。
それこそ、明日になって後悔しないように。
詩と写真のマッチングがとても素敵。
内容(「BOOK」データベースより)
もし、明日が来ないとしたら、わたしは今日、どんなにあなたを愛しているか伝えたい。9.11同時多発テロのあと話題となり、世界中が涙した感動の詩の邦訳。子どもを、恋人を、兄弟を、親を…、大切な人を想いながら、この詩を読んでください。
「レ・ミゼラブル 上」ヴィクトル・ユゴー(角川文庫)
意思の力だけではどうにもならないことがある。
置かれた現状の中で、人は足掻きながらも生きていかなければならない。
見ず知らずの他人に子供を預けたのはフォンティエーヌの無知。
だけど、彼女にはそれ以外の手段はなかった。
テナルディエのように子供に辛くあたる大人は、現代社会にもいる。
司教に出会えたジャン・ヴァルジャンは幸運だったけれども、
前科があるが故の偏見に苦しむ人生は変わらない。
係った人が、環境が、人を幸福に導き、或は、不幸に陥れる。
苦難に陥っても綺麗な心を失わない人もいれば、心の底から腐った悪党もいる。
本書はそんな人々の人生を描いた物語だ。
「この世に無知と無慈悲がある限り」
無知は教育で補える。
だけど、無慈悲は外的な力でどうにかなるものなのだろうか?
と、懐疑的な想いを抱いてしまう自分が、ちょっと寂しい。
数奇な男の人生の終着点を見届けるために、次巻へ。
【ガーディアン必読 49-1/1000冊】
内容(「BOOK」データベースより)
貧しいジャン・ヴァルジャンはパンを盗んだ罪で監獄に送りこまれて十数年ものあいだ苦しみ、さらに出所後も差別に悩まされる。しかし、ある司教に出会ったことで生まれ変わった彼は、まったくちがう人生を歩きはじめる。そして、不幸な美女ファンテーヌと出会い、彼女を救おうとするが、執拗に追いまわすジャヴェール警部が行く手に立ちふさがる。フランス文学の金字塔にして娯楽小説の真髄が、コンパクトな新訳で登場。
「ヘブンノウズ 足跡」英田サキ(SHYノベルズ)
温泉旅行にクリスマス。
居心地の良い空間で、人情味溢れる人たちと共に過ごすあたたかさ。
それなのに、それぞれが抱えた想いに泣かされて切ない気持ちで読了。
6歳のミツルの、兄に対する健気でいたいけない想い。
サンタへの願い事に涙が滲んだ。
旭の渋澤に対する報われない恋情。
セフレでもいい、と言いながらも、旭は関係が進展することを切望している。
心の壁に穴を開けたいと言ったのがその証。
だけど、それは渋澤の心の在り様の問題であって、旭にはどうしようもないのだ。
そして、渋澤の想い。
罪を断罪する彼の厳しさは、自らも贖罪を抱えていることを示している。
この先どうなるのかな?ドキドキだわ。
作中での「足跡」の定義がいい。
「生きていくってことは、足跡を残していくってこと。
その足跡でどんな人生を歩んできたかわかる」
揺らいでも、迷っても、遠回りでも。
自分が進んだ方向が進むべき道だったのだと。
思える足跡を刻みたい。
内容(「BOOK」データベースより)
ベストセラー作家の渋澤征武にイラストの才能を見いだされた千野旭は、幼い弟のミツルと一緒に渋澤邸で暮らすようになった。渋澤は恋人をつくらない主義だと自ら宣言していたが、旭は渋澤のキスが忘れられずにいた。あのキスはなんだったのか、何か意味はあったのか?本当は自分の気持ちに気づいているのではないだろうか?旭は渋澤が気になってしかたがなかった。そんなある日、旭は渋澤たちと温泉に行くことになって!?―。
「二人の眠り姫~暁の天使たち4」茅田砂胡(C・NOVELS)
「ルゥ」という一人の存在があるだけで、
物語がこれほど自由に矛盾なく展開する。
これは本当に作者の力量だと思う。
敵として遭遇したリィとキングは即座に戦闘モードに。
腕前はやはり互角。
生粋の戦士同士の命がけのぶつかりあいは、ヒリヒリとした緊張感を孕んでいて
期待以上でした。
そして待ちかねていた女王のお目覚め。
「瞼をかっと見開き、腹筋を使って」跳ね上がるように起き上がる眠り姫には、
私、彼女以外金輪際出会えない気がする。
目覚めた早々、自分のために船を降りたケリィに対して怒り狂う彼女の気質が好き。
キングとクィーンの並び立つ姿は次巻で拝めるのかしら?
みんながダンがお気の毒だってことに気付いてくれて良かった。
リィとキングの真剣勝負をもうちょっと見ていたかったけど、
大怪我だけじゃすまなさそうなのであのくらいで。
出会い頭に違った意味での戦いが展開されそうな
ケンカップル夫婦のご対面がとても楽しみ。
それにしても……ケリィはやっぱりカッコいいと思うの。
内容(「BOOK」データベースより)
キングは蘇ったとたんルウの死体に遭遇する。何が起きたのかさっぱり訳が判らなかった。リィとシェラは数百光年を一気に飛んだ。しかし事態を何も把握していなかった。混乱の中、一同は“ダイダロス・ワン”―連邦情報局本部に集ったのだ。だが、彼らは互いの存在を知らぬがゆえに相手を容易ならざる敵として認識、必殺の攻撃を繰り出した。
「HHhH~プラハ、1942年」ローラン・ビネ(海外文学セレクション)
作中で物語を進行するのは著者自身。
俯瞰しているのと同時に、渦中に在る視点。
故に、臨場感を伴って、より視覚的に事象が伝わってくる。
「歴史」ありきの物語。
語られるのは「人の」ではなく「時代の」狂気。
虐殺された人々の姿を、その数を思い描くことを、頭が拒絶する。
だけど、穴の中に折り重なる死体から目を背けてはならない。
これは、その死体の山を築いた男と、その男を暗殺した男たちの物語。
そして、彼らに係ったが為に、皆殺しの憂き目にあった人たちの物語。
ここまで詳細に調べ上げ、物語として完成させた著者に、敬意を。
圧巻でした。
「どうして自分の仲間を裏切ることができたのか?」
「百万マルクも貰えるとしたら、あなただって同じことをしたと思いますよ」
一緒にしないでよ!と、心の底から叫びたい。
懸命に暗殺者を支え続けたのは、「同じことをしない」人たちだ。
密告がなくても、もしかしたら彼らは発見されたかもしれない。
だけど、万死に値するのは裏切り者のチュルダだと思えてならない。
気になる方のために「HHhH」の意味。
「ヒムラーの頭脳はハイドリヒ(ユダヤ人大量虐殺の首謀者)と呼ばれる」
内容(「BOOK」データベースより)
ユダヤ人大量虐殺の首謀者、金髪の野獣ハイドリヒ。彼を暗殺すべく、二人の青年はプラハに潜入した。ゴンクール賞最優秀新人賞受賞作、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞受賞作。