忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「パブリックスクール-八年後の王と小鳥-」樋口美沙緒(キャラ文庫)



在るがままの自分を愛してもらいたい。
それは、誰もが心に秘めた想い。
だけど、己の弱さも狡さも、二人で歩んでいく上での困難すらすべて晒すして、
愛してほしい、と、言える人は、多くはない気がする。
震えながら口にしたエドのそんな想いに胸が軋んだ。
そして、この先に立ちはだかる困難ごと、エドを受け入れた礼。
文化の違い。考え方の違い。立場の違い。
全てを受け入れ、自分の在り方は揺るがず、だけど、歩み寄り。
全身全霊で互いを愛している。
いつか必ず、その愛は伝わる。
レイの母の言葉がいつまでもリフレインするような読後が好き。
叶うまではとても苦しかったけど、とても素敵な愛の物語を読ませていただきました。

ペーパーでは素の彼らの日常が描かれていて、とてもとても楽しかった。
「400年」と「愛」というキーワードに、某ミラージュの某直江氏(伏字になってない)が
オーバーラップして違う意味で震えました。(笑)





拍手

PR

「あひるの空 45」日向武史(マガジンコミックス)



「懸けるのは 今だけでいい」
相変わらず綴られる言葉に抉られる。
このメンバーと出逢えたことが奇跡。
共に戦えるのは、今この時だけ。
だから、全力のプレイを。
賢明な彼らの姿が本当に好き。
女子の試合もとても良かった。
新とまどかの友情もとてもいい。
「私を動かした人」
それはお互いに言えることだよね。
自分の全力でのプレイが、全力での声が、相手にとっての力になる。
そんな出逢いも奇跡。
そう思えば、今の自分も小さな奇跡の積み重ねに支えられて、今がある。
みんなキラキラとした宝物。
大切にしたい。
妙院との試合はこれから。
続刊が楽しみ。

大切な人を失った哀しみを抱えているはずなのに。
空のおおらかさって、癒しだなーと思います。
真琴のトゲトゲしさ、なくなるかな?
百春の懸命なダンク顔に大笑い。
やっぱりこの子、好きだわ~。






拍手

「長いお別れ」レイモンド・チャンドラー(



時に冗長に、時に退屈に進行する物語。
だけど、片時も目を離せない。
気付けば、引きずり込まれるように頁を捲りつづける自分がいる。
特別に飾り立てられることはなく、ただ淡々と綴られる彼らの日常。
交差する想い。
少しずつ肉迫していく真実。
そして、ラストにはあまりにもドラマティックな展開が待っていた。
ちょっと震えました。私。
亡くなった友だちのためにコーヒーを淹れるシーンがとても好き。
あんなふうに誰かを偲びたいし、偲ばれたい。
「さよなら」
作中の人物達が何度も何度の口にする言葉。
また会える「さよなら」
二度と会えない「さよなら」
彼らの交わす最後の「さよなら」がとても切なく響いた。

何がびっくりって、再読にも係わらず、
話の展開を全く覚えていなかった自分にびっくり。
でも、おかげでとても楽しく読めました。
初読が1992年って……いくつだ?(笑)
これ、ある程度人生を経験しないと楽しめない物語なのかも、と、
今の私はしみじみと思います。
1992年の私の感想は唸ってました。(笑)
改めて読めて本当に良かった。

拍手

「水滸伝16 馳驟の章」北方謙三(集英社文庫)



童貫の在り様をみていると、なぜか「風林火山」を連想する。
脈々と力を蓄えつづける静かなる山。
内に抱えたマグマを放出する瞬間を思うと、ゾクリとする。
ここにきて初めての童貫との遭遇。
その力は、とてつもなく強大。
暗躍により、幾人もが命を落とし、
二年の時を賭けた公孫勝の計略がいよいよ決行される。
仄暗さの漂う展開の中で、女傑二人の酔いっぷりが哀しくも微笑ましい。
悲しみは日常の中で癒される。
生きている人間は、死者の思い出を抱えながらも、
一日一日踏ん張っていくしかないのだ。
燕青と洪清との対峙はとてもとても痺れた。
そして、胸襟を開いた郝親子の姿は清涼剤でした。

解説がまさかの吉川晃司。
北方の浪漫を熱く語ってくれる姿は文字通り「ロックンローラー」でした(笑)
北方との対談で彼が「人生の大きな岐路に立ったとき、北方さんの『三国志』に出会って、そこからずいぶん学ばせてもらったし、読んでかなり助かった」と語っていらっしゃいましたが。
私にとっては北方の『水滸伝』がそうなのよね。
生きる勇気をもらった本です。
いや、もうちょっと力抜ける感じかな?
なるようになる!とりあえず生きてる!(←肯定的にね)と思えた本。

内容(「BOOK」データベースより)

梁山泊は戦によって、潰滅寸前にまで追い込まれていた。回復の時を稼ぐため、侯健と戴宗が偽の講和案を持って高〓(きゅう)に近づく。また、晁蓋を殺した史文恭が再び動き出した。名を変え、商人になりすまし、次なる標的のそばで暗殺の機を待ち続けている。それに対し、公孫勝は袁明の首を狙っていた。堅牢な守りをかいくぐり、いま、致死軍が青蓮寺を急襲する。北方水滸、暗闘の十六巻。

拍手

「パブリックスクール~群れを出た小鳥~」樋口美紗緒(キャラ文庫)



エドの卒業と共に終わりを告げた学び舎での時間。
気心の知れた友人たちと、年相応に過ごすことができた最後のクリスマス。
このシーン、とても好き。
幼いなりにレイがエドの想いを懸命に考えて、
そして答えに至る流れがとても透明で綺麗で。
何度もなぞってしまいました。
別離から8年後の再会へと、時間は流れる。
ここからがとてもドキドキした。
レイとエドがどんなふうに距離を縮めていくのかと思ったら、
ギルの最後の一押しでの、案の定なエドの臨界点突破。
とはいえ、やり取りの何もかもが、とてもこの二人らしい想いの伝え方だった。
心の底から良かった!と思えるエンドです。


レイの鈍さは最初にエドがレイの視界を塞いだことに端を欲するわけで、
気付いてもらえないのは自業自得じゃーん。
と、思っていたわけですが。
エドの背負っていた家の業は、
計り知れないくらい重かったことを知らされて、ごめん、と思ってみました。
泣いたら負けだ!と、言い聞かせながら読んでいた私は、
何と戦っていたんだか。
ハピエンでしょ!と、決めてかかっていたので、なんか泣くのが悔しくて。
これでバッドエンドだったら意外過ぎて気絶したと思います。(笑)
貸してくれたお友達に感謝☆次巻が楽しみ~♪


内容(「BOOK」データベースより)

ハーフタームの休暇中、無人の校内で昼夜を問わずエドに抱かれる礼。これは言い付けを破った罰だ―。わかっていても、エドを独占できる喜びと快楽に溺れる日々…。ところが、休暇が明けると、たおやかな美貌の編入生・ジョナスが復学!!エドの恋人らしいとの噂に、礼は不安と嫉妬に駆られ!?閉鎖された檻の中―一瞬の煌めきが彩る少年時代に、生涯ただひとつの恋に堕ちる、奇跡の純愛!!

拍手

「水滸伝15 折戟の章」北方謙三(集英社文庫)



激戦。そして散華。
数に勝る宋軍との文字通りの崖っぷちの死闘。
負傷者や女子までもが一丸となり、
ギリギリのところでしのぎ切った戦い。
だが、犠牲はとてつもなく大きかった。
死にゆく彼らの最後に目にした光景が、胸に焼き付いてやるせない。
一方で、子供達が確実に成長している姿には、とてもほっとする。
命は受け継がれる。
次の世代に。
大人たちの生き様を、彼らは確実に覚えている。
単廷珪と対峙する林冲の、どこか悲しい優しさが好き。
「自分には同志がいる」
「仲間がいるのがうれしい」
屈託なく言える男達のそんな想いが、たまらなく好き。

北方の『破軍の星』を読みながら「朝廷のバカバカバカぁ!!」と思っていたわけですが。
今回の宿元景の姿を見ながら同じ思いを抱いてみました。
さぞかし無念だったかと……勅命?アホだわ、本当に。
杜興は本当にみんなに愛されてるなーと思うわけだけど、
がっくりした彼の気持ちを思うと切なくなる。
私、梁山湖がとても好きなんだなーと、改めて実感。
梁山湖を照らす月明りをとてもとても夢で見たい。



内容(「BOOK」データベースより)

どの寨が崩れても、梁山泊は潰滅する。極限状況の中、各寨は必死の防戦をしていた。特に激しい攻撃に晒された流花寨は、花栄らが死を覚悟して闘い続ける。しかし、官の水軍の進攻が始まり、それも限界が近づいていた。一方、宣賛は起死回生の策を考え出す。密かに李応や索超、扈三娘を北京大名府に急行させた。梁山泊の命運を握る作戦が今、静かに始まる。北方水滸、危局の十五巻。

拍手

「パブリックスクール~檻の中の王~」樋口美紗緒(キャラ文庫)



たった独りの誰かとの出逢いが、こんなにも誰かの世界を変える。
エドと出会ったことで、レイの世界は愛に満ち、そして閉ざされた。
そして、オーランドと出会ったことで、閉鎖された世界は外界に向かって解放される。
外に向かって溢れていく想いが鮮やかに伝わってきて、
それまでの鬱々とした想いが一気に吹き飛んだ。
母の愛情を一身に受けて育ったレイと、
親の愛情を知らぬまま、孤独のなかで育ったエド。
だからエドはレイを拘束しようとし、レイは広い世界へと踏み出すことを選んだ。
客観的な者には互いの想いは伝わってくる。
それこそ、痛いほどに。
当人同士はどうなのかな?
なんだか空まわっている気がしてならないのですが……
続刊展開が楽しみです!

小声でぶっちゃけますが、食事中のセックスはキツイと思うの。
でもそれもエドの歪んだ愛情なのかな?
自分では多分、買わなかった本。
貸して下さったお友達に感謝l。
ありがとうございます!
次巻も楽しみ。


内容(「BOOK」データベースより)

名門貴族の子弟が集う、全寮制パブリックスクール―その頂点に君臨する、全校憧れの監督生で寮代表のエドワード。母を亡くし、父方の実家に引き取られた礼が密かに恋する自慢の義兄だ。気ままで尊大だけれど、幼い頃は可愛がってくれたエドは、礼の入学と同時に冷たく豹変!!「一切誰とも関わるな」と友人を作ることも許さずに!?厳格な伝統と階級に縛られた、身分違いの切ない片恋!!

拍手

「肩胛骨は翼のなごり」デイヴィッド・アーモンド(創元推理文庫)



どうか、彼女の鼓動が止まってしまいませんように。
どうか、彼の翼が美しく広がりますように。
子供の体温を、そのぬくもりを知っているからこそ。
そして、妹を愛おしく思う兄の気持ちが伝わってくるからこそ。
どうしようもなく胸が締め付けられる。
必死で生きようとする存在がある一方で、
ただそこに「在る」だけの彼の姿にやるせなくなる。
彼に翼を与えることができたのは、子供たちの純真でひたむきな想いがあったから。
だから彼は、彼女の枕辺に立った。
祝福を与えるかの如く。
込み上げる涙の意味を考えることに意味はない。
透明な想いに心が震える。そんな物語。

この邦題が秀逸すぎて、何度も何度も反芻しました。
反芻すればするほど泣きたくなるのは、
彼らが私がどこかに置き捨ててきてしまったものを、
綺麗なままで抱えているから?
とてお素敵な物語。
「この子を、愛して、愛して、愛してあげる」
そう言うキミも、愛されるべき存在。
リウマチの症状をなんとかやわらげてあげようと、懸命であったキミ。
優しい想いに包まれて、
読了直後の私は、これを打っているだけで涙ぐんでしまいます。

内容(「BOOK」データベースより)

引っ越してきたばかりの家。古びたガレージの暗い陰で、ぼくは彼をみつけた。ほこりまみれでやせおとろえ、髪や肩にはアオバエの死骸が散らばっている。アスピリンやテイクアウトの中華料理、虫の死骸を食べ、ブラウンエールを飲む。誰も知らない不可思議な存在。彼はいったい何?命の不思議と生の喜びに満ちた、素晴らしい物語。カーネギー賞、ウィットブレッド賞受賞の傑作。

拍手

「水滸伝14 爪牙の章」北方謙三(集英社文庫)



移ろいゆく時間の分だけ、様々な出来事が起こる。
戦の最中にあっても、家庭を持つものが増え、恋に患う者がいる。
史進と鄒淵の、いかにもな男子らしい屈託のない振る舞いが大好きだ。
指揮官と部下であり、かけがえのない友でもある。
だからこそ「行くよ、俺」の言葉が胸に刺さった。
王進の元で暮らした者たちの活躍が目覚ましい。
悲しみの光を宿した張平が、歳の近い楊令と共にどう成長していくのか。
これからが楽しみだ。
梁山泊の殲滅を掲げ、総力をあげて進軍してきた官軍。
数での圧倒的な不利を梁山泊側はどう凌ぐのか。
膠着した状況下での花栄の一矢はあまりにもお見事。
だが、ここから苦しい展開が続く……

小説は書き出しの一文が大事!という話を読友さんがされていましたが。
私、この巻では後書きの書き出しにぎゅっとやられました。
そうだよね、と、とってもとっても頷きました。
うん。私、この時代、この場所に生まれてきてよかった。
そうじゃなかったら、今つながっている皆と出会えなかったから。
今、こうして楽しく読んでいる本と出会えなかったから。
そして、『ゲバラ日記』を読みたくなるわけですが……
どこにしまってあるかはわかっていても、発掘するのが大変なのです(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

梁山泊は、威勝の田虎の叛乱が青蓮寺の策略だと看破した。近くの石梯山に魯達や鄒淵らを派遣し、切り崩しを図る。しかし、田虎に雇われた張清が、精強な傭兵部隊を率いて立ちはだかった。一方、官は梁山泊の完全殲滅を決意する。禁軍・地方軍・水軍あわせて20万の軍兵を投入してきた。兵力で圧倒的に劣る梁山泊に対し、空前の規模の攻撃がついに始まる。北方水滸、焦眉の十四巻。

拍手

不在の痕~ヘル オア ハイウォーター2~S・E・ジェイクス (モノクローム・ロマンス文庫)



気軽く背負うには、余りにも重すぎる二人の過去。
傍にいない方が安全だ。
そんな判断から一度はプロフェットの元を離れたトム。
同じ懸念を抱いていたプロフェットは、
もう二度と、トムの手の届かない所へ足を踏み入れかけていた。
ギリギリで、間に合ったのだ。
離れ離れだった二人のあまりにも劇的な再会に安堵すると同時に、
その抱擁の激しさに、互いにどれだけ渇えていたのかを思い知らされる。
ハリケーンが直撃した町で殺人事件に巻き込まれた二人。
ろくでもない事件の中で、次第に気持ちを寄り添わせていく二人の距離感がとてもいい。
ラストの占い師の言葉にうっかり涙ぐみそうになってしまった。

この表紙、本当に綺麗で大好き!
「畜生、こんなにおまえのそばにいたいなんて、いい加減どうかしてる」
「そのセリフ、そのまま返してやるよ」
傭兵稼業をこなす、戦える男たちのこんな台詞がとても好き。
ワニを捕獲するにはどうすればいいのか。
頭では理解してみました。←実地は絶対無理!
続編、絶対あるよね。




内容(「BOOK」データベースより)

民間傭兵派遣会社EEの仲間たちの前から完全に姿を消したプロフェットは、地の果ての砂漠で核物理学者の娘の保護をしていた。もうEEに戻ることはない―そんな彼を引き戻したのは、新たなパートナーを選びながらもしつこく送り続けてくるトムからのメールだった。ハリケーンの中、ルイジアナのトムの叔母の家で再会した二人は、その直後、地元の殺人事件に巻き込まれる。被害者はマイルズ―トムとかつての恋人・エティエンヌの少年時代を地獄にした男だった。そしてプロフェットの携帯にエティエンヌからの呼び出しが―。湿地帯の中に封印された秘密が、次々と暴かれてゆく―人気シリーズ第二弾。

拍手

  

カレンダー

05 2025/06 07
S M T W T F S
2 3 6
8 10 11 13
15 17 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]