きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「閃光と共に跳べ」かわい有美子(ルチル文庫)
向けられる盲目的な信頼。
背中どころではなく、命すら預けることのできる相棒。
イチャついていても、喧嘩していても、戦っていても。
並び立つのが絵になる二人だし、
ずっと一緒にいてほしいなーと思う二人です。
相変わらず橋埜はクールで強くて
意地っ張りで色っぽかったです。
大好きな犬伏を詰って幸福に浸る橋埜が好き。
大らかで思慮深い犬伏の懐の広さが好き。
そして私はかわいさんの書く話が好き。
だから言いたい……という、編集さんに対する一言は下で。
犬伏のノロケを真面目に聞いていた飯田が、気づけば逆にノロケていたのには大笑いでした。
編集さんの注意……いらない。
個人的には作家さんの「書きたい」を優先してほしいなーと。
かわいさん曰くの「ヌルイ」話が読みたいわけじゃなく、
私は「かわいさんの」ガッツリ書かれた話が読みたいのですよ。
ま、オトナの事情もイロイロあるのでしょうが……ね。
内容(「BOOK」データベースより)
ハイジャック事件を機に互いを唯一無二と認め合ったSAT隊員の橋埜と犬伏。怪我を負った橋埜が制圧班から指揮班に異動した現在も、表面上は言い合いながら心身ともに堅く結ばれていた。あるとき、いつもの口喧嘩のあと素直になれないまま別れたふたりは、後日待ち合わせた商業施設内で爆弾テロに巻き込まれる。体育会系×毒舌クール美人、SATシリーズ!
PR
「S20/戦後トウキョウ退魔録」(NOVEL0)
表紙の雰囲気からもっとハードでアクション依りな物語かと勝手に思っていたわけですが。
どちらかと言えばコミカル。
でも、時々印象深い言葉をサクッと放ってくる物語でした。
独立した短編の連作。
それぞれの話に織り込まれた、読み終わった時にああ~!それ!と、
膝を打ちたくなる事象が面白い。
笑うところかどうかは謎だけど
「申す 裏谷 申す 裏谷」で爆笑でした。
(脳内映像は「ハイカラさんが通る」。意味不明でゴメンナサイ)
「人間を捨てるな!この世界に絶望するな!」
戦後を生き抜いて今に繋いだ人たちに、心からのありがとう!を。
昭和20年代のああいう描写を見ると、
どうしても『老犬シリーズ』が頭を過る北方脳(笑)
河童のエピソードは良かった。
内容(「BOOK」データベースより)
時は昭和20年。場所は東京亀戸で。敗戦後の混沌とした日本を生き抜く男が二人。紙芝居屋を営む不器用な男が二人。その名、茶楽呆吉郎と襟之井刀次と申します。不治の呪いに機械仕掛け。二人が掲げる看板は、『不思議問題解決承リマス』
「鮮烈に闇を裂け」かわい有美子(ルチル文庫)
甘いだけが恋愛じゃないよね、と思っているので。
(波風ないのに越したことはないけどね)
恋を知らずにきたアキラの、相手の真意が読めずに陥る苦悩は、
恋愛の醍醐味よ!と、拳を握ってみました。
とはいえ、私も一緒に切なかった。
アキラが本当に良い子で、
でも、頑固な一面もちゃんと持ってることにほっとしました。
そして、言葉が足りないくせに手は早かった飯田は、とりあえず悩むがよいと思ってみました。
ああ、でも本当に!
大事に想いあえる二人がちゃんと寄り添うことができてよかった。
天涯孤独な身の上だった彼に、あたたかな居場所ができてよかった。
そして私は犬伏×橋埜が大好きなので!
橋埜のツンぶりに拍車がかかっていて心が躍りました(笑)
「イチャイチャしたい」と普通に言えてしまう屈強なゴリラ…もとい、犬伏の度量の広さがいい。
内容(「BOOK」データベースより)
SAT第一制圧班の高梁晄に第二班へ移るよう内示が出た。小柄で身が軽く手先も器用な点を買われての異動だが、第二班班長の飯田真也が第一班にいた際、高梁を密かに気にかけていたことも関係していた。無口な飯田に初めは戸惑う高梁だが、あるきっかけからつきあうことに。そんな折、銀行で立てこもり事件が発生、高梁が現場への潜入を命じられ―。
「LAコンフィデンシャル 下」ジェイムズ・エルロイ(文春文庫)
貫いた正義。
故に失くした大切なもの。
憎悪を越える正義。故に生れた連帯感。
どんな名声を与えられようとも。
どんな泥にまみれようとも。
結局彼らは警察官でしかなかった。
そして、彼らをもってしても、裁ききれなかった害悪。
あと少しで安寧を手に入れられたはずの男。
満身創痍で表舞台から去らざるを得なかった男。
残った男は彼に対して正義を誓う。
その瞬間が、とてもやるせない。
読後に残るのは、前作と同じく悲哀。
湖畔の家でのリンとエドの情交もひどく切なかった。
過去から現在へ。
点在する事象がすべて繋がっていく後半は圧巻でした。
そして物語は『ホワイト・ジャズ』へ。
暗黒四部作の最終作。
以下、若干ネタバレ??いや、心構え??
『ホワイト・ジャズ』を読まなければ、物語は真のカーテンコールを迎えることはないようです。
『LAコンフィデンシャル』ですべての片が付くと思っていると、
ラストで「ちょっと待って!」と絶叫したくなります。私はもやもやしました。
【ガーディアン必読 41/1000冊】
内容(「BOOK」データベースより)
事件その1、“血塗られたクリスマス”。署内のパーティで酔った刑事たちが勾留中の容疑者に集団暴行!事件その2、コーヒー・ショップ“ナイト・アウル”で虐殺事件発生!事件その3、複数の余罪を暗示する、あまりにもどぎつい変態ポルノ写真の犯濫!事件1、2で明暗をわけた三人は、それぞれのやり方で悪の中枢へと近づいてゆく。
「収容所から来た遺書」辺見じゅん(文春文庫)
タイトルの意味が呑みこめたとき、自然と背筋が伸びました。
戦後、シベリア収容所に抑留されていた多くの日本人たち。
先の見通しの全く立たない絶望的な状況下でも、
彼らを励まし続けた男がいた。
教えられたのは、人々を勇気づける言葉の持つ力。
学び続けることの大切さ。
現状を悲観しない強靭な精神力。
10年以上に及ぶ抑留生活の中で、
彼に精神的に救われた多くの男たちの想いが切々と伝わってきた。
彼らはどれだけの想いで約束を果たしたのか。
人と人。
こんなふうに結ばれる絆が、確かにある。
語り継がれるに相応しい史実の書かれた良書。
しばらくは「白樺派」の言葉を目にするたびに、胸がチクリと疼きそうです。
帰国する彼らを追って海に飛び込んだクロのその後が追記されていて、安心しました。
基本的には感情に流されて読書する質なのですが、
今回は絶対に泣かない!と自分に言い聞かせ、いろんなものを食いしばって読了しました。
内容(「BOOK」データベースより)
敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕われ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を欽慕する仲間達の驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかい潜ったものだった。悪名高き強制収容所に屈しなかった男達のしたたかな知性と人間性を発掘して大宅賞受賞の感動の傑作。
「あひるの空 44」日向武史(マガジンコミックス)
「変革」
自らの弱点を知り、のびしろを探す。
そして、新しい自分に。
自発的に強くなろうとする子たちは驚くほどの速さで
進化し、そして飛躍する。
3回戦を前にした練習期間。
与えられた僅かの時間の間、
それぞれが、それぞれにできることを模索している姿には、
心からエールを送りたい。
「勝ちに行く」
それは必須の想い。
試合に臨む前に勝つことを望まない者は、最初から勝ちを放棄したのと同義だと思う。
通りすがったチャッキーは別れた道と戻らない時間の象徴かな。
やるだけやって三回戦へ。
勝つか負けるか。結果はどちらかでしかない。
千秋がカッコいいなーと思うたびに敗北感に苛まれるのは、もうデフォです。(笑)
個人的に大好きなのは百春なんですけどねー。あとトキワ。
そして、百春とマドカの醸し出すなんともピュアでちょっと切ない雰囲気が大好き。
「LAコンフィデンシャル 上」ジェイムズ・エルロイ(文春文庫)
出世欲。偏見。嫉妬。
歪んだ使命感。衝動的な暴力。
泥臭さ満載のロス市警の警官たち。
彼らは平気で嘘をつき、自分の都合の良い話をでっち上げても、
自分自身に対しては率直で、嘘はついていない。
だから、彼らの行為に眉を潜めても、嫌悪するには至らない。
それぞれが掲げる正義があって、それが噛み合わないものだから、
同じ事件を扱っていても、真っ向から対立するハメになる。
ありえない仮定だけど、彼らが同じ方向を向いて同じ志を抱いたら、
とてつもない力を発揮できそうなのに。
ちりばめられた伏線が時々カチリとはまりながらも、
幾つもの謎と混乱を抱えたまま、次巻へ。
前作でもそうだったけど、導入部の
登場人物の多さに整理がつくまでは、なかなかに大変でした。
とはいえ、気づけば途中からは一気読み。
こちらの作品はできれば『ビッグ・ノーウェア』からの流れで
読んで頂くことをおススメします。
今回印象に残った単語ナンバーワンは「メリケンサック」。
アメリカ警察の支給品に「メリケンサック」あるの!?←ありません。
内容(「BOOK」データベースより)
賄賂、密告、拷問、虐殺…あらゆる悪行を身にまとって、50年代暗黒絵図を織りなすロス市警のタフな面々。血塗られたクリスマスからナイト・アウルの虐殺へ、血まみれのLA50年代ふたつの大事件。
「饒舌に夜を騙れ」かわい有美子(ルチル文庫)
戦いの中に在って、無条件で背中を預けられる存在に出会える確率は如何ほどか?
互いの隣に立つ居心地の良さを知ってしまったら、離れられないだろう。
その存在を失うかもしれない恐怖。
もう、会えなくなるという諦念。
肌を触れ合わせたきっかけはなんであれ、
なるべくしてなった二人だと思う。
0か100か。橋埜の潔い苛烈さが好き。
自分から誘ったことに負い目を感じて
全力で逃げた橋埜を捕まえた犬伏の謀はお見事でした。
かわいさん流のSATの仕事ぶりは本当にカッコよかった。
男臭い寮生活が楽しそうなのは相変わらず。
大満足な一冊です。
とりあえず、バブル上等!と言っておきます(笑)
エロオヤジ化した犬伏は橋埜にとって想定内だったのか、想定外だったのか。
どっちにしても幸せそうだし、大事にしてくれる感がダダ漏れてるので良し☆
内容(「BOOK」データベースより)
SATの制圧班班長・橋埜祐海はクールな外見によらず中身は熱く、同期の犬伏和樹に対してはとにかく口が悪い。その犬伏は、橋埜とは対照的にパワフルな体育会系で面倒見のよい性格。部下の高梁が犬伏を密かに慕っていることに橋埜は気づいていたが、自分もまた犬伏を憎からず思っているため複雑な心境だった。そんな時、ハイジャック事件が発生して!?―。
「牧師館の殺人」アガサ・クリスティ(ハヤカワ文庫)
冒頭部分での噂好きのご婦人たちのかしましさについていけるのかとビクビクしたけど、
素人探偵の皆々様の推理展開に、いつしか引き込まれていました。
閑静な田舎町での殺人事件。
ヒリヒリした緊迫感のないままに進行する真犯人探し。
だからこそ、余計に彼らの暮らしぶりや人となりが際立った気がします。
少しずつ浮かび上がってくる事実。
垣間見える誰かの思惑。
語られる真実。そして嘘。
絡まる糸を解きほぐし、真実へとたどり着く過程は十分楽しめました。
そして、事件とは全く関係ありませんが
牧師の若い妻、グリゼルダがなんだいかとってもチャーミングでした♪
いちばん不可解だったのは、料理のできないメイドをずっと雇い続けていること。
どうせ作ってもらうなら美味しい料理が食べたいです!(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
嫌われ者の老退役大佐が殺された。しかも現場が村の牧師館の書斎だったから、ふだんは静かなセント・メアリー・ミード村は大騒ぎ。やがて若い画家が自首し、誰もが事件は解決と思った…だが、鋭い観察力と深い洞察力を持った老婦人、ミス・マープルだけは別だった!ミス・マープルの長篇初登場作を最新訳で贈る。
「狂犬」剛しいら(キャラ文庫)
品行方正の道を歩みながら、そんな殻を破りたかった立佳と、
戦闘の中に身を置く生き方しかできないと思いつつ、
安らげる場所を欲っていた鬼塚。
二人の関係の始まり方は最悪でも、
立佳の柔軟さと生真面目さ、そして腹の座り具合がオトコマエで、
悲壮感が感じられなかったのにはちょっとほっとした。
あれがただのレイプになっちゃうとちょっとキツイ。
敵を容赦なく殺すだけの戦闘力と決断力を持った男は
仲間を守れないことに罪悪を感じ、他人を思いやる優しさをも心の中に秘めていた。
だから、人がついていくんだろうなぁ。
ブレずに闘い抜いた二人はカッコよかったです。
元傭兵、テロリスト、ヤクザ、CIA。コルガバにジグ・ザウエル。
BL+ハードボイルド=私の好み満載。
よって、この話、上下巻でガッツリ書き込んでもらえるととっても嬉しかった!
いや、一冊でも面白かったんですけど。
何にでも食らいつく凶暴な男―あだ名は“狂犬”。警視庁テロ対策課勤務の立佳(はるか)は、その男・鬼塚(おにづか)にたった一人で接触する羽目に! 元傭兵の鬼塚は、秘密裏に入国した要注意テロリストの情報を唯一握っているらしい。しかし鬼塚は「服を脱いで這いつくばれ」と初対面の立佳を、銃で脅しながら強引に抱いてきて…!? 硝煙の匂いをまとう男と、暗殺の恐怖に身を晒す――緊迫と官能の三日間!!