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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「クリスマスキャロル」ディケンズ(新潮文庫)



過去の自分と向き合い、現在の自分の境遇を突きつけられ、未来の自分を知る。
幽霊たちに導かれて心を入れ替える機会を与えてもらえたスクルージは幸せだと思う。
目の前を流れる事象に心を痛めたのは、まだ良心が残っていた証。
ボブもフレッドもたぶんマーレイも、スクルージを見捨ててはいなかった。
やっぱり彼は幸せだと思う。
どん底に落ちることなく、人の心のあたたかみに気づいて
彼らの想いに報いることができたのが、スクルージの一番の幸せかな。
因果応報。
この言葉は真理だと思う。
だから私は、ボブやフレッドの想いが通じたことこそが、なんだか喜ばしかった。

ぶっちゃけ、スクルージの人生は自業自得というか、因果応報というか。
自分でそういう道を選択して歩いていったんでしょ?と思うわけで、
彼の周りの人たちの思いが報われたってことが、私的なこの本の感動ポイントでした。
……って、ちょっとズレてるかしら?(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

ケチで冷酷で人間嫌いのがりがり亡者スクルージ老人は、クリスマス・イブの夜、相棒だった老マーレイの亡霊と対面し、翌日からは彼の予言どおりに第一、第二、第三の幽霊に伴われて知人の家を訪問する。炉辺でクリスマスを祝う、貧しいけれど心暖かい人々や、自分の将来の姿を見せられて、さすがのスクルージも心を入れかえた…。文豪が贈る愛と感動のクリスマス・プレゼント。

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「あなたに会えたから」キャサリン・アンダーソン(二見文庫)



失語症という障害を負いながらも、
誰かに寄りかかることなく、自立して生きていくことを望み、
背伸びせず、自分にできることを丁寧に積み重ねるローラ。
健常な私も、彼女の生きる姿勢からは学ぶところがたくさんある。
そんな彼女の雇用主であるアイザイア。
人となりを知るにつれ、お互いに惹かれあっていく過程は微笑ましいものだったし、
アイザイアの告白はとても素敵だった。
彼のやさしさとおおらかさはもちろん申し分ないんだけど、
つまみ食いしたり、ミートボールで窒息しかけるところがなんだかとっても可愛い。
初夜が上手くいかなかったあとのローラの努力は称賛に値すると思います。
ふんわりやさしいお話でした。

「キッチンにいるとき、きみはただ料理をしているわけじゃない。
 贈り物を用意してくれてるんだ」
そんなアイザイアの言葉を受けての、
「キッチンにいるとき、ローラは料理を食べてくれる相手のことを考えている」
この件を読みながら、ああ、なんだか私、惰性で料理してる感あるわー、と、
反省しました。
さすがにね。
毎回毎回全力では無理でも、時々は贈り物みたいなお料理できればいいなぁ。


内容(「BOOK」データベースより)

仕事に生き、恋や結婚とは縁遠い人生を送ってきた獣医のアイザイア。そんな彼がある日出会ったのは、ローラ。五年前の事故がもとで失語症となり、キャリアを失ってしまった女性だった。クリニックで動物を世話するスタッフとして働きはじめた彼女は、困難にも負けず、ひたむきに仕事をこなしてゆく。やがて、ふたりはお互いを強く意識しあうようになるが、なぜか次々と、ローラの周囲で不穏な事故が起こりはじめる…。全米ベストセラーのハートウォーミング・ロマンス。

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「薔薇の奪還」夜光花(SHY NOVELS)



あれから三年。
仲間を救い出すための強さを身に着けた啓。
サンダーと一緒に試練の間で鍛錬に励むシーン、好き。
いや、どん底でもポジティブさを失わない啓が好きなのかな?
ギリギリの状態で救出されたラウル。
そして、ギリギリのところで目覚めたレヴィン。
集った仲間を先導するにふさわしい成長を遂げた啓。
薔薇騎士と守護者。啓を中心に左右に並び立つ双璧。
ラウルとレヴィンがお互いを許容しなくとも、
認め合っていることがわかる雰囲気がすごく好き。
そのうち絶対やってくれると思っていた三人で☆も堪能出来て満足。
甘い雰囲気にならずにレヴィンとラウルがガルガル牽制しあっているのがいい。
このままで……と願うのはダメなのかな?
テンポよく進む話は、不穏な気配を伺わせて、次巻へ。
結末を早く知りたい気持ちを抑えて、読み進めます。



内容(「BOOK」データベースより)

不死者の血を引く者として、薔薇騎士でありながら薔薇騎士団から追われる身となった啓。ずっと啓を見守ってきた守護者であるレヴィンは啓の血によって死にも似た眠りにつき、もうひとりの守護者であるラウルは啓を救うために、宿敵アダムの手に落ちていた。誰が本当の味方なのかさえわからないなか、ふたりの守護者を想い、ときに孤独に囚われる啓だったが…薔薇騎士と守護者、離れることのできない運命が再び動き始める。

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「幸福な食卓」瀬尾まい子(講談社文庫)



読後にジワリと涙がこみ上げました。
不器用でも、回り道をしても、懸命に前にむかって歩いていこうとする人たちの物語。
ちょっとびっくりする宣言も、おおらかに受け入れる家族。
だけど、それは彼らがとても苦しい思いをしてきたから。
奔放なようで、実は誰よりも家族のことを考えているから。
そこここから滲むやさしさが、時に切なくてあたたかい。
「家族は作るのは大変だけど、その分めったになくならない」
懸命に言葉を紡ぐヨシコの慰めは、胸に響いた。
母だけは私を裏切らないと、どこかで確信できていた若かりし頃の人生の迷走期。
だから安心して迷えたし、決断もできた。
母に心から感謝ですね。
大浦くんの存在は本当に癒しでした。

「どんなにショッキングなことがあっても、日常はきちんと進んでいく」
それが、人の営み。
わかっていても、哀しい時は哀しい。
でも、涙は我慢する必要はないと思います。


内容(「BOOK」データベースより)

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて…。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。吉川英治文学新人賞受賞作。

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「薔薇の陰謀」夜光花(SHY NOVELS)



少年でいられる時間の終わり。
住み慣れた場所と親しい人たちとの決別。
否応なしに巻き込まれる陰謀。
啓が対峙しなければならない相手の醜悪さには、
不快感しかない。
お互いに贈りあう金と銀の指輪。
脅威に気付いた後の、レヴィンとラウルの息があったやりとり。
もう、どっちかひとりなんて選ぶ必要ないんじゃないの?
と言いたくなるような光景の後に展開される悪夢のような出来事。
命がけで啓を守ろうとしたラウルに対する処遇も気になるし、
眠りについてしまったレヴィンの状態も気になるし、
啓の「進むべき道」も気になるし!
いろんなことが気になりすぎて心臓に悪いです。

バラバラになってしまった三人が、また笑顔で逢える日を信じて読み進めますけど!
今ホント辛いです。
なんで他人の人生放っておいてくれないんだろう?
羨ましいからって、妬ましいからって。
相手を陥れようとする心境は理解できなくていい。



内容(「BOOK」データベースより)

薔薇騎士となり、薔薇騎士団の本部を訪ねた啓は、そこで新たな仲間たちと出会った。高潔なはずの薔薇騎士団。けれど、そこには欲望と謀略、そして、裏切りが渦巻いていた。薔薇騎士である啓を守るため、命を賭ける守護者のレヴィンとラウル。彼らは求め合う運命にあった。薔薇騎士だから、守護者だから惹かれるのか?自分の心がわからず戸惑う啓だったが、新たな薔薇騎士が誕生して―。

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「一鬼夜行 花守り鬼」小松エメル(ポプラ文庫)



いつの時代も変わらずに咲き誇る桜の花。
ヒラヒラと舞い踊る蝶。酒を酌み交わす人々の喧騒。
ありふれた光景に身を置きながら、あちら側とこちら側を行き来する
不思議な浮遊感。
行きつ戻りつしながら垣間見られるのは綾子の過去。
美雪の想い、生い立ち。そして、喜蔵の想い。
誰もが何かに傷ついて、苦しんで、惑い悩んで。
時に笑顔を忘れてしまうけれども。
互いに手を差し伸べあい、思いやり、
そうやって笑顔を取り戻すことのできる仲間に囲まれた彼らの在り方が
とても素敵だと思いました。
小春の身の置き方が切ないけど、皆ちゃんと小春のことを思ってくれているのがうれしかった。

高市と桃爺のエピソードがとても好き。
真っ正直な誠意ってちゃんと伝わるんだよね。
小春の意図に気付いて
眠るまいと必死で腿を抓る喜蔵と小春のやり取りもとても好き。
なんだかんだこの二人は良いコンビだと思います。


内容(「BOOK」データベースより)

人嫌いの若商人・喜蔵が営む古道具屋を、旅の若者・高市が訪ねてくる。一緒に花見へと繰り出した妹の深雪たちを追いかける羽目になった喜蔵だが、料理だけを残して皆の姿は消えていた。不可思議な一日に翻弄される喜蔵を、待ち受けていたのは―?からくり人形が語り出す深雪の秘めた想い。綾子のかなしい過去。小春の意外な思い出…桜の中でそれぞれの心が交錯する。涙あり、笑いありの明治人情妖怪譚シリーズ第三弾。

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「ハイキュー!! 19」古舘春一



のびしろの多い子たちの進化は目覚ましい。
一試合の間に格段の成長を遂げる。
それは、突然に開花するものではなく、
これまで積み重ねてきた努力があるから。
そして、勝つために何をすべきか、必死で考えているから。
中でも、バレーに「ハマった」月島の覚醒には、鳥肌が立ちました。
あんなにクールだった彼が、今はとても熱い。
それは彼自身にとっても、チームにとっても好ましい変化。
烏野vs白鳥沢。
戦い方。考え方。
監督の言葉にも象徴されるように、まったく個性の違うチームどうしのぶつかりあい。
全力プレーの試合は白熱したまま、次巻へ!

噛み合っていない日向と影山の会話がおもしろい。
なんだかんだこの二人は良いコンビ。
そして、ラフ絵の岩ちゃんと及川さんにテンションが上がる私。
うん。やっぱりこの二人が大好きです。

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「香水 ある人殺しの物語」パトリック・ジュースキント(文春文庫)



彼の生み出す香りからは、色彩豊かな情景までもが
鮮明に脳裏に浮かんでくる。
人の感情すら自在に操作することのできる、香り。
そんな香りを意のままに生み出すことのできる、
稀有な才能を持って生まれたグルヌイユ。
香りに取りつかれ、香りを追い求め、そして香りに殉じた男の物語。
奇怪極まるその生き様は、醜悪で崇高で純粋で変質的。
視覚的に思い描けば、物語の最期は悪夢としか言いようがない。
だが、それすら、彼自身が望んだ結末。
思えば、彼の人生において、
彼自身の意に沿わぬことは何ひとつ起こってはいないのだ。
悪酔いしそうな物語。
革命当時のフランスの情景がしばらく脳裏から離れそうにありません。



内容(「BOOK」データベースより)

18世紀のパリ。孤児のグルヌイユは生まれながらに図抜けた嗅覚を与えられていた。真の闇夜でさえ匂いで自在に歩める。異才はやがて香水調合師としてパリ中を陶然とさせる。さらなる芳香を求めた男は、ある日、処女の体臭に我を忘れる。この匂いをわがものに…欲望のほむらが燃えあがる。稀代の“匂いの魔術師”をめぐる大奇譚。

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「進撃の巨人・18」諌山創(マガジンコミックス)



思いはひとつ。「僕たちの故郷へ」
それぞれが抱えた想いがある。
そして、それぞれにしかできないことがある。
一人ですべてを担う必要はない。
個と個がつながりあうことによって、より強大な力となる。
語り合った未来を現実のものとするためには、今を戦うしかない。
「知りたければ見に行けばいい。それが調査兵団だろう?」
エルヴィンの言葉にゾクゾクした。
機は熟した。
人々の熱い叫びに背を押され、ウォール・マリアへ。
人類と巨人。いざ、決戦の時。
ウォール・マリアを奪還した後になにがあるのか?
リヴァイの問いは果てしなく重い。

カルラの言葉がとても胸に響いた。
「だからこの子はもう偉いんです。この世界に生まれてきてくれたんですから」
エレンが愛されて育ったことがとてもよくわかる。
そして、エルヴィンとリヴァイの会話が個人的にはもう、
泣きそうになるくらいとっても胸苦しかったです。
地下室に何かがあるのかな?うわー、次巻もドキドキです!


内容紹介

王政を打倒し、旧体制派を一掃した調査兵団。新たに手に入れた光る鉱石とエレンの硬質化能力によりウォール・マリア奪還作戦への準備を着々と進める。一方、ライナーとベルトルトは獣の巨人と共に迎撃態勢を整え……!! そして決戦前夜、シャーディスが語るエレンの父・グリシャとの出逢い、そして「845年のあの日」の真実とは!?

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「さよなら一顆」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



未来は予測不可。
自分の気持ちの行方すら、今の自分にはわからない。
どこにでもいる、ごく普通の社会人男子が二人。
出逢い、互いを知りたいと思い、そして、恋に落ちる。
特別劇的なエピソードは何もなく、ありふれた日常の中で静かに進行していく恋。
人との距離感の計り方がわからなかった比呂が、榛名と話すことによって
懸命に他人と対話しようと試みる。
嫉妬とかめんどくさいしありえないし、というスタンスだった榛名が、
比呂を深く知るにつれ、独占欲を知ることになる。
会話を重ねるごとに寄り添っていく二人の想い。
そんな二人の会話がとても好き。

今回は会話の応酬で読ませる物語だったような気がします。
静かな物語だけど、なんだか印象深かったです。
これ、再読したらよりジワッときそうだわ。


内容(「BOOK」データベースより)

それは7月3日、涙の日と言われる日だった。中古貴金属買取店に勤める座波は、閉店間祭に婚約指輪を売りにきた男性客に気まぐれに夏みかんを振る舞った。無表情で淡々としていた男がふいに「おいしい」と言って涙をこぼし、その出来事は妙に印象に残った。だが数日後、ホテル街で女にひっぱたかれた場面を、伴の客・矢神に目撃され…?愛を見失った男と心を見失った男の、センチメンタル・グラフィティ。

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