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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ハイキュー! 18」古舘春一(ジャンプコミックス)



「全てのプレーは繋がっている」
チームスポーツの醍醐味だなーと思います。
一人で戦っているわけではない。
だけど、一人一人が考えて工夫して全力を出し切って。
そしてひとつにまとまって機能するのがチーム。
両校ともに全力のチームプレイで臨んでいる試合。
各々強烈な個性を持つ人たちが、自分の役割をしっかりと自覚して果たしながら、
一致団結する姿って、見ていて気持ちがイイ。
「楽」をしようとした瞬間が「隙」になる。
だから全力で走る。跳ぶ。
「抜けた先にはスーパーリベロ」
ノヤっさんに対する絶対の信頼。
とっても痺れたフレーズです。

日向のハイタッチをスルーするツッキー。さすが(笑)
なんだかんだ言いつつ、しっかりチームに溶け込んでいる姿に安心するわ。
及川さん好きな私としては影山にとっての脅威が及川さんであることがなんだか嬉しかったりします。

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「エス-咬痕-」英田サキ(SHY NOVELS)



【生きてて何が一番辛いかっていうと、
 自分の居場所がみつからないことなんだよね】

理屈では説明できない想い。
その場にならなければわからない衝動。
抱えた過去。息苦しい現在。
見失いかける自分。
それでも人は、明日に向かって生きていく。
魂をすり減らして潜入捜査に打ち込んだ永倉の歪んだ想い。
自らの気持ちの在り方に惑い、そして苦悩する椎葉の想い。
そんな椎葉の気持ちに真正面から向き合った宗近。
苦悩の末の椎葉の選択は、二度目の誓い。
そして、悲壮で、だけど揺るぎのない決意。
苦しい関係の続きそうな二人の未来だけど、宗近の度量の広さに縋りたい。
垣間見れた篠塚の厳しさと優しさは、好ましいものだった。


おまえは強い。
そう言われて、頑張れる場合もあると思う。
だけど、そうじゃない、と、叫びたい場合もある。
強いわけではない。
強く在るしかなかった。
だけど、たぶん、それでいい。
押し隠した弱さは、触れないままでいい。
偽りの強さが、いつか、真の強さになる日を信じて。



内容(「BOOK」データベースより)

警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対五課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。その捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。大物ヤクザである宗近をエスとし、自分の身体を餌に情報を得る椎葉に、ある日、上司から命令が下った。それは同僚の刑事である永倉の援護をするというものだった!刑事とエス。それは運命を共有する関係でありながら、決して相容れない存在でもある。孤独に生きる男たちの歪で鮮烈な愛の物語。

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「アンチェルの蝶」遠田潤子(光文社文庫)



切望した新世界。
自らの手でつかみ取ろうとした未来。
血の繋がった親からの理不尽な仕打ちに黙って耐えながら、
中学生の彼らはただ、懸命に生きようとしただけなのに。
彼らの親は、人ですらなかった。
子供は生まれてくる環境を選ぶことができない。
そのことが、とてもやるせない。
悪夢のような現実を終わらせるために失ったものは、
心穏やかな日々。希望に満ちた未来。
けれども、彼らは彼女を守り、彼女は彼らを守り続けた。
そして、瓦解する「最高の日」。
どうして?と、叫ばずにはいられませんでした。
「アンチェルの蝶」
美しい響きを持つタイトルの意味を理解した時、鳥肌が立ちました。


「人にソフトクリームを買ってもらったのははじめてだ」
40歳を過ぎた藤太の言葉に、涙が溢れそうになりました。
私が与えてもらったたくさんのものを。
姪っ子ちゃんと甥っ子ちゃんに、今度は私が惜しむことなくプレゼントしてあげたい。


内容(「BOOK」データベースより)

大阪の港町で居酒屋を経営する藤太の元へ、中学の同級生・秋雄が少女ほづみを連れてきた。奇妙な共同生活の中で次第に心を通わせる二人だったが、藤太には、ほづみの母親・いづみに関する二十五年前の陰惨な記憶があった。少女の来訪をきっかけに、過去と現在の哀しい「真実」が明らかにされていく―。絶望と希望の間で懸命に生きる人間を描く、感動の群像劇。

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「幼年期の終わり」アーサー・C・クラーク(ハヤカワ文庫)



【われわれはこの先、どこにいくのだろうか?】

人類が宇宙に飛び立とうとする、まさにその瞬間。
遥か彼方から地球に訪れた、生命体との出逢い。
この出逢いがもたらすものは一体何なのか。
「人類はもはや、孤独ではないのだ」
わくわくするようなプロローグ。
しかし、別の惑星に住む高度な知的生命体との出逢いは、
私の知る「人類」の終幕へのカウントダウンだった。
産み育てた子供が手の届かない存在となってしまう悲哀と喪失。
未来があると信じられるからこそ生じる活力。
「幼年期」を終えた地球の在り方を見届けられるものは誰もいない。
「その記憶とは、過去の記憶ではなく未来の記憶」即ち予兆。
誰もが知る「悪魔」という概念に対する時間軸の逆転の発想には、ただ唸るしかなかった。


沼沢氏の翻訳した創元版と併読。
言葉の言い回しの細かいニュアンスはこんなに違うんだなーと、
なかなか面白い読書体験でした。

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「GIANT KILLING 35」ツジトモ モーニングKC



勝負の世界で生きる者たちにとって大切なことは、
ピッチの上で結果を出すこと。
とても厳しい世界で戦うが彼らが、
その状況を「楽しい」と、所属するチームを「大好き」だと、感じられるのは、
彼らを導く監督の手腕であり、チームメイトとの人間関係なんだろうなぁ、と思います。
のびしろのある椿や窪田がそう感じられるチームでプレイできることは
そして、互いに切磋琢磨しながら戦えることは、
彼らにとってとてもプラスになっていくはず。
ガッツリぶつかって戦い、引き分けたガンナーズ戦。
そして舞台は代表選へ。
ブランのスタンスは厳しいけれども、公平。
独特な雰囲気を醸し出す日本代表の10番のプレイが気になります!

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「華氏451度」レイ・ブラッドベリ(ハヤカワ文庫)



【ぼくたちが幸福でいられるために必要なものは、
 ひとつとして欠いていません。
 それでいて、ちっとも幸せになれずいにいます】

思索することを禁じ、情報の画一化された世界の中で、
知的財産、即ち書物を焼き払うことを生業とする男たちがいる。
知的好奇心を抹消され、己の意思を奪われ、無為に過ごす時間に疑問を持つことは、
果たして、幸か、不幸か。
身を置く世界に異を唱えれば、己の身に危険が及ぶ。
だが、一度溢れ出した疑問は、烏合することをよしとしない。
流れに身を任せて生きることは簡単で安全だけれども。
現実に抗った結果、モンターグが失ったものと得たものをどう捉えるのか。
「一番大切なことは単に生きるのではなく、善く生きることです」
ソクラテスの言葉が脳裏に浮かんだ。

愛してやまない書物を焼き払う炎の描写の美しさに息を呑みました。
書かれたのが1953年。
今なお色褪せないおもしろさ。




内容(「BOOK」データベースより)

華氏451度―この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく…。本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!

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「エス」英田サキ(SHY NOVELS)



誰も守ることができなかったが故の悔恨と、まるで贖罪のように身を置く孤独。
自責の念に突き動かされるような焦りと先走りは、事態を好転させるはずもなく、
結局自身を窮地に陥れてしまう。
そんな椎葉を救った宗近。
彼もまた、後悔と柵を抱える男でありながら、
ゆとりと余裕とを絶やさない。
椎葉に対して宗近はずっと泰然としたままでいるのかと思ったら、最後、デレましたねー。
「俺に逃げられるぞ」
この台詞、かわいかったです。
ヤクザと刑事。
相容れない立場の二人を繋ぐ「エス」というキーワード。
今後の二人の関係がどうなっていくのか、とても楽しみ。


内容(「BOOK」データベースより)

警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対5課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。その捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。椎葉は新宿の武闘派暴力団・松倉組に籍をおく男を情報提供者として工作している。ある日、寝起きの椎葉に一本の不明な電話がかかってくる。おまえのエスに気をつけろ、と。劣情と矜持、孤独が交錯する男たちの物語。

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「ホテルローヤル」桜木柴乃(集英社文庫)



【どんどん乾いてゆく。どんどん軽くなる。
 そして最後は何も残らない。残さない】

生活に疲れた人たちの、寂しくて優しい物語。
虚しさと、やるせなさと、あたたかさがジワリと滲む。
全七編で紡がれる物語は、少しずつリンクして時間を遡っていく。
今では朽ちたラブホテルが何を見てきたのか。
そこを訪ねた人たちが、何を感じたのか。
新しく人生をやり直した人もいれば、
暗がりにひきずりこまれた人もいる。
挫折を振りかざす身勝手な男。家の為に夫以外の男に身体を預ける女。
妻を思って萎えた男。五千円でかみしめる幸福。
行き場所をなくした二人。真っ正直に生きてきた女。
そして、ホテルを作った男と女。
読後に零れ落ちるのは、溜息か、吐息か。

一緒に年を重ねていくことを幸せ、と、こぼした「バブルバス」が好き。
近しい人に傷つけられた二人の選択に
なんとかならなかったのかと、やるせなかった「せんせぇ」。
「星をみていた」ミコには幸せになってもらたいなぁ、と思います。




内容(「BOOK」データベースより)

北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。

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「あひるの空 41」日向武史(マガジンコミックス)



進んだ時間の分だけ彼らは成長していて、
共に過ごした時間の分だけ、絆は深まっている。
誰かが欠ければそのカバーを。
古傷が疼けばサポートを。
自分にできることを全力で出し切りながら、
勝つために臨む試合。
込められた一人一人の想いが、ヒリヒリと伝わってくる。
「俺は幸運な男だ」
百春のつぶやきに、1巻の頃の彼を思い出して、
本当にその通りだと、なんだか涙が出てきました。
対戦校の北辰。
最後の最後で先輩後輩の気持ちがひとつになったのがよかった。
「夢は必ず叶うと信じた時代」
即ち、キラキラ輝いていて、充実した時代。
文字通り、青春。


試合が終わって治まりかけた涙は、
百春とまどかのピュアで不器用な恋心の回想で、決壊。
この歳で!
そこで泣く!?と、自分ツッコミ。
しかも毎週読んでて内容知ってるのに!(笑)
大好きすぎて宝物みたいになっている本です。

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「蠅の王」ウィリアム・ゴールディング(新潮文庫)



孤島に不時着した少年たち。
直面したのは、大人のいない世界で生き抜かなければいけない現実。
最初はその自由が楽しかった。
彼ら自身の力で秩序ある生活を保ちながら救助を待つはずが、どこかで歯車が狂い始める。
それは、豚を殺し、血の匂いを知ってしまったがための歪みなのか?
少しずつ何かが軋み始めた集団の中で拮抗する二つの力が反目し合った時、悲劇が起きる。
理性をかなぐり捨て、熱に浮かされたように殺戮へと走り出す。
人から獣へ、完全なる変貌を遂げようとした瞬間の、文明との邂逅。
安堵よりいたたまれなさを感じたのは、何故だろう?
救助された彼らの未来に光を感じることはできなかった。

「たぶん、獣というのは僕たちのことにすぎないのかもしれない」
とても象徴的なサイモンの言葉。
高校生の頃。理性をなくし、本能のままに殺戮に走り出した少年たちの姿に
感じた衝撃がずっと残っていて、またあの嫌な気持ちを引きずるのかなぁ、と、
警戒しながら読み始めたけど、意外とあっさり読了。
それは、内容を知っていたから、というよりも、今に至るまでの私の経験値が
人間ってそういうとこもあるよね、と、思えるようになってしまったから。
何とも複雑な気持ちになりました。


内容(「BOOK」データベースより)

未来における大戦のさなか、イギリスから疎開する少年たちの乗っていた飛行機が攻撃をうけ、南太平洋の孤島に不時着した。大人のいない世界で、彼らは隊長を選び、平和な秩序だった生活を送るが、しだいに、心に巣食う獣性にめざめ、激しい内部対立から殺伐で陰惨な闘争へと駆りたてられてゆく…。少年漂流物語の形式をとりながら、人間のあり方を鋭く追究した問題作。

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