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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「スカーレット・ウィザード 2」茅田砂胡(C・NOVELS)



行方不明の宇宙船を捜索するための、悪条件下での飛行。
そこに仕組まれた罠。
個性的な面々と愉快な会話に思わず笑いが込み上げるけど、陥った事態は相当深刻。
身内に暗殺を目論む裏切り者を抱えたジャスミンをフォローするために、
ケリーがその真価を発揮し、周囲の人たちに認められていくのがなんだか嬉しい。
「あなたは、誰です?」
誰であっても、ケリーはケリーとして認められていくんだろうなぁ。
「契約」から始まったふたりが「夫婦」として距離を縮めていく感じが好ましい。
言い得て妙な「ハーレクイン・バイオレンス」
夫婦喧嘩も規格外のど迫力でした。

その気になれば巨額の富を手に入れることができるであろう男の望みは
「人の知らない宇宙を誰よりも先に知ること」
ケリー、カッコいいなぁ。
そして、誰かのために命がけで行動を起こせるジャスミンもカッコいい。
惚れ惚れしつつ、次巻へ☆

内容(「BOOK」データベースより)

一匹狼のこの俺が、あろうことか巨大財閥の副総帥におさまった。総帥のジャスミンと結婚したからだ。おまけにこの女王には物騒な敵がいて、街中でコマンド部隊に襲われるは、探査宇宙船は消失するは。当分、退屈だけはしそうにないがこんどはニンシン?だと!?海賊なんだぞ、これでも俺は…。どうにも異色な宇宙恋愛物語。

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「スカーレット・ウィザード 1」茅田砂胡(C・NOVELS)




「かなり異色な宇宙恋愛物語」とありますが、最初からハイスピードの、
読んでいてワクワクする一巻目。
宇宙を縦横無尽に駆け巡る一匹狼の海賊、ケリー。
そんなケリーにとある取引を持ちかける、巨大財閥の総帥、ジャスミン。
そして愛らしくもクレイジーな人工脳、ダイアナ。
宇宙空間での互いに「正気か?」と言わしめるデッドヒートの末に、結ばれた契約。
やることなすこと規格外な人たちだけど、彼らなりの信念と覚悟がある。
ジャスミンの無茶ぶりに応えて、平然としていられるだけのスペックがあるケリーは
カッコいいと思います!
見えざる敵の存在も気になりつつ……次巻へ。

色っぽさのカケラもない初夜(?)でしたが、ジャスミンの台詞には
私もドキッとしました。
そりゃあ、無条件降伏以外ないよね(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

奇妙な仕事が舞い込んだ。一年だけ結婚してくれ、だと?お相手はあのクーア財閥の女王だ。殺しても死なない男がご希望だとか。理由や事情は知らないが、宇宙きってのお尋ね者『海賊達の王(キング・オブ・パイレーツ)』向きの仕事じゃない。一匹狼の海賊の誇りをかけて、決着を宙(そら)でつけることになったが…かなり異色な宇宙恋愛物語(スペース・ラブ・ストーリー)。

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「闇の奥」ジョゼフ・コンラッド(光文社古典新訳文庫)



【誰にも束縛冴えずに歩いていく人間が、孤独を潜り抜け、
 静寂を通り抜けて、原始の世界のどんな異様な場所へたどり着いてしまうことがあるか、
 君らにわかるはずがない】

熱帯の密林。大陸の河。異文化の人々。未知の大地。
語り手であるマーロウと共にアフリカの河を遡ることは、
文字通り「闇の奥」へと分け入っていく行為。
まとわりつく熱気を感じ、息苦しい空気を感じ、
息を呑み、眩暈を覚えながら、頁を捲る手が止まらない。
クルツに相見える瞬間を心待ちにしながら。
彼の抱えた闇も狂気を宿した行為も、具体的には何も語られてはいない。
だが、抽象的であり、時に象徴的でもマーロウの言葉が、
彼の狂行を浮かび上がらせる。
彼の「雄弁」さを、納得してしまう。
ジワジワと闇の奥に引き込まれるような読後感。
圧巻でした。

片方の国にとっては「開拓」であっても、片方の国にとっては「侵略」。
ちょっとイロイロ考えさせられました。
読みながらゴールディングの「蠅の王」が頭を過ったので、こちらもそのうち再読したいです。

内容(「BOOK」データベースより)

船乗りマーロウはかつて、象牙交易で絶大な権力を握る人物クルツを救出するため、アフリカの奥地へ河を遡る旅に出た。募るクルツへの興味、森に潜む黒人たちとの遭遇、底知れぬ力を秘め沈黙する密林。ついに対面したクルツの最期の言葉と、そこでマーロウが発見した真実とは。

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「空を抱きしめる」李丘那岐(ルチル文庫)



【どんなことも、できないと決めるのは自分の心だ。
 できないと思った時点で、限界が決まる】

※今回感想になってません。
話自体は楽しめました。
個人的な好みの問題なのですが、文中で
「キレる」を多用される表現がどうも気になるらしく、
「キレる」が出てくるたびに、物語世界から遠ざかり……
結果、大信が苦手になるという二次災害が!
年下わんこ攻め×負けん気の強い美人受け。
大好物なのに!!もったいない!!!
というわけで、特に後半がとっても面白かっただけに、
残念で仕方ありません!←あくまでも個人的な問題。
でも私、ぬかりありません。ちゃんとスピン買ってます(笑)
田上が気になりすぎて仕方がないので、楽しみに読みます。

当たり障りのない感想を書くことはできたのですが、
ちょっと迷った末に、ここはあえて正直に書いてみました。


内容(「BOOK」データベースより)

鳶・土木業の傍ら非行少年の更生を引き受ける阿万崎家。その長男・郁己は周りへの反発から、ゼネコン勤務の今に至るまで優等生を続けている。だが、少年たちの中にあって不思議と荒んでいない大信とは気が合った。勉強熱心で勘も良く、若くして鳶の職長になった大信は眩しく、安らげる存在―そんな相手から「好きだ」と告げられた郁己は…。

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「青い約束」田村優之(ポプラ文庫)



【そしてみんな、この先に待っているものをうすうすわかっているのに、
 知らない振りをして笑っている】

高校時代のピュアな恋愛。親友。別離。
大人になってからの再会。仕事。病。そして後悔。
生きること。死ぬこと。自らの生き様。次世代に託した未来。
文字通り「人生」が詰まった物語だったと思います。
黙っていられなかったのは、若さ故。
黙して語らなかったのは、相手を傷つけないため。
胸が締め付けられるような痛みと後悔は、
程度の差こそあれ、誰もが感じたことのあるもの。
すべてひっくるめての「人生」。
ラスト、子供たちの笑顔が救いでした。
有賀の語った日本の未来を憂う言葉。
真剣に受け止めないといけない立場の人たちに、是非知って欲しい。

全部を背負った有賀と、何も知らされることのなかった修一。
どちらもそれぞれの苦悩を抱えていた二人が、
「親友」として相対することができてよかった。
「何かを眩しがっているよな微笑み」
有賀の笑い方、とても好きです。


内容(「BOOK」データベースより)

アナリストとして活躍する修一は、高校時代の親友・有賀と再会する。二人の仲を引き裂き、恋人を永遠に奪った“あの事件”からすでに二十年以上の歳月が流れていた…。現役新聞記者ならではの経済問題への鋭い切り込みと、骨太なストーリーで話題を呼んだ傑作が遂に文庫化。

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「恐るべき子供たち」ジャン・コクトー(光文社古典新訳文庫)



粗悪で稚拙な、けれども繊細でただ美しいだけのガラスの城。
それが、彼らの生きる世界。
外界から隔離されたその世界の中でのエリザベートとポールの姉弟は、
いつままでも子供のままで在ることを許される存在で、
だからこそ、子供特有の残酷さと純粋さで他者をふりまわす。
あまりにも無邪気に、あまりにも狡猾に。
それを許容するジェラールと、甘受するアガート。
危ういバランスで成り立っていた4人の交友。
けれども、振りかざされたエリザベートの自己愛は、
その部屋での4人の「遊戯」を終幕へと導くものだった。
来るべくして訪れたカタストロフィー。
彼らは最後まで「子供」だった。

高校生だった頃の私の感想。
「モノクロのサイレント映画を見ているようだった」
うまいこと言ったなーと、20数年後に感心する私(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

14歳のポールは、憧れの生徒ダルジュロスの投げた雪玉で負傷し、友人のジェラールに部屋まで送られる。そこはポールと姉エリザベートの「ふたりだけの部屋」だった。そしてダルジュロスにそっくりの少女、アガートの登場。愛するがゆえに傷つけ合う4人の交友が始まった。

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「彩雲の城」尾上与一 (Holly NOVELS)



【生きた証が欲しい。
 それが今、どれほど無意味に近いかわかっていても】

タイトルの意味を理解した時、胸が締め付けられるような思いでした。
待ち合わせは靖国で。
そして、自分達が帰る城は七色の雲の中にある。
死を覚悟したからこそ、餓えるように欲した生きた証。
爆撃の中で求め合う二人が痛々しくて、だけどどこか厳かで神聖で。
たまらずに、息を呑みました。
自分が幸せでなければ、他人の幸せなど願えない。
明日をも知れぬ身で、誰かの幸せを願える彼らは、
とても素敵な出逢いをしたのだと思う。
そして、死を覚悟しながらも、
最後まで生きることを諦めなかった二人が愛おしかった。
背景描写も心理描写も秀逸。
出逢えて良かったシリーズです。

伊魚があまりにも痛々しかったので、藤十郎の度量の広さにほっとしました。
今から70年前に、飛行機を飛ばし、遥か南の地に物資を届け、
武器を手に命がけで戦った人たちがいる。
忘れてはいけない歴史は確かにあるのだと、改めて思いました。


内容(「BOOK」データベースより)

太平洋戦争中期。婚約者に逃げられた谷藤十郎は、外聞から逃れるように志願したラバウル基地で、高速爆撃機・彗星と共に着任してきた優秀で美しい男、偵察員の緒方伊魚とペアになる。伊魚は他人を避け、ペアである藤十郎とも必要最低限しか話さない。他にペアに欲しいと画策していた男がいた藤十郎だったが、冷たいようで生真面目で優しい男を嫌いにはなれなかった。それに、時折伊魚が起こす呼吸困難の発作も気がかりだ。そんな中、不調が続く彗星は偵察機への転用を命じられる。積乱雲湧く空を駆ける彗星ペアの運命は―。

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「沈黙」遠藤周作(新潮文庫)



【あなたはなぜ黙っているのです。
 この時でさえ、黙っているのですか】

救済を求めて、神に縋る。
楽園を夢見て、苦難に耐える。
「信仰」というよりも現実世界からの「逃避」に近いように思えるその感情は、
百姓たちにとって現実を生きることが、とても辛かったから。
死と引き換えに貫いた信仰心。
けれども、そんな彼らにすら、神は黙したまま何を語ることもない。
「あなたはなぜ黙っているのですか?」
消えゆく命を見つめることしかできなかった、ロドリゴの問いかけが、痛い。
神との対話は己との対話。
神の言葉、すなわち、救済は己自身の中にある。
人は、弱い。そして、強い。
踏絵を前にしたロドリゴの葛藤が胸に沁みました。

フェレイラが語る「日本人の神の概念」には納得。
学生の頃、国語の問題文として出された箇所を明確に覚えていた自分にびっくり。
印象深かったんだなぁ。
全体を通して読んでも、その部分の描写や秀逸だと思います。


内容(「BOOK」データベースより)

キリシタン迫害史を背景とする緊迫のドラマの中に、神の存在を問い、信仰の根源を衝いて、西洋と日本の思想的対立を鋭くえぐり出す長編小説。谷崎潤一郎賞、ピエトロザク賞受賞。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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「進撃の巨人 17」諌山創(講談社コミックス)



何かに酔わないと生きていけない世界。
そこに少しずつ灯りはじめた希望の光。
だが、まだ安寧とは程遠い世界。
人類を守る。
痛いほどに伝わってくる、調査兵団の決意と覚悟。
彼らの揺るがない姿勢が、世界を少しずつ変えていっている。
誰もが、一歩も引けないギリギリのところで踏ん張っている。
その強さが頼もしくもあり、何故か哀しくもある。
「ありがとう」と言ったリヴァイの表情が胸に刺さる。
ケニーに託されたものをリヴァイが所有することに感じる漠然とした不安が
私の杞憂であることを願います。
ヒストリアの言動は終始かっこよかった。

人類強制参加型地獄の鬼ごっこ。
絶対に参加したくありません!



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「血と暴力の国」コーマック・マッカーシー(扶桑社ミステリー)



【おれは敵を持っていない。敵がいることを許さない】

「純粋悪」と不運にも人生が交差したが故に、命を奪われる理不尽。
感情の一切を削ぎ落とした文章で淡々と綴られるのは、
現実に起こった出来事のみ。
彼は何故そこに?どうしてそんなことを?
想像はできる。
だが、それ以上は踏み込めない。
けれども、緻密に描かれた行動から、伝わるものは確実にある。
交互に訥々と語られる複数の人物たちの行動を追っているうちに、
いつしかこの世界で起こる出来事から、目が離せなくなってしまっていた。
血の匂いと理不尽な暴力が撒き散らされた物語は
敗北感に打ちひしがれた一人の男の人生の再出発で幕を閉じる。
「今まで一番後悔したことはなんですか?」
こんな淋しい問いかけを発することのない人生であるといい。



内容(「BOOK」データベースより)

ヴェトナム帰還兵のモスは、メキシコ国境近くで、撃たれた車両と男たちを発見する。麻薬密売人の銃撃戦があったのだ。車には莫大な現金が残されていた。モスは覚悟を迫られる。金を持ち出せば、すべてが変わるだろう…モスを追って、危険な殺人者が動きだす。彼のあとには無残な死体が転がる。この非情な殺戮を追う老保安官ベル。突然の血と暴力に染まるフロンティアに、ベルは、そしてモスは、何を見るのか―“国境三部作”以来の沈黙を破り、新ピューリッツァー賞作家が放つ、鮮烈な犯罪小説。

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