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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「冬の旅」立原正秋(新潮文庫)



とても美しい日本語を紡ぐ作家だと思います。正統派な美しさ。

10代の頃に読んだ時は完全に主人公・行助に傾倒し、彼に対する扱いを不当だと感じ、
ひたすら憤り、彼のたどった運命にやるせなさを感じて号泣しました。
改めて読み返してみると、あまりにも凛とした精神は、
時に他者を追い詰めるものなのかもしれないと、
また違ったやるせなさを感じて胸が痛くなりました。
とはいえ、彼は間違ったことはしていない。
それなのに、何故?と、彼の運命のあまりの理不尽さにやりきれなくなるけれども、
彼は自分の生き方に決して後悔はしていない。
運命を受け入れた彼の在り方もまた、静謐にすぎるほどで、なおさら胸が痛くなる。

できれば若い方に読んでいただきたい本。
自分の内面を見つめ直す、良いきっかけになる本だと思います。


内容紹介

美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う力作長編。

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「ヒマワリのコトバ」崎谷はるひ(ルチル文庫)



【ひとは、間違う。でも、反省してもう一度やっていくことは、
 やり直すことは、自分がそうと決めていればできるはずだから。
 あきらめさえしなければ】

こじれてしまった関係は切り捨ててしまうのが一番簡単で、
けれどもバッサリと切ってしまえないところに深い情が絡む。
だから苦しいし、傷つくし、やりきれない。
本当に壊れる寸前までこじれた伊勢と昭生の関係だったけど、
きちんと相思相愛になれてよかった。
諦めないでずっと昭生の傍に居続けた伊勢に、
何故か私もありがとうと言いたくなりました。(笑)
喜屋武はギリギリのところで道を踏み外さずにすんだけど、
周囲に恵まれずに転落していく人もいるんだろうなぁ、と思うと、ちょっと悲しい。
ああ、そして、滋さんもまた報われない人だった><

内容(「BOOK」データベースより)

カフェバー「コントラスト」のマスター・相馬昭生と弁護士の伊勢逸見。高校時代、恋人同士だった二人だが、伊勢が昭生にとって自分は“誰かの身代わり”なのではと疑ったことから徹底的に破局してしまう。以来十年、伊勢を許せずにいるのに体は繋げ、微妙な関係を続ける昭生。そしてそんな昭生のそばにいる伊勢。すれ違ったままの二人は…。

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「オレンジのココロ」崎谷はるひ(ルチル文庫)



致し方ない部分はあるよねぇ、と、前置きしたうえで。
相馬家の大人、子供ほったらかしてイロイロダメすぎでしょ!
伊勢弁護士。守秘義務どうした?
と、突っ込むところ、ざっくり二点。
とはいえ、お話は楽しく読めました。
ギリギリまでひとりで踏ん張っていた朗のことをちゃんと見ていてくれた栢野がいて。
全力で助けてくれる友達がまわりにいて。
ひとりじゃないんだよ?ひとりで頑張らなくていいんだよ、ということを
朗に気づいてもらうことができてよかった。
個人的に「先生も冲村と同じ人種ですか?」っていうシーンがすごく好き。
冲村が犬なら栢野は虎とか豹のイメージ。
カテゴリー違うけど、なんとなく(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

総合美術専門学校に通う相馬朗は、デザイン科イラストレーション専攻の二年生。アイドルのような可愛い顔に小柄な体、しかし気は強い相馬はまだ恋を知らない。そんな相馬が気になるのは、爽やかで学生からも人気の高い担任講師・栢野志宏。相馬の就職のことで意見がぶつかりながらも、過去に何かを抱える栢野が気にかかり…。

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「パンダ銭湯」tupera tupera(絵本館)



パンダの親子が銭湯にいって、ほのぼのしくお風呂にはいるお話かと思いきや!
パンダの生態の斜め上どころじゃないところにぶっ飛んだ、衝撃的(笑撃的)なお話でした。
「パンダ以外入店お断り」に大納得。
よくよく見ると描かれている小物がとっても愉快で楽しい。
サササイダーとか、しろくろつけようぜ!パンダワックス、とかね。
好きだなー、この遊び心。
パンダ以外の動物さんの銭湯も是非覗いてみたい気持ちになりました。
楽しかった!


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「不夜城」馳星周(角川文庫)



【おれはおまえを連れていきたい。おまえが望む場所にだ。
 だけどな、そんな場所はどにもないんだよ】

愛しさを感じた女を信じることができなかった男。
助けを求めてすがった男を信じられなかった女。
唯一の拠り所は自分自身。行きつく先は、喰うか、喰われるか。
常に一手先を読み、保険をかけておかなければ明日につなぐことのできない命。
それでも信頼に値しない相手。掬われる足元。
裏切りと計算の渦巻く殺伐とした世界に身を置く者たちの末路は憐れでもあり、物悲しくもある。
彼らにとってのやすらぎとは、愛情とは、いったい何なのか。
問いかけてみたところで返ってくるものは、空しさだけだった。


内容(「BOOK」データベースより)
新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。バンコク・マニラ、香港、そして新宿―。アジアの大歓楽街に成長した歌舞伎町で、迎合と裏切りを繰り返す男と女。見えない派閥と差別のなかで、アンダーグラウンドでしか生きられない人間たちを綴った衝撃のクライム・ノベル。

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「アオゾラのキモチ」崎谷はるひ(ルチル文庫)



冲村の愛情表現がものすごく好きだった。
迷いなくまっすぐで、揺るぎなく、そして強い。
ぶつけるような感じじゃなくて、包み込むような感じ。
うん。好きだわ~。
そして独占欲の表し方がなんだかとっても可愛い。

人の価値観はそれぞれで、自分が是としたものを相手も是とするかはわからない。
でも、それはあたりまえのことなんだよね。
例え、否と言われても。
それを頭から否定するような人間にはなりたくないなぁ、と、改めて思いました。
相手の「好き」を否定しない。
自分の「好き」を主張する。
感想とはまったく関係ありませんが、私のモットーです(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

同じ専門学校ながら、ファッション科とアニメ科はまるで異文化。アニメ科の北史鶴とファッション科の冲村功は、ある事件をきっかけに親しくなる。史鶴は、最初の恋が最悪の結果となり、次の恋も同棲までした恋人に裏切られ、恋愛に消極的になっていた。冲村に惹かれながらも三度目の恋に臆病になった史鶴は、あきらめようとするが…。

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「インクルージョン」崎谷はるひ



仕事に真剣に取り組む日常の中で芽生える恋愛……という話は大好きです!
懐が広くて包容力のある攻と、気が強くて自分で戦える受は大好きです!
そんな攻が、実はストレスで発熱する……という繊細さを持ち合わせているギャップもイイ。
大学に入って目的意識を失ってしまうっていう気持ちはものすごくよくわかる。
迷走して考え続けた存在意義の答えや、自分の理想がそこにあると思って大学にいったところで、
そんなものは都合よく転がっているわけじゃないんだよね。
自分で見つけないといけないもの。
自分を見失いかけていた時に、不幸な偶然とはいえ、照英に出会えた未鉱は幸せだと思う。
照英と未鉱、そして久遠をまじえた会話がすごく好き。
楽しく読ませていただきました!


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「虚の王」馳星周(角川文庫)



【考えればいいんだよ。
 どうすればいいのか、なにをすればいいのか。
 ちゃんと考えればなんだってうまくいくんだから】

邪気のない悪意。
日常の中に紛れた狂気。
うるさいから刺す。邪魔だから殺す。
まるで不快な汗をぬぐうような気軽さで、
道徳や倫理といった概念を飛び越えてしまう少年、
栄司と出逢ったことによって運命を狂わされた人々の物語。
かつては暴力で渋谷に君臨した隆弘ですら、
栄司と出逢ったことで破滅への道を転がり落ちていってしまう。
僅か数日の出来事にしては、あまりにも濃密すぎて眩暈すら覚えそうになる。
度を越した暴力の連鎖に眉を顰めながらも、先へ先へと頁を捲る手が止まらない。
それは、登場人物を介して作者の放つエネルギーに吸い寄せられ、
引き込まれるような感覚なのかもしれない。

内容(「BOOK」データベースより)

新田隆弘は鬱屈をため込んでいた。かつては渋谷で伝説のチームと言われた“金狼”の元メンバーも、今ではヤクザの下っ端。兄貴分の命令で高校生が作った売春組織を探っていた隆弘は、中心人物の渡辺栄司に辿り着く。さして喧嘩が強そうでもない、進学校に通う色白の優男。だが、栄司は仲間を圧倒的な恐怖で支配していた。いったい何故。隆弘が栄司の全く異質な狂気に触れたとき、破滅への扉が開かれた―。

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「将棋ボーイズ」小山田桐子(幻冬舎文庫)



【俺はね、負けた時に、あれをやっておけばよかった、
 これをやっておけばよかったって思うのが嫌なんだよ。
 負けた悔しさはあっても、
 あれもこれも全部やってきた結果だからしょうがないと思いたい。】

仲間たちと共に部活(将棋)に打ち込みながら過ごす高校生たちの3年間の物語。
この多感な時に「仲間と一緒に必死にやったこと」が後の自分に与える影響ってすごく大きいと思う。
例えばそれは仲間たちとの絆であったり、その時の自分の成長度合いであったり、
その時に感じた悔しさや喜びであったりするのだろう。
将棋への取り組み方や、仲間との接し方は人それぞれ違う。
それでも、大会がある以上、上位を目指すならチームは意識を同じくして
取り組んでいかなければいけない。
温度差がある部分を摺合せ、互いに技術を磨きあい、
相手に対して無神経な物言いをしている部分はきちんと反省する。
躓きながらもそうやって過ごしてきた三年間の間の
少年たちの成長具合が伝わってきたのが微笑ましくてよかった。

内容(「BOOK」データベースより)

勉強も運動も苦手な歩は、なんとなく将棋部に入部する。そこには、亡父の願いと周りの期待に悩む天才・倉持がいた。そんな時、県大会の団体戦メンバーが呼び上げられる。落ちこぼれと本気になれないエースが、タッグを組んで奇跡を起こす!?僕らの未来を決めるのは、大人でも偏差値でもない―実在の将棋部をモデルにした絶対感動の青春小説!!

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「光待つ場所へ」辻村深月(講談社文庫)



【きっと恋をしたら、そういう俗っぽいことも、
 潔癖じゃいられないダメなことも、全部わかるようになるのに】

チリチリと胸に刺さる感情は、覚えのある傲慢さ。覚えのある嫉妬心。
ここではない、どこかへ。
楽に呼吸ができる世界を、本来の自分が在るべき世界を探そうとする心理は
結局は現実世界で真っ向勝負することからの逃避にすぎないんだと、
気づくことができるまで、とても苦しかった時代が、確かに存在する。
今はもう、乗り越えてしまったその時の想いを、彼女の紡ぐ物語はリアルに思い出させてくれる。

この物語で語られる彼らや彼女たちの人生は、
周囲の人たちとの係わりや、自らの体験にから得たことによって
苦悩や惑いの中から明るい光に照らされた未来へと歩きだしている。
収められた5編の短編を総称するのにふさわしいタイトルだと思いました。


内容(「BOOK」データベースより)

大学二年の春。清水あやめには自信があった。世界を見るには感性という武器がいる。自分にはそれがある。最初の課題で描いた燃えるような桜並木も自分以上に表現できる学生はいないと思っていた。彼の作品を見るまでは(「しあわせのこみち」)。文庫書下ろし一編を含む扉の開く瞬間を描いた、五編の短編集。

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