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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ジャイアントキリング 29」 ツジトモ(モーニングコミックス)



羽田さんとゴロ―さんが対峙するシーンが好き。
お互いが自分の非を詫びて、自分に足りないものを認め、相手の存在を認め、
それを補うために手を取り合ってサポートしていく。
この先のスタンドはとても活気あふれたものになるんだろうなぁ……。
反して、迷いの中にあるETU。なんだかものすごくツライ。
もやもやとした霧の中から早く抜け出してほしいけど……うわーん。コッシー(泣)
ドキドキしながら次巻を待ちます!

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「5年3組リョウタ組」 石田衣良(角川文庫)



【誰かを教えることが、自分を教えることになる】

教師も同じ人間。
新任教師として赴任してきた中学の担任と自分が同じ年になった時に、しみじみと思った。
背伸びしたがりの小生意気な言動で相当な苦労をかけたんだなぁ、と。
でも、最後まできちんと私たちと向き合って指導をしてくれた担任は、まぎれもない「先生」でした。
いまもお元気で教鞭をとられているのかしら?
良太と染谷。
まったくタイプの異なる二人が、同じ教師として互いを認め合い、
協力しながら問題に対峙していく様子が小気味よかった。


内容(「BOOK」データベースより)

希望の丘小学校5年3組、通称リョウタ組。担任の中道良太は、茶髪にネックレスと外見こそいまどきだけれど、涙もろくてまっすぐで、丸ごと人にぶつかっていくことを厭わない25歳。いじめ、DV、パワハラに少年犯罪…教室の内外で起こるのっぴきならない問題にも、子どもと同じ目線で真正面から向き合おうと真摯にもがく若き青年教師の姿を通して、教育現場の“今”を切り取った、かつてなくみずみずしい青春小説。


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「友人と寝てはいけない」 鳩村衣杏(キャラ文庫)



【でも俺は……お前を支配してるの親や家じゃなくて、 
 お前自身の感情じゃないかって気がする。
 だから、いつまでもここが苦しい。
 ここが閉じてるから息ができないんだ】

感想としては間違ってる気がするけど、すっごく楽しかった。
ギャグじゃないのに爆笑しながら読んでしまったのは、一重に美馬の言動があまりにも天然で可愛かったからだなー。
セフレ相手にスマートに立ち回ってきた美馬だったけど、
友人である鮫島と境界線を踏み越えた付き合いをしはじめてから、
恋ってなんだろう?とぐるぐる苦悩する----32歳。
いまさらかよっ!(笑)
自分なりに答えは出たみたいだけど、この先も鮫島は美馬に振り回されるんだろなー。
「友人」から「恋人」に関係が変わっていく心理的な過程がよかった。

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「ふがいない僕は空を見た」 窪美登(新潮文庫)



【神さまどうか、この子を守ってください】


キレイな世界でも、特別な世界でも、悲惨な世界でもなく。
そこにはあたりまえの日常が描かれている。
そんなあたりまえの日常の中で、
それぞれが痛みを堪え、誰かに嫉妬し、誰かを愛し、そして他人には言えない秘密を抱えている。
それが、誰にでも起こりうることだからこそ、彼らのやるせない想いがリアルに伝わってくる。
痛くて、切なくて、やさしい想いが流れ込んでくる。

この本は五つの物語が連なって、一つの物語を構成している。
一話目より二話目、二話目より三話目と、グイグイ引き込まれるように頁を捲った。
たとえば………
良太は卓巳に自分のしたことを告白したのか。
あんずの旦那のいやがらせ行為は終わったのか。
卓巳と七菜はどうなったのか。
答えは読者の想像に委ねたまま、物語は幕を下ろす。

子供を想う母親の気持ちが、何よりも胸に刺さった。


内容(「BOOK」データベースより)

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが―。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R‐18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。


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「悪党」 薬丸岳(角川文庫)



【いつでも笑っていいんだぞ。
 いや、笑えるようにならなきゃいけないんだぞ。
 おれたちは絶対に不幸になっちゃいけないんだ。】

「業」という言葉の意味を「行為」と捉えるのなら。
まさしく、人生とは「業」だと思わせられた作品。
人のあらゆる行為は「点」で帰結することはなく、すべてが「線」となってつながっていく。
被害者や被害者の家族の人生も、そして、加害者や加害者の家族の人生も。
「事件」が起こった後も、脈々と続いていく。
人生に幕が引かれるその瞬間まで。
犯罪というものに巻き込まれた人々の記憶は決して薄れることはなく、
癒えることのない傷を抱えたまま、日々を過ごしていかなければならないのだ。

どうしたら赦すことができるのか。
どうしたら赦されることができるのか。
当事者ではない私は、語る言葉を持たない。

ただ、佐伯のまわりには、彼を見守り、支えてくれる人たちがいてよかったと。
そう、思った。
一人ではないと、実感できること。
自分に好意を持ってくれている人たちと、同じ時間を共有できること。
そして、そんな人たちに心を開くことができること。
それらのことが、人を強くもするし、やさしくもする。
そして、歪まずに生きる力を与えてくれる。


内容(「BOOK」データベースより)

探偵事務所で働いている佐伯修一は、老夫婦から「息子を殺し、少年院を出て社会復帰した男を追跡調査してほしい」という依頼を受ける。依頼に後ろ向きだった佐伯だが、所長の木暮の命令で調査を開始する。実は佐伯も姉を殺された犯罪被害者遺族だった。その後、「犯罪加害者の追跡調査」を幾つも手がけることに。加害者と被害者遺族に対面する中で、佐伯は姉を殺した犯人を追うことを決意し…。衝撃と感動の社会派ミステリ。


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「指揮官たちの特攻」 城山三郎(新潮文庫)



【特攻を考えた奴は、修羅だ。
 特攻を命じた奴も、修羅だ。】

特攻。
それは、戦略でも戦術でもなく、ただのやけっぱち。或は、虐殺。
立場上、拒絶することのできない人たちに、同じ人として、どうしてそんな命令を下すことができたのだろう?
人の命は、そんなに軽いものではない。
そして、そんなふうに散らしていいものでもない。
死ぬとわかっていて鋼鉄の機体に乗り込んだ彼らの想いは計り知れない。
彼らが守りたかったものは、たぶん、家族。
彼らの背中を押したのも、たぶん、家族。
そんな命令を発した人や国家ではないはずだ。

過去の歴史はすべて、私たちの存在する現在へとつながっている。
今を生きる私たちは、かつて、そのような出来事があったことを忘れてはいけないんだと思う。


内容(「BOOK」データベースより)

神風特別攻撃隊第一号に選ばれ、レイテ沖に散った関行男大尉。敗戦を知らされないまま、玉音放送後に「最後」の特攻隊員として沖縄へ飛び立った中津留達雄大尉。すでに結婚をして家庭の幸せもつかんでいた青年指揮官たちは、その時をいかにして迎えたのか。海軍兵学校の同期生であった二人の人生を対比させながら、戦争と人間を描いた哀切のドキュメントノベル。城山文学の集大成。

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「悪意の手記」 中村文則(新潮文庫)



【不意に、どこまでも行こうと思った。
 どこまでも堕ちていけば、いずれ自分を、
 何かが虫のようにひねり殺してくれるような気がした】

タイトルと内容を見て想像した「悪意」とは大分意味合いの違う悪意。
死への恐怖から逃れるために世界を憎悪し、
死への衝動を断ち切るために親友を殺す。
そして殺人という重さから逃れるために人間の屑であることを目指した
主人公の気持ちに寄り添うことなんてとてもできなくて、
でも、気づけば彼の綴る言葉から目が離せなくなってしまっていた。

達観したようにみせかけつつ、自分の犯した殺人という罪に苦悩し、
世界の醜悪に塗れることまで想い描きながらも、
結局は「私」の言うところの「悪意」に染まりきることなく、むしろ、贖いの様相を呈してこの手記は閉じられる。
人はなぜ人を殺してはいけないのか。
人はなんのために生きるのか。
読み手にはずしりと重い、問いかけが残されたまま。


内容(「BOOK」データベースより)

至に至る病に冒されたものの、奇跡的に一命を取り留めた男。生きる意味を見出せず全ての生を憎悪し、その悪意に飲み込まれ、ついに親友を殺害してしまう。だが人殺しでありながらもそれを苦悩しない人間の屑として生きることを決意する―。人はなぜ人を殺してはいけないのか。罪を犯した人間に再生は許されるのか。若き芥川賞・大江健三郎賞受賞作家が究極のテーマに向き合った問題作。


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「アクセルワールド 15」 河原礫(電撃文庫)



【いや、祈るだけでは足りない。
 持てる知恵と力の全てを振り絞り、現実にするのだ】

以下、ガッツリネタバレ含みますので、ご了承くださいませ。









次巻で一区切り!という前巻のあとがきを信じていたわけだけど……
ぬおぉぉぉ!!??という絶叫とともに15巻読了。
えっと。
区切れてません!!!!

とはいえ物語はこの巻で加速度的に進展したなぁ。

まずはニコ!
無事に救出されて良かった><
しかも、やり返すぜ宣言できちゃうくらい元気で良かった。
この借りは是非とも50倍返しで!

そしてライダー。
ああ、なんかもう、これは個人的な好みの問題だけど。
オトコマエすぎ。
彼の登場は今回限りなのかなぁ……

まぁ、記憶のコピーとかは反則技な気もしないでもないんだけど(^^;
これは後々加速世界を構築するに至った重要な要因になり得るのかしら?

戦闘シーンはすごく良かった。
仲間を信じているからこそ、自分のやるべきことに全力で臨める。
互いに全幅の信頼を置きながら戦う彼らの姿は本当に心強かった。

加速研究会の面々は、ここでコテンパンに叩いておいてほしかったあー。


明かされた謎と、新たに投げ入れられた謎。
続き、早く読みたいデス。


内容(「BOOK」データベースより)

神獣級エネミー“大天使メタトロン”を撃破したハルユキ。この世界を汚染する“ISSキット”本体の破壊まであと少し…と思った矢先、加速研究会メンバー、ブラック・バイスとアルゴン・アレイが現れ、赤の王スカーレット・レインを拉致してしまう。ニコを守ると約束したハルユキは、戒めを解かれた大天使メタトロンの加護を受け、ブラック・バイスを追跡する。いっぽう黒雪姫は、現実世界からニコの回線を切断するため、楓子、謡、あきらとともに、ミッドタウン・タワーのポータルへと向かうが…。“最強のカタルシス”で贈る、次世代青春エンタテイメント!

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「天使のナイフ」 薬丸岳(講談社文庫)



【弱々しく途切れそうな問いかけだった。
     今でも。すべてを知った今でも。】

少年犯罪。憎しみの連鎖。そこに、さらなる悪意が折重なり、新たな不幸が広がっていく。
水面に派生する波紋のように。
十重二重に連なる事件を通して作者の提示したテーマはとてつもなく重い。
たとえいくつの子供でも、犯した罪をなかったことにはできない。
理不尽な暴力という被害を受けた方がいる限り、自分のしたことの責任は自分で負わなければいけない。
故に。
「被害者の存在を無視して真の厚生はありえない」
この言葉は真理だと思う。
厚生と贖罪は切り離して考えられるものではないのだと思う。

すべての子供たちが。
悪意に塗れることなく、健やかに育ってくれることを願ってやまない。


内容(「BOOK」データベースより)

生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。四年後、犯人の一人が殺され、檜山貴志は疑惑の人となる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。裁かれなかった真実と必死に向き合う男を描いた、第51回江戸川乱歩賞受賞作。


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「リロード」 いおかいつき(ラヴァーズ文庫)



【「信じらんねぇ。ヤルか、普通」  「ヤルだろ。普通は」】

検挙率NO1刑事でありながら、スキだらけでお馬鹿な一馬が可愛くて、頬が緩むわ~。
喉元過ぎたら忘れる単純さもいいし、自分の感情に素直で熱いところもいい。
意気込んでポジションチェンジを狙いつつ、神宮にはああやってやり込められ続けるんだろうなぁ……
というか、やり込められ続けてほしい(笑)

一見クールながらも、一馬との付き合いを深めていく中で、少しずつイロイロな表情を見せていく神宮も好印象。

お互いを認め合った男同士だからこその遠慮のないやりとりが小気味よい。
仕事ありきの恋愛模様は大好物です☆

というわけで。
続編も楽しみ~~♪


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