きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「おれのおばさん」 佐川光晴(集英社文庫)
【人と人とはお互いの何もかもを知らなくてもつきあっていけるのだし、
だからこそ、いつかすべてを知っても、それまでと変わりなくつきあいつづけられるのだ。】
それぞれの事情を抱え、児童養護施設で暮らしながらも、現実を見据え、懸命に生きていく中学生の子供たちと、
彼らの成長をあたたかく、時にきびしく見守るおばさんとの物語。
親の犯罪や虐待等の過酷な体験をしながらも、
自分のおかれた環境に腐ることなく、相手を思いやり、互いの自主性を尊重し、
人としてまっすぐに育っていく彼らの成長過程は、読んでいてとても心強い。
なんにだってなれると信じて全力で生きる。
忘れかけていた熱い想い。
なんだかパワーを注入してもらったような気持ちになれる一冊でした。
内容(「BOOK」データベースより)
ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設、魴〓(ぼう)舎に入ることになる。急激な暮しの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと個性豊かな仲間に囲まれて、陽介は“生きる”ことの本質を学んでゆく。ときに繊細で、たくましい少年たちの成長を描いた青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。
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「ヒートアイランド」 垣根涼介(文春文庫)
【もし決心がついたら、一年後の今日のこの時刻に、ここに来い。
俺たちが待っている】
熱気を孕んだ街、渋谷で繰り広げられる破天荒な攻防戦。
若さ故の熱さと傲慢、そして不安定さを孕んだストリートギャングのアキとカオル。
成熟し、安定した大人の魅力溢れるプロの強盗の柿沢と桃井。
そして、ヤクザの裏金を巡って二重三重……と思いきや、四重に絡み合うストーリー展開。
テンポよく読めます。そしてキャラがとっても魅力的。
何度読み返しても面白い。
主だった登場人物が活き活きしているのは、それぞれのバックボーンがしっかりと描かれているから。
だから彼らの息吹をリアルに感じられる。(柿沢は除く>笑)
個人的にはチューンナップについてマニアックに語られていてニンマリ。
この物語は終わりの物語でもあり、始まりの物語でもある。
「雅」というチームで共に過ごしたアキとカオルの青春時代は、この本で終わりを告げる。
その後の彼らの人生は………続編に期待を寄せることにしよう。
内容(「BOOK」データベースより)
渋谷でファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅。頭のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だった。少年たちと強奪犯との息詰まる攻防を描いた傑作ミステリー。
「キャッスルマンゴー 1・2」 小椋ムク/木原音瀬
子供のウソと大人の責任感からはじまった関係。
その関係が本物の恋愛に変わっていくまでの気持ちが綺麗に描かれた本だった。
想いを伝える言葉が足りなかったり、こうすることが相手の為と自己完結してしまったり。
好きっていう想いが大きくなればなるほどすれ違っていってしまった二人。
大人の分別って~~!!と思いつつ、とりあえず自分も大人カテゴリーなので、
その分別が理解できてしまうところがまたもどかしい。(苦笑)
時間と距離を置いても揺らぐことのなかった想い。
感情を爆発させた万を追いかけた十亀になんだか安堵してしまった。
灯りのついた部屋。
用意された食事。
たったひとりで生きてきた十亀に「おかえりなさい」という言葉をかける万。
思わず笑顔になってしまうラストでした。
「オルゴール」 中園直樹(幻冬舎文庫)
【正しい、まちがってるは関係なく、
「生きるためには自分を変えていかなくてはいけなかった」のです。】
いつ買ったのかわからないけれども、なぜか今朝積読本棚から足元に落ちてきた本。
読み時なのねー、と、鞄にしまって家を出てみた。
感情移入しすぎるとツライだろうなぁ、と思ったので、なるべく俯瞰的に読むようにしながらの読書。
感受性が強くて繊細な子供が生きることを耐えがたく思ってしまう世界。
不合理で理不尽だ。
剥き出しの悪意を、どうしてあんなにも執拗に醜悪に、他者に向けることができるのだろう?
何度も何度も押しつぶされそうになりながら這い上がってきたという、アンデルセンのようにはなれなかった彼。
幸せのかけらを分け与えたいと願い、幸せのかけらを受け取りながらも、それでも、命を絶つことを選んだ彼。
やるせなさすぎる……
作者のおっしゃる通り、いつか、このような小説が必要となくなる日が来ることを、切に願います。
内容(「BOOK」データベースより)
デパートのオルゴール売り場で出会った「ぼく」と克己。育った環境も性格も正反対なふたりに、友情が芽生えていく。ある日、克己は、誰にも言えない秘密を抱えたまま、「ぼく」の前からいなくなった。一通の手紙とオルゴールを残して。純粋であるがゆえに傷つけ合う若者の心とすれ違いの葛藤を瑞々しいタッチで描いたデビュー作、待望の文庫化。
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「ジャイアントキリング 29」 ツジトモ(モーニングコミックス)
羽田さんとゴロ―さんが対峙するシーンが好き。
お互いが自分の非を詫びて、自分に足りないものを認め、相手の存在を認め、
それを補うために手を取り合ってサポートしていく。
この先のスタンドはとても活気あふれたものになるんだろうなぁ……。
反して、迷いの中にあるETU。なんだかものすごくツライ。
もやもやとした霧の中から早く抜け出してほしいけど……うわーん。コッシー(泣)
ドキドキしながら次巻を待ちます!
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「5年3組リョウタ組」 石田衣良(角川文庫)
【誰かを教えることが、自分を教えることになる】
教師も同じ人間。
新任教師として赴任してきた中学の担任と自分が同じ年になった時に、しみじみと思った。
背伸びしたがりの小生意気な言動で相当な苦労をかけたんだなぁ、と。
でも、最後まできちんと私たちと向き合って指導をしてくれた担任は、まぎれもない「先生」でした。
いまもお元気で教鞭をとられているのかしら?
良太と染谷。
まったくタイプの異なる二人が、同じ教師として互いを認め合い、
協力しながら問題に対峙していく様子が小気味よかった。
内容(「BOOK」データベースより)
希望の丘小学校5年3組、通称リョウタ組。担任の中道良太は、茶髪にネックレスと外見こそいまどきだけれど、涙もろくてまっすぐで、丸ごと人にぶつかっていくことを厭わない25歳。いじめ、DV、パワハラに少年犯罪…教室の内外で起こるのっぴきならない問題にも、子どもと同じ目線で真正面から向き合おうと真摯にもがく若き青年教師の姿を通して、教育現場の“今”を切り取った、かつてなくみずみずしい青春小説。
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「友人と寝てはいけない」 鳩村衣杏(キャラ文庫)
【でも俺は……お前を支配してるの親や家じゃなくて、
お前自身の感情じゃないかって気がする。
だから、いつまでもここが苦しい。
ここが閉じてるから息ができないんだ】
感想としては間違ってる気がするけど、すっごく楽しかった。
ギャグじゃないのに爆笑しながら読んでしまったのは、一重に美馬の言動があまりにも天然で可愛かったからだなー。
セフレ相手にスマートに立ち回ってきた美馬だったけど、
友人である鮫島と境界線を踏み越えた付き合いをしはじめてから、
恋ってなんだろう?とぐるぐる苦悩する----32歳。
いまさらかよっ!(笑)
自分なりに答えは出たみたいだけど、この先も鮫島は美馬に振り回されるんだろなー。
「友人」から「恋人」に関係が変わっていく心理的な過程がよかった。
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「ふがいない僕は空を見た」 窪美登(新潮文庫)
【神さまどうか、この子を守ってください】
キレイな世界でも、特別な世界でも、悲惨な世界でもなく。
そこにはあたりまえの日常が描かれている。
そんなあたりまえの日常の中で、
それぞれが痛みを堪え、誰かに嫉妬し、誰かを愛し、そして他人には言えない秘密を抱えている。
それが、誰にでも起こりうることだからこそ、彼らのやるせない想いがリアルに伝わってくる。
痛くて、切なくて、やさしい想いが流れ込んでくる。
この本は五つの物語が連なって、一つの物語を構成している。
一話目より二話目、二話目より三話目と、グイグイ引き込まれるように頁を捲った。
たとえば………
良太は卓巳に自分のしたことを告白したのか。
あんずの旦那のいやがらせ行為は終わったのか。
卓巳と七菜はどうなったのか。
答えは読者の想像に委ねたまま、物語は幕を下ろす。
子供を想う母親の気持ちが、何よりも胸に刺さった。
内容(「BOOK」データベースより)
高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが―。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R‐18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。
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「悪党」 薬丸岳(角川文庫)
【いつでも笑っていいんだぞ。
いや、笑えるようにならなきゃいけないんだぞ。
おれたちは絶対に不幸になっちゃいけないんだ。】
「業」という言葉の意味を「行為」と捉えるのなら。
まさしく、人生とは「業」だと思わせられた作品。
人のあらゆる行為は「点」で帰結することはなく、すべてが「線」となってつながっていく。
被害者や被害者の家族の人生も、そして、加害者や加害者の家族の人生も。
「事件」が起こった後も、脈々と続いていく。
人生に幕が引かれるその瞬間まで。
犯罪というものに巻き込まれた人々の記憶は決して薄れることはなく、
癒えることのない傷を抱えたまま、日々を過ごしていかなければならないのだ。
どうしたら赦すことができるのか。
どうしたら赦されることができるのか。
当事者ではない私は、語る言葉を持たない。
ただ、佐伯のまわりには、彼を見守り、支えてくれる人たちがいてよかったと。
そう、思った。
一人ではないと、実感できること。
自分に好意を持ってくれている人たちと、同じ時間を共有できること。
そして、そんな人たちに心を開くことができること。
それらのことが、人を強くもするし、やさしくもする。
そして、歪まずに生きる力を与えてくれる。
内容(「BOOK」データベースより)
探偵事務所で働いている佐伯修一は、老夫婦から「息子を殺し、少年院を出て社会復帰した男を追跡調査してほしい」という依頼を受ける。依頼に後ろ向きだった佐伯だが、所長の木暮の命令で調査を開始する。実は佐伯も姉を殺された犯罪被害者遺族だった。その後、「犯罪加害者の追跡調査」を幾つも手がけることに。加害者と被害者遺族に対面する中で、佐伯は姉を殺した犯人を追うことを決意し…。衝撃と感動の社会派ミステリ。
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