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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「デルフィニア戦記 外伝3 ポーラの戴冠式」茅田砂胡(中公文庫)

位置づけは『デルフィニア戦記 外伝3』」だけど、その実態は
茅田さんの20年記念本『全仕事』に収録の『紅蓮の夢』の後日談。
本編のメインキャラたちの子どもたちがすくすくと育っていて微笑ましい限り。
幼馴染がたくさんいるって羨ましいわ。
再びデルフィニアの地に降り立ったリィ。
「伝説」としてしかリィを知らなかった子どもたちのリィに対する思い入れがすごい。
凄すぎた挙句の思い込みや間違った言動はちゃんと正す大人の導き方も良い。
リィとウォルの掛け合いはホント好き。
独りと独り。
そうして出会った二人が、こんなにもたくさんの人に囲まれて笑っている。
幸せだなぁ。

読み始めて、あ!『全仕事』手元にない!となり、慌てて発注。
『紅蓮の夢』を読んでからの方が繋がりが良いことはわかるんだけど、ないものはない。
読み始めちゃったら最後まで読み続けちゃうよね。
『デル戦』は途中でやめることは不可能です。(笑)

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「10DANCE 6」井上佐藤(講談社)

互いに向き合っている好きのベクトル。
だけど。
恋人として寄り添うことはできず、友人として在ることを選択する。
それでも。
芽生えてしまった想いを殺すことはできない…よね。
傍にいるからなおさら。
日々顔を合わせることが嬉しくもあり、苦しくもあるんだろうなぁ。
二人の濃密な時間でもあった深夜の練習。
その場がなくなり、鈴木のダンスの師は杉木からノーマンへとバトンタッチする。
最後のプレセントって……踊りながらの過去回想が切ない。
シリアス展開なんだけど、目からビーム出す鈴木がめっちゃツボった。

特装版のカラーイラスト集がとても豪華。
単行本と同じサイズで収納には申し分ないんだけど、
欲を言えばもっと大きい図で拝みたかった!

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「デルフィニア戦記 外伝2 コーラル城の平穏な日々」茅田砂胡(中公文庫)

中編が二つとSSが一つ。
副題を私的に言い換えれば、
「よくもまぁ、そんなに騒動に巻き込まれるものだと感心する日々」かな。
家の中から一歩も出ないまま過ごしても一日だし、
他県まで出かけていってめいっぱい遊んで過ごしても一日。
同じ時間でもその日によって詰め込まれる事象は様々で、濃密さも違う。
今回の「シェラの日常」は特に目まぐるしい一日だった。
あんなにいろんな出来事を良く捌いたねー。
困り果てたシェラに対するバルロとナシアスの采配もお見事。
刺客まで現れたのに、無事に終わる一日。
主要キャラほぼ総出演で、とっても楽しく読了。


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「タフ 2」 岩本薫(B-BOY NOVELS)

ちょいちょいこみ上げる不愉快な気分。
それはレイプ被害者であるシンゴにかける言葉じゃないんじゃないの?と思う言葉が多々あること。
更には危機感ないとか自覚がないとか言うけど。
だとしても、レイプされても仕方ないという理由にはならない。
挙句、響、また同じ事繰り返すんかい!と、目を剥いたわ。
揉めに揉めてようやく響がシンゴに言えた一言。
はじめの一歩はどう考えてもそこからだよね?と、漸く溜飲を下げる私。
嫌いあっているわけじゃない。
二人の間に好意はちゃんとある。
だから、本当の意味でのスタートラインはここから。
期待してるよ。





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「背後の足音 下」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

「幸せそう」と犯人が評した彼女は、果たして本当に幸せだったのか?
誰しもがいろんな感情を抱えて生きているのに。
笑っているから幸せとも限らないのに。
あまりにも理不尽な理由が腹立たしいけど、
彼にはこちらからの言葉は何も響かないんだろうね。
会社での繋がりなんて表面的なもの。
生きていれば知られるはずのなかったことを
死後色々と暴かれることになってしまった被害者の彼は何とも居たたまれない。
警察官であることを迷い、辞めてしまおうかとまで思ったヴァランダーの、
今回の事件の後の静かなる決意。
満身創痍で社会の亀裂に立ち向かっていくのだろう。


解説で「シリーズ初期の三つの長編と言う壁を乗り越えてこそ、この警察小説の醍醐味を十分に味わうことができる(つまり、初期三作の途中で挫折する人が多いということ)」と記載してあって。
銀河英雄伝説を読むときに「最初の序章をクリアできるかどうかが問題だ」という話になったことを思い出してみました。
とにかく読んで欲しい一心で「序章飛ばしてもいいから先に進んで!」と、勧めていた人たちもチラチラと。(笑)
私も布教しまくったなー。
高校の時にドハマりしていまだに大好きな作品。

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「背後の足音 上」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

読了後にずしんとのしかかる重苦しさを明日に引きずりたくなくて、
楽しい動画を観て気持ちを整える。
上巻でこの読み応え。
やっぱすごいね、マンケル。
周到に事前準備がなされ、とてつもない手間暇をかけて実行された殺人。
そして、その事件を単独で追っていたと思われる警官も殺された。
睡眠時間どころか日常すら犠牲にして事件を捜査する刑事たちの疲労度が半端なくて、
こっちもどんどん疲弊していく。
でも、読む手を止められない。
断片的に明らかになっていくことがあっても、事件の全貌は全く見えてこない。
どんな結末を迎えるのか。


読む前に手に取った時、あ、なんか美味しそう、と思った表紙の料理の数々。
上巻読了して改めて見ると、ちょっと具合が悪くなりそうな気がしてくるのよ……



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「10DANCE 5」井上佐藤(講談社)

勝つことに貪欲になること。
それはまったく悪い事ではなく、むしろ競技者としてはプラスに作用する。
現状に甘んじたら進化はない。
殻を破り、より高い所を目指す鈴木の欲と熱は周り中に伝播する。
試合の熱が伝わってくる高揚感に、彼らと一緒にゾクゾクする。
その熱と昂ぶりを抱えたまま杉木の元に走る鈴木。
ここまでは彼らと一緒にドキドキわくわくしていたのに。
ラスト、切な~~~、と思わず呻く。
何度読み返しても胸が軋む。
この二人、難しい問題に直面したなぁ。
胸の中に渦巻く様々な感情。
呑み込んで飲み下して。
どう折り合いをつけていくのか。
見守ります!

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「デルフィニア戦記 外伝1 大鷲の誓い」茅田砂胡(中公文庫)

バルロとナシアスの物語。
とっても楽しかった。
途中イラっとしたことも全部綺麗に消化してくれてあっぱれのボタンを押しまくり。
先読みのできない能無しは隊を指揮する資格はないし、
そもそも戦闘の応援に来て足を引っ張るなんて言語道断。
そして、誰かに守られながら戦場に立つようなお坊ちゃまは戦場に来ちゃいけない。
そんな諸々をナシアスが全部にっこり笑いながら、或いは冷たい光を放ちながら
ぶった切ってくれて爽快。
サブタイトルの「大鷲の誓い」が胸にじんと来る。
過去編に終始するかと思ったら終盤で本編終了後の彼らに会えて嬉しさいっぱい。






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「タフ 1」 岩本薫(B-BOY NOVELS)

絶縁していたかつての親友との再会。
絶縁理由が理由なだけに、いかに過去のこととはいえ許せる範疇なのかな?
と、思いながらの読み始め。
いや、でもシンゴ自身が心の底から響のことを憎んでいたら寄せ付けないよね?
嫌なものを意に反して受け入れるようなヤワな性格でもなさそうだし。
と、だんだん心境は変化し、
過去編を読むに至って、現在の二人の状況になんだか納得。
シンゴってば、ど天然。しかもまったく空気読めてない。(笑)
とはいえ、響がやらかしたことは消えないし、簡単に許せるものでもない。
この先二人がどう関係を修復していくのか。
楽しみ。

「見て見ぬふり」ができればもう少し人生波風立てずに生きていけそうなのに。
自ら首を突っ込んで面倒事に巻き込まれていくタイプ。
響と離れていた8年間、シンゴがどんな生活を送ってきたのか逆に気になる。
別tのタイミングで読もうと思っていたけど、
唐突に読みたくなって棚から引っ張りだしてしまった。
本は読みたいと思った時が読み時。
買い物は欲しいと思った時が買い時。(笑)



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「ベルサイユのばら 5」池田理代子(集英社文庫)

バスティーユ陥落。
それを見届けてオスカルも旅立ち、悲しみに浸る間もなく革命は進行していく。
喪われてく幾千の命。
国王一家を救おうと奔走するフェルゼンとアントワネットからの視点で描かれる革命は、愛の嵐
生きること、愛すること。
誰しもに与えられた権利だとしても。
王妃という立場は彼女にのみ与えられたもの。
その責務に対する自覚が少しでもあったならば、
そして、国民の生活がそこそこ安定していたのならば。
歴史は変わっていたのかもしれない。
読み始めこそ少女漫画を読んでいる感覚だったけど、
最後は歴史を紐解いている感じで作品世界に没入しました。

一気読みの流れで登録2600冊目。
選書を厳選している場合ではなかった。笑
このまま『オルフェイスの窓』に突入したい気持ちになりつつもそれはまたの機会に。
このタイミングで父子家庭に育った子から
「8歳の時以来母親と会っていないから、顔も覚えていない」と言う話をされて、
思わずルイ・シャルルに重ねてしまった。
駆け足て廻ったフランス。
いつかまた行きたいなぁ。

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