きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「屑の結晶」まさきとしか (光文社文庫)
いたたまれないほどにやるせない思い込み。
けれども。
それが彼が生きていくための支えだった。
大人になり切れなかった、悲しいほどに幼い魂。
彼の世界はあまりにも狭く、孤独で心許ないものだった。
彼の世界に色を添えたのは、母からの呪縛を拭いきれなかった彼女。
そんな彼女との一方的な約束がとても哀しい。
それでも、彼女はその想いを彼に託し、彼は受け止めた。
プロ意識を逸脱した弁護士。
それ故、彼女は生涯において重荷を抱えることになるだろう。
けれども。
それが彼女の選択。
どうしてこうなってしまったのだろう?
そんな問いかけに答えを知る者は、多分いない。
帯に「号泣」とか「泣ける」とか「涙がとまらない」と書かれた時点で、
まず気持ちがスッと冷めます。
いや、そんなのこっちの受け止め方だし?
決めつけられるのも、ちょっと……と。
いろんな先入観とか余計な情報は一切なしで読みたい派。
私の感情は私が決める。
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「パパと親父のウチ呑み 1」豊田悠 (BUNCH COMICS)
シングルパパだってたまには呑みたい!
だけど、幼い子供を置いてor連れて呑みに行くのは無理!
そんな彼らが選択したのは、酒の肴を自作しての家呑み。
いいね~。
どれもこれも美味しそう。
家で料理を作る時は、時々新メニューへのチャレンジをしつつも、
基本的には自分の作れるレパートリーの反復。
だから自分以外の人が作ってくれる料理は、
自分がチョイスしないメニューが出てくるから嬉しいね。
ハムカツ久々に食べたいなぁ。
でもこれ、家で作ったことないわ。
幾つになっても友だちとにぎやかに食卓を囲むのは楽しいね。
ウチは誰かの得意料理はその人に任せて
自分は手を付けない、という暗黙の了解がありました。
だから私は、中華飯が得意だった妹が家を出てから
彼女の作った中華飯が時々食べたくなる。
ちなみに私が作るものとみなされていたのはカレー。
「パパと親父のウチご飯 13」豊田悠 (BUNCH COMICS)
最終巻。
作中色々あったけれども。
終始美味しそうなご飯と愛情たっぷりな家庭描写にほんわり癒され、
最後は中学生にまで成長した愛梨と清一郎の姿が見られて感無量。
思い描いた通りの中学生'sに育ってくれていて、ホントに嬉しくなる。
千石と晴海の関係も変わらず、その距離感が良い。
小さいころから料理の手伝いをしていると、
大きくなってから困ることはないというのは実体験上断言できる。
ウチは「料理当番」という制度(?)があって、
持ち回りで作らされていたけど(←言い方・笑)やっててよかったなーと。
何度読んでも飽きずに楽しく読める作品。
「今年はもう作らないわ」
「うん。作らなくていいよ」
という会話をしつつ。
結局母がおせちを作る……というやり取りを何年繰り返していることか。(笑)
今年はどうなる!?
「汝、星のごとく」凪良ゆう(講談社)
幸せの形に正解はなくて、
自分が幸せだと思えれば、それが自分にとっての幸せのあるべき姿。
凪良さんの作品はいつだってそんなふうに訴えかけてくる。
人生は本当にままならない。
優しさですら、人を幸せにもするし、不幸にもする。
だけど。
その情がいとおしくもある。
言葉にしなければ想いは伝わらない。
どこかで想いをぶちまけていれば、何かが変わっていたかもしれない。
だけど、多分。
こうなる以外の結末はなかったんだと思わされてしまう。
読めてよかったお借り本。
間に合ってよかった。
花火を見ることができてよかった。
余命宣告をされても、やりたいことはやりたいと主張するべき。
もちろん、周囲の協力は必要だけどね。
私は抗がん剤治療真っただ中で沖縄に行きました。
そして、呼吸が一度止まり、そこから蘇生した親戚は、
体調が安定した一瞬でどうしても家に一度帰りたいと主治医に懇願し、
介護士さんと共に戻った自宅で同じく病床にあった旦那さんとツーショットの写真を撮り、
笑顔で病院に戻った二日後に旦那さんが亡くなりました。
かねてから旦那より先に死なないと主張していた彼女は
役目を果たしたことに安堵したのか後を追うように永眠。
根性で寿命が伸ばせる奇跡。
「ツァイガルニクの恋の沼」月村 奎 (SHYノベルス)
お手本みたいな両片思い。
相手の想いを客観視できなくて思い込みで突き進むと、こうなるのね、という典型。
とはいえ、そう思い込むのにはそれぞれ理由があって、まぁ、致し方ないかと。
とはいえ、気づけよ!……みたいな。(笑)
うん。
航輝はちゃんとアプローチできてたと思うんだ。
お互いに足りなかったのは言葉、かな。
そんなこんなで焦れったくも微笑ましくももどかしい二人。
どうにもならずに立ち止まっていた二人に第三者が良い感じで絡んでくれて、
関係性が前進した上に、長年にわたって秘めていた想いまで露呈し、
嬉し恥ずかしなお借り本。
収入よりもやりがい。
お金に困っても楽しい仕事。
ここは同意できなかったかな。
理想かもしれないけど、現実を考えるとそうも言ってられない。
働けなくなった時のことも考えて、いろいろ備えて生活していかないといけないからね。
「パパと親父のウチご飯 11」豊田悠 (BUNCH COMICS)
ミートローフ。最後に作ったの、いつだったかな?と思ったものの、
思い出せなかった。
ハンバーグと材料はほぼ一緒。
うん。
今度作ってみよう♪
パパのお誕生日に手づくりケーキ作りに奮闘する子どもたち。
そのまっすぐな気持ちが嬉しい。
困ったときには大人がちゃんと助けてくれる安心仕様。
子どもたちの将来は無限大に広がっている。
ついでに青年・竜也もまだまだ自分のやりたいことを追いかけられる。
自分が諦めない限り、選択肢がたくさんあるのは素晴らしいよね。
甥っ子ちゃんが今年受験。
なかなか大きな目標を掲げているみたいなんだよね。うん。がんばれー!
私が次に選択する機会があるとしたら、今の仕事からチェンジするときかな?
なんかこう、キラキラしたものに囲まれて仕事がしたい。