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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「エゴイスト」高山真 (小学館文庫)



え?と、途中で呆然としたのは久々。
最後まで読み切って、いろいろ刺さりまくって、
こみ上げる感情の意味するところを反芻して涙。
愛の形に正解なんてない。
自分が幸せで、関わった人たちも幸せで。
そう感じられたのなら、そこには愛がある。
だから貴方は間違っていない。
人生は不平等で不公平。
「しょうがない」と呑み込むこともたくさんある。
それでも。
幸せを共有できる誰かに出会えたこと、
誰かに幸せを届けることができたことは誇っていい。
本編後のあとがきはサプライズでもあり、
とても素晴らしい内容でもありで、背筋が伸びました。

予備知識ゼロで読んで正解。
何かを想像していたわけではないけど、
手に取った時の自分が思っていた以上に良い作品だった。
映画を観に行く前に読んでよかったとは思ってる。
だけど、未読で映画を観た時の衝撃も味わってみたかった。(笑)

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「イエスかノーか半分か読本 Color Bar」一穂ミチ



遊び心満載の、可愛いと面白いがギュギュっと詰まった一冊。
ひっさしぶりにイエスノーの世界に浸ったけど、問答無用で楽しかった!
計の自己紹介が裏表バージョンがあるのからして面白い。
思わず他の人も……と思ったけど、あるわけないよね(笑)
書き下ろし「レーザービーム」
クイズ番組で本気モードになる理由が二人ともカッコいいなー。
内心は大人げなさ全開でも、傍目的にはさらっと主導権を握ってるところもカッコいい。
「満ちる巣箱」
潮に隠し事のできない計がとても可愛い。
そして書下ろしのSSで大満足な読後。
仲良しがエンドレス。最高だね。

年賀状作成の合間に一息、と思ったら、
途中で止められるわけもなく、一気に読んでしまった(笑)
読み始めたら一気なんだから、いい加減、
せっかく新刊で買ってる本を積むのはやめよう、自分。
きっちり二年、寝かせてしまったわww




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「クリスマスの猫」ロバート・ウェストール



クリスマスにしてはシビアな話だなーと思いながらの読み始め。
だけど、子供たちの順応力の高さと、
困難な時代に生きる人たちの逞しさが伝わってくるにつれ、楽しくなってくる。
作中の諸悪の根源の処遇をどうするのかと思っていたけれども。
特に意図的にどうこうしたわけではなく、納得の成り行き。
牧師さんの意志の弱さはどうよ?と思わなくもないけど、
ここぞというときにつく側を間違わないでくれてよかった。
人種的な偏見に囚われず、
聖なる夜に馬屋に集った子供たちこそ光であり希望。
キャロラインとボビーの想像通りの顛末にほっこりする、
あたたかくてやさしい物語。

ウェストールの作品はどの作品もじんわり沁みてとても良い。

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「たとえ業火に灼かれても」水壬楓子 (キャラ文庫)



14年ぶりの幼馴染との再会は、心に封じた過去を呼び起こす。
呼応するかのように痛ましい事件が起き、不穏な気配が忍び寄る。
彼等の心の傷の深さや、14年間背負ってきたものの重さに息苦しさを感じ、
それでもなお潰えることのなかった想いと抱えた諦念にやるせなさを感じ、
迫りくる脅威にハラハラし……と、終始ドキドキしながらの一気読み。
16歳の少年が抱えて生きるにはとてつもない大きな「秘密」。
お互いの「秘密」を察しつつも、決して口にすることのない二人の関係が尊い。
悪意が介在した再会だったとしても。
それを打ち消す絆の深さが二人にはあったのだと、生きていてくれてよかったと。
切に思った。


うわー、これ、途中で止められないよね。無理だよね。
だって続きがめっちゃ気になるもん!
……というわけで、読み始めたの休みの日で良かった~~!と、心底思いました。

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「光のとこにいてね」一穂ミチ(文藝春秋)



偶然と必然を繰り返し、今に至るまで彼女たちは三度出会った。
共に過ごした時間はほんの僅かでも、この三度の出会いの間に
彼女たちは猛烈に惹かれ合い、とてつもなく大きなものを共有する。
それぞれが人生において大きな決断をするに至った三度目の出会い。
複雑な環境で多くの歪みを抱えても、どうにかここまで生きて来ることができたのは、
それぞれを支えてくれる人たちが傍にいたから。
互いの存在だけが生きる糧だったわけではない。
だから……このまま二人の人生が交わることなく過ぎるのが、個人的理想エンド。
これ以上密になったら二人だけで世界が完結してしまいそうだから。

チサさん、好きだなー。
傷だらけになっても、ちゃんと子供と向き合えている。
自分を大事にして幸せになってもらいたい。
素直に自分を見つめることのできた直くんにも幸せになってもらいたい。
水人にも瀬々にも藤野にも。
幸せになってもらいたい。

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「あと少し、もう少し」瀬尾まいこ (新潮文庫)



同じ年代の仲間たちと一つのことに打ち込んで、
ひたむきに勝利をめざす。
長い人生の中で、そう何度も経験できることではないだろう。
六人で襷を繋ぐ駅伝大会に挑むことになった彼ら。
一筋縄ではいかなかった大会出場への道程。
一人一人の姿を丁寧に描くことによって、
彼らが心の内面に抱えた葛藤が浮かび上がってくる。
支えになったのは互いを思いやる気持ち。
限界を突破してもなお湧き上がる力の源は、仲間たちへの想い。
彼らを見守り続けた教師や家族の姿も心強く、
彼らと一緒に笑ったり涙ぐんだりしながら、ドキドキのラストスパート。
楽しかった。

あと少し、もう少し。
彼らの姿を見ていたかった。
そんな思いを引きずる読後。
ひたすら子どもたちが眩しかった。






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「僕はここにいる」飯田雪子 (講談社X文庫ホワイトハート)



【再読】
姪っ子ちゃんのクリスマスプレゼントに笑える話と、胸に響く話と。
二つ選ぼうと思っての、じわっと響く系候補。
……と思ったら絶版。
え~~。素敵な作品なんですけどー。
哀しみは誰の元にも訪れるもの。
と同時に、誰もが乗り越えていかなければいけないもの。
哀しくて、苦しくて、どうしようもない時に、そっと手をさしのべてくれた彼。
寄り添ってくれた彼のやさしさとあたたかさに身をゆだねてしまいたくなるけれども。
その手を放すことを迷わず選んだ涼香に、切なさと安堵で泣き笑い。
うん。
大丈夫。
貴女の笑顔は周囲も笑顔にする。きっと。

ちなみに。
じゃ、こっちは!?と思って調べた本も絶版だった。
う~~、なんかいろいろ残念だなぁ。

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「林檎甘いか酸っぱいか[黄] 雪よ林檎の香のごとく」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



『ぐりとぐら』の解釈に衝撃を受ける。
なんだかとっても斬新だった。
絵本を読み返そうと思ったけど、斬新な解釈に上書きされそうで自粛。
ぐりぐらはほんわり楽しいままでいい。
総集編第三弾。
彼らの日常はどこまでいっても、好きの想いが薄まることがなくて。
ドキドキとときめきの連続。
この二人はこうやって年を重ねていくんだろうなぁ、
と確信が持てる言葉の数々が本当に印象的で胸に響く。
そして刺さる。
妹や父と母。
志緒の家族との向き合い方も好き。
彼らの旅の終わりとともに、この作品も終幕。
ふたりのやりとりに幸せをかみしめての読了。


別府もまたゆっくり巡りたいし、阿蘇もまたドライブしたい。
九州も何度行っても楽しい場所です。
というか、どこもかしこも何度行っても楽しい。(笑)
自分が行って楽しかった場所を作中の彼らが旅をしてくれると、
その風景がリアルに浮かんでより楽しくなります。

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「雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか~赤~」一穂ミチ(新著館)



恋をしている。
付き合い始めてから10年経っても、想いは褪せることなく。
むしろ、より深みを増していて、ひたすらに愛おしい。
そんな想いが随所に溢れていて、こちらも甘酸っぱい気持ちになりながらの読了。
高校生から大学生、そして社会人。
積み重ねた時間を、彼らは間違いなく共に生きていて。
周囲の人たちにも結婚や進学等の変化がある。
始まりは一冊の文庫本。
だけど、彼らは一穂さんの中で着実に時を重ね、関係を進展し、成長していっている。
物語を紡ぐ作家さんってすごいなーと思う瞬間。
左と右。
触れ合う指輪。
とても印象的。
こういうとこ、一穂さんらしいってつくづく思う。

新刊で買って、積むこと7年。
そんなに経っていたことにひたすらびっくり。
え~~。

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「狼の紋章【エンブレム】〔新版〕」平井和正 (ハヤカワ文庫JA)



独りよがりな身勝手な主張があちらこちらで鼻につく。
あなたのため、我々のため、お前と決着を、殺してやる云々。
何が自分のためなのかを決めるのは自分であって、他人ではない。
決着以前に喧嘩にもなっていない。
自分が他人に与える影響を知っているからこそ、
人との距離を置き、関わらないように努める犬神明。
だが、その気高い孤高故、人は彼に関心を抱くのか。
いや、引きずり下ろしたいのかな。自分と同じところに。
どっちにしても大迷惑。
降りかかった火の粉を払うために迸ったのは血の雨。
もはや害獣駆除。
令和の時代には出版できなかった本な気がする。


中学生だった自分はなんでこの本を読もうと思ったんだろう?
と、ふと思ってみました。
今みたいに身近にブックオフがあったわけでもないので、
普通にお小遣いで買って読んでたんだよね。
ロマンスよりバイオレンス。

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