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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「岳飛伝 8 龍蟠の章」北方謙三 (集英社文庫)



確固たる決意。
或いは覚悟。
諦めて備えるのではなく、立ち向かうための静かなる準備。
少しずつ膨張する水のようにジワリと広がっていく戦いの気配。
梁山泊と南宋軍。
どうぶつかっていくのかと思っていたけど、
海での最初の衝突の原因は、実に北方らしいものだった。
岳飛と梁山泊の関係性の落としどころが見えてきたことで、
共闘への期待感が待高まってしまう。
李俊が岳飛に晁蓋や宋江の名を語るシーンが印象的。
固有名詞以上の重さを含むのは、
全ての始まりはこの二人からだったんだよなぁという思いがあるから。
豪傑たちの二世はどう戦うのか。


「さらば」という言葉で柳沢慎吾の顔が浮かんでしまう私は、
何かを決定的に間違えています。
どうしてそうなったんだろう?(笑)

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「ラストナイト」薬丸岳 (角川文庫)



どうにかならなかったのだろうか?と思うけれども。
どうにもならなかったが故の「ラストナイト」。
悔しい思いもやるせない思いも憤りも恨みもいろいろあるだろうけれども。
結局は自らの意思を貫いた男には、多分、悔いはなかったはずだ。
そのために生きてきたのだから。
五人の人物たちの目線で語られる物語。
過去と現在が交差し、次第に明らかになっていく事の真相。
解放された彼。そして、ふとした時に胸を過るであろう蟠りを抱えた彼ら。
止められなかったと、悔やむ必要はない。
ただ、いつの日か、彼の思い出を語ることのできる時が来ればいい。

卵でとじた焼きそば……食べてみたい。
作れそうな気もする。
キムチ焼きそばも美味しいと思う。
「豚キムチ作った!」と言ったら「意外だ!」と言われた。
好物ですけど何か…?(笑)
とはいえ、いろんなの食べるしそれぞれ好きだけど、焼きそばは基本に返ってソース焼きそばが一番好き。




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「岳飛伝 7 懸軍の章」北方謙三 (集英社文庫)



勝手に副題。「岳飛、子猿と心を許し合う」。
その子猿が従者気取りなところがまた可愛い。
そして仲間に背を押されて実を結んだロマンス。
と、微笑ましい描写はありつつも、戦の気配が色濃くなっていく。
不穏な匂いを察する男たち。
仕掛ける方も仕掛けられる方も、戦ありきで捉えてしまっているところが何とも言えない。
回避する、という選択肢はないんだろうなぁ。
岳飛と張朔が対峙するシーンが良いね。
向き合うことで好感度を増していく漢、岳飛。
子猿でポイント加算。
でも私が一番気になっているのは秦容と小梁山の在り様なのです。
キーポイントな気がするんだよ。

次巻で大きく動くかな?
点と点が線になる瞬間を待ち構えているんだけどなぁ。
ここで以降の巻の内容を調べるとネタバレを食らうパターンが多いので、
ぐっと我慢。

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「悪の法則」コーマック・マッカーシー(早川書房)


法に触れることは最初からやっちゃいけない。
やるならすべての段取りを自分自身で。
裏切りや罠はいたるところに存在する。
小説ではなく、映画脚本。
最初は読みづらさを感じつつ、
簡潔な情景描写に逆にリアルに想像力をかきたてられ、
だんだんドキドキしながらのクライマックス。
読後の第一声は一言。
怖っ!
何が怖いって、やっぱり人間がおっかない。
大なり小なりの暴力性はすべての人間が内在しているものだと思う。
だけど、それを他者へ向けられるかどうかは全然別だ。
欲があってこその悪なのか、そもそっもが悪だから悪なのか。
問いかけたところで、彼女の笑い声がきこえてきそうだ。

昔は凄惨な映画も見られたんだけど。
今は怖くて見られない気がする……。
それにしても。
「首なしライダー」と言われるといまだに私は「銀郎奇怪ファイル」を連想するようです。

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「メロウレイン~ふったらどしゃぶり~」一穂ミチ(新書館)



本編その後の短編やSSがぎっしり詰まった一冊。
やさしくてうれしくて、時々ツキンと胸が痛くて。
一顕と整がお互いがお互いを好きだと
改めてしみじみと想う瞬間がとても愛おしくなる。
刻まれた時間の分だけ共有できる思い出が増え、関係を深め、
過去の自分と新たな目線で向き合って、
周囲の人たちとも新たな関係を築いていく。
日常の延長がそこに在って、
しっかりと人生を歩いている彼らの姿に安堵する。
そして叶うならば。
和章のその後もこうやってぎっしり詰まった一冊にしてもらえると嬉しいなぁ。
整が和章の気配をちゃんと感じ取ってくれたことが嬉しかった。


せっかく新刊で買ってるのに、3年半放置したのかーと。
なんだか反省。
そして、もう3年半も経ったのかーと、あまりにも時間の経過が早すぎてびっくり。
時間泥棒がいますよー。←いません。(笑)
同人やペーパーを持っていても、いちいち一冊ずつ引っ張り出すのがめんどくさいので、
一冊にまとめてもらえるととても嬉しい。

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「相棒はJK」榎本憲男 (ハルキ文庫)



表紙とタイトルのイメージから軽い気持ちで読み始める。
特殊能力?なにそれ、胡散臭い。
と、ますます軽めのイメージになる。
ところが。
ところがですよ。
扱ってるテーマは軽々しくなく、むしろ重苦しいものだった。
「間に合わなかったらどうする?」
優先すべきものは明白だけれども。
それを守る手段の是非を即答できない俊輔。
学ぶべきものと学ぶべきではないもの。
それを突き詰めていくのは今後の彼の課題なのかな?
特命捜査係の面々も訳アリばかりで
彼らの過去語りも期待したい。
そして俊輔の恋の行方は?
と、続刊への興味深々。



私は榎本氏は作家買いだから表紙関係なく手を出すけど。
この内容にこの表紙はちょっともったいないなぁ、と思わなくもない。
読者層を狭めている気がして。
まぁ、余計なお世話かな。
続刊の表紙を見たら、ありかな?という気もしてきました。←どっち!?
……というわけで、今月続刊が出るので発売を楽しみに待ちます♪


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「ナイトガーデン 完全版」一穂ミチ (ディアプラス文庫)




読み返すたびにじわじわと多様な想いが胸に広がっていく気がする作品。
許せなくていい。
抜けない棘が刺さったままでいい。
在るがままのキミを、アナタを全力で受け止める。
そんなふたりの物語。
人生ってやさしいだけじゃなくて、いろんなことにぶつかりながら
時には大きな傷を抱えて生きていかないといけない。
その傷を癒すためにそっと寄り添いあえる誰かがいる。
そして気づけば、明日に向かって一歩を踏み出せる自分がいる。
彼らの想いにギシギシと胸が痛みながらも、
大丈夫、ひとりじゃない、と泣きたくなるような安堵に包まれながらの読了。


『ふったらどしゃぶり』のスピン。
和章のまっすぐな物言いは嫌いじゃない。
自分にとってきれいなもの、おいしいもの、おもしろいものは、
必ずしも他人にとってもそうとは限らないのだと。
強く言い聞かせる必要はないけど、
心の片隅にとどめておく必要はある。

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「ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~完全版」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



セックスの悩みを赤裸々に他人に打ち明けることは難しい。
その悩みが、一顕や整の抱えたような深刻なものであればあるほど、口は重くなる。
内に抱えたものに煩悶としながらずぶずぶと深い沼に沈みこんでいきかけた状況から
彼らを引き上げたのは、見ず知らずの他人とのメールでのやりとり。
思いを吐き出す場所がある。耳を傾けてくれる人がいる。
なにより。
同じものを見て、同じことを相手に伝えたいと思った共感性。
崩れそうな想いを支えるかのように腕を伸ばした結果、現状をぶち壊すことにはなったけれども。
前に進むために必要だった禊。
幸せになってほしい。

旧版の方では私がやらかした一顕と同じような間違いメールの話をしたので、
ここでは間違い電話の話を。
今ほど警戒心でガチガチではなかった時代。
気軽く出てしまった見知らぬ携番からの電話は間違い電話。
一度切ったんだけどね。
少したってその男性から折り返しかかってきて。
「周囲に相談できる人がいなくて、ちょっと聞いてもらいたいんですけど…」
と、何故か彼女に対する悩み相談。
気軽く拒否るのがためらわれる声音だったのもあるけど、よく付き合った、私(笑)

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「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身VIII」



フェルディナンドを奪還するための怒涛の展開。
無茶を押し通していろいろ突破していく皆々の行動がとても好き。
久しぶりのフェルマイのシーンがホントしっくりきすぎて微笑ましい。
素直に感動の再開とならないところが、なんともこの二人らしいね。
そして、ああ、そうきましたか!という思わず膝を打ちたくなる展開。
1巻から目指してきた野望(?)の着地点はそうくるのね、と見えてきた終着点にわくわくする。
その前に。
片付けなければならない大問題が立ちはだかっているので、
もうひと頑張りだね。
エピローグとプロローグ、そして描き下ろしSSはありがたい本編補完。

とても楽しく一気読み。
続きがものすごーく気になってもWeb版は覗きにいかずに紙本待ち。
焦れ焦れ待つ楽しみは未読の間しか味わえないからね。
……と言いつつ、私結末ネタバレ食らっているので、ざっくりした着地点は知っているのでありました。
Web版既読の友だちのTwitter危険!

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「砂嵐に星屑」幻冬舎 一穂ミチ



テレビ局で働く人たちを描いた4編のオムニバス。
一日の大半の時間を過ごす日常がそこにあり、
彼らの悩みや惑い、苛立ち、笑いや涙がちりばめられている。
煌めく恒星のような輝きではなくとも。
星屑が瞬くように彼らの人生が彩られるのは、そこで彼らが懸命に生きているから。
ままならない人生を誰かのせいにするのではなく、
たとえこんなはずではという思いを抱きながらでも
自らの足でふんばっているから。
だから共感できる部分があり、共に一喜一憂してしまう。
頑張っても頑張らなくてもいい。
ただ、後悔をしない人生を選択したい。

「グラフロ」
行ったことなーい!
どんなお店が入ってるのかしら?
と、調べに行って一発目に引き当てたのは「味の牛タン 喜助」。
地元やーん(笑)
大阪……割と行った気がするけど、
観光らしい観光をした覚えがあんまりないのは
ドームとかホールとかばっかり行っていたせい。
それはそれで楽しかったけど、
今度はちゃんと観光しに行きたいなー。



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