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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「毒を喰らわば皿まで ~箱詰めの人魚~」十河



興に乗って第三弾。
国が増えても登場人物が増えても。
骨組みがしっかりしているから、最初から最後まで緻密に構築された
作品世界にどっぷりハマって楽しめる。
いつもの面々の相変わらずな様子ドキドキムフムフ(?)しつつ、
エゴ丸出しの醜悪な我欲に立ち向かった幼子の勇気を褒め称えたい。
これまで他者に選択を強いてきたアンドリムが、逆に選択を迫られるシーンが印象的。
その選択を促すのがヨルガだというところが運命的。
二人の約束の言葉が胸に刺さる。
彼らの物語をもっともっと追いかけたい。
というわけで、続編是非!

それぞれの国があって、それぞれの王がいて、それぞれの文化があって。
ん?
……はい。十二国記を想起。
結局、表立っては表れてこない細部まで作りこまれた世界観の上に成り立ってる話が
おもしろくないわけがないのだ!と、改めて納得。


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「毒を喰らわば皿まで: その林檎は齧るな 」十河



【再読】
抱えたもののすべてを手にすることができないとしたら、何を選ぶ?
或いは。
唯一を守るために切り捨てなければならないものがあるとしたら、どんな選択をする?
突きつけられるのは、そんな問いかけ。
それぞれの選択が潔くもあり、痛々しくもあり、やるせなくもある。
常にぴったりと寄り添い合っている姿が常態化したアンドリムとヨルガ。
互いの溺愛っぷりが際立つけれども。
甘さの裏にとぐろを巻くアンドリムのしたたかさと容赦のなさは健在。
そして。
彼の懺悔がやるせない。
しんみりした後の驚愕で読後のインパクト半端ない。

「ヒルガオ」という言葉で上戸彩の姿が浮かぶのは完全にドラマの影響。
私、そのドラマ観てないのに!
なんか影響力すごいな~。
さて。
いよいよ未読の最新刊へ。楽しみ~♪







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「毒を喰らわば皿まで」十河



【再読】
借りて読んでいたんだけど、結局自分で買ってしまったお気に入り♡
このまま手を打たずに事態が進んでいったら身の破滅。
ならば、回避する手段を模索するのは必須。
奸計であり、痛快。
悪の宰相・アンドリムが、気づけば、国の中枢にいる面々から頼られ、慕われ、溺愛され、
ていく様はなんとも愉快。
けれども当の本人の根源はやはり白ではなくダーク。
歪められた真実を囁かれた孤高の騎士・ヨルガがアンドリムに籠絡されるも、
結果的には自らの意志で彼を選ぶ様もぞくぞくする。
そしてまさかの顛末を経ての壮大なエンディング。
大満足な読み応え。

再読ながらとってもとっても楽しかった。
残り既読一冊、未読一冊。
お楽しみがまだ待ち構えている幸せ(笑)

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「十二国記」30周年記念ガイドブック



単行本未収録の『漂舶』が読みたいがために購入。
だって、延王の話だっていうから。(延王好き♡)
でも、それ以外の部分でも読み応え文句なしの一冊でした。
楽しかった。
これまでの作品の振り返りや作品に関わった方々のインタビュー、
何より小野さん自身のインタビューを読んでいると、
一作目から読み返したくて仕方なくなってしまう。
そこここに作品世界に対する愛が溢れる中、
小野さんのインタビューは超クール。(笑)
『漂舶』は相変わらずな賑やかしい日々を送る尚隆と六太だけど、
ドタバタの果てにしんみりさせられての読了。


『魔性の子』を最初に読んでいて。
その後発売とほぼ同時期に購入した『月の影 影の海』が同一世界観だと気づいたときの衝撃。
更に28年後『白銀の墟 玄の月』を読んで、「こうつながるのか!」と前回を上回る衝撃。
思えばどっぷりハマっています。大好き。
新潮文庫でのレビューはすべてあげてるけど、
ホワイトハートではレビューあげてないんだよね。
そのうち読み返しながらUPしていこうかなー。

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「氷雪の王子と神の心臓」尾上与一 (キャラ文庫)



出自に縛られた二人の王子の思わぬ出会い。
決して先行きの明るくない自らの運命を受け入れた二人が、語り合うのは見果てぬ夢。
抗うつもりなどなかったのだけれども。
国のため。愛する者のため。
運命に立ち向かった瞬間から、彼らの人生が激変する。
二人とも流されるだけで終わってしまう器ではなかった。
だけど、自分のためには戦わなかったと思う。
備えていたのは、猛々しいのではなく、しなやかな強さ。
共に在ることを、そして国を守ることを諦めなかった彼らの在り様を
追っていくのがとても楽しかった。



欲を言えば。
銀狼のゲルダともっともっと絡んでほしかった。
せっかくのモフモフ~~。
夏に読んでいるのに思わず寒さを感じてしまいそうな筆力はさすが。
脳内で氷の塊がビシバシ飛んでいました(笑)



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「イングランドを想え」KJ・チャールズ (モノクローム・ロマンス文庫)



20世紀初頭の英国。
戦場で起きた事件の真相を探るため、
敵地と思われる屋敷に赴いたカーティス。
そこで出会ったダ・シルヴァもまた、
とある秘密を探るために屋敷に入り込んでいた。
ミステリアスな物語進行と同時に語られる、
同性愛が禁忌とみなされた時代の二人の想い。
心強い味方となったお嬢様方二人もよき。
数多い登場人物に混乱することなく、
綺麗に着地するかと思いきや!
え?続編あるよね?と言いたくなる幕引きはずるい。
ようやく相手とまっすぐに向き合った二人。
今後の活躍を是非!




どこまでも続く地面に掘られた人一人分の幅の穴に次々に人が落とされて行って、
底までたどり着いたらあとは上から落ちてきた人につぶされて圧死……
という、恐怖に慄く夢を見たことを思い出して軽く鳥肌。
怖かった。
そんな穴、あったんですねー。近寄らないようにしよう。←そんな機会はない。


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「デコトラの夜 (2)」 (ウィングス・コミックス)



この巻でぐっと存在感を表した美晴さん、好き。
祐一との結婚生活を送りながらも、
彼女もきっと、ただ流されるように生きていたんだと思う。
タイヨーが表れて、祐一と美晴と七千子との生活に関わるようになって。
考えることや気づきがあって、ありのままの自分らしく振舞うことができるようになったことはプラスの変化。
彼ら四人と晴太の五人は、
傍から見れば奇妙な関係性かもしれないけれども、彼らは間違いなく家族だ。
誰が欠けても幸せが欠ける。
みんなが慣れていない幸せ。
だったらこれから慣れていけばいい。
互いのぬくもりを傍らに感じながら。

一巻と二巻の表紙を並べると、とても素敵な夜空が広がっている。
花巻温泉、いいところだよね。また行きたいなぁ。
浄土ヶ浜は大昔に体力勝負の日帰りドライブで強行したけど、
今なら一泊でゆとりをもって訪れたい。


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「デコトラの夜(1)」 (ウィングス・コミックス)



菅野さん原作の山田さん作品。
カーチェイスに銃撃戦。
現実味に欠ける展開ながらも、提起される問題は深刻で根が深い。
そこはとてもリアルな部分だから。
あたかもそこにいるかのように、笑顔でハナと七千子のことを話すタイヨー。
彼らの真実を知れば、その笑顔が辛くなる。
自らの生きている意味を見いだせずにいた祐一は、
非現実の中に放り込まれて自身を見つめなおす。
覚醒剤。育児に関わることの無知。それを周知することのできない社会。
彼らはこの先、どんな未来を歩んでいくのか。


読メ開始時から何度か登録しようと思って読み返しては、
二冊一気読みして読み終わって満足して……の繰り返しだった作品。
何度目かのチャレンジでのレビューアップ(笑)




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「恋愛映画のように、は」 (ウィングス・コミックス)



菅野さん原作の山田作品。2編収録。
『夏の声』
二度と戻ることのない高校時代。
息苦しかったり、生きづらかったり。
そんなこともあったけれども。
今も縁の続く友だちと楽しく過ごした特別な空間。
そしてとても貴重な時間。
気持ちがしんみりしたところで続けて表題へ。
この作品とても好き。
ちょっとノスタルジックな気分になっていた気持ちを
別角度からがっつり抉られて泣きたくなって読了。
こういうとこ、菅野さんの感性だなーって思う。
人生、必ずしも思う通りにはいかない。
だけど、肩ひじ張らずに生きていければ楽しいことがある。
きっと。

10年以上ぶりの再読。
今もこういう作品で胸が震える感性が持ててよかったなーと。
ずっつずっと抱えていきたい。
横溝作品、読んだことないけど……いつか読んでみようかな?←まだ無理(笑)




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「エアー2.0 」榎本憲男(小学館文庫)



夢のような物語。
東日本大震災という未曽有の大災害に見舞われた福島を、
いや、福島に限らずこんなふうに復興できたら。
とても素敵。
そして、自分がその事業に携わることができたのなら。
想像すれば、ますます胸が高鳴る。
夢物語であることはわかっているけれども。
その夢をみたくなる。
そんな作品。
とてもとても楽しかった。
現状の政治や経済の在り様にも言及していて、
いろいろと考えさせられる。
死に際にこれだけ見事な花を咲かせることのできた彼本望だろう。
あとは彼らが引き継ぐ。
確実に。
そう思えることが嬉しい読後。

毎年毎年南三陸と気仙沼に行ってしまう。
そして、とても楽しく帰ってくる。
着実に未来に向かっている被災地。
いつだっていつまでも応援したい。

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