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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「革命の血」柏木伸介(小学館)

幻のような男を追い、真偽の分からぬ事象に振り回され、
多くの命を犠牲にしながらも、平成の始まりから終わりまでを駆け抜けた彼らの物語。
裏切りに翻弄されながらも
握りつぶされようとした真実に辿り着いた男の心情はいかばかりか。
ハードボイルド、というよりも、
日本と言う国と自分との向き合い方を突きつけられたような物語。
「一人ひとりの心、その持ちようが革命」
この言葉を含んだ男の台詞そのものが、
著者の伝えたかったことかもしれない。
この国がこの先どうなっていくのか。
読後に重くのしかかってくる。
あなたはこの国を愛していますか?

文庫になるのを待とうと思ってたけど、待ちきれなかった。
悔いなしの面白さだったけど、
2:00am過ぎても読む手が止まらず、ハードカバーを一日で読み切ってしまった……。
電子の方が嵩張らないのはわかってるけど、
どうしても紙本が良いのです。
(目の具合的に電子が無理ってのもあるけど)

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「デルフィニア戦記第四部 伝説の終焉1」茅田砂胡(中公文庫)

キツネとタヌキの騙し合いのような平和式典が催される一方で
本格的に練られるリィの暗殺計画。
想定外の一組を加えたカップリングラッシュ。
そしてなぜかあちこちで盗み聞ぎする国王夫妻&腹心。
庶子の国王であるウォルと生粋の侯爵家で育ったバルロの
考え方の違いが明確でわかりやすい。
そしてこの二人の結びつきの強さも改めて理解できる。
イヴンの流儀はカッコいいし、それを貫けるところが更にカッコいい。
けど。
彼を想うシャーミアンにとってはちょっと大変かも。


初読の時ヴァンツァーのイメージはもっと硬派でカッコいいと思ってたんだけど、
実は悩める愁い人だったんだねぇ……と思った再読時。
ところが。
初読の時の感想を見たら「悩めるヴァンツァーはずいぶんと人間らしい」と書いてあって。
え!?どこで誰とイメージ入れ替わった?と、ちょっとびっくりしてみました。

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「デルフィニア戦記第三部 動乱の序章5」茅田砂胡(中公文庫)

今回ばかりはリィの頑固さにイラっとしつつ……
ん?初読の時はそんなふうには感じなかったんだけどなぁ。
言ってしまえばリィの空回り。
良かれと思っても、他の誰にとっても大迷惑。
自分だけが正しいんじゃないんだよー。
大騒ぎの末、こちらの問題は一段落。
……と思ったら、今度は暗殺未遂事件が勃発。
リィと言う得難い存在を得、ウォルと言う施政者の元、
順調に発展を遂げるデルフィニア。
それは彼らの努力と人柄によるものなのに。
潰して奪おうとする輩の考え方が気に入らない。
繰り広げられる壮絶な死闘。
なのに、殺し合った当人たちは不敵に笑っているのだ。

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「デルフィニア戦記第三部 動乱の序章4」茅田砂胡(中公文庫)

長椅子が飛び、机の脚が折れる驚異的な夫婦喧嘩からの、
獣の子がじゃれ合うような仲直り。
何もかもが規格外。
この二人にしかできないよなぁ。
その後は戦後処理も含め、
今後の国の在り様に関して真剣に協議し、
一方、敗戦国となった二国は懲りずに悪だくみ。(←言い方…)
領地に関する問題も浮上し、政治的な面も盛りだくさんな展開だけど、
最後はダルシニ家の人々の王家に対する不敬を指折り数える
悲痛すぎる会話にお腹が痛くなるまで笑って笑って、
リィの宣言に吹いて読了。
展開の振り幅が大きすぎて
読む手を休めるところってないんだよね。
グイグイ読まされてしまう。

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「10DANCE 3」井上佐藤(講談社)

モチベーションの高さや練習に向ける気力体力のバランスを
考慮しないといけないところが、個人ではなくパートナーと共に挑む競技の難しいところ。
杉木がパートナーと長続きしなかった理由に納得だけど、
それが理由で続かなかったことが哀しくもなる。
レッスン場を飛び出して迄とことんくらいついてくる鈴木とは
一緒に踊ることが楽しくて仕方ないんだろうなぁ。
鈴木のレベルを上げることに他者の手を借りることに対する杉木の葛藤。
恋物語を体現するダンス。
近すぎる距離。
錯覚する恋心。
衝動的な口づけ。
果たして……錯覚?
もしくはそれは目覚めた本能?
ドキドキ感がたまらない。


前半のおまけマンガ、めっちゃ好き。ってか、わかりみ。
どんなイケメンに声をかけられたとしても。
イベント帰りの荷物なんて絶対預けられないわ~。
そしてカバー下に爆笑。

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「デルフィニア戦記第三部 動乱の序章3」茅田砂胡(中公文庫)

陸地でつながった隣国とは、どんな瞬間に争いになるかわからない。
どうしても今のロシアとウクライナを思ってしまう。
意に沿わないながらも王となったウォル。
なったからには懸命に職務を果たし、
それなのに、その先に待ち受けていたのが敵国の捕虜となっての凄惨な拷問。
自らの意思とは関係なく異世界に飛ばされたリィ。
王の同盟者である王妃として果敢に戦い、
その結果、疲れ切った心身を覆う異郷の相棒への想い。
理不尽だよね。
それでも、この二人は絶対の信頼の元、一緒に進んでいくんだなぁ、
と思った矢先の一触即発。
当人たちのことは心配してないけど、
周りの人たちの心労を思いつつ……次巻へ。

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「デルフィニア戦記第三部 動乱の序章2」茅田砂胡(中公文庫)

続き~~!と次巻に走りたい気持ちを抑えてまずはこの巻の感想を。
再読なんだけどなー。
今すぐ次巻を読みたい。
王の側室を勝手に探してきましょう&お膳立てしちゃいましょう!ついでに賭けちゃいましょう!という前半のほのぼのしい展開から一転して暗雲立ち込める後半。
他国の策略と自国の領主たちの裏切りによって窮地に陥るウォル。
頼もしい味方はそれぞれバラバラに。
猪突猛進型のバルロはこういう時「待て」の状態になる星廻り。
一方、無茶を承知で動こうとするイヴンとジルの会話は胸熱。
「おれを信じろ」
リィの言葉を胸に刻んで次巻へ。

読んだ本の感想はその場で打ってしまわないと次の本には進めない性分です。
速攻で内容が上書きされちゃう。(笑)








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「デルフィニア戦記第三部 動乱の序章1」茅田砂胡(中公文庫)

近隣諸国との間で不穏な気配が高まってきたデルフィニア。
いずれ開戦は必須。
その前に……高貴なる生まれの方々に迫り来るのはお世継ぎ問題。
ひとりでどうにかなる問題ではないし、
それぞれの想いが成就されるには
乗り越えないといけないハードルは高そうだけど、がんばれー!(他人事・笑)
シェラの性別がシャーミアンに知られて、こちらは流血の大惨事。
間に入ったイヴンの男気がカッコいい。
リィの謎が少しずつ明らかになりつつも、
どんな事態になってもリィに対する態度の変わらないウォルの度量の広さが好き。
そしてイヴンとウォルの固い友情が素晴らしい。



金脈があることを口外せず、
山賊暮らしを営んできたタウの人々。
そうだよ!黙っていたからこその存続なんだよ!
と、阿部の一族に言いたい。とても言いたい。超言いたい。(『炎立つ』参照)

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「10DANCE 2」井上佐藤(講談社)

リアルに言葉を交わす前から互いが互いを知っていて。
自身のダンス競技の在り方に大きな影響を与えあっていた。
その二人がいま、手と手を取り合って踊っている。
しかも喧嘩しつつも密着度半端ない。
ダンスに賭けている、というよりも、ダンスが生きることそのものなんだとしか思えない杉木。
そんな杉木に引っ張られていく鈴木の変化にこっちもドキドキする。
スタジオを飛び出して公園でも踊り出してしまうシーンがとても好き。
練習や試合がきつくても苦しくても。
周りに何を言われても。
踊ることが好きで楽しくて仕方ないことが伝わってくるから。


鈴木の英語の発音、聞いてみたいなー。
でも問題は私がそれを「甘えた舌足らずな喋り」と認識出るかどうか。
……無理っぽい。

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「10DANCE 1」井上佐藤(講談社)

コンプしている好き作家さん。
この作品が竹書房から講談社に移ったことにもびっくりだったのに、
さらにびっくりなまさかの実写化に再読&登録。
旧版はもちろん既読。
日本でのスタンダードダンスとラテンダンスを極めた者同士が挑む10ダンス。
鈴木と杉木。
それぞれの専門分野を互いに教え合うわけだけど、もちろんすんなりいくわけがなく、
その過程には山あり谷あり。
ダンスのレッスン風景だけでここまで楽しく読ませてくれる描写はホント素晴らしい。
何度笑ったか。
だけど、楽しいだけじゃなくて。
このチャレンジには葛藤も含まれる。
壁を越えて高みを目指して。
頑張れ!


実はソシアルダンス、ちょっとだけ習ったことがあるんだよね。
スタンダードはこなせても、私はラテンのクネクネした動きがどうにも向いてなかった。(笑)
どの作品においても実写版にはそんなに興味がないんだけど、
ネトフリ契約中なので配信になったら観てみようかな。
うん。観てみよう。

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