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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「セクシー田中さん」芦原妃名子

セクシー田中さん


今の自分を変えたい、と思ったら、
何か行動を起こさないといけない。
何をするかは人それぞれ。
田中さんの場合はベリーダンス。
打ち込めるものを見つけて、努力を続ける彼女の姿は魅力的。
居場所があるって心強い。
自分模索中の朱里はそんな田中さんに夢中。
人の内面をちゃんと見る目を持ってるってことだよね。
猫被ってない素の朱里が可愛い。
無自覚無神経で理想の女性像の追及に余念のない笙野と、
素の朱里にドキドキするチャラリーマン小西。
こっちも無神経な気がする進吾と
人たらしなマスター三好。
彼らの関係がどう展開するのかとても楽しみ。

田中さんよりももっと若かりし頃の私も、自分を変えたくて、
こんなふうに変わりたいと思う自分に近づきたくて、
頑張った覚えがあるなぁ。
主観的にだけど、ある程度は近づけたと思ってる。
生きるのが楽になったから。



女子にとっては「真壁くん」なら男子にとっては「浅倉南」。
ああ、例えがわかりすぎる世代です。
内面が掘り下げれればられるほどなんだか愉快な笙野。
無神経でも自分の言動を振り返って反芻することができるのは
凄いと思うよ。
着地点が究極の勘違いだったことが笑える。
チャラ男かと思った小西は堅実なアドバイスができる人。
素の朱里にときめく小西が愉快。
そして田中さんの悩みを受け止める朱里は大人びててカッコいい。
彼女も苦労しながら生きてきたんだなーと思わせる過去はなかなかシビア。
なんだかんだ一生懸命生きている彼らに好印象しかない。



表紙でかっこよく決めてる笙野の懊悩にひたすら笑って読了。
いい。
この人、とても良い。
変わろうとする姿も好ましい。
そして小西の笙野に対するアドバイスが説得力あって良いなーと思う。
この二人の友人関係、素敵。
私小西には朱里とくっついてもらいたいんだけど、
進吾が朱里にどう関わってくるかちょっとドキドキ。
そして一方的に笙野につかっかる朱里の一人バトルが愉快。
小西が間に入ることで、ちょっとは歩み寄れるのかな?
お友達ができて喜んでいる田中さんがとても可愛らしい。
彼女の恋が誰とどの方向に向かっていくのか。
気になる~。

「私のこれからの人生の中で、今が一番若い」
と言う田中さんの言葉に、何故か
「(風化が進む一方なので)今のこの状態が軍艦島で一番良い状態なんです」
というガイドさんの言葉を思い出した。
もう一度行きたい軍艦島。


「田中派」の朱里と笙野のコンビがとても愉快。
田中さんと絡めば絡むほど笙野は人間味が出てきて魅力的(?)になるし、
朱里は年下にもかかわらず頼もしくて心強い。
そんな二人や周囲と関わりあうことによって田中さん自身も少しずつ変わっていく。
朱里も内に抱えた鬱屈が晴れるといいな。
そしてド迫力の愛子先生。
「人を魅きつけるのはエネルギーだ」
その通り!という魅力を還暦を越えて体現している人。
終始楽しくて、笑いながら読んでいて、
なのに最後の最後でちょっとぉぉぉ!という爆弾落とされて次巻へ。
え?気になりすぎるんですけどー。(涙目)

気になりすぎて続きが掲載されていたら発売中の雑誌を買う気満々で検索かけたら
連載がお休みだった。
ぬおっ!?うそでしょ!?とジタバタして冷静になってみました。
うん。
次巻を大人しく待とう。いや、待てるか?←葛藤中(笑)

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「緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼」みやしろちうこ(リブレ出版)



好き好き大好き言ってれば、何したって許されると思わないでよ?
という思いが途中まで抜けずに、
私の評価が底辺だったレシェイヌ。
とはいえ、彼の立場や置かれた環境を想えば、仕方ないのかな?
でもそれは人としてどうよ?
あれ?彼、人じゃない??
王族が愛し合うことによって土地が肥える。川の水が綺麗になる。
彼の孤独を知り、そのあたりの世界観を汲み取ったあたりから面白くなってきました。
とはいえ、ワンパターンな濡れ場には飽きてきて、そこは斜め読み。
不自由なく暮らせる立場にありながら、
自分にできる事を模索する足弱の佇まいは好印象。
色々気になるので次巻へ!

この物語で特筆すべきは<灰色狼>の皆々様の存在。
王族に仕えることに生きがいを見出し、
かいがいしく二人のお世話をする様がとても楽しい。
というか、仲間内での相談内容がとても愉快。
表紙もイラストも綺麗で、4冊表紙が見えるように並べて飾りたい。
無理だけど(笑)

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「傭兵の男が女神と呼ばれる世界2」野原耳子 (アンダルシュノベルズ)



相変わらず世界の状況は厳しくて、彼らに優しくないけれども。
身内の人間関係は良い方向に流れて行っていると思う。
王たる自覚を持ったノアの言動の成長ぶりが素晴らしい。
その一方で雄一郎に対してはワンコ一直線なところが可愛い。
そしてテメレアの献身的ともいえる愛情。
周囲に感化されるように、頑なだった雄一郎の心も少しずつ解れていく。
そんな中、一人心配なゴートの所在。
中だるみすることなくグイグイ読ませて、
全ての謎解きも事態の決着も次巻持ち越し。
わー、気になる。
シリアスな本編と打って変わって
巻末の番外編がとても楽しかった。
酔っ払い最高(笑)


「3巻を出せるかが2巻にかかっております!」と野原さんはおっしゃっておりますが。
え?出るよね?と当たり前のように言いたい。
ここまで出たら間違いなく3巻は出ます。←私が断言(笑)



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「傭兵の男が女神と呼ばれる世界」野原耳子 (アンダルシュノベルズ)



【再読】
フリーの傭兵として戦地を渡り歩いていた雄一郎が
ある日飛ばされた異世界で女神と奉られることに。
とはいえ、傭兵は異世界に行っても傭兵。
金銭を対価に戦うことを承諾した雄一郎の容赦の無い戦いぶりが素晴らしい。
共に戦う一癖も二癖もある男たちも魅力的。
血なまぐさい戦闘が続く一方で、骨肉の争いの渦中にあるノアと
神託に巻き込まれたテメレア、この両者と雄一郎との関係性の変化も読み応えあり。
オトコマエ受、最高です。大好きです。
心に傷を負った彼らが出会ったことで、少しでも癒される部分があるといい。
まずは敵の殲滅!次巻へ。

続刊が発売されたことに大喜びしつつの再読。
続きが読めることの幸せをかみしめる。
この世界観、大好きだわ。


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「機龍警察 狼眼殺手」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)



【再読】
前線で身体を張れる上司には、そりゃあ部下はついていくよね、とつくづく思う。
誰が敵か?を探ることも必要だけど、
誰を信じるか?に私は重きを置きたい。
この人なら、と懸けられる人との出会いは、ある意味行幸。
特捜部以外の部署の面々の言動の幼稚さにがっかりしつつも、
少しは歩み寄れてるかな?と思う面も。
そして様々な事件と対峙してきた特捜部の面々の
内面の変化と成長がビシバシと伝わってきて感慨深い。
こういうのはシリーズ物の醍醐味。
さて。そろそろ明かして欲しい「敵」の正体。
しょぼかったら暴れるけどそれは杞憂かな?


ライザと緑の関係。
沖津の置かれた状況。
「敵」の輪郭。
「キモノ」不在。
好き作品の再読だけあって色々覚えていたけど、
「狼眼殺手」の意味するところをきれいさっぱり忘れていた自分にびっくり。
興味のありどころ……と片付けるには、重要ポイントすぎ。
タイトルですけどー。
まぁ、何度も読んで楽しめばいいよね。

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「雪降る王子と春のめざめ」尾上与一 (キャラ文庫)




眼前に立ちはだかる困難に命がけで立ち向かう。
すべては愛しい人のために。
彼の人の統治する国のために。
読み応え抜群の壮大なファンタジー。
BLカテゴリーに留めて読者層が限定されちゃうのが惜しい気がする。
まぁ、濡れ場ありなので気軽くお勧めはしづらいけどね。
息子の危機に身を細らせて寝込む魔法国の王に比べて、
武強国の王たちの頼もしく逞しいこと。
惚れ惚れするわ。
その王に嫁いだ魔法国の王妃(王子)たちも自力で戦う術を心得ている。
王と王妃(王子)たちの愛と絆の深さがホント素晴らしい。
幸せな結婚で良かったと心底思う。


長兄のスピンを希望する私的には特典の小冊子はご褒美だった。
イスハン絶対に私好み。
イドとカルカの距離が縮まっていて、やっぱりねー、とニヤリ。
この二人のスピンもないかな?

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「花降る王子の婚礼」尾上与一 (キャラ文庫)



それぞれが国の存亡を、そして自らの命をかけるほどの大きな秘密を抱えて迎えた
婚礼の儀。
偽りだらけの婚姻の中に滲む精一杯の誠意。
リディルの抱えた覚悟と悲壮感。
グシオンの抱えた孤独と絶望。
歩み寄りとすれ違いの果てにたどり着いた真実の愛。
綺麗で濁りのない彼らの想いが胸に染みて、涙が零れる。
己の主に懸命に使える側近たちの姿も人間味溢れて微笑ましい。
そしてフクロウがとても可愛い。
幸せな想いに呼応するように指先から零れ落ちる色とりどりの花。
素敵だね。
どこまでもきれいでやさしい物語。
とても良かった。


隣の席の部長がフクロウを飼おうとして、数日間のトライアルにチャレンジ。
先住の飼い猫と折り合いがつかず、夜中の大運動会に発展し、
奥様が一日で根をあげた話を思い出しました。
「今すぐ返してきてって菓子折り渡されてさー。わかりましたっていう以外なかった」
部長は未練たらたら(笑)
個人的にイド×カルカありだと思うんだけどなー。
お互いにツンツンしながら距離を近づけていってもらいたい。
わー、とても楽しそう。





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「機龍警察 火宅」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)



【再読】短編八作。
作品タイトルと内容のリンク具合が秀逸で、
作品→タイトルなのか、タイトルありきだったのか気になるところ。
既刊を踏まえたうえで読むからこそ、
登場人物たちのイメージがより深まり、人間味が増す。
これまで扱われてきた事件の補完になる部分があったり、
後日談が描かれているのも楽しいし、
彼らが今まで覗かせることのなかった表情が知れて、親近感が増したりもする。
どうしても抜きにして語ることのできない「敵」の存在が
ここでも生々しく突き付けられ、次巻へと逸る気持ちを掻き立てられる構成はうまいしずるいと思う。





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「Calling」かわい有美子 (花丸文庫BLACK)



BLACK(レーベル)でかわいさん?
え?どんな作品?
と、新世界を期待して読み始めたけど意外性はまったくなく、
安定のいつものかわいさんでした。
とはいえ、BLACK選択の理由に納得。
後書きでこういう出版事情が知れるのは面白い。
そして、SF要素をふんだんに盛り込みつつ、
17年越しの再会を果たした彼らの過去や内面に踏み込みつつ
……という内容を一冊で破綻なくまとめたところが凄い。
でも個人的にはもっとガッツリ掘り下げて読みたかった。
かわいさんにはそれだけの力量があるってわかってるから。
彼らの物語がとても楽しかったからこその物足りなさを感じつつの読了。


贅沢なキャララフを見せられると色々想像しちゃうよねー。

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「高い城の男」ディック(ハヤカワ文庫)



もしもWWⅡで枢軸国側の勝利に終わったら?
ドイツと日本が支配する世界の中で、
「易経」が人種を問わずにはびこっていることに驚く。
勝者の入れ替わりはテーマ的に面白いけど、
個人的には「易経」を抜きにしたその世界を読みたかった。
私に易経の知識がほぼないことも理由の一つだけど、
自身の選択や結果を易経に求める感覚に相容れない。
自己責任!
というか、私と言う「個」の選択に胸を張りたい。
自分が決めて掴み取った未来なんだと。
それでも、様々な階級や立場の人たちが
右往左往しつつ懸命に生きる姿は追っていて楽しかった。


先が気になって一気に読ませるだけの吸引力がありながらも、
読後にどこかで置いてけぼり感を感じてしまった感覚は
カフカの『城』に近い。
まぁ、「高い城の男」にはちゃんと出会えたけど(笑)
【ガーディアン必読110/1000冊】

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