きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「進撃の巨人 34」諌山創(マガジンコミックス)
壮大且つ壮絶な物語の完結。
途中から涙と共にこみあげてきた感情は私だけのもの。
長い年月をかけて読みつづけ、
そして最後に感じ入ることは各人それぞれなのだろう。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある者だけだ」
覚悟があったからって撃っていいわけないんだけど、
でも結局はこの言葉に帰結するんだよなぁ、と納得。
甚大な犠牲を払って踏み出した、新しい時代への第一歩。
なんでもない一瞬を積み重ねる日々の価値を決めるのは自分たちではない。
「また、あなたに会いたい」
奪いつくされた世界で、叶わぬ願いを抱きながら、人は生きる。
圧巻の読み応えだった。
連載当初の容赦の無さは鳴りを潜めた気もするけど、
それはそれでいいんじゃないかな?と思った私も丸くなった(笑)
エルヴィンの存在感、最後まで大きかったなぁ。
既刊を全巻再読して最終巻に臨んだのは間違いじゃなかった。
素晴らしい作品世界を堪能させていただきました。
蛇足になるかもだけど、
「撃っていいのは~」のセリフは『コード・ギアス』のルルーシュの言葉です。
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「背中を預けるには 3」小綱実波 (Ruby collection)
誰一人、気楽に生きていられる人なんていなくて。
それぞれが何かを背負って
運命に翻弄され、抗って、諦めて、戦って、足掻いて。
ちょっとこの先どうなるの?と、
ドキドキハラハラしながら読み進めた結果、
この物語を引っ張ってきた彼ら以上に
過酷な運命を背負わされてきた彼の過去に
えええええ?!と、最大級の驚愕。
そんな状態でよく頑張ってここまで……と、涙。
王族に連なる彼らの選択はどれも間違ってなくて、だからやるせない。
ああ、そして、胸が締め付けられるエンドは問答無用で尊かった。
このボリュームを一気に読ませてくれる良作。
読みどころがありすぎて、再読必須。
わー、すごく良かった。ものっすごく楽しかった。
番外編やスピンが掲載されているので、本当に久々にWeb小説を読みに行く気満々。
Webで創作や二次創作を読みふけっていた時代が懐かしい(笑)
とはいえ、どれもこれも紙本で出して欲しい派なのです。
「背中を預けるには 2」小綱実波 (Ruby collection)
貴方の愛する人は誰?
それが明確になったことが、ただ、嬉しい。
あの子の存在を彼がしっかりと認識してくれていることが。
ハンデを自覚しつつも、自分の力で生きていくために
懸命なレオリーノが尊い。
先を急がず、彼らの間に介在する問題としっかりと向き合って
想いを伝えたクラヴィスはカッコ良い。
溺愛と独占欲はご愛敬。
そしてレオリーノの無垢さとクラヴィスの年上の余裕と手管が絶妙に絡み合った
閨事がなんてたって良い。
作者の言葉の選択センスが素晴らしい。
抱えた秘密をようやく吐き出すことのできたレオリーノ。
裏切者を暴け。
一巻は買ったけど読んでないしなー、二巻目どうしようかなーと、
迷っている間に二巻目の小冊子付が売り切れたので、三冊目は迷わず小冊子付を予約ゲット。
直感で一巻を買った時点でその本は面白いんだよね。
迷っちゃダメだった。(笑)
「背中を預けるには 1」小綱実波 (Ruby collection)
永遠を掴み損なった18年前。
宙に浮いたまま燻りつづけた想いを受けとめる相手は、もう、いない。
けれども。
“彼”の稀有な瞳とその記憶を宿す者に出会ってしまったら?
その子は“彼”じゃない。
当たり前のことを認識できなかったルーカスは最低。
そして、揺らぐグラヴィスとレオリーノの関係は?
家族のだれからも愛され、大切に大切に育てられ、浮世離れしたレオリーノ。
彼の容姿と乖離した純朴な性格が愛おしい。
そんな彼が、庇護される存在から
羽化した瞬間の、思わず息を呑むような描写はお見事。
どうか彼らが幸せになれますように。→
予想以上の面白さで大満足の読み応え。
まだ読んでないけど、一冊目買ったからには続きも買わなきゃ!と
三冊目までちゃんと手元にそろえていた自分を褒めたたえます(笑)
こんなに続きが気になる作品は久々~。
「上陸」五條瑛 (講談社文庫)
訳ありの男三人がアパートの一部屋に身を寄せ合い、
日雇い仕事でのその日暮らし。
絶えない喧嘩もコミュニケーションの一環。
そこに悪意が感じられない言い合いは、いっそ小気味よい。
「趣味の悪いボンタン」と言われ「悔しかったら着てみろ」と言い返せる安二の
愛すべき馬鹿さ加減。
自分の生活が崩壊するとわかっていても、罪を看過することのできなかったアキム。
常にクールで頼れる兄貴だった金満。
後ろ暗い秘密を持つ彼らは、いずれその暮らしが終焉を迎える日が来ることをわかっていた。
それでも計り知れない喪失は否めない。
だからこそ、どんな形であれ、再び彼らが繋がることができたのは奇跡。
金髪にピンクの作業服、青い腹巻、赤のタオルの安二。
いや、もうどんなセンス?(笑)
以前、金髪ロン毛見た目強面の現場仕事のお兄ちゃんが
間違いなくその長い金髪のせいで
「うさぎちゃんだ!ねぇ、うさぎちゃんやって!」と小さな子供にねだられ
困り果ててツインテールのまねごとをしてあげていた時は
笑っていいやらお気の毒やらだったことを思い出してみました。
「旅をする木」星野道夫 (文春文庫)
遮蔽物の一切ない広大な自然の中へと誘ってくれる一冊。
澄んだ空気、凛とした静寂、そこに佇む大地、厳しい自然の中で生活する人々、
そして様々な動物たち。
紡がれる言葉からその情景を思い浮かべることが出来るのは、
彼の撮った写真を見てきたからだろう。
命のきらめきまでもが宿った写真を。
先を急いで読む本ではない。
一篇一篇頁を捲りながら彼のやさしく飾らない言葉をゆっくりとなぞり、
彼の見てきた情景へと思いを馳せれば、心が少し、自由になれる気がする。
1枚の写真に魅せられ、アラスカの小さな村の村長に手紙を書き、
単身でアラスカを訪れることを決意した時の彼は19歳。
広い世界に飛び出していった彼とは真逆で、
19歳の私は生きることの意味を必死に自分の内面に問いかけていた。
そして、この本の池澤氏の解説を読み、自分の根底にあるもののひとつが
ソクラテスの言葉にあることを再認識する。
「いちばん大切なことは単に生きるのではなく、善く生きることである」
旅を続けてきた彼が、アラスカに根を下ろすことを決めた矢先での急逝。
それでも彼は、彼にしかなし得ない、濃密な人生を駆け抜けたのだと思う。
「シュガーギルド」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
いろんな意味で興味深くとても楽しく読了!
お仕事面はぐいぐい引き込まれる。
達生の砂糖に対するこだわりもそうだし、仁科の仕事に対するパワーがすごい。
一緒に仕事したら楽しいだろうなぁ。
この二人の掛け合いは楽しかった。
地理的には実際に行った場所、いつか見たいものがふんだんに描かれていて、
リアルに想像できることが楽しいし、いつかを思い描いてワクワクする。
僅か1日の間に芽生えた想いを大切に大切に抱え続けた和。
一方、再会することで忘れ去っていた過去を思い出した達生。
固かった和のガードが解け、抱え続けた思いを吐露するシーン、とても好き。
徳島の紅葉の話は、実際に現地に案内してもらって話をきかせてもらって。
ものすごく感銘を受けた。
道東は札幌から行くよりも東京から!
うん。私もそのチョイス。
仙台から行ったときも東京経由して女満別に飛びました。
流氷はいつか必ず見に行きたい。
真夏の流氷館で誓って帰ってきたわ。
そして知床、もう一度行きたい。←ここだけは本作品に関係ないです(笑)