きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ギルドの系譜(上)」 (シグマフォースシリーズ7)ロリンズ(竹書房)
ヤバイ。ナニコレ。面白いんですけどー!
というわけで、勢い衰えないシリーズ8作目。
「これは意味のある戦いなのか?」
多分、それは突きつけつめてはいけない。
向き合った時点で足が止まってしまう。
これはミッション。
だが、晒されるのは彼ら自身の命。
アメリカとアフリカで作戦を展開するキャットチームとグレイチーム。
陥った絶体絶命の窮地をどう切り抜けるのか?
命懸けのアクションの合間にプライベートが差し挟まれる描写のおかげで、
殺伐とした感じになりきらない。
とは言え、現場は凄惨。
プロローグで息を呑み、嘘でしょ、と唸って上巻は終了。
気になることテンコ盛りで次巻へ。
艶やかな毛並み。
暖かな体温。
濡れた鼻先の感触。
息遣い。
あたかも、この手で触れているかのようなケイン(シェパード)の描写が素晴らしい!
友だちの家の子もシェパードでカインって言うんだよね。
でも、超絶甘えっこ。
積んでるロバート・グレイスの『容疑者』を読みたくなるけど、それは今じゃない。
まずは気になって仕方のない下巻へ。
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「恋に焦がれる獣達 ~愛を与える獣達シリーズ~ 」茶柱一号
次期王となるテオの伴侶が自分でいいのか悩むヒカル。
他人は他人。
自分は自分。
そう割り切って生きられれば楽なんだろうけど、
親兄弟その他諸々、周りの人達がハイスペックすぎて大変。
ヒカルが自分に自信を持てない理由の一つを後にスイが述べてるけど、
それって一歩間違ったら謙虚さじゃなく傲慢さを生み出すもとにもなりかねないと思ってみた。
過保護にも限度があるわ。
スイの日記がとても可愛い。
そして、ガルリスとスイの掛け合いがとても微笑ましくて好き。
ラストはディランとイリス。
置いていく方もだけど、置いてかれる方も辛いよ~!と思っていたので、
諸々の問題が解決されそうな兆しに安堵。→
長命の現王がいる中、前倒しで世代交代を行うレオニダスは十二国記世界とは真逆だなぁ、と、
思った。
こういう考察ができるから、読書って面白い。
読みたいけど一冊単価が高い上に巻数嵩張るし……で躊躇していたけど、
お友だちが持っていることに気付いたので張り切って(?)お借りしました!
ありがとー!
「片翼で飛ぶ鳥 -神話の子供たち-」榎田尤利 (講談社X文庫―ホワイトハート)
「出来ることをする」ことと「出来ると思ったことをする」ことでは意味が違う。
死と隣り合わせの世界でサラが出来ると思ってしたことは無謀以外の何物でもないのだが、
結局そうやって行動することが彼女の自覚と成長を促していく。
心の準備があって旅に出たエリアスたちと同じような割り切りを、
退路を断たれるようにシティの外に出たサラに即座にしろというのは酷だろう。
とはいえ、彼女が置かれた状況を理解できるようにきちんと諭すエリアスたちの姿勢は立派。
死すら覚悟した旅。
だけど、生きて。
命を投げ打ってでも守るための戦いではなく。
共に生きるための戦いであることを信じてる。
タイトルがとてもいい。
片翼で飛ぶ鳥はいつ、金の狼に出会えるのか?
あとがきを読む限りでは次巻あたりで出会えそうなんだけど。
そして、彼らが出会った世界で何が起こるのか。
いや、現在の世界がどうひっくり返るのか?
うーん。
気になる。
「土曜の夜と日曜の朝」アラン・シリトー (新潮文庫)
不思議な吸引力のある作品。
日々の日常を逞しく生き生きと過ごす人たちの物語。
生命力あふれる彼らの姿に引き寄せられるように読み進める。
だーけーどー!
アーサーが人妻との逢瀬を重ねる理由に、この男最低!と、毒づきたくなる。
痛い目をみるがいい、と思い続けていたので、
とりあえずそれ相当の報いを受けたことで溜飲が下がった。
まぁ、関係を許した女の側にも問題があると思うけどね。
でも何だか憎み切れないろくでなし。
それがアーサー。
彼の仕事に対する姿勢は認めてもいい。(←上目線・笑)
ラストの四行に生きる活力を分けてもらえた気持になる。
うん。
頑張って働こう。→
文字の細かさに読み始めるのに一瞬躊躇したけど、
一度読み始めたら全く問題なく読めたのは面白かったから。
ガーディアン選書でなかったら、手に取ることはなかったであろう本。
こういう出逢いがあるから月に一冊はガーディアン。
【ガーディアン必読 90/1000】
「隻腕のサスラ―神話の子供たち」榎田尤利 (講談社X文庫―ホワイトハート)
シリーズ二作目。
シティとDエリア。
二つの地区に分かれた世界の仕組みと謎が語られつつ、物語は展開する。
繰り返し見る夢の中ですれ違う彼。
あなたは誰?
夢が夢ではなくなることを、遠い世界から使者と共に訪れた双子が彼女に知らしめる。
目を見開いて現実を見据えろと、記憶を失くした彼女に使者たちが告げる。
使者は彼女に救われし者。
揺さぶられる感情は、生きている証。
憎しみを知りつつも優しさを忘れずにいられるからこそ、強く在れると、
彼らはその身で示してくれている気がする。
立ちはだかるのは、運命。
翻弄されるのではない。
切り開くのだ。未来を。
運命の歯車、というものがあるとするなら、
カチリ、とパーツが嵌って動き出したところで物語は次巻へ。
といったところだろうか。
つまり、ものすごく続きが気になる。
「愛を与える獣達 むすんだ絆と愛しき『番』 」茶柱一号
チカに対するゲイルとダグラスの溺愛っぷりと、
美味しそうにガツガツと食事する獣人たちの食べっぷりで
イロイロ満たされるお借り本。
出てくるご馳走が本当に美味しそう!
一人に対して二人の伴侶という構図で自然なバランスが保たれているとこがいいなー。
ゲイルとダグラスがお互いを認め合っているのがすごく伝わってくる。
出産祝いで二世帯住宅経てちゃうヘクトルが素敵。
っつか、お城に帰らなくて本当にダイジョブですか?前王様(笑)
チカがこの世界に来た経緯、この世界のしくみ等々がスルッと入ってきて、
テンポよく上手く語られてると思う。
説明くさくないところが凄い。
章ごとに視点を変えていく一人称の文体の中での
心の声や突っ込みがとても楽しくて好き。
「愛を与える獣達 無骨な熊と王者の獅子と異界の『番』」茶柱一号
異世界に転生したチカ(日本人)がハイスペックな獣人二人に溺愛される物語。
表紙の三人がメインキャストなわけだけど、
「静かなる賢者」と言われる規格外な前王・ヘクトル(表紙にはいない)に
なんかイロイロ持っていかれたお借り本。
立場を考えれば、周りにとっては迷惑でしかない行動力が愉快すぎる。
そして乗り越えてきた過去が切ない。
メイン三人に話を戻して……
死んだ方がまし!という境遇からゲイルとダグラスによって救い出されたチカ。
二人の好意に甘んじることなく、自分にできることを模索する当たりが
苦労性の日本人だなぁ、と。
頑張れ、チカ。
私人間だけど、動物マッサージされてみたい!と割と本気で思った。
気持ちよさそうだなぁ。
モフモフにもたれかかって眠る!というのも憧れるよね。
「苦しゅうない、近う寄れ」という風情で横たわるライオンや熊には萌えしかない。
続きが楽しみ。
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いⅡ」」香月美夜
念願の手作り本の完成までの過程を主軸に展開していく第二部第二章。
楽しそうに一生懸命作業に勤しむ面々の姿以外にも、
貴族社会にはびこる差別意識や魔力に関する諸々が平行して語られていく。
なんとも生き辛そうな世界だわ。
転生した世界で裏表なく振る舞うマインのことをうかつだ、考えなしだっていうけど、
マインが異端であるならなおのこと、
神官長もマインの魔力がどのくらいなのか、事前に試すぐらいは
しておいてもよかったと思うよ。
静的に進行してきた物語が一気に動的に転じた終盤。
ぐっと引きこまれたままのラストシーン。
こっちも同調して泣けるわ。
騎士団から神殿へと移った神官長。
文武に長けたマジ万能!な神官長の過去が気になる。
イケオジな雰囲気ムンムンのカルステッド。
この先たくさん絡んでくれるといいなー!と思ってうっかり検索したら
余計な情報を拾ってしまった気がしてただちにブラウザをクローズ。
やばい。
読んでる途中で検索かけちゃいけないんだよ!←時々やらかす。