きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2)」有川浩 (角川文庫)
好きな本を好きな時に手に取って、
好きなように読み耽ることができる。
その幸せをしみじみと噛みしめる。
政治的な思惑が絡んでの接触や駆け引きにイラッとする。
目的を達するために誰かが傷ついてもやむを得ないという考え方が嫌い。
いや、そもそも、彼らは傷つく誰かの気持ちを斟酌すらしていない。
その傲慢さが嫌い。
その思惑を一刀両断した郁。
切り捨てた柴崎。
誰かのために怒れる彼女たちが好き。
そして、彼女たちと共に戦う堂上、小牧、手塚。
シリアスの中にぶっこまれる笑いに癒される。
で、ラストはちょっとこの二人どうなるのー!と、前のめりになっての読了。
再読でも早く次巻が読みたくなる引き。
郁のお父さんの想いがちょっと切なかった。
いつかちゃんと郁に届くといいな。
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「進行性恋愛依存症」かわい有美子 (ビーボーイノベルズ)
「狂え、俺に焦がれた歳月の分」
こんな台詞を口にする男にもこんな台詞が似合う男にも
そうそう出逢えないと思うんだけど。
いましたよ、ここに。
内面の読めない御巫の距離感に苛立っていた九鬼は、
もう少し自分に自信がある王様気質な男かと思ったけど、
実際は多くの痛みと苦しみを乗り越えてきた男だった。
最後の九鬼のデレた台詞が予想外で、だからこそ身悶える。
九鬼に焦がれ続けた御巫。
彼らの関係性に関しては惚れた方が歩が悪いなぁ、と
御巫が気の毒にも思いつつ。
結局は彼を手放すことができなかった九鬼。
御巫の逆転サヨナラヒットだったと思う。→
かわいさんにしては珍しい書き出し?
と思ったけど、なるほど。そう言う事情がありましたか。
と、後書きで判明。
それにしても「御巫」
北方の中国名よりも頭に入ってこなくて、馴染むまでが大変でした。
むー、なんか敗北感(笑)
「図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1)」有川浩 (角川文庫)
再読。面白いモノは永遠に面白い。
ラブコメ且つエンタメ。
だけど、軸がどっしりしているから、面白いだけでは終わらない読み応えがある。
「こんな世の中になったらイヤだな」
確かにイヤだわ。
だから彼らは身体を張って戦っている。
自分の意志で本を選び、読みたい本を読む。
そんな当たり前のはずの権利を守るために。
まっすぐに追う背中が王子様からクソ教官にすり替わっている郁。
沈着冷静を言い聞かせつつ、内面は熱い男な堂上。
この二人の掛け合いがひたすら楽しい。
のみならず、周囲の面々からの横やりもやはり楽しい。
気分上々で次巻へ。
初読の時は健康診断の待ち時間の合間で読んでいたんだけど。
「クマ殺し」の件で笑いを呑み込むのに大変な思いをした記憶が……
声は決死の想い出殺したけど、涙は堪えられなかった。
静まり返った公共の場で読むことはおススメできない(笑)
だけど、楽しくテンションが上がるから、今のこの時期に読むにはおススメ。
映画を観ているおかげで脳内映像はキャスティングのままの彼ら。
嵌り役だったと思うわ。
「誓いをどうぞ」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
シリーズ最終巻。
ここにきて暁斗の成長ぶりに目を瞠る。
考えなしな部分は相変わらずだし、周りに恵まれた感ありありだけど、
それでも、自分が変わろうと努力し、将来のビジョンを明確に見つけることができたのは
良かったと思う。
ショーのために奮闘する彼らの姿は清々しかった。
暁斗が変わる為には、桐原の方も成長が必要。
譲歩が3日までの家出だけど、この二人にはそれくらいがちょうどいいのかも。
リックの自己評価の低さにちょっと驚いた描き下ろし。
6年も付き合ってるんだからもっと自信持って!とエールを。
東悟がそんなリックにべた惚れなのは一目瞭然よ。
桐原と暁斗、東悟とリック。
時に喧嘩したり、からかいあったりしながら、
四人で和気藹々と歳を重ねて欲しいなぁ。
「アンクル・トム物語」ストウ夫人 (こども世界名作童話)
自分で戦って乗り越える道筋がつけられる希望がある苦境なら。
まだ歯を食いしばって立ち向かえる。
だけど。
「奴隷」という立場で人の手から手に委ねられる自分の運命を
抗う術もないまま、ただ受け入れるしかなかったとしたら。
絶望の淵に沈んでしまう。
それでも、生きていくための心の拠り所になるのが、
心を通わせることのできる身近な家族であり、宗教……なのかな。
「人と人」
本来はそうであるべきなのに「人と物」という関係になってしまっているのが辛い。
けど、それが奴隷制度。
廃止するべく戦った南北戦争。
「自由」という言葉の意味を、今一度考える。
一般小説での入手がどうにも困難だったので、児童書で。
以前に読んだのって多分義務教育時代。
今改めて読んでも泣ける。
「南北戦争」というワードは『風と共に去りぬ』と直結する。
のに、積んでない残念さ。
いつか必ず読むよ☆
【ガーディアン必読 94/1000】
「遠い港」北方謙三 (角川文庫)
肌に馴染んだ北方ワールドを想定しながら読み始めると、
ん?なんか想像できなかったよ!というストーリーが展開される。
だけど、そこに広がっているのは紛れもなく北方が紡ぐ世界。
北方以外には描き得ない、男たちの世界。
少年の目線で語られる世界は、時ににほろ苦くだけどやさしく心に沁みる。
勉強、異性、家族、将来、そして、友だちや仲間のこと。
我々にも身に覚えのある悩みを抱え、それらと向きいあいながら、
彼の示したしなやかな強さと決意が頼もしい。
海の男たちを見て多感な時期を過ごした少年が成長した姿を楽しく思い描く読後。
ものすごく良かった。
ハードボイルドでも歴史小説でもない北方。
でも、違和感なく北方。
想像してなかった方向から良作を読ませてもらえたお得感。
「お手をどうぞ」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
絵に描いたようなシンデレラストーリー。
言ってみれば王道。こんな設定あるよねー、とまぁ、斬新さはないんだけど。
そこはさすが水壬さんらしいテイストで、よくある感を全く感じることなく楽しく読ませてくれます。
年上が年下を甘やかす話を壬南さん自身が好きで楽しく書いているのが伝わってくる。
「付き合ったばかりなのに抱いてくれない」という暁斗の独りよがりな葛藤は、
正直めんどくさいなーと思う部分もあるも、
そもそも言葉選びを失敗したのは桐原。
周囲の悪ノリもあっての仲直りセックス……からの翌朝の顛末に爆笑。
バスローブで開き直る残念なスパダリ。
最高だわ。
桐原と暁斗の出逢いが偶然ではなかったことが個人的にはポイント高い。
「偶然を信じるな」は沖津さんの名言。←『機龍警察』
「デッドボール」木内一裕 (講談社文庫)
時間を行きつ戻りつしながらのハイスピードな展開。
脚を踏み入れた瞬間から抜け出せなくなる木内ワールド。
犯罪のプロフェッショナル。
巻き込まれた素人①。
頭のおかしい弁護士。
巻き込まれた素人②。
彼らの身に起こった悲喜劇。
え?どういうこと?と、前のめりで読ませる手法は、著者の感性なんだろうなぁ。
読後は全力疾走した後のような疲労感と満足感。
誰も彼もが収まるべきところに収まった違和感のなさ。
クレバーな佐藤がカッコイイ。
けど、その佐藤と愛海を守ろうと、必死で考えて頑張ったノボルに拍手。
この先の人生が上り調子でありますように。
グイグイ引っ張られて一気読み。
再読時はドタバタする彼らとゆっくり向き合いたいと思うものの、
きっとまた、一気に読んじゃうんだろうなぁ。