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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「カブキブ!5」榎田ユウリ (角川文庫)



まるっと一冊夏合宿。
一年生の成長物語。
演技以前のところで問題ありありの三人。
大人に相談しつつも、根本的な問題は生徒たちで解決しようとする姿勢が良い。
そして、その手段が斬新でおもしろい。
問題点が改善されていくにつれ、上級生と新入部員たちの仲も
一つにまとまっていく。
仁がイイ感じで絡んできてくれるようになったなぁ。
夏祭りで想定外のアクシデントがあったものの、一致団結して合宿は終了。
そして文化祭の配役決定。芳先輩、良かったね。
あとは練習あるのみ!と言いたいところだけど、
不穏な問題は積んだまま次巻へ。

部活動だけじゃなく、それぞれの子たちのバックボーンがしっかり描かれてるから
読み応えがあるし、説得力がある。
そして気付くと歌舞伎の知識がインプットされてるところも上手いなーと思う。
プラスして、巻末おまけ、ありがとうございます!(笑)




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「カブキブ!4」榎田ユウリ (角川文庫)



気持ち悪い。
その子の悪意の向け方が徹底的に気持ち悪い。
暇なの?馬鹿なの?と言いたいけど、本人が至って真剣な時点で永遠に相容れない。
ああ、気持ち悪かった。←どんだけ……
さて。
気持ち悪いのはおいといて。
いつもの面子は進級し、新入部員が加わった歌舞伎同好会。
念願の指導員がつくわけだけど、あっちもこっちも問題だらけ。
そして訪れたピンチの乗り切り方は、
元から同好会に在籍していた彼らのチームワークの良さを如実に表していて
心の底から拍手喝采。
私も彼らの屋号を叫びたい。
どうせやるなら思いっきり楽しみたい。
何事も楽しんだもの勝ち。


新しくなった歌舞伎座の前を通りかかった事はあるけど、
歌舞伎そのものを見たことはない。
とりあえず積極的に観に行きたい、という意思は今のところないけど、
機会があったら観に行ってみたい。

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「カブキブ!3」榎田ユウリ (角川文庫)



「心」を動かすまでの過程と描写。
それがとてもうまい。
だから引き込まれる。
彼らの感情に揺さぶられる。
交わった二つの線。
仁を動かしたクロたちの想い。
何より「違わない。あいつだってただの生徒」と言い切った阿久津の公平さ(単純さ?)がいい。
「聞こえないふり」と「傷つかないこと」は同義ではないよね。
これ見よがしな悪意には「なんでもないよ」と涼しく笑ってやりたいけど、
傷ついた心を癒すことの出来る場所も必要。
芳の想い、伝わるのかな?
体操部部分も含めて絵的にとても見てみたい。
そんなわくわくとした想いに駆られる彼らの「白浪五人男」。


「にゃうんの呼吸」(阿吽の呼吸の言い間違い)これかわいい!
ウチの会社の役職付きの人たちの机には、シーサー。ガネーシャ。昇り龍。
それぞれが思う所のラッキーグッズ(なの?)が置いてあってカオス。
そして社長は毎日神棚に手を合わせています。
うん。
日本ってそういうところだ(笑)



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「カブキブ!2」榎田ユウリ (角川文庫)



初舞台上演後に見えた課題。
いかに大衆文化とは言え、歌舞伎が作られた時代は江戸。
基礎知識のない現代の若人にどう面白くみせるのか?
その問題解決策としてものすごく上手い方法を考えたと思う。
部活動としての歌舞伎に楽しみながら取りくんでいるクロたちと、
代々続く伝統芸能としての歌舞伎を継承する重圧と戦いながら稽古に励む仁。
相容れなさそうな二つの線がどんな形で交わる(よね?)のかも楽しみの一つ。
大人の都合で振り回される子どもは本当に気の毒だと思うけど、
その中で生まれた自発的な「好き」の気持は大切にしてもらいたい。


「今だけだ。短い高校生活の間だけ」
「やらなくていいのか。本当に後悔しないのか」
友だちのお子さんが高校球児で。
最後の夏の甲子園への道が断たれた後、休校期間中に部員でオンライン話し合い。
少ない人数で頑張ってきた彼らは最後は全員一緒でを望んでいる。
けれども。
ずっと目指してきた夢は叶わないんだから今辞めるか、甲子園には行けないけどもう少し頑張って続けるか。
学校がはじまっても「最後」の着地点で結論の出ないまま話し合い中。
やるせないなぁ……

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「カブキブ!1」榎田ユウリ (角川文庫)



部活(今はまだ同好会)に打ち込めるのは青春時代の特権。
のみならず、熱意を持って一から物事を作り上げる事と
苦心しながらもその過程を全力で楽しむ事が出来るというオプション付き。
ちょっと羨ましい。
カブキ同好会を作る為の部員集めに奔走する青春物語の第一作目。
集った面々がこれまで背負ってきた人生と、その個性が際立っていておもしろい。
「歌舞伎」との係り方をとってみても人それぞれ。
人を動かすのは熱意なんだなぁ、とつくづく思う。
初っ端から抱いていたワクワク感が最高潮に達したところで次巻へ。
全巻そろえて読み始めているので即ダイブ!

大衆文化については『逆説の日本史』で学んだ知識がお役立ち。
おお! ちゃんと身についてる! と、感動。
私の最大の聞き間違いは
「アンドロ国書記長」。
ラジオで「アンドロ国書記長が死去しました」というニュースを聞き、
聞いたことないけど、どこに在る国なのかな?と思った若かりし頃。
正しくは「アンドロポフ書記長」でした。

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「魅惑の恋泥棒」かわい有美子 (リンクスロマンス)



かわいさんの織り成す作品世界の豪華な雰囲気と、
高嶺さんの華麗なイラストの見事なコラボ。
そして所作がことごとくスマートで
大人の余裕がある沖が半端なくかっこいい!
彼の所有する車がジャガーってところも、ポイントアップ。
更に、髪を上手に洗ってくれる恋人って私的なツボドストライク。
年上が年下を甘やかす時に、年下の恋人を「この子」呼ばわりするのは大変好み。
読んでいて幸せ。
後編で明らかになる柳井のトラウマ。
ここで沖が示す抱擁力がカッコイイ。
ん?
沖語りに終始してしまった。
そんな沖が心惹かれた柳井も勿論魅力的。
でもやっぱり沖推しで(笑)

好き作家さんの世界観を
好き絵師さんが見事に表現してくれた作品。
泥棒稼業に関する突っ込みはおいといて、
眺めてるだけでも幸せだし、読んでも幸せ。



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「嘘ですけど、なにか?」木内一裕(講談社文庫)



漫画だったら楽しめたのかな?
都合よすぎる展開に、最後まで作中に入り込めないまま読了。
ん~~?
私的には緊急事態な感じですが、以上で感想終了(笑)
この冊数読んできて初だわ……

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「赫蜥蜴の閨」沙野風結子 (幻冬舎ルチル文庫)



過ぎた執着も憎しみも。
それが、自分自身に向けられたものなら受け止めようがある。
けれども、自分を通り越した誰かに向けられたものだったら?
やってらんないよね。
獣染みた行為から始まった臣と光己の関係。
互いが自分の境遇や生活に満足していたら、
惹かれあうことはなかっただろう。
だけど、欠けたものを補うかのように躰でそして魂で絡みあっていった二人。
破滅願望を持った男は情人を生かすことを選び、
生きることを選んだ男は情人と共に壊れることを選ぶ。
命懸けで成就した想いは壮絶。
だからこそ、5年後の穏やかさが嬉しい。

重量感のあるシリーズ4作。
がっつりとした読み応えに大満足。
『蛇淫の血』『蜘蛛の褥』『蛇恋の禊』『赫蜥蜴の閨』
内容を鑑みて、これ以外ない!という絶妙のタイトル。

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「蛇恋の禊」沙野風結子 (幻冬舎ルチル文庫)



過去は変えられない。
悔いてもその過去の延長上の未来に進むしかない。
自分の選んだその道が間違っていなかったと証明するために。
そのために他人の血を流すまいと、
痛々しい程の潔さで腹を括った凪斗。
彼に手厳しくしたのは臨んだ方向へ導くためだったはず。
なのに、そんな凪斗の姿を見て、何故ブレてんの?角能~~!?と、
一瞬愕然としました。はい。
だけど、そんな角能が見せた腹の括り方は壮絶で、
鬼気迫る奈良さん絵で臨場感倍増し。
いろいろあったけど、最後はお祖母ちゃんの残して逝った想いに涙。
お祖母ちゃんっ子の私には込み上げるモノがありすぎたわ。

さて。
次はいよいよシリーズ最終巻。
主役は違うけど、間違いなくこの落とし前つけるよね?
久々の沙野さんワールド、ゾクゾクするわ。




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「蜘蛛の褥」沙野風結子 (ガッシュ文庫) 無題



肉体的な面でのバイオレンスとエロスは安定の読み応え。
だけど、それ以上に精神的な面でのハードさに引きずりこまれる。
同じ高校の先輩後輩だった神谷と久隅。
12年ぶりに再会した二人は検事と経済やくざに。
神谷が心に秘めた行き場のない想いを暴き、叩き壊して葬った久隅。
久隅が神谷に溺れていき、神谷もまた久隅にのめり込んでいく。
にも関わらず、甘さの欠片もない心理的な攻防は圧巻。
不眠を少しでも解消するために神谷が選んだ物が、ただいじらしい。
久隅に気付いてもらえて良かった。
堕ちるのも浮上するのも一蓮托生な二人。
書き下ろしのタイトルが絶妙。


基本的には一般書とBLは交互に読むようにしてるんだけど、
シリーズ物の場合はどうしても一気に突っ走りがち。
でも、一気読みも読書の醍醐味の一つだと思っているので無問題。
BLは門外不出!と決めているので、自宅でしか読めません。
(いついかなる挿絵がどーんと出てくるかわからないから)
タイミングよく週末。
というわけで、一般書はさておいて、心置きなく続刊へ。

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