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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「いとしいとしという心」かわい有美子(ビーボーイノベルズ)

断ることはできたはず。
にもかかわらず、それを受けたのは個人の意思であり選択である。
だから、これはある意味、等価交換。
順調にキャリアを積み重ねてきた銀行勤務を辞して歴史ある実家の家業を千明が継いだのは、
長きに渡って想い続けた侑央を手に入れるため。
そして、侑央がその身を差し出したのは、恋した人が遺した旅館を守るため。
どちらも自覚的に行ったことだからこそ、漂うのは悲壮感ではなくやるせなさ。
どちらもちょっとずるくて、だけど胸の内に抱えた想いはまっすぐで真摯。
緊張しっぱなしな空気感が少し緩んでほっと息を吐き出したところで読了。
続き~~!


京都行きたいなー。
三度行ったけど、落ち着いて観光できたことが一度もないという
なかなか残念な巡り合わせ。
一度目は仕事の合間だったので清水にバタバタ行っただけ。
二度目は体調不良で一日ホテルから動けず。(連泊だったことだけが幸い。笑)
三度目は色々あってランチのお豆腐懐石急遽キャンセル。竹林にも行けず……
今度行った時こそちゃんと観光したい。

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「夢にも逢いみん」かわい有美子(リンクスロマンス)

かわいさんの描く平安(調←ご本人談)絵巻。
世界観の美麗さや雅な言葉使い美しさは相変わらず盤石。
あとがきでかわいさんが「デレとデレがこじれると」とおっしゃっておりますが、
私的な感覚では拗れているデレは一方のみ。
で、私その一方である桂の宮の思考パターン駄目だわ。
尉惟は桂の宮ファーストなのになんで疑う?
で、なんでそこで尉惟を呼ばない?ってところで最高潮に相容れず、苛々。
むー。
尉惟はカッコいいし、兵部卿の宮もこっそりお気に入り。
作品自体は面白かったものの、桂の宮と私との相性がどうにもこうにも悪かった。

わー、ごめんなさいな感想。
……と思ったら、読友さんのレビューで「(桂の宮に)我を忘れるくらいムカムカしてしまった」という一文をみつけて思わず噴いたよね。
そんな読友さんのこの作品に対する評価は「超よかった」であることは付け加えておきます。(笑)

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「月の旋律、暁の風」かわい有美子(リンクスロマンス)

ルカとシャハルの出会いは、ルカを救い、そしてシャハルを救う。
シャハルに対するルカの無欲さとまっすぐさの延長上にある思慕がとても尊い。
自らの目的の為にルカを傍に置いたシャハルだけど、
いつしか芽生えたルカへの真摯な想い。
それが迸る瞬間にぐっとくる。
そして、ルカの願いとシャハルの願いが合致する見事な着地。
おしゃべりな鸚鵡デュークと人型にもなれる黒豹アイオスの存在も良き。
物語の終わりは、新しい冒険の始まり。
仲間たちと共に目指す希望に満ちた果てのない旅への一歩。
わくわくするようなエンド。
楽しく読了。

「三つのしもべ」と言われて私が連想するのは
犬・猿・雉。
まぁ、しもべっていうよりお供?(笑)
今の時代だと「仲間」って言わないといけないのかな。
物語世界のきびだんごがとっても美味しそうで
めっちゃ楽しみにして食べたんだけど、
私の好みではなかった時のがっかり感。
うーん。
こればっかりは好みだから仕方ない。


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「threesome」榎田尤利(角川文庫)

差し出すのが愛なら、受け取るのもまた愛。
でも。
辻はその愛を受け取らない。
ただ受け流す。
財津と菊池が献身的に与える愛を、笑いながら受け流すのだ。
けれども、その愛は彼の哀しみを癒し、背筋を伸ばし、明日に向けて一歩を踏み出すための糧になる。
つまり、今の辻にとってなくてはならないもの。
財津と菊池は同等の愛は求めず、ただ辻と共に在ることを願っている。
10年後に三人の関係がどうなっているのかはわからないけれども。
今はそれがベストバランス。
辻は傅かれる女王のようにあればいい。
そうして明日を自分らしく生きていく。
二人と共に。


旧版既読。好き作品
2500作品以上のレビューをあげてきて、唯一、
自分の書き出しと文末をなんとなく覚えているのが旧版の『threesdome』のレビュー。
なんでだろう?
旧版レビューでやたら触れていた櫛田については今回触れてないですねー。
それもなんでだろう?
櫛田の顛末についてはわかっていたからかな。

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「犬ほど素敵な商売はない」榎田尤利(角川文庫)

こんなにも寂しくなかったら。
こんなにも孤独ではなかったら。
たぶん、この二人はこんなにも惹かれることはなかっただろう。
たとえそれが歪な関係からはじまった共依存であったとしても。
そこに行き着いた彼らの間には確かな愛があり、幸いがある。
二人だけであれば多分、潰れてしまっていたと思う。
ナナが風穴を開けてくれて、高見の存在が背中を押してくれて。
岡がいる。
だから、二人は今、愛を囁きながら笑っていられる。
切なさに泣きながら見届けたエンディングは、何度読んでも良い。
今回は倖生は犬としての自分を受け入れていく過程にエロティックさを感じたのが新発見。

3作品が「白」「ピンク」「黒」でセレクトされての文庫化。
この作品は「ピンク」。
ピンクかー。
私のこの作品のイメージカラーはピンクじゃないんだけど、
まぁ、それは人それぞれ。
何色でもこの作品が大好きなことには変わりはないのです。



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「永遠の昨日」榎田尤利(角川文庫)

旧版既読。
削られた部分と、書き加えられた部分と。
わかる自分にほっとする。(笑)
冒頭は白泉社版が好き。だけど、ラストは角川版が断然いい。
誰もがいずれは必ず向き合わなければいけない大切な人との別れ。
命の火が消えたはずの当人を交えて、「死」と向き合う彼ら。
でも、思考はネガティブな方向には寄らず、
彼らの交わす言葉や仕草は、やさしさと幸いに満ちている。
別れは哀しいけれども。
受け取ったのは、そして与えたのはそれを上回るほどの愛。
だから、その愛と共に生きていく。
それもまた、人生だと思う。

発刊が令和4年3月。
読む気満々で買って、2年も積んでしまった……
せっかくの新刊は新刊の内によもう、私。

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「無能な皇子と呼ばれていますが中身は敵国の宰相です 4」夜光花(キャラ文庫)

大ボリューム大歓迎。おもしろすぎて一気読み。
王女同士、奴隷同士、入れ替わった者同士。
あっちこっちで勃発する小競り合いが愉快。
人間性出るなー。
シュルツとマッドが共闘したら面白いと思うんだけど、どうだろう?
災害支援や疫病対策に奔走するリドリーは、
皇帝に課せられた無理難題を成し遂げるたびに、
国民からの信頼と支持を得ていく。
まぁ、結果に対して命がかかってるから全力にもなるよね。
それだけの才覚を備えていたのは幸い。
一方、ポンコツなままのベルナールにとっては戻らない方が幸い?
魔女の件も含め、続き気になります!


手推し車に鎮座していたのに、あっという間に3メートルまでに育った子竜がお気に入り。
可愛いなー、フレイ。
いっそフレイが皇帝を踏んづけてくれたら全部解決するんじゃないかしら?
駄目?
読み始める直前で、あ!前巻復習しないと!と引っ張り出して正解。
細かいところ忘れてるのね~。

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「恋々 瑕と蜜2」遠野春日(キャラ文庫)

前半は長谷と里村。
想いが通じ合っての同棲生活。
でも、長谷は奔放だったかつての里村を目の当たりにしているからこそ、
傍にいるのにやきもきしっぱなし。
心配が高じての貞操帯がこんなふうにお役立ちになるとは!……と、新しい発見。
後半は野上と青柳。
大人の男たちの不器用な恋模様。
じれったい感じが悪くない。
いきなりの名前呼びにはちょっとびっくりだったけど、
この二人はゆっくりと深い関係を築き上げていくんだろうな。
上記の四人のバランスが好きなので、このまま一緒に年を重ねていって欲しい。




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「疵と蜜」遠野春日(キャラ文庫)

いや、それ無茶だし、無謀だし、命がけだし。
という対峙があるわけですが。
そこに至るまでの経緯が筋道立てて描かれているから
引き込まれて一気読み。
濡れ場は途中で飽きて飛ばし読み……スミマセン。
お互い絶対好きでしょ、と突っ込みたくなる二人のツンツンぶり。
そこからデレに入っていく会話のやり取りが好き。
シンプルに好きだ!俺も!じゃないところがいいね。
長谷の部屋が適度に散らかっていて生活感のあるところが
個人的にプラスポイント。
完璧を思わせる男のちょっとした隙は魅力的。

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「水に映った月」かわいゆみこ(クリスタル文庫)

ずるくて、傲慢で、エゴイスティックで。
けれども、純粋で誇り高く、情に篤い。
多感な時期の10代の少年たちが寮で生活を営みつつ通うパブリック・スクール。
そこは、大人が踏み込むことのできない彼らだけの帝国。
残酷な迄な序列が伴う、閉ざされた閉塞世界。
だからこそ、生じた歪みが肥大化すれば、派生するのは悲劇。
1930年。
同性愛がタブー視された時代が彼らを追い詰めた部分もあるだろう。
そんな時代と内面に抱えた想いに翻弄された彼らの想いを、
静謐な文体で描いた作品。
読み始めた瞬間情景が浮かぶんだけど、
ベースがアナカンで納得。イメージの共有。

同人誌持ってたよなー。と思いつつ。
探してもみつからなかったので、あれ?売った??気のせい??と困惑し、
読んでたら絶対本棚に在るだろうなーと思って
覗きに行った読友さんの既読リストに入っていなかったから、あれ?幻??と、
少々混乱中。
でも表紙覚えてるんだよなー。
時々変なスイッチ入って勢いで本を手放して、あとで後悔して買い直して……
と、片手で足りない回数やらかしていますww

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