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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「VIP 渇望」高岡ミズミ (講談社X文庫)

前作から引き続いての和孝の店の立て直し。
久遠の黒幕探し。
そこに地面師問題が絡んで展開していく本作。
久遠と和孝の関係性においては雰囲気が柔らかくて。
側にいることで寛げて愛おしくてと言うことが伝わってきて。
こちらも幸せな気持ちのおすそ分け。良き。
出会ってから10年。
久遠の忍耐と、和孝の成長と。
互いに対する想いの深さと覚悟。
全てが相まって、こんな雰囲気になるんだなぁ、と、感無量。
互いを想ってそわそわする発言とか、コバンザメ発言とか。
まさかのワードの連発に相好も崩れます。
久遠が自覚的に発した「三年」の言葉が頼もしい。有言実行で!


「三年」というワードによって瞬時に連想されるのは
『間の楔』という私のバイブル。
ハードカバーの初期作品が神。

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「リガの犬たち」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

田舎町の刑事がいつもの職務の一環として担当した事件。
それがまさか、国境を越えた命がけの行為にまで及ぶとは、
彼自身、想像することはできなかっただろう。
二度の大戦で大きな影響を被ったラトヴィア。
ソ連の支配下からの独立運動という
大きな変革を遂げようとする国の内部に蔓延る混乱。
内政問題に加えて国家的な犯罪に意図せずして巻き込まれたスウェーデン人のヴァランダー。
職務の枠を飛び越えてよくぞそこまで頑張ったという奮闘ぶりと、
最後の最後まで予断を許さなかった怒涛の展開に引っ張られて一気読み。
事件後の彼の憂鬱がやるせない。

ここが頂点か?と思ったら、え、まだいくの!?
これ以上はないよね?と一息つきかけての、え、まだ!?
……という畳みかけるような展開に終始ドキドキハラハラ感が味わえます。
読後はヨーロッパの地図を眺めてスウェーデンとラトヴィアの位置確認。

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「呪われ悪役令息は愛されたい」八月八(ディアプラス文庫)

おもしろかった…けど、ん~~?
と、納得しきれなかった読後。
主役サイドには文句なし。
呪いを解くためにめっちゃ頑張ったし、
ディルクが自分を変える努力を惜しまなかった姿にも好感が持てる。
彼の見た目や言動が変わる前から態度が一貫していたミヒルも良い子。
けど、その他面々。
ディルクの言動に問題はあったけど、
そんな本心だったら彼を排除し続けたその態度はどうなの?と言いたかったり、
子どもに寂しい思いをさせ続けていながら
いや、実は……とか言っちゃう家族の身勝手な在り方はどうよ?と思ったり。
おもしろかったけど、残念な読後。

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「夜愁 下」サラ・ウォーターズ (創元推理文庫)

1947年から始まった物語は、1941年へと時を遡っていく。
描かれているのは、彼等の人生の逆再生。
過去を知るにつれ、現在の彼等の姿が際立ってくる。
あの時のあの出来事があったから、今の彼らが在るのだと。
納得できるのと同時に、歯痒い思いを抱くことにもなる。
空爆の音が絶えない戦時下でも、人にはひとりひとりの人生がある。
心は移ろい、時にすれ違う。
或いは、癒えない傷を抱えたまま、知らず、吐息がこぼれる。
夜の愁い。一貫して鈍色の空のようなイメージの本作。
その隙間から彼等の元に一筋の光が射すことをひっそりと願う。


時間軸的には1941年の彼等から追っていく読み方もあるかもしれない。
けれども。
いつか、この作品を再読するときは、同じように1947年の彼等から遡っていくのだろう。
「今」に至る彼等を形成する過去をしっかりと噛みしめながら。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     
【ガーディアン必読117/1000冊】

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「VIP 溺愛」高岡ミズミ (講談社X文庫)

ねぇ、ちょっと、黒幕は!?黒幕は誰??
「解決編」って本気で言ってる?
ってことで、これは片がついていないと思います。
そして「溺愛」ってなんだ?と、サブタイトルにクエスチョン。
まぁ、楽しく読みましたけど。
愛の告白も聞きましたけど。
確かにラブラブでしたけど。
けどーーーー!
黒幕~~!!←まだ言ってる。
確かに久遠がナンバー2に甘んじてるからめんどくさいんだよ、という気持ちに
私もなってきたよ。
ナンバー1になるか、組を抜けるか。
選択できないんですかねぇ?
まぁ、その過程では血の雨が降りそうだけどね。

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「VIP 熾火」高岡ミズミ (講談社X文庫)

報道の在り方って時にめちゃめちゃアンフェアだよな、と思う。
諸々曲解した挙句のそれのどこが真実?という情報の拡散も怖い。
色々鵜呑みにして踊らされないようにしよう。ってか、したい。
飛び交う情報を気にせず久遠がどーんと構えていられるのは、
上総たち側近のフォローが行き届いているから。
なんの手も打たないのはただの無策だ。
和孝たちも自分たちの店を守るためにやれることをやって頑張っている。
そんな彼らに因縁つけまくりの南川の真意が明確にならないまま次巻へ。
同録のSSは久遠の過去編。
冴島との出会い、そして和孝との出会い。
知れてよかった。


手元に既刊がそろっている続き物を読んでいる時は、
感想書いてる暇あったら次~~!!と、気持ちが逸ってしまう……。
ちょっと我慢の一呼吸。
「スクーター」表記が出てくるたびに、私の脳裏に浮かぶのは
昔乗ってた50ccなんだけど。
和孝も同じでかな?125とかかな?もっと上?と、無駄に気になってみた。(笑)

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「彩雲国物語 八 光降る碧の大地」雪乃紗衣 (角川文庫)

一つの山場を越えると同時に、先につながる伏線が随所に見受けられる巻。
印象的だった影月が朔洵に対して怒りをぶつけたシーン。
わかるわー、と、共感しまくりでかつて抱えた悔しさを思い出してしまったわ。
粗末にする命なら、生きることを切望しつつも明日が約束されない人に与えて欲しい。
命のやり直しはできない。できないんだよ。
(作中の例外はおいといて)
「尽きるまで幸せであるように」という華眞の言葉通り。
他者から与えられる幸せを知り、また、他者に幸せを与えることのできる彼らは
やさしく、そして強い。
その幸いを糧にこれから立ちはだかるどんな苦難も乗り越えていくことを疑ってないよ。

お友だちにお借りしてここまで一気読み。
とっても面白かった。
続きはワンクッション置いてから。
手元にあったら延々と読み続けていそうだったわ。
20年近く前かな?
アニメシリーズが放送された時に友だちに頼まれて毎週録画して
DVDに焼いて送ってあげていたんだよね。
その時は私は観ないままで送っていたんだけど。
今こうして原作を読んでいる不思議。

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「彩雲国物語 七、心は藍よりも深く」雪乃紗衣(角川文庫)

秀麗は「初の女性官吏」として相当なものを背負って日々を生きている。
そうだよね。
後に続く人たちのためにも、途中で引くことはできない。
そんな彼女を目にして、齢八十を超えた現役官吏が負けていられない、と、
微笑む(表情は書いてないけど間違ってないと思う)シーン、好きだなぁ。
影月の生い立ちがあまりにも絶望に満ちていて。
だけど、幸せを伴ってくれた出会いがあって。
ここまで歯を食いしばって頑張ってきたからこそ、
生きることを最後まで諦めないで欲しい。
同録の短編には気になっていたことの顛末が描かれていてすっきり。


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「彩雲国物語六 欠けゆく白銀の砂時計」雪乃紗衣(角川文庫)

彼らの生きる国は柵が多すぎて、やりたいこと全部取りってホント難しい。
何かを成し遂げるためには、何かを諦めなければいけない。
だけど、年齢的にまだ若い彼らは、完全に諦めきる程の悟りの境地にも入っていない。
まずは自分のできる事を一つ一つ着実に。
そうやって、思い描く未来に近づければいい。
そんな彼等の切実な想いが伝わってくる。
若者を支える年長者たちも、色々抱えながらも頑張ってる。
考えることが多い分、大変だね。
生き急いでいる影月の身に何が起こっているのか。
「邪仙教」の教祖の正体は?
気になりつつ次巻へ。

「出る杭はとりあえず打たれるものなんだよ。打たれても出るのが本物だ」
柴凛の言葉、響くなー。


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「死線の魔物 傭兵代理店」渡辺裕之(祥伝社文庫)

「死んだこと」になってる男が
本名名乗って電話するわ、生存申告するわ。
え?大丈夫?と突っ込みたくなるけれども。
そこはザ・B級エンタメ。
気にしなーい。(笑)
と。軽く茶々入れながら読み始めたわけですが。
だんだん真顔になっていく展開。
「死線の魔物」の正体を彼等と一緒に追いつつ、
北朝鮮の内情を改めて突きつけられ、
読み終わってなんだかやるせなくなってしまった。
国の未来を憂いた彼等の、命懸けの抗議。
他にやりようがなかったの?と、問いたくなるけれども。
部外者には問う資格はないんだろうなぁ。




「シリーズを読み進めるかどうかは続刊次第かな」と
一巻を読んだ時のレビューに書いてるけど、
現時点でのリタイアはあり得ないわ~、と言う感じで楽しく読んでいます。
まずは第一部読破が目標☆彡

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