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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「毎日晴天! 1」菅野彰 (キャラ文庫)



初読は20年前か~、と思うと、なんだか感慨深い。
菅野さんの文章も若い。
ドタバタ始まりのシリアス展開。
どんなに言葉を尽くして説明しても、届かないことがある。
誰かの言葉ではなく、自ら気付かない限り、そうだって認識はできない。
だから、秀と帯刀家の面々との距離感がやるせない。
最初から幸せを諦めてしまっていた秀。
幸せを望む事すら思いつかなかったかのように。
そんな秀と共に過ごしてきた勇太の老成っぷりに涙出そうになるわ。
帯刀家には「寂しい」人を寂しいままにさせないパワーがあるけど、
それはみんなが秀を好きだから。
ちゃんと伝わってるといいね。

というわけで、このシリーズの再読に着手。
16冊+外伝。
今まで一冊一冊、どんなに間があいても追いかけて読んできた作品を
一気読みできる幸せ☆
最大5人いた我が家も今は一人抜け、二人抜け……でだいぶ静かになりました。
帯刀家の賑やかさを懐かしく想いつつ……と回顧してたら、
夏休みがくるんだわ。
ちびっこたちがやってきて、総勢6人での生活が暫し。
あら?増えてる(笑)





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「逆説の日本史9  戦国野望編」井沢元彦(小学館文庫)



いざ戦国!と勢い込んで頁を捲ったら、
最初は「琉球の興亡」次が「倭寇の歴史」。
ここで、あれ?戦国どこ?とはならずに大変興味深く読ませていただきました。
こういうところを取り上げてくれるのが井沢節。
鉄砲伝来、すぐさまの国産化、欠かせない硝石を巡る国際貿易の重要性。
現代にも通じる商業ルートの発展の原理。
なるほど、と頷くことしきり。
三章以降で時代は戦国へ。
北條早雲、毛利元就、上杉謙信、武田信玄、そして織田信長。
各々の武将にスポットをあてつつ、展開してくれている論旨がとても面白い。
川中島の合戦で決着がつかなかった理由に納得。
「三本の矢」の真実にはびっくり。

馴染のある名前が続々と。
とはいえ、私のこの時代の知識って『炎の蜃気楼』に寄るところが大きいから、
史実かどうか胡散臭いことこの上ないのです(笑)
■行った場所:今帰仁城跡・中城城跡・首里城・小田原城・宮島
■行きたいところ:建勲神社(御朱印帳欲しい!とても欲しい!)・石見銀山・
沖縄は色々踏まえてもう一度ちゃんとまわりたい。
■読みたい本:『下天は夢か』島津陽

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「光の雨 ―贖罪―」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



猟犬とか尖ってるとか称される剛毅な男が見せる
きめ細やかなやさしさと包容力。
たまらなく素敵。
野々宮という支えを得て自分を取り戻し、
堅実に仕事と向き合う伊能もやっぱり素敵。
ラストの被疑者と向き合うシーンはとても良かった。
だけど、決して光の中を歩くことはできないと、
自らは深海魚なのだと諦念と共に達観している原口の気持ちを想って
なんか泣きそうになってしまった。
うわーん。
検事の仕事ぶり、ヤクザ世界の理不尽さ、人が人を想う気持ちの奥深さ。
どれも丁寧な描写で読ませてくれた地に足のついた物語。
ガッツリ楽しませてもらいました。

欲を言えば、原口視点の話が読みたいなぁ。
って、私、どんだけ原口好きなんだろう?
かわいさんも地道にコツコツ攻略していきたい作家さん。





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「光の雨 ―原罪―」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



彼の死に対して抱え続けた悔恨と自責の念。
自分の性癖を明確に自覚した瞬間の混乱と恐慌。
貴方は悪くない。
誰も貴方を責めてはいない。
本人が納得しない限り、そん言葉は響かない。
糸が切れそうになった伊能を引き戻した雨の屋上での口づけがとても好き。
愛と哀しみと後悔を抱え続けた伊能に寄り添った野々宮。
囚われた過去から一歩先へと進み始めた伊能。
細やかな心理描写を辿りつつ、
事件に主軸を置いて展開していく
シリアスでどっしりとした作品世界にのめり込んでしまう。
大阪地検の面々はアクが強くて味がある。
だけど、私はミステリアスなヤクザ原口に興味津々。

で。えっと……続いてますけどーーー!
というわけで、調べなかった自分のことは棚上げして声を大にして言いたい。
続き物はちゃんと巻数表示してくださいっっ!(涙)
終ると思って読んでたから、あと残頁ちょっとってところで「ん??」ってなっちゃったよ。
作家買いの時は内容いちいち確認しないし、
基本的にフィーリング買いだからやっぱり内容吟味しないし。
わかりやすく「1巻」とか「前編」とか表記してもらえると、大変ありがたいのです。
「完!」のつもりで読んでいたからメッチャ消化不良な気分。
このまま続きを読むか、予定通り一般書にいくか。
悩ましい……

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「アクロイド殺し」アガサ・クリスティ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)



嘘がひとつ。嘘がふたつ。嘘がみっつ。嘘が……。
嘘をついた人は複数いるけど、
嘘をついたことを知っているのは自分だけ。
積み重ねられる嘘で見えなくなってしまった真実。
誰にとって都合がいいのか、何を守ろうとしているのか。
或は、何を隠そうとしているのか。
殺人事件の真相に迫ろうと、
捻じれて絡まりあった糸を紐解いていくエルキュール・ポワロ。
最初から最後まで面白かったんだけど、
ラストのポワロが暗に示した解決策と犯人の選択。
これがどうしてもひっかかってもやっとした読後になってしまった。
結末を知った上で、再読してみたい。

解説は冒頭に「ネタバレあり」の記載があって、好印象。
時々予告なしにネタバレぶっこんでくるあとがきがあってびっくりするんだけど、
ああいうのは事前にチェック入らないのかしら?と思ってみたり。
次にクリスティで読みたいのは『オリエント急行殺人事件』
1974年版の映画で観たうすらぼんやりした記憶(笑)
【ガーディアン必読 84/1000】

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「くるおしく君を想う」沙野風結子 (ガッシュ文庫)



勝手に副題「三つ子の魂百まで」。
まぁ、正確に言えば9歳からなんだけど。
莉一に対する「好き」の気持ちを13年も抱き続けた航希。
胸の内に抱えていた想いは、実際に莉一の体温を知っちゃったら、
沈静化なんてするわけがなく、そりゃあ、燃え上がるよね。
一方の莉一。
航希に対する冷たく突き放すような態度。
なのに、求める身体。
もしかして……というこちらの想像は「え?天然!?」という着地点。
うん。なんか新鮮なびっくりだったわ。
だけど、その深層心理にはしっかりとした理由がある。
このあたりの流れ、とても良かった。
采登にもいい人が現れてくれるといいな。

あとがきを読んでなかったら絶対に気付かなかったカバー下。
自分に言い聞かせるために何度でも繰り返すわ。
読んだら捲ろう、カバー下!
美味しいモノが隠れています。

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「楊家将 下巻」北方謙三 (PHP文庫)



それは、個人の悲願なのか、国の悲願なのか。
どう考えたって前者だ。
配下の将軍を掌握しきれない帝が前線に出て、何故勝てると思うのか?
挙句は味方だったはずの宋軍に潰された楊家軍。
卑怯者が何故そこで生きている?
と、怒りに打ち震えて号泣。
再読なのに何やってんの、私。
そうじゃない。
何度読んでもそこまでのめり込ませる北方の筆力、恐るべし。
戦場を駆けた楊家の男たちの生き様があまりにも峻烈で、潔くて、胸を打つ。
楊業が耶律休哥のよに自由であったら、という思いが過るが、
楊業はそれを望まなかった。
だから、これが彼の運命。

泣き疲れたので『血涙』はちょっとインターバルを置いてから。
改めて読むと、簫太后カッコいいなぁ。
個人的には耶律休哥が大好きだけど、
肩入れするのは勿論楊家です!←この辺複雑な乙女(?)心。
再読だからもうちょっとあっさり読めるかと思ったんだけど、
そんなことは全然なく、作品世界にめり込んでの読了。

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「あひるの空 THE DAY(1)」日向武史 (講談社コミックス)



かつての大敗から一年。
味わった無力感と悔しさをバネに、戦える力を懸命に身に着けてきたクズ高の彼ら。
だけど、忘れてはいけない。
一年の時間があったのは、大栄の彼らも同じだということを。
彼らとて、進化しているのだと。
その事実を愕然と突きつけられる第一クォーター。
そんな中でも空の表情がずっと変わらないのは良い予兆だと思っていいのかな?
逆に振り回されている千秋がなんだか珍しい。
絶望的な点差ではない。
ならば、第二クォーターでの巻き返しに期待しよう。
結末は覆らない。
だけど、善戦する彼らの姿を目に焼き付ける。

実質的には「あひるの空 51巻」
だけど表記は「Part1」
最初見た時、1巻からリニューアルするのかと思って、え?それでも買わないとだめだよね??
と、ちょっとだけ混乱(笑)
読み始めてから15年。
どんな装丁、どんな出し方になってもついていくよ。

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「楊家将 上巻」北方謙三(PHP文庫)



何故彼らが戦わなければならないのか?
立場が違えば、誰よりも分かりあえたであろう漢たちだと思えるだけに、
愚問と知りつつ、問いかけたくなる。
父楊業の元で結束する楊家の息子たち。
互いを認め合い、足りない部分は補えるようにアドバイスし、
抜きんでたところは心から称賛する。
楊家の男たることに恥じぬように在ろうとする彼らがとても魅力的。
そして、戦場を自由に駆ける白き狼・耶津休哥。
彼の度量の大きさと果敢さが、やっぱり魅力的。
戦い方にそれぞれの性格と才覚が明確に反映されているから、余計に彼らの魅力にのめり込む。
だから辛い。
ドキドキしながら下巻へ。


再読の弊害。
先の展開を知っているから、なんかもう泣けて泣けて仕方なくて。
この巻で泣く要素ってそんなにないはずなのに、
この先の彼らを思って、マジ泣きしたよね。私。
びっくりしたわ。自分に。
『水滸伝』を読まれている方には是非読んでいただきたい。
読まれていない方も是非。


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「飼い犬に手を咬まれるな」夏乃穂足 (キャラ文庫)



陥った窮地は誰のせい?
拗れに拗れた関係の発端はどこにある?
一緒になって心が軋んで大変だったので、
あ、許すんだ、と思ったんだけど。
それは許しではなく愛。
最初から最後まで彼らがそれ以外持ち得なかったもの。
たった一つ、彼らが心の底から欲したもの。
「やり方を間違えた」「何もかもを間違えた」
読み始めた時からずっとそう思ってたから、それを一稀の口から聞けて
この人たちは大丈夫だなぁ、と。
そして、泣くことができた猛に良かったね、と。
すべてを叩き壊しての再生。
この先の二人は、よりしなやかに、強く在ることができるはず。


四年ぶりの新刊!
復帰作としてこんなに読み応えある作品をありがとうございます!
好きな作家さんには、書きたい作品(←こことても大事)を書き続けてくれること。
ただそれだけを願いたい。
そして、この笠井さんの表紙がとても素敵。
猛と一稀。
二人のジェットコースター人生を一緒になって全力で駆け抜けて、
最後白木の存在になんだか癒されました。(笑)

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