きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ロマンス作家は騙される」榎田尤利 (SHY NOVELS)
続刊は面白かった!
安定とはまだまだ程遠いながらも、作家としての生活を確立した羽根。
そんな羽根に対してあまりにも身勝手な理由から向けられた悪意。
その事件に向き合った羽根・千疋・神楽坂・ひかりちゃん・美空の態度と、
首謀者に対して言い放った彼らの言葉がとても好き。
そして羽根と神楽坂・千疋との関係は落ち着くべきところに落ち着いた感じかな。
まぁ、羽根がどちらもを選べない限り、この二人が羽根のまわりをウロウロするわけで、
そうすると二人の接点も増えていく。
その結果の愉快な会話と不審な行動がとても楽しい。
このままの関係でいってほしい三人なのです。
前巻『ハードボイルドに触れるな』の感想で千疋に対してウダウダ言ってたけど、
原因が分かった時点で気にならなくなってみました。
(正確には視界に入れないようにした・笑)
神楽坂と千疋のショットがもっと見たい。←
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「ハードボイルドに触れるな」榎田尤利 (SHY NOVELS)
私にしてはとってもとっても珍しい現象なのですが。
感覚的に千疋がダメで……ダメでした。
作中の彼にダメなところはないんだけどなぁ。
むしろ、羽根にとってはプラスの影響しか与えてない。
続刊読んでないからなんともなんだけど、
多分羽根は千疋も神楽坂も選べない気がするのよね。
3人でハピエンは個人的には全然ありなんだけど、
千疋が……と、ぐるぐるしてしまった。
ごめん、千疋。
あ!以前、ウチの近所の整体師が猥褻で捕まったのと関係ある?
色々あったからそれでイメージ悪いとか!?
美空ちゃんと一緒で「怪しいじゃん!」と私も思ったからなぁ。
とばっちりだ!
なんかもう、感想になってないけど、これ以外書きようがなかった(笑)
千疋の例えがメフィスト先生ってところでメッチャテンションあがったんだけどなー。
メフィストにバンコランなんて!
イメージ悪いはずがないのに!!
ってか、千疋しか語ってないな、私。
ちゃんと続刊も読みます!
「白日」北方謙三 (小学館文庫)
彼がその村で費やした時は身の内のエネルギーを満たすために必要な時間。
漁も、ルアー作りも、料理も。
船も三科も、一夜限りの女も令子という存在も。
全てが糧となり得るものだった。
彼が再び鑿を手にするために。
小手先ではなく、魂で作品を創造する芸術家が向き合うのは己の内面。
吐き出すのは自らの魂。
他人の才に打ちのめされた芸術家が再び創作に携わるとき。
彼が生み出す作品はより凄みを増し、他者を圧倒するほどの情念が籠り、魂が宿る。
全てを吐き出した芸術家は再び沈黙の時を過ごす。
いつかまた、その手に鑿を握る瞬間が訪れるまで。
北方仲間の読友さんたちご推薦作品。
うん。
期待通り面白かった!
グイグイ引き込まれたよ。
三科の家がとても気になった。
外装は市販の安物で、内装にお金をかけた建物。
それだけでもそそられるのに、
東側の壁面が本棚で全部本で埋まってるって!
素敵すぎる。
良いルアーの根拠が「俺が食らいつきたくなった」っていうのがイイね。
闇に哭く光 Undercover Cop 上 (アクアコミックス)
一方から見れば魔王でも、一方から見れば神に等しい創造主。
接する相手によって態度が変わるのは当然。
故に、多面性は誰にでもある。
外界から隔離されて育った籠の鳥。
籠の中の世界の幸を思って生きる鳥を
不憫に思って外の世界に出すのは、不憫と思った人間の傲慢。
生きていく術をどんな責任でもって教えていくつもりなのか。
主目的を見誤ったら足元を掬われる。
青砥。マリア。そして唐橋。
それぞれに曰くのある過去を背負った三人の行く末は?
こうあって欲しいと、こうなるんだろうなぁ、がイコールにならない歯がゆさ。
ラブ要素はなくてもいいので次巻が早く読みたい。
タイトルにUndercover Copが入っていることに、二度目を読了して気付いたわ。(遅ッ!)
「バカなの?」というペーパーが好き。
菅野さん棚に収納するためにこちらに登録。
この作品を読みながら、とある街のとある区からの候補者を選挙に当選させるために、
その街に信者をまるごと居住させた宗教の話を思い出してみた。(怖ッ!)
『ブリジット・ジョーンズの日記』 (角川文庫)
感情表現豊かに綴られるブリジットの日記。
日々これだけ大騒ぎしていたら、
人生退屈することはないだろうなぁ、と思いつつ。
お友だちになりたいか?と問われたら、
ちょっと距離を置いて見守りたいタイプ。
何事も全力で一生懸命なところは称賛に値するけど、
努力の方向が間違ってるよ?と言いたくなることも暫し。
まぁ、結果オーライで良かったね。
むしろ、彼女の母のぶっ飛び具合の方が興味深かった。
ヒロインに共感した世界中の女性の一員になれなかった私は、
次は死線を潜り抜けるガチンコ武闘派的な作品を読もうと思います。(疲労困憊)→
この二人、この先どうなるの?と続刊のあらすじを追っていった結果、
「えええ~~!!??」と思わず目を見開いてしまったのが一番の驚愕だった。
マジですか……【ガーディアン必読 78/1000】
「さいはてのゆき」いちか凛 (SHY文庫)
穢れのない純白のパウダースノウ。
もしくは、どこまでも透き通った澄みわたる世界。
そんなイメージが終始付きまとう。
純度の高い……というよりも、不純なものの一切混ざっていない二人の想いを
適切に伝えられる言葉が見当たらない。
7歳の時に山の事故で両親を失った渓。
彼の負った心の傷と、周りの人たちとの係りの中での立ち直りが丁寧に描かれている。
そんな渓に対して大切に真摯に接してきた貴之。
三年の空白を経ての再会。
今の二人を見れば、それは必要な時間だったんだなぁ、と思う。
繊細に過ぎる二人を取り巻く
山男たちが健康優良児過ぎて頼もしかったお借り本。
山初心者の私に下った指令が「上高地、現地集合」。
どうやっていくの?から始まったミッションは槍ヶ岳登山。
というわけで、自分の体験と被るところもあったおかげで
情景がものすごくリアルに浮かんで山の雰囲気も堪能しました。
ハードだったけど、ただひたすら楽しくて、壮大な景色が美しかった思い出。
「逆説の日本史3 古代言霊編」井沢元彦(小学館文庫)
第一章を読むと、従来の弓削道鏡像とは違った彼の姿が浮かび上がるはず。
道鏡?誰それ?と言うくらいのポンコツぶりを発揮した私が
この巻を読み終わった感想は
「面白かった」ではなく「凄かった」の一言。
勉強になったし、納得したし、ちょっと首をひねって、考えさせられた。
あくまでも諸説の中の一説であると認識した上でも、
日本の歴史を学ぶと同時に、
現代社会に生きる身として考えていかなければいけないことが書かれていると思う。
「安全神話などではない。安全願望である」
原発事故の後に言われたこの言葉に、無意識下の言霊信仰を垣間見た気がする。
著者曰くの「藤原氏寄生虫説」が私の藤原氏のイメージと被ってるんだけど、
私、何を読んでそう思ったんだろう?
小説か漫画以外在り得ないんだけど、何の本かがさっぱり思いつかない。
これも解明できない謎だわ(笑)
◆行った場所:比叡山延暦寺
◆読みたい本:『水底の歌』梅原猛/『炎立つ』高橋勝彦
「色悪作家と校正者の純潔」菅野彰 (ディアプラス文庫)
正祐の大吾に寄せる愛の深さといとけなさと純真さに感動すら覚える本巻。
あそこまで一途に想われたら、人としての冥利に尽きるんじゃないかな。
他人との関係性が希薄で、内の世界に籠って生きてきた二人には
人として大切な何かが欠けていて。
二人でいることによって気づきがある。
その言葉の応酬と内省が私はとても好き。
白洲の大人な対応も、擬態できる本性も、忖度できるずるさも。
何もかもが素敵なんですけど~~!もっと絡んで欲しい。
ラスト2頁のやり取りを何度も反芻してはドキドキ。
麻々原さんのイラストで視覚的に拝みたい。
私が『こころ』とは相容れないと思った理由は作中でお姉さんが語った理由と一緒。
そして、あの時代の作者とは相容れないと思った理由は
「この人たちとは仲良くなれない(考え方が納得できない)」と思ったから。
とは言え、太宰にだけは傾倒したその頃の私はまだ10代。
そこから延々と敬遠し続けてきた彼らの本を今読んだら感想が変わるのかしら?と、
興味深々ではあります。
因みに、頑張って何人かの作品を読み、
武者小路実篤に至って、あの時代の作者と決別することを決めました(笑)
「東京輪舞」月村了衛(小学館)
「警察なんかに入ったばっかりに」
現場で必死になって駆けずり回った警察官にそう言わしめる組織の在り様とは何なのか。
懸命な捜査の果てに握りつぶされた真実。
その徒労と空疎さに募る虚しさは腹立たしく、やるせない。
だが、警察がなくてはならない組織なのも事実。
どう在るべきか。
理想を述べることができても難しいね。
昭和と平成の時代を揺るがした、耳に覚えのある事件の数々に肉薄する物語。
緻密な取材に基づき、核心に迫るその筆力に引き込まれる。
事件とそして警察という組織に振り回され続けた砂田。
だが、彼の信念はぶれることはなかった。
重厚な読み応えに大満足の読了!
時にすれ違うだけの関係だったからこそ生じたロマンス。
クラーラと砂田の関係がとても良かった。
そして二人の選択した生き方もカッコよかった。
取り扱っている事件はこちら。
「ロッキード事件」「東芝COCOM違反」「ソ連崩壊」「地下鉄サリン事件」「長官狙撃事件」
「金正日不法入国」
警察小説であり、これらに係り続けた男の生き様の物語でもある。
一気読みさせられる面白さでした。
「煤煙」北方謙三 (講談社文庫)
煙草の煙を吹きかけながら(吸わないけど)
「めんどくさい男ね」と、言ってやりたい人がいました。ここに。
破滅願望結構。
毀れたいなら毀れてしまえばいい。
それを徹底して貫いた生き方は彼なりの矜持と取っていい。
でも、自らの滅びに他人を巻きこんではいけない。
拗らせてる感がどうしても拭えなくて、あ、めんどくさい……と。
職業は弁護士。
法律で武装して戦えるから余計に厄介。
だけど、彼の周りには人が集まる。
向けられた好意。
差し伸べられた手。
望めば手に入った安寧。
だけど、彼は何処までも餓えていて、どこまでも孤独だった。
船上でヤクザとやりあったシーンが印象的。
そして、「(自分を)食いやすいようにする」って
どういうことなんだろう?と思ったけど。
あの状況ではそれ以外にないって言う、衝撃だけど納得の行動だったわ。
久々の北方現代物。
馴染んだ空気感がとても居心地良かった。