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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「マーメイド・マーダーズ」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)



「第一印象とは一度しかチャンスがない」
確かにその通り。
お互いの事情……というよりも、周囲の思惑により、
即席バディを組まされて第一印象が最悪だったケネディとジョンソン。
ロマンスよりも事件に焦点をあてて展開していく物語の中で、
二人の互いに対する印象が変わっていく様がうまく織り込まれていて、
事件解決のドキドキの後は、二人の関係性の行方にドキドキ。
FBI行動分析官と美術犯罪捜査官という立場を活かした事件の真相への迫り方も面白かった。
ガチガチの岩塩始まりで、甘くとろける砂糖で終幕。
おっさんずの物語はこんな例えで間違っていないかと。


組織に属する身としては、何かヤバいことやらかしたら
速攻上司に報告しないと余計に怒られるしヤバくなるんだよ!と言いたいけど。
やらかしたレベルの次元が違ってたからなぁ。
「新シリーズ」とあるからには、続きがあるということは確定ですね。
まだまだ始まったばかりの二人の物語。
続刊を楽しみに待ちます。

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「So This is Christmas」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)




表題はシリーズ続編というか完結篇。
よもや、こんな二人を見られる日が来るとは!という、感動がヒシヒシと。
お互いに対する愛情が、その仕草や目線等々の至るところから感じ取れるのが素晴らしい。
ここにきて垣間見れるようになった溢れんばかりのジェイクの包容力は必見。
そして、変わらないアドリアンの芯の強さとやさしさ。
多幸感を噛みしめながらの読了。
同録の『雪の天使』
拗れに拗れた10年愛。
拗れた糸を解いていく過程がとても良かった。
糸に包まれて隠されていた真実(過去)がちょっと切ない。
10年かけて想いを綴った小説……読んでみたいね。

辛かったり苦しかったりの紆余曲折を乗り越えて掴んだ二人の幸せの形。
アドリアン・イングリッシュシリーズは全五巻+この作品で真の完結!
という認識で間違いないと思います。


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「ティファニーで朝食を」トルーマン・カポーティ (新潮文庫)



自分自身の手で自らの人生を切り開いていくホリーは、
良くも悪くも生命力に満ち溢れ、輝いている。
その逞しさが、彼女の魅力。
飼い慣らされることのない美しい羽を持った野生の鳥は、
決して籠の中には留まらない。
故に、彼が欲した鳥かごのエピソードはなんとなく象徴的。
これは彼が綴る彼女の物語。
男と女としては決して添い遂げることがないことがわかっているが故の
彼視点の諦めや憧れが感じ取れ、彼女視点の傲慢や信頼が伺える。
時に、孤独と疲れを滲ませた彼女には、
自由奔放でありながらも、安住の地を見つけてほしいと、
相反する想いを抱いての読了。


同録の短編はどれも読みごたえあり。
『花盛りの庭』
素敵なタイトルに反して怖っ!と思わず唸った。
『ダイヤモンドのギター』
私がBL読みだということを差し引いても、心に印象深い作品。
ティコは平穏な日常に突如として放り込まれたミラーボールのような存在だわね。
『クリスマスの想い出』
60歳と7歳の間で育まれた友情。
とても素敵なクリスマスプレゼント。そして別れ。
ものっすごいジワジワきた。
【ガーディアン必読 77/1000】

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「京恋路上ル下ル」夕映月子 (ディアプラス文庫)



恋人として向き合うまでの気持ちのすれ違いがなんともいたたまれないふたり。
傷ついたり振り回されたりしながら
次第に変わっていく気持ちの変化とそれぞれの成長が
とても丁寧に描かれていて、好感が持てる。
自分本位の好きから相手を思いやる好きに変わっていった颯馬。
目を瞑ってきた自分の気持ちに気付いた伊織の葛藤が切ない。
颯馬イイ子なんだけどなー。
イイ子なのに何故かイラッとさせられる残念感。
でも、あと10年たったらものすごく素敵な壮年期を迎えそうな予感がひしひしと。
溢れんばかりの愛情を伊織に注いで抱きしめ続けてくれるんだろうな。

好きで好きで好きで。の気持ちが溢れるお借り本。
京都はせっかく行ったのに一日まるっと潰してホテルで寝込んでいたのが最後なので、
いつかリベンジ!

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「逆説の日本史2 古代怨霊編」井沢元彦(小学館文庫)



論題を提示し、論拠を示し、結論を述べる。
このホップ・ステップ・ジャンプがわかりやすいうえにおもしろい。
井沢氏の説もひとつの説で、史実と断言できるわけではないということを念頭に置いても、
半端ない説得力。
章タイトルで個人的にそれほど興味が持てるとは思わなかった
天智天皇と天武天皇についての考察がものすごく面白かった。
ここだけ再読したいくらい興味深い。
そして持統天皇の執念とも言える頑張り。
奈良の大仏の「製造工程」の図解は必見。
わかりやすいうえにすごかった。
そんな大仏が役立たず認定されている残念感が半端ない。


三井寺……行ったよ。
ちょっと時間あるし、通り道に有名そうなお寺があるから寄ってみる?
的なノリで軽く立ち寄ってみたけど、この本読んでから行ったら
ものすごく面白かったんだろうなぁ。
そもそも、奈良に行く前に読むべくして買った本なのに、
行ってから1年以上たってから読んでいるていたらく。
まぁ、何事もタイミング。
今後の自分の為に、行った場所・行きたい場所を記載していくことにしました。
◆行った場所:三井寺・佐渡島・法隆寺・東大寺
◆読みたい本:『隠された十字架』梅原猛

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「高貴なる賭け 叛獄の王子2」 (モノクローム・ロマンス文庫)



国と国が対峙すれば、正義はふたつある。
人と人でもそれは然り。
大事なのは何が正しいではなく、自分が何を信じるか。
他国を知り、或は相手を知り、考え抜いた中で、自分がどう動くのか。
だから……
「俺はお前の奴隷だ」
「俺がこれを望んでいないように見えるのか?」
この言葉に込められた彼らの想い。苦悩。葛藤。行為。そして覚悟。
全てを踏まえた上で迎えたラストに震える。
緻密に作り込まれた世界観。想像を許さない展開。
ここまでドキドキしながら迎えたクライマックスは久々。
外道な執政とここまで戦ってきたローレントの孤独が痛い。
安らいでくれればそれでいい。
続刊早く!

どっぷり北方脳なので「調練」とか「陣形」とか言われると
血がザワザワします。
兵を鍛え直すとかまんま水滸伝を連想してしまう。←もはや病(笑)
核の部分にBL展開があるからこそドキドキ感倍増しな作品なんだけど、
カテゴリーを飛び越えて読んでもらいたくなるわ。

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「眉山」さだまさし (幻冬舎文庫)



いずれは向き合わなければいけない時が来る。
家族の病。そして死。
個人的には自分が癌です!と言われた時より、
家族が癌です!と言われた時の方が衝撃は大きかった。
多分、逆も然りだったんだろうなぁ。
相手の方が辛いと思うから弱音は自然と出てこなかった。
誰しもがお龍さんのように気丈でいられるわけではないだろうけど、
そうありたいと思える姿がそこにあった。
お龍さんと咲子の母娘関係がとても素敵。
馴れ合わず、甘えず。
だけど、やさしさを失わずに愛情は溢れんばかり。
あんなふうに向き合っていきたい。
繰り返し読みたい作品。

中学校からの友だち。高校からの友だち。大学からの友だち。
そして読メで出逢った友だち。
縁のある人たちが生活している徳島。
だから私にとっても愛着のある土地だったりします。
阿波踊り……いつか間近で見てみたいな。

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「逆説の日本史1 古代黎明編」井沢元彦(小学館文庫)



日本史に対する苦手意識が強すぎて、
とっかかりでちょっと苦戦したものの、
結論から言えばおもしろかった!
著者の論旨の展開の仕方がわかりやすくてすんなり入ってくるし、
是か非かはともかく引き込まれる。
最近の記憶に新しい仁徳天皇陵の発掘調査が、
本書の刊行時には禁止されていたことを鑑みると、
亀の歩みでも真相解明の調査は進んでいると言えるのかな。
思わず宮内庁の採用方法調べちゃったよね。
出雲大社や伊勢神宮、その他諸々、
かつて訪れた場所を今回覚えた知識を抱えて、もう一度訪ねたくなる。
選んで正解の日本史テキスト。


読み切れるかどうかドキドキしながら読み始めたけど、
1巻を読み終わって続刊に手を出すことにワクワク感いっぱいなので、
全巻読破いける気がする。
楽しみ。

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「あひるの空 FUTURE IS NOW(50)」日向武史 (講談社コミックス)



試合のない本巻。
勇気を振り絞って懺悔をしたり、ほのかな恋心を吐露したり、
五月先生までが新たな一歩を踏み出すことを決意したりと、
前巻までの妙院戦を追いかけながらの緊張感やハラハラ感から解放された、
インターバル的な巻かと思いきや。
次戦・大栄戦へ向けての緊張感が巻末に向けてジワジワと高まっていく。
満身創痍のクズ高のメンバーたち。
結末のわかっている試合。
だからこそ、滲む彼らの想いに胸が苦しくなる。
次巻からはずっとずっと読みつづけてきた作品の最後の試合。
「いつか終わってしまう それが今日この日」
正座待機くらいの覚悟で待ちます。

もう15年くらい前かな?
マガジン本誌で読んだ連載第一回目。
「え?何この漫画!?」という衝撃が忘れられない。
そこから発売日直後に単行本を買い続けて今に至ります。
「結末のわかっている蛇足に本気で取り組む」
著者だからこそ、私はここまでついてきた。
そして毎回毎回、彼らの試合に気持ちを揺さぶられてきた。
……と、シリアスに語りつつ。
遊び心満載な『進撃の巨人』の一コマに笑った。

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「叛獄の王子 ~叛獄の王子 (1)~」 (モノクローム・ロマンス文庫)



アキエロスの王子でありながら、腹違いの兄の策略でヴェーレの奴隷となったデイメン。
ヴェーレの王子でありながら、叔父に命を狙われるローレント。
そのローレントの兄をかつての戦いで殺したデイメン。
その事実を(多分)知らずにいるローレント。
この関係性だけでもドキドキするのに、
彼らの間に漂うヒリヒリとした緊張感。
周囲で張り巡らされる陰謀。
湧きあがる憎しみを呑み下し、
決して心を許さぬまま、いつしか、守り守られる関係へ。
怒涛の展開と絡み合う事象にドキドキ感増し増し。
引き込まれて戻ってこれなくなりそうな世界がここにある。

1巻と2巻を手元にそろえて読み始め、完結巻となる3巻は年明けに発売。
読むタイミング的には間違ってなかった。
何故ここに留まるのか。
何故殺さないのか。
何故共に行動するのか。
時々ある、え?何で?と、問いたくなる
唐突に情に絆されたような展開にはならない心理描写がいい。
続がとても楽しみ。

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