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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ラグナロク:Re 1.月下に吼える獣」安井健太郎 (オーバーラップ文庫)



久々に読んだガチンコのバトルアクションファンタジー。
物語的にはまだ謎だらけだけど、キャラが半端なく魅力的で、楽しく読了。
因縁をつけられたら相手が死ぬまで徹底的に叩きのめす。
男女の区別なく容赦ないけど、子どもには無条件で優しいリロイ。
彼の戦う理由は単純明快で良い。
そんな彼の剣であるラグナロクの視点で語られる物語。
相棒であるリロイに対するラグナロクの言葉が辛辣で容赦ないんだけど、
リロイのことが大好きなのね、
ということが伝わってくるツン具合にニヤニヤ。
久々に発売日を楽しみに待つ本になるかな?
まずは次巻へ。→

魅力的な男子キャラがもう少し増えてくれると、個人的には嬉しいかな。
マグナルおじ様がとても素敵。
戦闘シーンの描写がとても緻密で、適当に流された感じがないのが良い。
もう少し若かったら前のめりではまったんだろうなぁ……と思うとちょっと惜しい。
でも、速攻で次巻をポチッとしました。
とても楽しみ♪

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「黙示録3174年」ウォルター・M・ミラー・ジュニア (創元SF文庫)



とてつもないスケールの時空の旅からの帰還。
読了後、ため息と共に我に返るまで暫しの時間を要した。
繰り返される歴史。再び訪れる終末世界。
リーボウィッツ修道院を起点に語られる世界の変遷。
そこには繰り返される中世があり、現代があり、未来がある。
その未来に人類が同じ愚を犯すのは著者の警告なのか、或いは絶望なのか。
飛び去った星船に希望を託したい所だけど
「行ったら戻っては来ない」の言葉がやるせない。
地球上の鮫が、そして人間がお腹いっぱいになれた未来は訪れたのかな?
各章ごとの主要人物の死に様は胸に迫るものがあった。→

充実した読書時間。
頁数の多さより文字の細かさの方に戦きつつ、
読み始めたら途中で放り出せない読みごたえとおもしろさでした。
SFというジャンルに囚われず、普遍的に読み次いでいってもらいたい作品。
【ガーディアン必読 73/1000】

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「神様のビオトープ」凪良ゆう(講談社タイガ)



5組……否、6組の愛の物語。
寒気がしたり、微笑ましかったり、切なかったり。
愛の形は様々で、想いは人それぞれ。でも、みんな真剣で嘘がない。
そして幸せの形にも定義なんてなくて、やっぱり人それぞれ。
誰にも迷惑をかけなければ、自分が幸せだと思う道を貫けばいい。
そういう意味では千花の選択には賛同できないかな?
秋くんと春くんには泣きそうになった。
高校生は素直に応援したい。
プロローグから私が想像した結末を、良い意味で見事に覆してくれた。
それこそが彼女の幸せ。彼女の信じる彼女の愛。
心に染み入るお借り本。とてもよかった。→

「試練に打ち勝てる人にのみ神は試練を与える」
的な記述が直前に読んだ本にもあって。
放射能の苦痛に呻く人に何言ってんの?と、思っていたわけですが。
私の求める答えがこの本にありました。
「そんな神さまこそ消えればいい」極論でも納得。

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「ずっとここできみと」月村奎 (ディアプラス文庫)



幼馴染同士の一途な恋物語。
二人の恋が叶うまでと、二人の恋を周囲にカミングアウトするまでの二編。
後者が圧倒的に面白かった。
というか。
柾矢の家族の反応が想定外に突き抜けていて、
微笑ましいというか、あったかいというか。
その翌日、友人にもサラリと二人の関係を口にすることができた理玖。
良かったね。
他人の気持ちを勝手に慮ってはいけない。
見当違いな、悩まなくても良いことで悩む羽目になる。
でも、考えちゃうよね。
相手を傷つけたくないから。自分が傷つきたくないから。
関係が壊れてしまうのが怖いから。
だからきちんと想いを告げる言葉って大事。


「ずっとずっと、ずっと」
この言葉がとてもお似合いだと思える二人。
とてもかわいらしいお借り本。
幼馴染でBL……というかJUNEと言えば真っ先に浮かぶのは吉原さんの『幼馴染み』。
今の時代はそうでもないんだろうけど、当時は色々と衝撃的だったなぁ。
そもそも私が若かった(笑)





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「三国志 9~軍市の星」北方謙三 (ハルキ文庫―時代小説文庫)



どこまでも潔く真っ直ぐであったが故に、調略に掬われた星。
「帰還できず」
この言葉に号泣。
逢わせてあげたかった、と思うのは、私の感傷。
ああ、だけど。
一人で逝かせてほしくなかった。
張魯の呪縛からようやく解き放たれた張衛。
いっそ張魯を切ってしまえと何度も思ったけど、遅きに失したということはない。
張衛に対する張魯の言葉に私も切ってしまえという思いは失せた。
上立つ者はそれぞれの立場での苦悩がある。
漸く解放された力。
張衛と馬超は良いコンビだと思う。
雪原に散った血の花。
蜀にいる者たちの胸の内を思うと、心底やるせない。


馬超がスカールとイメージが被るんだよね。
必然的に馬綝とリー・ファ。
好きにならずにいられない。(笑)
基本的のは読了直後に感想打ち込む派だけど、
これ、直後に打ったら恐ろしく感情的な感想になりそうだったので、
ちょっとクールダウンしてみました。
響く本って、再読でも心乱されるんだよね。
わかってても涙出る。
で、わかっててもこんちくしょう!ってなる。
曹操が苛烈さを失ってしまったことがちょっと残念。
とはいえ、私は劉備にも曹操にも孫権にも。
魅力を感じているわけではないのよね。
孫権に至ってはこんちくしょう!って思ってるから。←冷静さ、どこ?

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「色悪作家と校正者の貞節」菅野彰 (ディアプラス文庫)



黙って手を引いて、道を指し示すことの方が楽な場合もある。
だけど、大吾はそれをしない。
正祐とまっすぐに向き合い、彼を一人の人間と尊重し、
その意思を持って選んでほしいと。
そう言える大人の男の余裕と懐のひろさがカッコいいわ。
生まれて初めての恋情に翻弄される正祐は、
理不尽を理不尽と知りつつ、ままならない感情に振り回される。
文学に関しては対等に語り合える二人でも、
恋愛に関してはまるで大人と子供。
そんな二人の距離感の詰め方と交わされる会話がとても心地よい。
私も時々言語機能が狂うので、ちょっと反省しました。
うん。気をつけよう。

言葉の通じない宇宙人かと思った宙人は、素直でまっすぐな子だった。
この子の一生懸命さって絆されるなぁ。
正祐のまわりをずっとぐるぐる空回っていてほしい。←(笑)
芥川の『奉教人の死』がとても気になったので、そのうちチャレンジしたい。

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「雪の花」吉村昭 (新潮文庫)



それはワクチンであり、冷凍という保存方法があり、
空輸や電車という移送手段がある。
だけど、それらが見出され、整備されるまでは、
祈りや眉唾の療法しかなく、保存の効かないそれを、
一か八かで運ぶか、人から人へと植え付けていかなければならなかった。
現在の私たちの生活は、
先人たちの努力や献身によってなりたっているのだと、
改めて噛みしめると共に、切り開くまでの道のりの余りの理不尽さに憤りで震えた。
天然痘予防のために生涯を捧げ、
石をぶつけられても、福井の為に、という思いを最後まで捨てなかった良策。
彼の想いの強さと純真さに敬意を。


保守的で利己的な者たちの妨害や嫌がらせはどの時代でもあるんだな、と、
妙に納得してしまえると同時にイラッとする。
深い積雪の峠越えは鬼気迫るものがあった。
援助なしであそこまでやりきった良作に対して、
藩はすぐにでも支援するべきだったんだよ。
読友さんたちと行った秋田で、
解体新書の挿絵を描いた「小野田直武」を知ったことを思い出し、
なんとなくニヤニヤ。
色々調べていたらさるぼぼが赤い色をしている由来に行き当たり、
おお!となりました。



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「不機嫌なシンデレラ」千地イチ (ショコラ文庫)



頑固でまっすぐな一生懸命さ。
不器用なんだけど、誠実。
目標に達するために惜しまない努力。
そういうのは、社会で生きていくための武器になる。
すべては、彼自身が頑張って手にした恋と仕事の成果。
最初はどうなることかと思ったけど、
だんだんオトコマエ度が増していく佐山の成長が頼もしい。
一方で大人のずるさと臆病さと諦めを抱えた安西。
生き方そのものが守りに入っていたように見える安西が、
佐山の成長に引きずられるように一皮剥けた様はセクシーで魅力的。
お互いがお互いにとっての王子様。
自社ブランドを着こなして颯爽と街を歩いて欲しい二人なのです。


人前でものを食べることのできない自分を忘れるくらい、
安西と過ごす時間が楽しかった。
そう告げた佐山に胸を突かれた。
お借りした本はとても貴重なサイン本でした!
私も好きブランドで働きたい!
稀にバイトのスタッフさんを募集してるんだよね。
ウチの会社が副業オッケーなら迷わず手を挙げるんだけどなぁ。

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「三国志 8~水府の星」北方謙三 (ハルキ文庫―時代小説文庫)



周瑜の死を惜しんだ曹操の株が私の中で一瞬上がり、
荀彧の死に纏わる思いの吐露で、あ、気のせいだった、と思った8巻。
荀彧に裏切られたと思うのは、都合がいいんじゃないかな。
信じてもらえないような扱いをしてきた結果なのだから。
多くの者が戦いで命を落としていく中、
ひたひたと迫る病と向き合わざるをえなかった周瑜。
緩慢に近づいてくる死。
彼の心にゆらめきつづけた切なさがやるせない。
俺は俺。おまえはおまえ。
出自は関係ないと、いいきれる馬超がカッコいい。
戦を繰り返し、時代は移り変わっていく。
頼もしい軍師の元、いよいよ天下三分へ。

劉備の……というよりも、北方の孫夫人に対する扱いが、ものすごーく嫌だわ。
一方で、張飛と薫香の関係はとても微笑ましい。
張飛の野戦料理。とてもとてもおいしそう。
李逵の料理を思い出す。
そうすると、解珍の秘伝のタレ……と続々出てくる食べたいもの。
読んでるのは『三国志』だけど、やっぱり『水滸伝』好きだわーと、改めて思った。






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「眠り王子にキスを」月村奎(SHY NOVELS)




独善的ではない宮村の強引さが、とてもあたかくてやさしい。
傷つきすぎて自虐的になってしまった堀が前に進むために必要だったものなんだろうな。
そして、家族から心無い扱いを受け続けてきた堀を受け入れてくれた宮村の母の懐の広さが沁みる。
「好きだから」の後に続く堀の否定的な言葉がとても切ない。
そんな風に堀に思わせてしまったのは、彼の家族。
罪悪感に塗れた堀と一緒になって泣き、一緒になって安堵した。
封じられた恋心は王子様のキスで解放される。
宮村も彼の家族も、堀を傷つけることはないと、思えることが嬉しい。
たくさん愛して愛されて。お幸せにね。

アラサー男子がとてもとても素敵な恋愛をしていました!
と、声を大にして言いたいお借り本。







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