きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「アイズオンリー」一穂ミチ (SHY NOVELS)
日常生活で誰かと築く関係は、相手と何らかのコンタクトをとりあって成り立つもの。
事情の説明もなく、理由も一切知らされないまま突然シャットアウトされた相手に
更にアプローチをしていくのは割と勇気がいる。
そこで諦めればフェードアウト。
だけど数真は縁と関係を断つまいと、頑張ってコンタクトを取り続けた。
緑のことが好きだから。
失いたくないから。
だから手にすることのできた幸せだと。
緑には覚えていてほしい。
そして、数真にそこまでの行動を起こさせたのは縁自身なのだと。
自信を持ってほしい。
一途に想い続けた気持ちに嘘はない。お幸せに♪
有言実行で縁の働ける場所を作った訓はすごいなーと。
そんな訓に殴られる覚悟で「マウスピースでも含んでいくか」とひとりごちた数真。
そういえば、怒り心頭のお客さんに「ヘルメット被って来いよ」と言われた人いたなぁ、と
笑いながら思い出してみました。
PR
「三国志 3 玄戈の星」北方謙三 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
戦いを回避する策はいくつかあった筈。
だが、彼らはそれを選択しない。
天下を獲るものはただ一人。
自らの力量を天に計り、
この男とはいずれ戦場で相まみえる。
そう確信する相手と言葉を交わす心境は如何ほどのものなのか。
稀代の英雄になれたはずの男が散った。
いや、彼は間違いなく英雄だった。
立ちはだかった男の影を、
この先を生きる男たちは永遠に踏み越えることはできないのだから。
曹操、劉備、呂布。ついでに袁紹。
彼らの戦とは別のところで繰り広げられた、孫策と周瑜の男の夢を賭けた一世一代の戦。
あの作戦は若くないと無理!
もしも馬が語れるのなら?
馬鹿げた問いかけではあるものの、赤兎の想いを聞いてみたい。
叶うなら、百里風の想いも。
北方の描く馬は、意思を持って彼らの主と対話している。
海辺での赤兎の行為には涙しかなかった。
そして、劉備に欠けているもの。わかっているからじれったくなる。
早く~~!
「第九代ウェルグレイヴ男爵の捜査録」エマ・ジェイムソン (ハーパーBOOKS)
この本、表紙のインパクトだけで勝ち組だと思う。
目があったらじっと見ちゃう。
そこに置いてあったら目線がいっちゃう。
で、とても気になる。
表紙のダンディな警視正は確かに風変りではあったけれども、
しっかり地に足の着いた人でした。
事件そのものはちゃんと筋道立てて読ませてくれるけど、
事件からちょっと外れたところでは突っ込みどころ満載。
そして、その突っ込みどころが
面白いスパイスになっている気がします。
バハールくん、良いキャラしてるわ。
色々抱えながらもまっすぐに育っている子どもたちの姿に
ほんわり和んで読了。
クズな上司ジャクソンを公衆の面前でやりこめるケイトの言葉は、
「能無し」までが許容範囲。
その先は場所をちょっと考えようか。
とはいえ、ジャクソンも同レベルなので、どっちもどっち。
こんな応酬をしないといけない職場、ヤだわ~。
あの手の発言は笑って流せるところまででSTOPなのです。
その先はどっちサイドもアウト☆
読友さんからの感謝のプレゼント本。
ありがとう!
「GIANT KILLING 47」ツジトモ (モーニング KC)
ブランの監督としての力量は図抜けていると思う。
そんな監督の意を汲んで同じ方向を向いて闘えるのがプロ。
自分は自分。
誰かと比べることに意味はなくて、
その中で何ができるかを追求することに意味がある。
才能あふれる集団の中に在って、
ここを間違えると多分辛い。
ぶち当たった壁は乗り越えてこそ強くなれる。
中には蹴破る人もいるけど、それは稀有。
そして、夏木。来ちゃいましたか。
なんだろう、この脱力感。←褒めてます(笑)
優勝以外の結果が許されない試合にブランがサプライズメンバーで臨んだ意図は?
次巻も楽しみ!
不在なのに持田の存在感が半端ない。
だからこそ、城田の横に持田がいないのはやっぱり淋しい。
いつか、彼が世界で戦う姿を見てみたい。
そして、いよいよワールドカップが間近になってきましたね。
さて。
私の大本命の国はどんな試合を見せてくれるのか。
わくわくします♪
「運命ではありません」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
「運命」なんて後付けの理由に過ぎなくて。
人と人との関わり方は、
出逢った二人がその後どういう関係性を築き、
どうやって気持ちを通わせあっていくか、というところに重きがある。
劇的に迸る熱量はなくとも、こうやってフラットに育まれていく想いだってある。
楡と澄。
楡に作為があった時の方が関係性がスムーズにいっていたのはあたりまえ。
それを取っ払ってどう向き合うか。
振り回された澄が気の毒な気もするけど、
彼がそれを良しとした瞬間からその作為すらきっかけになる。
結局は当人同士がどう捉えるか、なのかな。
大事なのは運命じゃなくて出逢い。多分ね。
個人的には公と真子ちゃんの関係が微笑ましくて、
無事に式を挙げた二人がとても素敵だと思った。
お幸せに☆
そして、部屋の中に虫を見つけたら反射的に抹殺する自分をちょっと反省してみました。
でも芋虫の飼育は多分無理!
「GIANT KILLING 46」ツジトモ (モーニング KC)
ブランの日本代表選考基準。
いいね。わくわくする。
責任の重さを自覚して、それに見合う働きができること。
これは会社でも通用する。
手を抜くことは簡単だけど、我武者羅に頑張りつづけることは意外と難しい。
責任を自覚した椿の中央突破はお見事。
彼はこの先、もっと強くなる。
蛯名の熱血っぷりは嫌いじゃない。
監督同士のやりとりもこの漫画はおもしろい。
ダルファーに対する達海の大人げなさは笑えるレベル。
そして、蛯名の達海をリスペクトするモノローグに感動した後に抱いた淋しさ。
「その日」までは存分に楽しませてもらおう。
まだシーズンは終わっていないのだから。
次回からはアジアカップ!
「みんなをワクワクさせて、誰もが応援したくなる」試合を。是非!
「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ (集英社文庫)
存在。そこに在るもの。
その価値の重さや軽さは結局は主観でしかなくて、
それが正しいのかを論じることに意味はない。
変革に揺れる国に在って、彼らが突き詰めたものは、
自らの思いや快楽に忠実であること。
社会人としては敬意を抱けても、夫としてはどうなの?と思ったトマーシュ。
私的にはまっぴらだと思ったテレザの立ち位置。
そんな彼らの人生は幸せだったのか否か?
ずっと考えながら読みつづけていたけれども。
得られると思っていなかった彼らなりの答えを最後の最後に示してくれて、
ジワッときた。
人生は一度きり。
結局はそこに帰結する。
やりきりたいね。
とても深い作品。
だけど、何が深いかを端的に説明することは、今の私にはできない。
再読必須。
ガーディアンに挙げられていなかったら、手に取ることはなかったと思う。
出逢えて良かった。
「海嶺 神尾シリーズ6」北方謙三 (集英社文庫)
これまでの展開から想起させられる≪起こり得る事態≫を覚悟して読み始め、
バカげた試練に身を投じなければない事態に激しく憤る。
だが、裏切られる。
その覚悟は、見事なまでに覆され、
まさかの展開に込み上げる想いを噛みしめる。
心憎いよ、北方。
血の柵を背負った、国籍の異なる少年・マリオとの出逢い。
自由を手に入れるために戦うことを決意したマリオ。
彼と係わっていく中で、死んでもいいと思っていた神尾の胸に芽生えた想い。
「生きたい」
これ大事。とても大事。
シリーズ最終話でこの想いを神尾から引き出せたことに、
とても大きな意味がある。
そして私は成長した秋月の姿にちょっと悲しくなった。
八木も指摘していた。「いい変わり方じゃない」と。
強くなってほしかった。
そう願った通り、強くなった秋月。
だけど、そうじゃない、と。
私の心は軋んだ。
イイ男には変わらないんだけどね。
負う必要のない業まで背負いこんでしまいそうな強さが辛い。
だけど、彼は言うのだ。
「これは俺の選択だ」と。
誰にも責任をなすりつけない強さと潔さ。
それは。この物語の誰もが備えていた気質。
「きみがいるなら世界の果てでも」榎田尤利 (ビーボーイノベルズ)
東海林に寄りかかりっぱなしの自分をなんとかしようと
生活改善(?)を試みた二木。
やることなすことありえないくらいに裏目に出てしまったは、
上手くいっている二人関係を、
当人同士の話し合いもないまま、他人の意見でどうにかしようとした結果なんだと思う。
結果、自立しきれずにかつての先輩、甘利の所に身を寄せる二木。
日頃完璧な男・東海林が晴天の霹靂の如く、フラれて生活が荒れる様は、
ぶっちゃけ妙な色気や隙があってクルものがありましたが☆(鬼)
二木は東海林じゃなければ心が死んでしまう。
東海林も二木がいなければダメになる。
命懸けで確かめあった二人。お幸せに☆
シリーズ最終話は関連するキャラが総出でお得感満載。
二木の比じゃないくらい片付けられない人の所有するビルを解体するために
片付けないといけなくなった友だちの話を聞いて
気絶しそうになったのは私。
ゴミ袋に突っ込んでいく端から「これは必要なモノ」と出されるという恐ろしいエンドレス。