きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「デルフィニア戦記8 風神の群雄」茅田砂胡(C・NOVELS)
リィの人ならぬものとしてのどんな側面を見せられても、動じないウォルがとても素敵。
並び立つ二人が率いる国がいつまでも続くことを願うけれども。
「別れ」という老婆の言葉。
とうとう実態を伴った異世界の者たち。
リィが「こちら側」の世界の者ではないことを、あらためて突きつけられた巻でもありました。
今回はイヴンの立ち回り方が底抜けにカッコよかった。
喧嘩友達のバルロも認めるほどの漢気。
そしてタウの山賊たちの働きっぷりも心憎いかっこよさ。
あちらこちらで結婚話が持ち上がるデルフィニアだけど、
隣国からはきな臭い匂いしか漂ってきません!
続きが気になる……
内容(「BOOK」データベースより)
王子が敵の手に落ち、意気消沈するタンガの陣に国王ゾラタス率いる援軍が到着した。迎え撃つデルフィニア国王ウォル。両国の王を将とした大軍が国境の砦をはさんで対峙するパラストを加えた大華三国は三つどもえの戦乱に突入するのか。デルフィニア王妃リィの存在がすべての『鍵』を握っている。
「機龍警察 火宅」月村了衛(早川書房)
様々な事象が凝縮された短編集。読み応え抜群。
「火宅」彼にそこまでさせたのは、警察組織の歪か、彼自身の歪か。ゾクリとする読後。
「焼相」見事な連携プレイ。
「輪廻」やるせないアフリカ少年兵の悲劇。人は人に対して何故そこまで残虐になれるのか?
「済度」この瞬間からライザは独りきりではなくなったのだと思う。
「雪娘」殺されたところで文句の言えない下種二人。
「沙弥」人は偏見を捨てられない生き物。だけど、そうじゃない人もいることを忘れないで。
「勤行」宮近の受難。笑ってしまった。
「化生」これからの展開につながるおぞましさを感じさせつつ終幕。
次作はガツンとした長編希望。
内容(「BOOK」データベースより)
最新型特殊装備“龍機兵”を擁する警視庁特捜部は、警察内部の偏見に抗いつつ国際情勢のボーダーレス化に連れて変容する犯罪に日夜立ち向かう―由起谷主任が死の床にある元上司の秘密に迫る表題作、特捜部入りする前のライザの彷徨を描く「済度」、疑獄事件捜査の末に鈴石主任が悪夢の未来を幻視する「化生」など、吉川英治文学新人賞&日本SF大賞受賞の“至近未来”警察小説、珠玉の傑作短篇集。
「デルフィニア戦記7 コーラルの嵐」茅田砂胡(C・NOVELS)
人を殺す手段は各種様々あるけれども。
「どうして噛み殺してはいけないんだ?」
はっとさせられる問いかけ。
それは、リィの生きてきた世界の過酷さを表す言葉。
生きるために剣で殺すこと噛み殺すことの違いは……?
ちょっと考えさせられました。
隣国の策略を跳ね除けるための対策として持ち上がったリィとウォルの婚姻話。
リィが隠してきた己の一面をウォルに見せたことによって、
二人の間に緊張が走るけれども。
挿絵の二人の笑顔にほっと胸をなでおろしました。
婚礼の最中に届けられた隣国からの宣戦布告。
婚礼衣装のまま戦いの場に赴く二人が本当に大好きです。
ああ、でも好きキャラこの人!と、まだ特定できない。
みんながみんな魅力的。
内容(「BOOK」データベースより)
国王に押しかけ愛妾出現。王女にタンガの皇太子との縁談。日頃は剛胆なウォルも無敵のリィも敵国の策略を知って激怒した。この事態に対抗すべく国を挙げリィとウォルの婚姻が敢行される。だが、厳粛な式の最中、タンガから宣戦布告が届けられた―剣を取れ。国王の大音声が響きわたる。
「デルフィニア戦記6 獅子の胎動」茅田砂胡(C・NOVELS)
起こっている事象の一つ一つは深刻なんだけど、
渦中にいる人たちの性格故か、とっても楽しい読書時間です。
王宮が化け物屋敷で、国王が最大級の親玉。
比喩がいちいち面白すぎるし、遠慮のない言葉の応酬は
なんだか胸がすく爽快感があります。
お忍びで5階分の壁をよじ登る国王はめったにお目にかかれないだろうなぁ。
ウォルの国王としての器の深さは底抜けだと思う。
固い信頼を寄せ合うバルロとナシアス。
お互いがお互いを案じて「馬鹿」といいあうシーン好きだわ。
結果仲良く(?)北の塔へ。
彼らを慕う騎士団たち。
戦いの描写もは臨場感があってドキドキ。
新たな不穏分子の登場で次巻へ。
ヴァンツァーのこれからがとっても気になります。
内容(「BOOK」データベースより)
騎士バルロが出撃する叔父のマグダネル卿を討つために―。国内に争乱を呼ぶサヴォアー族の内粉とは、主家失脚を企む卿とその陰謀を阻止せんとするバルロの対立であった。卿の背後にはデルフィニアを狙う大国タンガとパラストが…。この危機を迎え討つべく国王は自ら行動を開始した。
「デルフィニア戦記5 異郷の煌姫」茅田砂胡(C・NOVELS)
ウォルが国を治めるようになって三年。
王国内でジリジリと燻っていた火種が、燃え上がろうとしていた。
国内の不穏分子の企みから、近隣諸国を巻き込んでのきな臭い情勢へ。
話が大きく動き始めると共に、
魔法街やおばばの出現でぐっとファンタジーよりになった感じ。
そもそも、王女のサロンで二日酔いになる程の飲み比べに挑む
国王・王女・独立騎兵隊体調のあり様が既にファンタジー。
彼らにはずっとこのままの関係でいてほしいなぁ。
バルロとイヴンのじゃれあい(?)も良いね。
皆の会話が本当に軽妙で楽しくて、思わず笑ってしまう感じがイイ。
さて。
この騒動をどう治めるのか。続きが楽しみ。
内容(「BOOK」データベースより)
デルフィニアの内乱に勝利してウォルは再び王座に就いた。黄金の戦女神と讃えられたリィもまた王女の称号を得て王宮に迎えられた。それから3年―平穏だった王都に暗雲が立ちこめる王宮に暗躍する謎の一族、リィをつけ狙う無気味な暗殺者、公爵家に不可解な挙兵の気配。陰謀を察知したウォルの決断とは。
「デルフィニア戦記4 空漠の玉座」茅田砂胡(C・NOVELS)
カリンの毅然とした、だが、悲痛な叫びが胸に刺さる。
剣がなくとも存分に闘えることを身を以て証明した彼女によって暴かれるペールゼンの罪。
そして巻き起こる混乱。
いぶし銀好きの私としては、タウの頭目のダンディなかっこよさに惚れ惚れでした。
リィのおみやげって……おみやげって!
これはリィとイヴンにしかできない戦い方だよね。
緊迫感にドキドキしつつも、所々で爆笑させられました。
終始一貫して己の義を貫いたウォル。
無事にコーラルを奪還し、一連の騒動は一段落。
この後、どんな物語が待ち受けているのか。
続きを読むのがとっても楽しみです。
ナシアスとバルロのやり取りが微笑ましい。
でも、そのやり取りのきっかけとなった出来事を考えると胸が痛む。
親友同士が剣を向け合う日なんて、二度とこなければいい。
内容紹介
ついに王都コーラルの目前に迫った国王軍だったが、宿敵ペールゼンによってウォルの出生に疑問が投げかけられた。混乱する国王軍に襲いかかるティレドン騎士団。コーラル奪回篇完結。
「白亜宮の陰影 デルフィニア戦記3」茅田砂胡(C・NOVELS)
並々ならぬ覚悟で救い出した伯爵とウォルとの最期の時間があまりにも哀しい。
父と息子と。
ただ、それだけの間柄で良かったはずなのに。
二人の間にはあまりにもいろいろなものが介在しすぎて、やるせなさすぎる。
でも、間に合ってよかった。
それが別れの言葉を交わすための時間だったとしても。
友であり、同士でもあるリィとウォルの間に漂う空気感がたまらなく好き。
そしてさらに立ち込める暗雲。
「血筋」につくのか「人」につくのか。
ウォルと共に戦ってきたドラ将軍やナシアスの決意には胸が打たれた。
嵐の渦中にあってもウォルとリィは揺らがない。
譲れないもののために、前に進むのみ。
内容(「BOOK」データベースより)
緒戦の大勝利にもかかわらずウォルの陣幕は沈んでいた。王冠を棄て軍を解散せよ、さもなくばフェルナン伯爵の命は保証しない―。大義のため養父を見捨てるかペールゼン侯爵の専横に屈するか。苦悩の選択を迫られたウォルは逆転を賭してリィに伯爵救出を託した。難攻不落のコーラル城リィはその最深部を見指すが…。
「Don't touch me」一穂ミチ(ディアプラス文庫)
連から長谷川への触るな。
長谷川から蓮への触るな。
二つ目の「触るな」で、絶妙のタイトルだと思った。
それでも、連が制止を振り切って長谷川の元に歩み寄る一連の描写がすごく好き。
溢れる気持ちが伝わってくる。
上手くまとまったかと思った二人のその後の擦れ違い。
価値観の違い、小さな諍い、感情の縺れ。
怒って、臆病になって、やっぱり失くしたくなくて、勇気を出して逢いに行って。
情景描写も然ることながら、そんな当たり前の心理描写がリアルに伝わってくるから、
この日常の延長上に彼らがいるような気持ちにさせられる。
連のちょっとずれたぶれなさ加減が面白かった。
内容(「BOOK」データベースより)
製薬会社でオゾン消臭剤の研究をしている連は、同僚の代理で無理矢理合コンに参加させられる。潔壁症ぎみなせいもあり、悪酔いしたところを、やはり代理で合コンに参加していた長谷川に介抱される。翌朝、長谷川宅で目覚めた連は気まずさを覚えるが、彼の笑顔も家も居心地がよくて、思いがけず楽しい時間を過ごす。そして数時間後、仕事相手として長谷川と再会するけれど―?大人たちのイノセント・ロマンス。
「土漠の花」月村了衛(幻冬舎)
【たとえ、どんなに辛くても、私は生きて戦わねばいけません】
戦わなければ殺される、という現状に否応なく巻き込まれた自衛官たち。
正義の為でもなく、大義の為でもなく、ただ、生き延びるための戦いが、
いつしか仲間たちの命を繋ぐための戦いへと変化していくにつれ、
彼らの在り方が、その行動が、いたたまれなくなってくる。
もしもこの戦いがなければ、友永と新開は分かり合えなかったかもしれない。
由利と梶谷も距離を置いたままだったかもしれない。
だけど、分かり合い、認め合えた彼らがそこにいる。
だからこそ、彼らの未来が見たかった。
共に肩を並べて歩む未来を。
この仲間たちと会えて良かった。
違った状況で、言ってほしかった。
この作者は人と人との在り方を描くのが、本当にうまいなぁ、と思います。
内容(「BOOK」データベースより)
ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、壮絶な撤退戦の幕があがった。圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を剥く。最悪の状況のなか、仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。なぜここまで激しく攻撃されるのか?なぜ救援が来ないのか?自衛官は人を殺せるのか?最注目の作家が、日本の眼前に迫りくる危機を活写しつつ謳いあげる壮大な人間讃歌。男たちの絆と献身を描く超弩級エンターテインメント!